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次の文を読み41~43の問いに答えよ
Aさん(35歳、女性)は結婚を機に実家から隣のB市に移り、B市で夫と長女(5か月)と暮らしている。Aさんは長女を連れ、B市が実施する乳児相談会に参加した。月に1回開催されている乳児相談会では、乳児の身長・体重測定および相談や参加者との交流を行っており、長女は順調に成長している。Aさんは「学生時代に親戚の子どもに接した経験が少しあるだけで、初めての育児に不安があります」と話し、表情がさえない。
保健師がAさんに話を聞くと、Aさんは母親の手料理と手作りのおやつを食べて育ち離乳食づくりに自信がなく、育児を楽しめていないことが分かった。
41 保健師のAさんへの対応で最も適当なのはどれか。
1.離乳食教室への参加を勧める。
2.簡単に作れる離乳食のレシピを渡す。
3.Aさんが考える育児について話を聞く。
4.母親に育児を手伝ってもらうことを勧める。
解答3
解説
・Aさん(35歳、女性)
・結婚後:隣のB市で3人暮らし(夫、長女:5か月)
・長女:順調に成長。
・Aさん「学生時代に親戚の子どもに接した経験が少しあるだけで、初めての育児に不安」と話し、表情がさえない。
・Aさん「母親の手料理と手作りのおやつを食べて育ち離乳食づくりに自信がなく、育児を楽しめていない」。
→ほかの選択肢の消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 離乳食教室への参加を勧めるより優先度が高いものが他にある。なぜなら、Aさんは「離乳食づくりに自信がない」と述べているものの、同時に「初めての育児に不安」「育児を楽しめていない」という、より広範な不安や感情も抱えているため。まずは、Aさんの広範な不安・感情を受け止め、話を聞くことが先決である。その上で、具体的な支援(離乳食教室など)を提案する。
2.× 簡単に作れる離乳食のレシピを渡すより優先度が高いものが他にある。なぜなら、Aさんは「離乳食づくりに自信がない」と述べているものの、同時に「初めての育児に不安」「育児を楽しめていない」という、より広範な不安や感情も抱えているため。まずは、Aさんの広範な不安・感情を受け止め、話を聞くことが先決である。その上で、具体的な支援(簡単に作れる離乳食のレシピを渡すなど)を提案する。
3.〇 正しい。Aさんが考える育児について話を聞く。なぜなら、Aさんは「初めての育児に不安」「育児を楽しめていない」という、より広範な不安や感情も抱えているため。まずは、Aさんの気持ちや考えを傾聴し、共感的に理解を示し、Aさんの安心感、信頼関係を築く。
4.× 母親に育児を手伝ってもらうことを勧めるより優先度が高いものが他にある。なぜなら、Aさんは母親の手料理と比較して自信をなくしている側面があるため。安易に母親の手伝いを勧めると、かえってAさんの自信を損ねたり、母親への依存心を強めたりする可能性がある。また、母親が手伝える状況かどうかも不明であり、Aさん自身の意向や家族関係を確認せずに外部の支援を勧めるのは時期尚早である。
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Aさん(35歳、女性)は結婚を機に実家から隣のB市に移り、B市で夫と長女(5か月)と暮らしている。Aさんは長女を連れ、B市が実施する乳児相談会に参加した。月に1回開催されている乳児相談会では、乳児の身長・体重測定および相談や参加者との交流を行っており、長女は順調に成長している。Aさんは「学生時代に親戚の子どもに接した経験が少しあるだけで、初めての育児に不安があります」と話し、表情がさえない。
保健師がAさんに話を聞くと、Aさんは母親の手料理と手作りのおやつを食べて育ち離乳食づくりに自信がなく、育児を楽しめていないことが分かった。
42 翌月の乳児相談会に参加したAさんは表情が硬かった。気になった保健師が声をかけると「夫の帰りが毎晩遅く、週末も家にいないことが多いです。私1人で家事や子どもの世話をするのはとても大変です」と涙を流しながら話した。
保健師のAさんへの声かけで適切なのはどれか。
1.「参加者の皆さんと困っていることの解決策を考えましょう」
2.「大変なのは今だけですからAさんなら大丈夫ですよ」
3.「ご家族で家事や子育ての役割分担を決めましょう」
4.「別室でゆっくりお話を聞かせてもらえますか」
解答4
解説
・Aさん(35歳、女性)
・結婚後:隣のB市で3人暮らし(夫、長女:5か月)
・翌月の乳児相談会:Aさんの表情硬い。
・Aさん「夫の帰りが毎晩遅く、週末も家にいないことが多いです。私1人で家事や子どもの世話をするのはとても大変です」と涙を流しながら話した。
→ほかの選択肢の消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 「参加者の皆さんと困っていることの解決策を考えましょう」と伝える必要はない。なぜなら、家族の事情は繊細(デリケート)な問題であるため。本人の同意なく、他の参加者がいる前でこの話題を取り上げることは、プライバシーの侵害にあたり、Aさんをさらに傷つけたり、困惑させたりする可能性がある。
2.× 「大変なのは今だけですからAさんなら大丈夫ですよ」と伝える必要はない。なぜなら、Aさんが感じている「大変さ」や辛い気持ちを軽視し、根拠なく励ます言葉(安易な励まし)となっているため。明日には解決するといった確証もない発言となっている。
3.× 「ご家族で家事や子育ての役割分担を決めましょう」と伝える必要はない。なぜなら、夫の帰りが毎晩遅く、週末も家にいないことが多いのは、夫なりの理由があるため。また、Aさんは、「1人で家事や子どもの世話をするのはとても大変」と言っているが、具体的な方法や手段も評価できていない。家族事情やAさんの遂行能力の評価をしてから、役割分担が推奨されるか判断するべきである。
4.〇 正しい。「別室でゆっくりお話を聞かせてもらえますか」と声かけする。なぜなら、Aさんは乳児相談会という公の場で、涙ながらに個人的な悩みを打ち明けているため。最も優先すべきことは、Aさんのプライバシーを守り、他の参加者の目を気にせず安心して話せる環境を確保することである。
次の文を読み41~43の問いに答えよ
Aさん(35歳、女性)は結婚を機に実家から隣のB市に移り、B市で夫と長女(5か月)と暮らしている。Aさんは長女を連れ、B市が実施する乳児相談会に参加した。月に1回開催されている乳児相談会では、乳児の身長・体重測定および相談や参加者との交流を行っており、長女は順調に成長している。Aさんは「学生時代に親戚の子どもに接した経験が少しあるだけで、初めての育児に不安があります」と話し、表情がさえない。
保健師がAさんに話を聞くと、Aさんは母親の手料理と手作りのおやつを食べて育ち離乳食づくりに自信がなく、育児を楽しめていないことが分かった。
43 2か月後の乳児相談会に参加したAさんは「離乳食が順調に進んでいる」と笑顔で話した。一方で、「これからも子どもの成長とともに、不安なことが出てきそう。もともと友達づくりが苦手な性格で、今も相談できる友達がいない」と話した。
保健師がAさんに勧める内容で適切なのはどれか。
1.子育て支援センターの利用
2.乳児相談会への参加の継続
3.保健師による電話相談の利用
4.近所の乳幼児が遊べる公園の利用
解答1
解説
・Aさん(35歳、女性)
・結婚後:隣のB市で3人暮らし(夫、長女:5か月)
・2か月後:Aさん「離乳食が順調に進んでいる」と笑顔。
・一方、「これからも子どもの成長とともに、不安なことが出てきそう。もともと友達づくりが苦手な性格で、今も相談できる友達がいない」と。
→ほかの選択肢の消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.〇 正しい。子育て支援センターの利用を勧める。なぜなら、Aさんは初めての育児に対する不安を抱えており、「今も相談できる友達がいない」と言っているため。
・子育て支援センターとは、原則、乳幼児の子どもと子どもを持つ親が交流を深める場である。市区町村ごとに、公共施設や保育所、児童館などの地域の身近な場所で、乳幼児のいる親子の交流や育児相談、情報提供などを行っている。子育てをしている家庭の支援活動を行う施設であり、保護者にとっては、育児に関する不安の相談に総合的に応じてくれる心強い施設である。
2.× 乳児相談会への参加の継続を勧める優先度は低い。なぜなら、Aさんの長女は7か月で乳児期の後期であるため。また、Aさんは「これからも子どもの成長とともに、不安なことが出てきそう」と言っている。今後の見据え、乳児期以降の相談もでき、より幅広い年齢の子どもや多様なプログラムがある場所の方が適している可能性が高い。
・乳児相談会とは、1歳になるまでの赤ちゃんを対象に、育児相談・栄養相談・発達相談・歯科相談等を行っている。
3.× 保健師による電話相談の利用を勧める優先度は低い。なぜなら、Aさん「もともと友達づくりが苦手な性格で、今も相談できる友達がいない」と言っているため。電話で専門的なアドバイスは得られても、同じ立場の親との共感や情報交換、気軽な雑談といった「仲間づくり」にはつながりにくい。したがって、今後を見据えた時、「保健師との電話相談」より友達との交流を優先される。
4.× 近所の乳幼児が遊べる公園の利用を勧める優先度は低い。なぜなら、公園を利用したところで、確実に友達ができるとはいえないため。また、Aさんは「もともと友達づくりが苦手な性格」である。現在、支援されている状態であることからも、公園という公共の場で、自ら積極的に声をかけての友達づくりは難易度が高いと考えられる。
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
人口2万人のA市にあるB地区は人口300人、老年人口割合は45%で単身の高齢者世帯が増加している。2年前に300戸の温泉付きのマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。近所付き合いが少ないため、1人暮らし世帯の入居者が死後1か月以上経って発見されることがあった。現在は高齢夫婦世帯が多いが、今後は配偶者の死亡によって1人暮らし世帯が増加する見込みである。保健師は住民と協働し、安心して暮らせるB地区になるよう取り組むことにした。まず、保健師は地域の実態把握を行うことにした。
44 B地区の健康課題を明らかにするために情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。
1.A市の老人クラブの参加者
2.マンションの管理組合の長
3.B地区の民生委員
4.B地区の開業医
解答3
解説
・人口2万人のA市にあるB地区:人口300人、老年人口割合45%、単身の高齢者世帯が増加。
・2年前:300戸の温泉付きのマンションが建設。
・入居者:平均年齢67.2歳、都市部の会社を定年退職した者が多い。
・近所付き合いが少ない。
・1人暮らし世帯の入居者:死後1か月以上経って発見されることもある。
・現在:高齢夫婦世帯が多いが、今後は配偶者の死亡によって1人暮らし世帯が増加する見込み。
・取り組み:住民と協働し、安心して暮らせるB地区になる。
→ほかの選択肢が消去される理由もあげられるようにしよう。
1.× A市の老人クラブの参加者より優先度が高いものが他にある。なぜなら、情報が偏る可能性があるため。 A市全体の老人クラブの参加者は、必ずしもB地区の住民ではなく、B地区特有の課題(特にマンション住民の孤立など)について詳しいとは限らない。また、老人クラブに参加している高齢者は比較的活動的であり、B地区全体の高齢者像(特に孤立しがちな人)を代表しているとはいえない。
・老人クラブとは、地域を基盤とした高齢者が自主的に集まって活動する組織である。老人会、老人クラブ、シニアクラブ、敬老会ともいう。
2.× マンションの管理組合の長より優先度が高いものが他にある。なぜなら、情報が偏る可能性があるため。 マンションの管理組合の長は、マンション住民個々の生活状況や健康課題、あるいはB地区全体の状況まで把握しているとは限らない。情報がマンション内部の、しかも運営面に関することに偏る可能性がある。
3.〇 正しい。B地区の民生委員の情報を収集する優先度が高い。なぜなら、民生委員は、担当地区の住民の生活状況を把握し、相談に乗ることが法的な役割として定められており、特に高齢者や支援が必要な世帯の状況に精通している可能性が高いため。したがって、本設問でのB地区全体の状況(マンション住民とそれ以外の住民を含む)について、福祉的な視点からの情報を得られる可能性が最も高い。
・民生委員とは、日本独自の制度化されたボランティアである。地域社会の福祉の増進図っている。任期は3年で都道府県知事の推薦を受けて厚生労働大臣に委嘱されたものである。市町村の各地区に配置され、①住民の生活状況の把握、②関係機関との連携、③援助を要するものヘの相談援助を主な役割とする。根拠法令は「民生委員法」で給与の支給はない。
4.× B地区の開業医より優先度が高いものが他にある。なぜなら、情報が偏る可能性があるため。開業医は、B地区住民全体の健康課題や、特に医療機関を受診していない人(孤立している人など)の生活状況を把握しているとは限らない。情報が医療的な側面や通院患者に偏る可能性がある。
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
人口2万人のA市にあるB地区は人口300人、老年人口割合は45%で単身の高齢者世帯が増加している。2年前に300戸の温泉付きのマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。近所付き合いが少ないため、1人暮らし世帯の入居者が死後1か月以上経って発見されることがあった。現在は高齢夫婦世帯が多いが、今後は配偶者の死亡によって1人暮らし世帯が増加する見込みである。保健師は住民と協働し、安心して暮らせるB地区になるよう取り組むことにした。まず、保健師は地域の実態把握を行うことにした。
45 保健師はB地区のマンションの入居者の世代や背景が似ていることに着目し、入居者が捉えているB地区の交流に関する課題を把握したいと考えた。
その方法として最も適切なのはどれか。
1.地区踏査
2.電話インタビュー
3.インターネットアンケート
4.フォーカス・グループインタビュー
解答4
解説
・着目:B地区のマンションの入居者の世代や背景が似ている。
・入居者が捉えているB地区の交流に関する課題を把握したい。
→ほかの選択肢が消去される理由もおさえておこう。
1.× 地区踏査より優先度が高いものが他にある。なぜなら、住民が「捉えている課題」という内面的な認識や意見を直接把握することはできないため。
・地区踏査とは、保健師などが実際に地域を歩き、物理的な環境(道路、住宅、施設など)や住民の様子を観察して情報を得る方法である。住民が「捉えている課題」という内面的な認識や意見を直接把握することはできません。
2.× 電話インタビューより優先度が高いものが他にある。なぜなら、同時に複数の人々の間の対話や意見の交換を促すことができないため。今回の課題把握は、「入居者が捉えているB地区の交流」である。他の入居者との相互作用の中で生まれる意見や共感、新たな視点を引き出すことが有効である。したがって、電話インタビューは、テーマに対する多面的な意見の獲得にはつながりにくいことが考えられる。
3.× インターネットアンケートより優先度が高いものが他にある。なぜなら、現時点において、インターネットが使用できる高齢者は限られるため。そのため、回答者が偏り、調査結果にバイアスが生じる可能性が高い。また、アンケートは事前に用意された質問に答える形式であり、参加者の相互作用や深掘りには不向きである。
4.〇 正しい。フォーカス・グループインタビューが最も優先度が高い。なぜなら、参加者同士の発言が刺激となり、多様な意見や潜在的な認識、共通の課題などが明らかになりやすいため。「入居者が捉えている課題」を深く理解することにつながる。
・フォーカス・グループインタビューとは、少人数(5~6名程度)のグループを対象として座談会形式でインタビューを行い、幅広い情報を引き出そうとするグループ・ダイナミクスを利用した質的な情報把握の方法である。長所として、①潜在的・顕在的な情報把握や新しい考えを引き出すことができる。②参加者の自由な意見交換により共通のニーズを質的に把握できる。一方、短所として①参加者や司会者の選定により、バイアスが生じる可能性がある。②人前で話しにくいテーマ(性感染症など)では本音を引き出しにくい。本問題に関して、参加者が少人数でバイアスがかかりやすいため優先度は低い。