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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。
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105回 午前
80 トリアージタグを装着する部位の優先順位で適切なのはどれか。
1.頸部→右手→左手→右足→左足
2.頸部→左手→左足→右手→右足
3.右手→右足→左手→左足→頸部
4.右手→左手→右足→左足→頸部
5.左手→右手→左足→右足→頸部
解答4
解説
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
トリアージタッグは、装着に支障がある部位を避け「右手→左手→右足→左足→頚部」の順に装着する。トリアージタッグとは、患者名・重症度・傷病名を記入して、トリアージの区分を示すものである。したがって、選択肢4.右手→左手→右足→左足→頸部が正しい。
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
106回 午後
25 災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。
1.脱臼
2.気道熱傷
3.足関節捻挫
4.過換気症候群
解答2
解説
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
1.3~4.× 脱臼/足関節捻挫/過換気症候群は、軽症群(緑色)の軽易な傷病となる。専門医の治療をほとんど必要としないものに分類される。
2.〇 正しい。気道熱傷は、災害時に最も優先して治療を行う。なぜなら、トリアージの分類では、緊急治療群(赤色)で、直ちに処置を行えば救命が可能であるため。
106回 午後
63 災害医療におけるトリアージについて正しいのはどれか。
1.傷病者を病名によって分類する。
2.危険区域と安全区域を分けることである。
3.医療資源の効率的な配分のために行われる。
4.救命が困難な患者に対する治療を優先する。
解答3
解説
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
1.× 傷病者を、「病名」ではなく緊急度・重症度によって分類する。トリアージは、患者の状態により、重症群、中等症群、軽症群、死亡群(救命が困難な患者)に分けて、重症群から順に治療を行う。トリアージタッグの色は、それぞれ赤、黄、緑、黒色である。
2.× 「危険区域と安全区域」ではなく、傷病者を緊急性や重症度によって分けることである。ちなみに、危険区域などを記したものはハザードマップである。
3.〇 正しい。医療資源の効率的な配分のために行われる。なぜなら、災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため。トリアージによって医療資源を効率的に配分し、最善の救命効果を得ることが期待されている。
4.× 「救命が困難な患者(死亡群あるいは救命困難群)」ではなく、重症群に対する治療を優先する。トリアージは、患者の状態により、重症群、中等症群、軽症群、死亡群(救命が困難な患者)に分けて、重症群から順に治療を行う。トリアージタッグの色は、それぞれ赤、黄、緑、黒色である。
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
108回 午後
22 赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。
1.死亡群
2.保留群
3.最優先治療群
4.待機的治療群
解答3
解説
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
1.× 死亡群は、黒色に分類される。直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能なもの、または既に死亡しているものを指す。
2.× 保留群は、緑色に分類される。歩行可能など、専門医の治療をほぼ必要としないものを指す。
3.〇 正しい。最優先治療群は、赤色に分類される。直ちに処置を行えば、救命が可能なものを指す。
4.× 待機的治療群は、黄色に分類される。多少治療の時間が遅れても生命には危険がないものを指す。生命・四肢が危機的状態にあるが、基本的にはバイタルサインが安定しているものである。
110回 午後
71 災害時のトリアージで正しいのはどれか。
1.トリアージタッグは衣服に装着する。
2.治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。
3.トリアージの判定は患者の到着時および到着後30分の2回行う。
4.最優先に治療を必要とする者には、黄色のトリアージタッグを装着する。
解答2
解説
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
1.× トリアージタッグは、「衣服」ではなく体(右手首)に直接に装着する。なぜなら、外れることがないようにするため。基本的に右手関節に装着し、右手に装着できない場合は、「左手→右足→左足→頚部」の順で装着する。
2.〇 正しい。治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。トリアージタッグの色(区分)では、赤(Ⅰ)、黄(Ⅱ)、緑(Ⅲ)の順に治療の優先度が高い。ちなみに、黒(0)は治療対象外である。黒(0)は直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能なもの又は既に死亡しているものにつけられる。
3.× トリアージの判定は、「患者の到着時および到着後30分の2回行う」といった規定はない。トリアージの判定は、まず現場で行われる。その後、治療が開始されるまで、繰り返しトリアージの判定を行う。災害時におけるトリアージではきわめて早い判断が要求されるため、 1人の患者につきおよそ30秒以内に、搬送・治療優先順位決定のための評価を行うよう求められる。
4.× 最優先に治療を必要とする者には、「黄色」ではなく赤色のトリアージタッグを装着する。ちなみに、黄色は準緊急治療群で「①多少治療の時間が遅れても生命には危険がないもの、②基本的にはバイタルサインが安定しているもの」である。
111回 午前
75 災害発生時に行うSTART法によるトリアージで最初に判定を行う項目はどれか。
1.意識
2.呼吸
3.循環
4.歩行
解答4
解説
START法(Simple Triage and Rapid Treatment法)とは、フローチャートに従って、歩行可能な患者は緑に区分し、歩けない患者のABCDを評価し、赤、黄、黒に区分していく方法である。この際、迅速性が求められるため、緊急処置は行わない(例外として、気道確保、圧迫止血は行う)。
①歩行の可否
②呼吸の有無
③呼吸数
④循環
⑤意識レベル
1.× 意識は、最後に確認する。簡単な指示に応じれる場合は、「黄色(Ⅱ:準緊急)」である。簡単な指示に応じれない場合は、「赤(Ⅰ:緊急)」である。
2.× 呼吸は、歩行の後に確認する。①自発呼吸がなく、気道確保しても呼吸ない場合は「黒(0:死亡)」である。②自発呼吸がなく、気道確保し呼吸があった場合は「赤(Ⅰ:緊急)」である。自発呼吸がある場合は、呼吸数の判断にうつる。
3.× 循環は、呼吸の後に確認する。①脈拍120拍/分以上、もしくは触れない場合は「赤(Ⅰ:緊急)」である。②脈拍120拍/分未満の場合は最後の意識を確認する。
4.〇 正しい。歩行が災害発生時に行うSTART法によるトリアージで最初に判定を行う項目である。
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
112回 午後
問題71 災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。
1.地域災害拠点病院は市町村が指定する。
2.災害対策基本法に防災計画の作成が規定されている。
3.トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。
4.災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。
解答2
解説
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
1.× 地域災害拠点病院は、「市町村」ではなく都道府県が指定する。基幹災害医療センター(基幹災害拠点病院)は、各都道府県に原則1か所以上、地域災害医療センター(地域災害拠点病院)は、二次医療圏ごとに原則1カ所以上整備される。
2.〇 正しい。災害対策基本法に防災計画の作成(34条)が規定されている。第三章 防災計画(防災基本計画の作成及び公表等)第三十四条 中央防災会議は、防災基本計画を作成するとともに、災害及び災害の防止に関する科学的研究の成果並びに発生した災害の状況及びこれに対して行なわれた災害応急対策の効果を勘案して毎年防災基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。2 中央防災会議は、前項の規定により防災基本計画を作成し、又は修正したときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、並びに指定行政機関の長、都道府県知事及び指定公共機関に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない(※引用:「災害対策基本法」e-GOV法令検索様HPより)。ちなみに、災害対策基本法とは、①防災計画の作成、②災害予防、③災害応急対策、④災害復旧および防災に関する財政金融措置など、災害対策の基本を定めている。国民の生命、身体及び財産を災害から保護し、もって、社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とした法律である。
3.× トリアージは、「救命困難な患者」ではなく「直ちに処置を行えば救命可能な患者(第1順位:最優先治療群)」の治療を優先するために行う。トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
4.× 被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行うのは、「災害派遣医療チーム〈DMAT〉」ではなく災害派遣精神医療チーム: DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)である。災害派遣精神医療チームとは、災害時、災害ストレスの対応に特化した主に精神科医師・看護師・業務調査員などで構成されたチームのことである。先遣隊を構成する医師は、精神保健指定医でなければならない。先遣隊以外の班を構成する医師は、精神保健指定医であることが望ましい。構成員については、現地のニーズに合わせて、児童精神科医・薬剤師・保健師・精神保健福祉士や臨床心理技術者などを含めて適宜構成される。 DPAT活動3原則として、以下のSSS(スリーエス)が挙げられる。①Self-sufficiency:自己完結型の活動、②Share:積極的な情報共有、③Support:名脇役であれ、である。
災害拠点病院とは、災害発生時(地震・津波・台風・噴火など)に災害医療を行う医療機関を支援する病院のことである。平成8年に当時の厚生省が定めた。医療救護活動の中核を担う病院で都道府県によって指定される。基幹災害医療センター(基幹災害拠点病院)は、各都道府県に原則1か所以上、地域災害医療センター(地域災害拠点病院)は、二次医療圏ごとに原則1カ所以上整備される。
【主な特徴】
・24時間緊急対応できる。
・被災地域内の傷病者の受け入れ・搬出が可能な体制を持つ。
・DMAT(災害派遣医療チーム)の派遣機能を持つ。
・搬送をヘリコプターなどを使用して行える。
・消防機関(緊急消防援助隊)と連携した医療救護班の派遣体制がある。
・自己完結型で医療チームを派遣できる資器材を備えている。
【DMAT(災害派遣医療チーム)の特徴】
定義:災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム。
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームである。
①都道府県の派遣要請に基づく。
②災害の急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性をもつ。
③主な活動は、広域医療搬送、病院支援、地域医療搬送、現場活動などである。
※(参考:「DMATとは」厚生労働省HPより)
113回 午前
23 トリアージタッグを下に示す。
待機的治療群となるトリアージタッグはどれか。(※不適切問題:採点対象外)
1.①
2.②
3.③
4.④
解答3(採点対象外)
理由:問題としては適切であるが、必須問題として妥当ではないため。
解説
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
1.× ①(黒)は、第4順位:不処置群にあたる。
2.× ②(赤)は、第1順位:最優先治療群にあたる。
3.〇 正しい。③(黄)は、待機的治療群(第2順位:非緊急治療群)となるトリアージタッグである。
4.× ④(緑)は、第3順位:軽処置群にあたる。