【5問】滅菌法についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

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106回 午前

21 オートクレーブによる滅菌法はどれか。

1.乾熱滅菌
2.プラズマ滅菌
3.高圧蒸気滅菌
4.酸化エチレンガス滅菌

解答3

解説

オートクレーブ滅菌とは?

高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。

1.× 乾熱滅菌とは、滅菌法の中で加熱法に分類される加熱乾燥空気で微生物を殺滅する滅菌法である。ガラス製、磁製、金属製など耐熱性の高い材質のものや鉱油、脂肪油、固形の医薬品など熱に安定なものが適している。オートクレーブと異なり、湿気が使用されない。
2.× プラズマ滅菌とは、過酸化水素とプラズマ発生装置を用いた滅菌方法である。錆びやすい医療機器や耐熱性のない医療機器も滅菌することができる。低温、低湿度、短時間で滅菌が可能で、手術器具などの医用器材を滅菌するのに用いられる。
3.〇 正しい。高圧蒸気滅菌は、オートクレーブによる滅菌法である。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。
4.× 酸化エチレンガス滅菌とは、温度や湿度の繊細な医療器具に適した滅菌方法である。酸化エチレンガスとは、比較的低い温度でも極めて強い殺菌力を発揮し、金属・非金属の区別なく利用できるため理想的な滅菌法として普及している。適用:カテーテル類、プラスチック製品、不織布、ゴム製品など。適用外:液体、ガスが通りにくい形状のもの、直ぐに使用したいもの。欠点として、滅菌処理・エアレーション時間(ガスの残留毒性が強いため、これらを除去する処理)が長いことがあげられる。

 

 

 

 

109回 午前

18 滅菌物の取り扱いで正しいのはどれか。

1.鉗子の先端は水平より高く保つ。
2.鑷子の先端を閉じた状態で取り出す。
3.滅菌パックはハサミを用いて開封する。
4.滅菌包みは布の内側の端を手でつまんで開く。

解答2

解説

1.× 鉗子(かんし)の先端は、水平より「高く」ではなく低く保つ。なぜなら、薬剤の逆流による汚染を防ぐため。鉗子とは、刃のない鋏(はさみ)のような構造で、用途により止血、胃、子宮、舌、骨など各種多様なものがある。外科手術器械の代表的なもので,組織をはさんだり、固定したり、引っ張ったり、剥離したりするために使う。
2.〇 正しい。鑷子(せっし)の先端を閉じた状態で取り出す。把持部から1/3の部分を手で持ち、外装面に触れないように垂直に取り出す。基本的に鑷子の把持部は不潔な部分として扱う。先端は常に下向きで扱う。鑷子(せっし)とは、ピンセットのことである。
3.× 滅菌パックは、ハサミを「用いて」ではなく用いず、手で開封する。なぜなら、ハサミの切り口が不潔になるため。
4.× 滅菌包みは、布の「内側」ではなく外側の端を手でつまんで開く。なぜなら、滅菌パックの内側は清潔であるため。パックの外側のみに触れ、内側には触れないようにする。

滅菌包みの開け方

①清潔区域をつくるため滅菌包を置く場所を消毒する。
②有効期限や破損の有無を確認する。
③折り返し部分の外側をつまみ、1枚目を開く。
④2枚目からは鑷子を使って開く。

 

 

 

109回 午前

32 細菌の芽胞を死滅させるのはどれか。

1.紫外線
2.ポビドンヨード
3.70%アルコール
4.酸化エチレンガス

解答4

解説

芽胞とは?

芽胞とは、一部の細菌が形づくる、極めて耐久性の高い細胞構造のことである。物理化学的処理に対する抵抗が極めて強く、100℃の加熱にかなりの時間耐えることができる。 乾燥にも強く、乾燥状態で数十年間死滅しなかったという例もある。胞子膜、皮層、芯部からなり、胞子膜の外側に外皮を持つものもある。(芽胞:がほう)

1.× 紫外線は、芽胞には効果がない。紫外線消毒とは、紫外線照射によりDNAが紫外線を吸収し、DNA遺伝コードを破壊し、増殖を防ぎ、死滅(不活性化)する方法をいう。
2.× ポビドンヨードは、芽胞には効果がない。ポビドンヨードとは、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつである。
3.× 70%アルコールは、芽胞には効果がない。70%アルコール(消毒用アルコール:エタノール)とは、医療分野で消毒に用いられる製剤のアルコール外用薬で、一般用医薬品の区分では、第3類医薬品である。エタノールが最も消毒効果を発揮するのは70~80%のときである。
4.〇 正しい。酸化エチレンガスは、芽胞に効果がある。酸化エチレンガスとは、比較的低い温度でも極めて強い殺菌力を発揮し、金属・非金属の区別なく利用できるため理想的な滅菌法として普及している。適用:カテーテル類、プラスチック製品、不織布、ゴム製品など。適用外:液体、ガスが通りにくい形状のもの、直ぐに使用したいもの。欠点として、滅菌処理・エアレーション時間(ガスの残留毒性が強いため、これらを除去する処理)が長いことがあげられる。

消毒・滅菌の定義

消毒:人体に有害な微生物の感染性をなくすか,数を少なくすること。
滅菌:すべての微生物を殺滅させるか,完全に除去すること。

 

 

 

 

 

111回 午後

37 医療器材と消毒・滅菌の組合せで正しいのはどれか。

1.手術用持針器:第4級アンモニウム塩
2.ステンレス製便器:熱水消毒
3.軟性内視鏡:高圧蒸気滅菌
4.ベッド柵:グルタラール

解答2

解説
1.× 手術用持針器は、「第4級アンモニウム塩(低水準消毒薬)」ではなく高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)で行う。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。
2.〇 正しい。ステンレス製便器は、熱水消毒で行う。熱湯消毒とは、一般的に80度以上のお湯を10秒以上かける方法のことをいう。ちなみに、80度以上のお湯で10分以上煮沸することを煮沸消毒という。
3.× 軟性内視鏡は、「高圧蒸気滅菌」ではなく第4級アンモニウム塩(低水準消毒薬)で行う。第4級アンモニウム塩とは、陽イオン性界面活性剤や消毒剤の有効成分として用いられる。第4級アンモニウム塩(低水準消毒薬)は、結核菌や細菌芽胞など抵抗性のある微生物の殺滅はできないものの、ほとんどの細菌、数種のウイルス、数種の真菌を死滅させることができる。ちなみに、軟性内視鏡とは、曲げられる特性を持った消化管に挿入可能な内視鏡のことである。
4.× ベッド柵は、「グルタラール」ではなく環境クロスで行う。環境クロスとは、主に環境表面の清拭を行う際に、洗浄成分や除菌成分を含浸させたクロスである。 「環境清拭シート」「除菌クロス」「除菌洗浄ペーパー」などと呼ばれる。

 

 

 

 

112回 午前

問題21 オートクレーブによる滅菌法はどれか。

1.酸化エチレンガス滅菌
2.高圧蒸気滅菌
3.放射線滅菌
4.乾熱滅菌

解答

解説

オートクレーブ滅菌とは?

高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。

1.× 酸化エチレンガス滅菌は、温度や湿度の繊細な医療器具に適した滅菌方法である。酸化エチレンガスとは、比較的低い温度でも極めて強い殺菌力を発揮し、金属・非金属の区別なく利用できるため理想的な滅菌法として普及している。適用:カテーテル類、プラスチック製品、不織布、ゴム製品など。適用外:液体、ガスが通りにくい形状のもの、直ぐに使用したいもの。欠点として、滅菌処理・エアレーション時間(ガスの残留毒性が強いため、これらを除去する処理)が長いことがあげられる。
2.〇 正しい。高圧蒸気滅菌は、オートクレーブによる滅菌法である。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。
3.× 放射線滅菌とは、温度上昇もなく、安全で確実に菌を死滅させることができる滅菌方法である。ガンマ線は透過力に優れているため、梱包形態の制限も、線量のバラツキも少なく、金属や水入り製品粉末、フィルム原反など高密度製品も滅菌可能である。電子線は、処理スピードが速く高線量照射や改質処理に適している。欠点としては、プラスチック(樹脂)製品の場合、材質が劣化する。
4.× 乾熱滅菌とは、滅菌法の中で加熱法に分類される加熱乾燥空気で微生物を殺滅する滅菌法である。ガラス製、磁製、金属製など耐熱性の高い材質のものや鉱油、脂肪油、固形の医薬品など熱に安定なものが適している。オートクレーブと異なり、湿気が使用されない。

 

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