この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。
・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。
105回 午後
43 セルフケア行動を継続するための支援で適切なのはどれか。
1.看護師が患者の目標を設定する。
2.目標は達成が容易でない水準にする。
3.行動の習慣化が重要であることを伝える。
4.これまでの経験は忘れて新たな方法で取り組むよう促す。
解答3
解説
セルフケアは、オレムが提唱した。オレムは「セルフケアとは、個人が生命、健康、安寧を維持するために自分自身で開始し、遂行する諸活動の実践である」と定義している。オレムは、とくに疾病にかかった患者のみでなく、人々が生きるために日々みずからおこなう実践活動すべてをセルフケアとしている。
自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
①成功体験:例えば禁煙できた日をカレンダーに一日ずつ×を書いていき、「1週間禁煙できた」と自信をつけること。
②代理的体験:同じような状況にある他者が目標を達成している様子から「自分にもできそうだ」と思うこと。
③言語的説得:自分自身や周囲の人からの言語的な賞賛や励ましのこと。
④生理的・情緒的状態(情緒的高揚):行動の変化を促すような情報に触れ気づきを得ることで行動変容への関心をもつこと。例えば、タバコを吸わなくなってから「イライラしにくくなったきがするな」と気づきをえることで、行動がさらに変わっていくことである。
1.× 「看護師」ではなく、患者自身が患者の目標を設定する。オレムは「セルフケアとは、個人が生命、健康、安寧を維持するために自分自身で開始し、遂行する諸活動の実践である」と定義している。
2.× 目標は達成が「容易でない水準」ではなく、実践しやすく達成しやすい水準にする。なぜなら、達成が容易でない水準の場合、挫折する可能性が高いため。実践しやすく達成しやすい水準で、自己効力感を高めることが重要である。
3.〇 正しい。行動の習慣化が重要であることを伝える。なぜなら、変化ステージ理論において、人が行動(生活習慣)を変える場合は、維持期:6か月以上行動を継続している時期であるため。
4.× 「これまでの経験は忘れて新たな方法」で取り組むよう促す必要はない。なぜなら、セルフケアとは、自分自身で行う健康維持や病気予防のための心身のケアであるため。したがって、セルフケアはこれまでの経験を資源としていくことが望ましい。
変化ステージ理論(行動変容ステージモデル)とは、人の健康行動の変容や維持について示された理論である。1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルであり、いろいろな健康(食事や運動、筋炎)に関する行動について幅広く研究と実践が進められた。行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられている。
無関心期:行動変容を考えていない時期であるため支援策として、知識・情報の提供、問題点の指摘があげられる。
関心期:行動変容を考えているが実行していない時期であるため、動機づけが大切である。
準備期:すぐ始める意思がある時期もしくは独自の方法でも何かしら行っている時期であるため行動案の提示・目標設定などの計画支援を行う。
実行期:望ましい行動を起こした時期であるため、行動実践の意欲強化と報酬づけ環境調整していく。
維持期:6か月以上行動を継続している時期であるため、維持のためのサポートを継続する。
(参考:「行動変容ステージモデル」厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより)
107回 午後
44 慢性疾患の患者に対する自己管理の支援で最も適切なのはどれか。
1.患者自身の失敗体験をもとに指導する。
2.病気に関する広範囲な知識を提供する。
3.症状に慣れる方法を身につけるように促す。
4.自分の身体徴候を把握するように指導する。
解答4
解説
慢性期とは、病状は比較的安定しているが、治癒が困難で病気の進行は穏やかな状態が続いている時期のことである。したがって、状態の維持・改善のために、患者が疾患や病状に応じた自己管理を行うことが必要になる。
1.× 患者自身の失敗体験をもとに指導する必要はない。なぜなら、失敗体験より成功体験を積み重ねたほうが、自己効力感を向上させるため。自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
2.× 病気に関する「広範囲な知識」を提供する必要はない。なぜなら、広範囲な知識は、重要で優先度が高い情報が埋もれやすく、患者の混乱を招くため。患者が活用できる情報を見極め、個別性を考慮して必要な情報を提供する。
3.× 症状に慣れる方法を身につけるように促す必要はない。なぜなら、症状に慣れると小さな変化や進行も気が付かない可能性があるため。自己管理のため、症状を把握する。
4.〇 正しい。自分の身体徴候を把握するように指導する。なぜなら、いち早い変化に気が付くことで、早期予防・早期発見・早期治療につながるため。
自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
①成功体験:例えば禁煙できた日をカレンダーに一日ずつ×を書いていき、「1週間禁煙できた」と自信をつけること。
②代理的体験:同じような状況にある他者が目標を達成している様子から「自分にもできそうだ」と思うこと。
③言語的説得:自分自身や周囲の人からの言語的な賞賛や励ましのこと。
④生理的・情緒的状態(情緒的高揚):行動の変化を促すような情報に触れ気づきを得ることで行動変容への関心をもつこと。例えば、タバコを吸わなくなってから「イライラしにくくなったきがするな」と気づきをえることで、行動がさらに変わっていくことである。
109回 午後
48 慢性疾患をもつ成人の自己管理を促進する援助はどれか。
1.行動の習慣化を促す。
2.医療者が患者の目標を設定する。
3.結果を優先して評価することを促す。
4.うまくいかない行動に目を向けるよう促す。
解答1
解説
1.〇 正しい。行動の習慣化を促すことは、慢性疾患をもつ成人の自己管理を促進する援助である。習慣化とは「自分が続けたいと思っていることを、意思や根性に頼らずに無意識的に継続される状態に導くこと」である。 デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の40%以上が「その場の決定」ではなく「習慣」によって決められていると報告している。したがって、自己管理を定着させるためには、行動の習慣化を促すことが有効である。
2.× 患者の目標を設定するのは、「医療者」ではなく患者が主体的に目標を設定することが重要である。
3.× 「結果を優先する」のではなく、問題解決へのプロセス(過程)を評価することを促す。なぜなら、慢性疾患を持つ患者の場合、結果が出るまで長期間かかるため。
4.× うまくいかない行動に目を向けるよう促すのは不適切である。自己効力感とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことである。自己管理で改善できた点を評価することで達成感が得られてさらに自己管理が促進される。
変化ステージ理論(行動変容ステージモデル)とは、人の健康行動の変容や維持について示された理論である。1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルであり、いろいろな健康(食事や運動、禁煙)に関する行動について幅広く研究と実践が進められた。行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられている。
無関心期:行動変容を考えていない時期である。
関心期:行動変容を考えているが実行していない時期である。
準備期:すぐ始める意思がある時期もしくは独自の方法でも何かしら行っている時期である。
実行期:望ましい行動を起こした時期である。
維持期:6か月以上行動を継続している時期である。
109回 午前
41 成人のセルフケア行動に関する学習を促進するのはどれか。
1.自己効力感
2.パターナリズム
3.プレパレーション
4.ノンコンプライアンス
解答1
解説
自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
①成功体験:例えば禁煙できた日をカレンダーに一日ずつ×を書いていき、「1週間禁煙できた」と自信をつけること。
②代理的体験:同じような状況にある他者が目標を達成している様子から「自分にもできそうだ」と思うこと。
③言語的説得:自分自身や周囲の人からの言語的な賞賛や励ましのこと。
④生理的・情緒的状態(情緒的高揚):行動の変化を促すような情報に触れ気づきを得ることで行動変容への関心をもつこと。例えば、タバコを吸わなくなってから「イライラしにくくなったきがするな」と気づきをえることで、行動がさらに変わっていくことである。
1.〇 正しい。自己効力感は、成人のセルフケア行動に関する学習を促進する。自己効力感とは、セルフエフィカシーともいい、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことである。自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。ちなみに、セルフケア行動とは、患者が自分の健康のために自分で意図的に行う行動をいう。 看護師は患者の退院後の生活を見据えて、患者が自立した行動がとれるように援助することが求められる。
2.× パターナリズム(父権主義)とは、弱い立場の者の意思・判断に関係なく強い立場の者が介入・干渉し、それに従うべきだとする考えのことである。医療において、患者の意思にかかわらず、医師などの専門家に任せた治療を進めることを指す。
3.× プレパレーションとは、小児科の手術や治療に先立って、患者である子供に、画像や人形などを使って分かりよい説明をし(練習もさせ)、安心して臨める心構えに導くことである。心理的準備の援助として、主に小児に行うものである。
4.× ノンコンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が守らない状態を指す。コンプライアンス(遵守行動)とは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。専門職が健康のために必要であると勧めた指示を患者が遵守する行動のことである。
113回 午後
86 Aさん(55歳、男性、会社員)は30年の喫煙歴がある。会社の健康診断で高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められたが「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と述べた。
Aさんの自己効力感を高める支援はどれか。2つ選べ。
1.Aさんの運動への取り組みを評価する。
2.Aさんの職場の上司に配置転換を依頼する。
3.Aさんが取り組めそうな目標を一緒に設定する。
4.Aさんが生活習慣を改善する気持ちになるまで待つ。
5.Aさんが脳血管疾患になる危険性が高いことを説明する。
解答1・3
解説
・Aさん(55歳、男性、会社員、30年の喫煙歴)
・会社の健康診断で高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められた。
・「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と。
→自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
①成功体験:例えば禁煙できた日をカレンダーに一日ずつ×を書いていき、「1週間禁煙できた」と自信をつけること。
②代理的体験:同じような状況にある他者が目標を達成している様子から「自分にもできそうだ」と思うこと。
③言語的説得:自分自身や周囲の人からの言語的な賞賛や励ましのこと。
④生理的・情緒的状態(情緒的高揚):行動の変化を促すような情報に触れ気づきを得ることで行動変容への関心をもつこと。例えば、タバコを吸わなくなってから「イライラしにくくなったきがするな」と気づきをえることで、行動がさらに変わっていくことである。
1.〇 正しい。Aさんの運動への取り組みを評価する。なぜなら、自己効力感を高める①成功体験に該当するため。
2.× Aさんの職場の上司に配置転換を依頼する優先度は低い。なぜなら、配置転換したからといって、必ずしも仕事に余裕ができるとは限らないため。むしろ、配置転換したほうが、新たに仕事を覚えなくてはならないことが増える。また、自己効力感との関連性も薄い。
3.〇 正しい。Aさんが取り組めそうな目標を一緒に設定する。なぜなら、自己効力感を高める③言語的説得に該当するため。
4.× Aさんが生活習慣を改善する気持ちになるまで待つ優先度は低い。なぜなら、本症例は、「仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」とすでにある程度、生活習慣の改善に努める気持ちに至っていると考えられるため。
5.× Aさんが脳血管疾患になる危険性が高いことを説明する優先度は低い。なぜなら、言語的説得は、不安を煽るものではなく、賞賛や励ましのことであるため。
変化ステージ理論(行動変容ステージモデル)とは、人の健康行動の変容や維持について示された理論である。1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルであり、いろいろな健康(食事や運動、筋炎)に関する行動について幅広く研究と実践が進められた。行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられている。
無関心期:行動変容を考えていない時期であるため支援策として、知識・情報の提供、問題点の指摘があげられる。
関心期:行動変容を考えているが実行していない時期であるため、動機づけが大切である。
準備期:すぐ始める意思がある時期もしくは独自の方法でも何かしら行っている時期であるため行動案の提示・目標設定などの計画支援を行う。
実行期:望ましい行動を起こした時期であるため、行動実践の意欲強化と報酬づけ環境調整していく。
維持期:6か月以上行動を継続している時期であるため、維持のためのサポートを継続する。
(参考:「行動変容ステージモデル」厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより)