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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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110回 午前
16 緩和ケアの説明で適切なのはどれか。
1.入院が原則である。
2.家族もケアの対象である。
3.創の治癒を目的としている。
4.患者の意識が混濁した時点から開始する。
解答2
解説
緩和ケアの定義:生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。(世界保健機関:WHO 2002年提唱)
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。
1.× 入院が原則ではない。なぜなら、緩和ケアは入院に限らず、通院や在宅療養でも受けることができるため。携わるスタッフは病状・患者や家族の希望・自宅環境などを総合的に考え、常に適切なケアが提供されるように努める。
2.〇 正しい。家族もケアの対象である。根拠として、WHOの緩和ケアの要件として、患者の療養中から死別後まで家族が対処できるように支援体制を提供することが挙げられている。ちなみに、家族専用の「家族外来」が設置されている施設もある。
3.× 創の治癒のみ目的ではない。身体的ケアはもちろんだが、心理社会的・スピリチュアルなケアも緩和ケアも含まれている。
4.× 患者の意識が混濁した時点から開始する必要はない。なぜなら、緩和ケアは苦痛を予防・和らげることを通して、身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題に対処することで生活の質(QOL)を向上させるアプローチであるため。このため、意識混濁する前から行う。必要とする患者や家族に対して、診断時から治療と並行して緩和ケアを提供することが求められている。
・痛みやその他のつらい症状を和らげる。
・生命を肯定し、死にゆくことを自然な過程と捉える。
・死を早めようとしたり遅らせようとしたりするものではない。
・心理的およびスピリチュアルなケアを含む。
・患者が最期までできる限り能動的に生きられるように支援する体制を提供する。
・患者の病の間も死別後も、家族が対処していけるように支援する体制を提供する。
・患者と家族のニーズに応えるためにチームアプローチを活用し、必要に応じて死別後のカウンセリングも行う。
・QOLを高める。さらに、病の経過にも良い影響を及ぼす可能性がある。
・病の早い時期から化学療法や放射線療法などの生存期間の延長を意図して行われる治療と組み合わせて適応でき、つらい合併症をよりよく理解し対処するための精査も含む。
(※参考:「WHO(世界保健機関)による緩和ケアの定義(2002年)」定訳作成について)
111回 午前
73 多発性骨転移がある終末期の大腸癌患者(53歳、女性)が、外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してきた。
転棟時の申し送りについて、緩和ケア病棟の看護師が外科病棟の看護師から収集する情報で最も優先すべきなのはどれか。
1.疼痛コントロールの状況
2.自宅の居住環境
3.大腸癌の術式
4.夫の面会頻度
解答1
解説
・大腸癌患者(53歳、女性、多発性骨転移:終末期)
・外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟。
→緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。
1.〇 正しい。疼痛コントロールの状況を収集する情報で最も優先すべきである。緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。
2.× 自宅の居住環境の優先度は低い。なぜなら、自宅の居住環境の情報は退院時に収取すべき情報であるため。
3.× 大腸癌の術式の優先度は低い。なぜなら、本症例は「大腸癌患者」との記載はあるものの大腸癌の手術を行ったことなどは記載されていないため。まずは緩和ケアにおいて優先して情報収集すべきものが他にある。
4.× 夫の面会頻度の優先度は低い。なぜなら、緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してこられた時点で、夫婦仲は良好と推測できるため。
生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。(世界保健機関:WHO 2002年提唱)
112回 午前
問題6 緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
1.疾病の治癒
2.余命の延長
3.QOLの向上
4.在院日数の短縮
解答3
解説
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。
1.× 疾病の治癒は、急性期の目標である。急性期とは、症状が急に現れる時期、病気になり始めの時期である。急性期は、全身の生体反応と機能低下が起こり、合併症が発現するおそれがある。このため、回復過程における経過を予測して系統的な観察を行い、正常範囲に経過しているのか、それとも逸脱して悪化していくおそれがあるのかを判断し、異常を察知すれば早期に対処する必要がある。
2.4.× 余命の延長/在院日数の短縮が目標とはならない。ただし、適切な緩和ケアが提供されることで、患者さんの状態が改善し、自然と余命が延びたり、在院日数が短縮されることもある。ちなみに、在院日数の短縮は、医療費の適正化のための目標として掲げられている。
3.〇 正しい。QOLの向上は、緩和ケアの目標である。緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。