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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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106回 午前
29 膵液について正しいのはどれか。
1.弱アルカリ性である。
2.糖質分解酵素を含まない。
3.セクレチンによって分泌量が減少する。
4.Langerhans<ランゲルハンス>島のβ細胞から分泌される。
解答1
解説
膵臓は、消化酵素を含む体液(膵液)を膵管から十二指腸に出す外分泌と、血糖などをコントロールするホルモンを血中に出す内分泌の両方の働きをもつ。
膵液とは、膵臓から十二指腸に分泌される消化液である。糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいる。
膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
①インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
②グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。
③ソマトスタチンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるγ細胞から分泌されるホルモンの一種で、成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌抑制の作用がある。
1.〇 正しい。弱アルカリ性である。なぜなら、強酸性の胃液を中和するため。
2.× 糖質分解酵素は含まれる。膵液とは、膵臓から十二指腸に分泌される消化液である。糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいる。
3.× セクレチンによって分泌量が、「減少」ではなく促進する。セクレチンとは、消化管ホルモンのひとつで、十二指腸のS細胞から分泌され、胃酸分泌抑制や炭酸水素イオン分泌促進、膵液の分泌促進の作用がある。
4.× Langerhans<ランゲルハンス>島のβ細胞から分泌されるのは、インスリンである。膵液は、腺房細胞で産生され、膵管を通りファーター乳頭から十二指腸へ排出される。
ちなみに、膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
①インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
②グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。
③ソマトスタチンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるγ細胞から分泌されるホルモンの一種で、成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌抑制の作用がある。
(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)
108回 午後
77 臓器と産生されるホルモンの組合せで正しいのはどれか。
1.膵臓:グルカゴン
2.副腎:プロラクチン
3.腎臓:アルドステロン
4.脳下垂体:インクレチン
5.視床下部:テストステロン
解答1
解説
1.〇 正しい。膵臓から、グルカゴンが産生される。膵臓のランゲルハンス島のα細胞からグルカゴンが、β細胞からインスリンが、δ細胞からソマトスタチンが分泌される。ちなみに、グルカゴンは血糖値上昇、インスリンは血糖値低下、ソマトスタチンはグルカゴンやインスリンの分泌抑制の作用をもつ。
2.× プロラクチン(催乳ホルモン)は、「副腎」ではなく、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。作用は、乳腺の発育、乳汁の産生・分泌をもつ。したがって、出産後に多く分泌されるホルモンである。ちなみに、下垂体前葉は、①成長ホルモン(欠損すると小人病)、②甲状腺刺激ホルモン、③副腎皮質刺激ホルモン(欠損するとアジソン病)、④性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)、⑤プロラクチン(催乳ホルモン)を分泌する。
3.× アルドステロン(鉱質コルチコイド)は、「腎臓」ではなく、副腎皮質から分泌されるホルモンである。腎臓に作用してナトリウムの再吸収、水の再吸収を促進、血圧を上昇させる。ちなみに、副腎皮質は、①コルチゾール、②アルドステロン、③性ホルモンを分泌する。
4.× インクレチンは、「脳下垂体」ではなく、食事摂取に伴い小腸から分泌されるホルモンである。主にインスリン分泌を促進する働きがある。
5.× テストステロン(アンドロゲン、男性ホルモン)は、「視床下部」ではなく、主に精巣(一部は副腎)から分泌されるホルモンである。作用は、筋肉の増大・骨格の発達・陰毛の発毛に作用する。女性でも卵巣や副腎からごく微量分泌される。分泌量は、男性の人生の中で20〜30代の頃がピークといわれている。
109回 午後
81 健常な成人において、血液中のグルコース濃度が低下した時に、グルカゴンの働きでグリコゲンを分解してグルコースを生成し、血液中に放出するのはどれか。
1.肝臓
2.骨格筋
3.脂肪組織
4.心臓
5.膵臓
解答1
解説
膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
①インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
②グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。
③ソマトスタチンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるγ細胞から分泌されるホルモンの一種で、成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌抑制の作用がある。
1.〇 正しい。肝臓が、グルコースを生成し血液中に放出する。肝臓の主な働きとして、①胆汁の生成とビリルビンの代謝、②血漿蛋白質と尿素の合成、③脂質代謝、④糖の貯蔵と放出、⑤ビタミンDの代謝、⑥ホルモンの代謝、⑦解毒・薬物の代謝である。ちなみに、グルコースとは、果物や穀類などに多く含まれ、自然界に最も多く存在する単糖類である。
2.× 骨格筋の主な働きは、①動作(関節を動かす)、②支持(骨を支える)、③代謝(エネルギーを消費する)、④筋力、⑤(内臓器官の機能を支える)などである。
3.× 脂肪組織の主な働きは、①エネルギー貯蔵、②温度調節(体温を保つ)、③保護(脳や心臓などの重要な器官を保護)などである。
4.× 心臓の主な働きは、身体全体に必要な酸素や栄養を運ぶ役割を担う。
5.× 膵臓の主な働きは、消化器官の一部で、糖質や脂質などの栄養素を分解し、身体に必要なエネルギーを供給する役割を担う。膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
110回 午後
73 血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。
1.肺
2.肝臓
3.腎臓
4.膵臓
5.脾臓
解答2
解説
血漿タンパク質とは、血液から血球を除いた体液部分(血漿)に含まれるタンパク質のことである。アルブミン、抗体、血液凝固因子など、多数のタンパク質が含まれる。肝臓は、血漿中の代表的な蛋白質であるアルブミンや血液凝固因子を含め、多くの蛋白質が合成される。
1.× 肺は、空気中の酸素をからだに取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を外に出す働きをしている。つまり、呼吸で取り込んだ酸素と体内で発生した二酸化炭素のガス交換を担っている。
2.〇 正しい。肝臓は、血漿蛋白質の大部分を合成している。小腸で吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれ、肝臓にて蛋白質に合成され、血液によって各組織に運ばれる。そのほかにも肝臓には、①代謝、②解毒、③胆汁の生成・排泄、④生体防御の働きを持つ。
3.× 腎臓は、老廃物や余分な水分、塩分などを尿として排泄することで、体の中の水分量やナトリウムやカリウムといったイオンバランスを適正に保ったり、血液の酸性・アルカリ性を調節したり、体内を常に最適な環境にする機能がある。
4.× 膵臓は、①食べ物を消化する消化酵素(膵酵素)を作る、②血糖値を下げるホルモン(インスリン)や血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)などのホルモンを作る働きを持つ。
5.× 脾臓は、①古くなった血球(白血球、赤血球、血小板)の処理や、②感染に対する防御など免疫に関係する働きを担う。
111回 午前
12 有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。
1.胃
2.肝臓
3.膵臓
4.大腸
解答2
解説
1.× 胃とは、食道と腸をつないでいる袋状の臓器である。主な働きとしては、食べ物を①貯める、②消化、③腸に送り出す、④ビタミンB12の吸収に必要な糖タンパク質を分泌する、などである。
2.〇 正しい。肝臓は、有害物質を無毒化し排泄する臓器である。ほかにも①代謝、②貯蔵、③胆汁の生成・排泄、④生体防御の働きを持つ。
3.× 膵臓の主な働きは①食べ物を消化する消化酵素(膵酵素)を作る、②血糖値を下げるホルモン(インスリン)や血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)などのホルモンを作る働きを持つ。
4.× 大腸は、水分やミネラルを吸収し、便を作る働きをしている。
112回 午前
問題17 薬物動態で肝臓が関与するのはどれか。
1.吸収
2.分布
3.代謝
4.蓄積
解答3
解説
内服薬は、消化管より吸収→門脈→肝臓に達する。血中タンパク質との抱合や代謝を受けて、全身に循環する。その後、薬物およびその代謝物は、肝臓(胆汁)や腎臓(尿)より排出される。その循環に支障が来たした場合、薬効に変化が生じる。
加齢に伴い、肝臓で薬を分解する能力や、薬を腎臓から身体の外へ排出する能力が低下する。また、高齢者は身体の中の水分の割合が少なくなり脂肪が多くなるため、脂肪にとける薬が身体の中にたまりやすくなる。その結果、薬効が強く出て、副作用が現れることがよくある。
1.× 吸収とは、投与された薬物が、全身循環血液中に移行する過程のことを指す。経口の投与経路が最も一般的である。つまり、吸収とは、主に消化管内の上皮細胞の膜を通過する薬物の輸送のことをいう。
2.× 分布とは、吸収された薬物は、全身を循環する血液に入り、血液中のアルブミンなどのタンパク質と結合して、各組織や各部位に移行することを指す。つまり、薬物が血液を介して体内の組織や器官に運ばれる過程である。
3.〇 正しい。代謝は、薬物動態で肝臓が関与する。代謝は、薬物が体内で化学的に変換される過程である。肝臓は薬物の代謝に関与し、薬物を活性化したり、無活性化したり、排泄しやすい形に変換する。
4.× 蓄積とは、薬物が体内の組織や細胞に蓄積される過程である。脂溶性薬物の場合、脂肪組織に蓄積されやすい特徴を持つ。
113回 午後
12 膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater〈ファーター〉乳頭)に開口するのはどれか。
1.肝管
2.総肝管
3.総胆管
4.胆囊管
解答3
解説
(※図引用:「胆嚢管」wikiより)
1.× 左右2本の肝管が合流して、総肝管となる。総肝管とは、肝臓でつくられた胆汁を流す。
2/4.× 総肝管と胆囊管が合流して、総胆管となる。 胆嚢管は、胆汁を流すことに支障を来たさないような螺旋弁を有している。
3.〇 正しい。総胆管は、膵管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。ファーター乳頭とは、十二指腸の中間あたりには、胆のうからつながる胆のう管と、すい臓からつながるすい管の開口部のことを指す。初期の場合は、無症状であるが、進行に伴い、進行がんとなると胆道を閉塞するため、採血による肝機能異常や黄疸が起こる。
(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)