【5問】筋についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

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105回 午前

35 骨盤隔膜を形成している筋はどれか。2つ選べ。

1.大殿筋
2.尾骨筋
3.梨状筋
4.肛門挙筋
5.外肛門括約筋

解答2・4

解説

骨盤隔膜とは?

骨盤隔膜とは、骨盤底を支える強力な筋肉および筋膜の総称である。 主に、肛門挙筋 ・尾骨筋などからなる。 前方は尿生殖隔膜に連続している。骨盤の前の恥骨から後ろの尾骨にかけて存在し、骨盤底の真ん中にあり、最も強く、重要な役割を果たす。膜には、直腸、膣、尿道が通過する穴が存在する。この膜は、腕や足の筋肉と同じく横紋筋でできている。

1.× 大殿筋は、お尻の外側(浅層)に位置する。大殿筋の作用として、股関節伸展、外旋、外転であり、上部は内転し、下部は骨盤の下制に寄与する。つまり、股関節を広げたり後ろへ伸ばしたりする働きをもつ。
2.〇 正しい。尾骨筋は、骨盤隔膜を形成している筋である。ちなみに、尾骨筋は、腹部の筋肉のうち仙骨下部と尾骨外側縁との間に存在するものである。 仙骨尖を起始とし、尾骨に付着する。 尾骨と仙骨の間の動きは人間に於いてほとんど退化しており、有効な作用はない。
3.× 梨状筋は、お尻の外側(深層)に位置する。梨状筋の作用として、股関節外旋、外転に寄与する。つまり、股関節を外へ回旋したり広げたりする働きをもつ。
4.〇 正しい。肛門挙筋は、骨盤隔膜を形成している筋である。肛門挙筋は、肛門の周囲に位置する恥骨尾骨筋・腸骨尾骨筋・恥骨直腸筋の総称。 骨盤底筋の一つで、骨盤隔膜を構成し、骨盤内臓を支持する。骨盤底筋体操とは、尿失禁の予防・改善のために肛門挙筋および尿道周囲、膣周囲の括約筋群を鍛える方法である。座位や膝立て背臥位などで、上体の力を抜いてお尻の穴を引き上げて「きゅっ」とすぼめ、5秒キープする動作を10~20回ほど繰り返す方法と、すぼめたりを繰り返す方法の2種類ある。
5.× 外肛門括約筋は、内肛門括約筋を外側から筒状に取り囲むように存在する。随意筋で横紋筋であり、体性神経である下直腸神経・会陰神経の支配を受けている。外肛門括約筋の弛緩が起こって排便が起こる(排便反射)。つまり、お尻の穴の排便の時に働く筋肉である。

 

 

 

105回 午後

11 不随意筋はどれか。

1.心筋
2.僧帽筋
3.大殿筋
4.ヒラメ筋

解答1

解説

MEMO

不随意筋とは、主に自律神経の支配を受けていて自分の意志では動かすことができない筋肉のことである。心筋と平滑筋がこれにあたる。
随意筋とは、自己意識下で動かすことの出来る筋肉である。骨格筋がこれにあたる。

1.〇 正しい。心筋は、不随意筋である。ちなみに、内臓や血管壁の筋肉など不随意筋の多くは平滑筋であるが、心筋は横紋筋である。
2.× 僧帽筋は、随意筋である。僧帽筋の【起始】後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯、第7頸椎以下全胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨の肩甲棘と肩峰の上縁および鎖骨外側1/3(三角筋の起始範囲とほぼ同じ)である。
3.× 大殿筋は、随意筋である。大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面である。
4.× ヒラメ筋は、随意筋である。ヒラメ筋の【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部である。

 

 

 

110回 午前

26 複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。

1.咬筋
2.上腕二頭筋
3.腹直筋
4.大腿四頭筋

解答3

解説

(※写真参照:Tarzan様HP)

腱は、解剖学において骨格筋が骨に付着する部分の筋肉主体部寄りにある結合組織のひとつである。ちなみに、骨と骨とを結合させているものは靱帯という。腹直筋の腱画は、筋線維の集まりの中で横に3本走る短い腱のことをいう。 腹直筋の表面から深い部分にかけて複数の筋腹に区切っている。したがって、選択肢3.腹直筋は、複数の筋腹が腱(腱画)で直列につながっている筋である。

【起始】恥骨結合と恥骨結節との間
【停止】第5~第7肋軟骨。剣状突起の前面。
【作用】胸郭の前部を引き下げまたは骨盤の前部を引き上げ、また脊柱を前方に曲げる。
ポイント:左右2つに分かれており、それぞれ「腱画」という腱で3~4つに縦に分画されている。すなわち、筋腹は腱で直列につながっている。

1.× 咬筋の【起始】浅側:頬骨弓の前2/3の下縁と内面、深側:頬骨弓の後ろ2/3の下縁、【停止】下顎骨の外面。浅側は咬筋粗面の下部、深側はその上方、【作用】下顎骨を上げて、歯をかみ合わせる(閉口)である。筋腹は並列につながっている。
2.× 上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)である。筋腹は並列につながっている
4.× 大腿四頭筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つの筋の総称である。大腿骨を四方から挟む。筋腹は並列につながっている。

 

 

 

111回 午後

78 股関節を屈曲させるのはどれか。

1.大腿二頭筋
2.大殿筋
3.中殿筋
4.小殿筋
5.腸腰筋

解答5

解説
1.× 大腿二頭筋の作用は、股関節伸展、外旋、膝関節屈曲である。
2.× 大殿筋の作用は、股関節伸展、外旋、外転(上部:内転、下部:骨盤の下制)である。
3.× 中殿筋の作用は、股関節外転(前部:内旋、後部:外旋)である。
4.× 小殿筋の作用は、股関節外転、内旋である。
5.〇 正しい。腸腰筋は、股関節を屈曲させる。腸骨筋と大腰筋の2筋からなる。腸骨筋の作用は、股関節屈曲、外旋である。大腰筋の作用は、股関節屈曲である。

 

 

 

 

113回 午前

50 高齢者の歩行時につまずきが見られる場合、筋力低下が考えられる筋肉はどれか。

 1.大殿筋
 2.前脛骨筋
 3.下腿三頭筋
 4.大腿四頭筋

解答

解説
 1.× 大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面、【作用】股関節伸展、外旋、外転、上部:内転、下部:骨盤の下制、【支配神経】下殿神経である。
 2.〇 正しい。前脛骨筋の筋力低下が考えられる。なぜなら、前脛骨筋は足関節背屈に働く筋肉であるため。つま先を地面から離し、つまづきを防止する筋肉である。前脛骨筋の【起始】脛骨外側面、下腿骨間膜、【停止】内側楔状骨と第1中足骨の底面、【作用】足関節背屈、内返し、【神経】深腓骨神経である。
 3.× 下腿三頭筋とは、下腿の強大な筋の総称で、膨隆する2頭をもつ浅側の腓腹筋と、深側にある平たいヒラメ筋とからなる。腓腹筋:【起始】外側頭:大腿骨外側上顆、内側頭:大腿骨内側上顆、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】膝関節屈曲、足関節底屈、踵の挙上、【神経】脛骨神経である。ヒラメ筋:【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】膝関節底屈、踵の挙上、【神経】脛骨神経である。下腿三頭筋の筋力低下による歩行障害として、歩行の推進力の低下があげられる。
 4.× 大腿四頭筋とは、①大腿直筋、②外側広筋、③中間広筋、④内側広筋の4筋からなる大腿の筋の総称である。共同の腱は大腿前面の正中線を下行し、膝蓋骨の底と両側縁につき、これを介して(一部は膝蓋骨の前面を超えて)膝蓋靭帯となり、脛骨粗面につく。腱の両側の線維の一部は内側および外側膝蓋支帯となって膝蓋骨の両側を下行する。大腿四頭筋の筋力低下による歩行障害として、膝折れがあげられる。

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