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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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105回 午前
64 医療安全と関連する方法の組合せで誤っているのはどれか。
1.院内感染対策:プライマリナーシング
2.事故防止対策:インシデントレポート
3.医療の質の保証:クリニカルパス
4.手術時の安全対策:タイムアウト
解答1
解説
スタンダード・プリコーションとは、感染症の疑いや診断の有無にかかわらず、すべての患者に共通して実施される感染対策で、汗を除くすべての湿性生体物質(血液・体液・分泌物・排泄物・損傷した皮膚・粘膜)を感染源と見なし、対処する予防策である。
1.× 誤っている。院内感染対策は、スタンダードプリコーション(標準予防策)である。プライマリーナーシングとは、1人の患者の入院から退院までを、特定の看護師が継続して受け持つ看護方式である。患者との関係が深まりやすく、個別性に応じたケアができるメリットはある。
2.〇 正しい。事故防止対策に、インシデントレポートを用いる。インシデントレポートとは、医療現場で事故に繋がりかねないような、ヒヤリとしたり、はっとした出来事に関する報告書のことをいう。作成の目的は、事例を分析して類似するインシデントの再発や医療事故・医療過誤の発生を未然に防止することである。インシデントを直訳すると「出来事・事件・異変」である。一方、その行為によって患者に傷害や不利益を与えてしまった事象を、アクシデントという。なお、インシデントの本来の意味は、偶発的や付随的と解釈される。
3.〇 正しい。医療の質の保証に、クリニカルパスを用いる。クリニカルパスとは、標準治療計画ともいい、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている。
4.〇 正しい。手術時の安全対策に、タイムアウトを用いる。タイムアウトとは、手術にかかわる医師や看護師などのメンバー全員が、いっせいに手を止めて患者および手術部位を確認しあうことである。手術患者や手術部位の誤認防止を目的としており、手術時の安全対策のひとつである。
インシデントレポートとは、医療現場で事故に繋がりかねないような、ヒヤリとしたり、はっとした出来事に関する報告書のことをいう。作成の目的は、事例を分析して類似するインシデントの再発や医療事故・医療過誤の発生を未然に防止することである。インシデントを直訳すると「出来事・事件・異変」である。一方、その行為によって患者に傷害や不利益を与えてしまった事象を、アクシデントという。なお、インシデントの本来の意味は、偶発的や付随的と解釈される。
【目的】
①事実の確認
②原因の究明
③組織全体で事例を共有・分析し、問題点を抽出する。
④将来の医療事故(アクシデント)の予防、再発の防止。
106回 午後
61 医療の標準化を目的に活用されているのはどれか。
1.コーピング
2.クリニカルパス
3.エンパワメント
4.コンサルテーション
解答2
解説
クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている
【目的・効果】
①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上。
②医療従事者間での情報共有。
③患者満足度の向上。
④入院患者の在院日数短縮・効率化。
⑤医療コストや資源の節約。
⑥医療事故防止。
1.× コーピングとは、心理学用語でストレスへの対処法や努力のことをさす。ラザルスは「8つ種類がある」とされ、逃避型とは問題を忘れようとお酒を飲んだり、逃げたいと考えたりするやりかたである。人に当たり散らしたり、問題を他人のせいにしたりすることもここに含まれる。
2.〇 正しい。クリニカルパスは、医療の標準化を目的に活用されている。クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている。
3.× エンパワメントとは、対象者が主体的に自身の状態を変えていく方法や自信を獲得できるよう、対象者が本来持っている力を引き出し、その自己決定能力を強化することである。対象は、個人、組織、コミユニテイの3段階がある。過程には、傾聴→対話→行動アプローチがある。(直訳:権限を与える、自信を与える)
4.× コンサルテーションとは、相談・協議を意味する。コンサルテーションとは、異なる専門性をもつ複数の者が、援助対象である問題状況について検討し、よりよい援助のあり方について話し合うプロセスをいう。 自らの専門性に基づいて他の専門家を援助するものを「コンサルタント」、そして援助を受けるものを「コンサルティ」という。
①コミュニティ・メンバーは自身の問題解決に向かう意欲と自信がつ
②コミュニティ・メンバーのコミュニティに対する関心が高まる。
③コミュニティでの相互支援が高まる。
④コミュニティでリーダーが育成される。
⑤コミュニティは政策改善の方向性を見いだす。
109回 午前
34 インシデントレポートで適切なのはどれか。
1.責任追及のためには使用されない。
2.インシデントの発生から1か月後に提出する。
3.主な記述内容はインシデントの再発防止策である。
4.実施前に発見されたインシデントの報告は不要である。
解答1
解説
インシデントレポートとは、医療現場で事故に繋がりかねないような、ヒヤリとしたり、はっとした出来事に関する報告書のことをいう。作成の目的は、事例を分析して類似するインシデントの再発や医療事故・医療過誤の発生を未然に防止することである。インシデントを直訳すると「出来事・事件・異変」である。一方、その行為によって患者に傷害や不利益を与えてしまった事象を、アクシデントという。なお、インシデントの本来の意味は、偶発的や付随的と解釈される。
【目的】
①事実の確認
②原因の究明
③組織全体で事例を共有・分析し、問題点を抽出する。
④将来の医療事故(アクシデント)の予防、再発の防止。
1.〇 正しい。責任追及のためには使用されない。なぜなら、インシデントレポートの目的は、①事実の確認、②原因の究明、③組織全体で事例を共有・分析し、問題点を抽出する、④将来の医療事故(アクシデント)の予防、再発の防止などがあげられる。
2.× インシデントの発生から、「1か月後」ではなく発生した段階で提出する。なぜなら、1か月後だと再び同じ事故が1か月以内に起こる可能性があるため。
3.× 主な記述内容は、「インシデントの再発防止策」ではなく、『具体的で正確なインシデントの内容について』である。事例を分析して類似するインシデントの再発や医療事故・医療過誤の発生を未然に防止することにつながる。
4.× 実施前に発見されたインシデントの報告も、「不要」ではなく必要である。なぜなら、実際に患者に被害を及ぼすことがなかったケースでも、インシデントレポートとして報告することで、今後起こりうる重大なインシデントを予防できる可能性が高くなるため。
111回 午前
35 地域連携クリニカルパスの目的はどれか。
1.医療機関から在宅までの医療の継続的な提供
2.地域包括支援センターと地域住民との連携
3.地域医療を担う医療専門職の資質向上
4.患者が活用できる社会資源の紹介
解答1
解説
①急性期病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れるような診療計画を作成し、治療を受ける全ての医療機関で共有して用いるもの。
②診療にあたる複数の医療機関が、役割分担を含め、あらかじめ診療内容を患者に提示・説明することにより、患者が安心して医療を受けることができるようにするもの。
③内容としては、施設ごとの診療内容と治療経過、最終ゴール等を診療計画として明示。
④回復期病院では、患者がどのような状態で転院してくるかを把握できるため、改めて状態を観察することなく、転院早々からリハビリを開始できる。
⑤これにより、医療連携体制に基づく地域完結型医療を具体的に実現する。
(※引用:「地域連携クリティカルパスとは」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。医療機関から在宅までの医療の継続的な提供は、地域連携クリニカルパスの目的である。クリティカルパスとは、良質な医療を効率的、かつ安全、適正に提供するための手段として開発された診療計画表である。同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上にも寄与する。
2.× 地域包括支援センターと地域住民との連携は、地域連携クリニカルパスの目的に含まれていない。「地域包括ケアシステム」の目的で、地域包括ケアシステムとは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう、包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すものである。この地域包括ケアシステムが効果的に機能するために、「4つの助(自助・互助・共助・公助)」の考え方が連携し、課題解決に向け取り組んでいく必要がある。
3.× 地域医療を担う医療専門職の資質向上は、地域連携クリニカルパスの目的に含まれていない。ちなみに、地域医療とは保健・医療・福祉の連携の中で医療を行うことである。
4.× 患者が活用できる社会資源の紹介は、地域連携クリニカルパスの目的に含まれていない。ソーシャルワーカーが主に行う業務内容である。
クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている
【目的・効果】
①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上。
②医療従事者間での情報共有。
③患者満足度の向上。
④入院患者の在院日数短縮・効率化。
⑤医療コストや資源の節約。
⑥医療事故防止。
111回 午前
83 タイムアウトによって予防できるのはどれか。
1.患者の誤認
2.抗癌薬の曝露
3.個人情報の漏洩
4.ベッドからの転落
5.血液を媒介とする感染
解答1
解説
タイムアウトとは、手術にかかわる医師や看護師などのメンバー全員が、いっせいに手を止めて患者および手術部位を確認しあうことである。手術患者や手術部位の誤認防止を目的としており、手術時の安全対策のひとつである。
1.〇 正しい。患者の誤認は、タイムアウトによって予防できる。タイムアウトとは、手術にかかわる医師や看護師などのメンバー全員が、いっせいに手を止めて患者および手術部位を確認しあうことである。手術患者や手術部位の誤認防止を目的としており、手術時の安全対策のひとつである。
2.× 抗癌薬の曝露は、タイムアウトによって予防できない。ちなみに、曝露とは、がんが出来ている組織に対して、薬剤が効果を発揮していると考えられる状態をいう。その曝露状態の効果を曝露反応という。曝露(読み:ばくろ)
3.× 個人情報の漏洩は、タイムアウトによって予防できない。個人情報の漏洩とは、個人情報が漏洩・流出することである。個人情報の漏洩の予防としては、①カルテ・メモは院外へ持ち歩かないことなどがあげられる。漏洩(読み:ろうえい)
4.× ベッドからの転落は、タイムアウトによって予防できない。ベッドからの転落の予防としては、柵の設置などである。
5.× 血液を媒介とする感染は、タイムアウトによって予防できない。血液が感染経路によって引き起こされる病気には、AIDS(HIVによる後天性免疫不全症候群)、HCV(C型肝炎)、HBV(B型肝炎)、梅毒があげられる。
個人情報保護法(第2条)
『個人情報』とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名・生年月日その他の記述などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう。
112回 午前
問題89 クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
1.在宅療養には適用できない。
2.医療者と患者が治療計画を共有できる。
3.バリアンス発生の判断は退院日に行う。
4.多職種間のコミュニケーションが不要になる。
5.一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。
解答2・5
解説
クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている
【目的・効果】
①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上。
②医療従事者間での情報共有。
③患者満足度の向上。
④入院患者の在院日数短縮・効率化。
⑤医療コストや資源の節約。
⑥医療事故防止。
1.× 在宅療養にも「適用できる」。なぜなら、手術し退院後の生活まで記載されているものもあるため。また、地域連携クリティカルパスといったものもある。
2.〇 正しい。医療者と患者が治療計画を共有できる。クリニカルパスは、医療者と患者が治療計画やケアの目標を共有し、理解し合うことができる。そのため、患者満足度の向上につながる。
3.× バリアンス発生の判断は、「退院日」ではなく発生時に行う。バリアンスとは、クリニカルパスからの逸脱のことをさす。一般的には相違、不一致などの意味を持つ言葉であり、クリニカルパスにおいては、アウトカ ムが達成されない状態のことを指す。
4.× 多職種間のコミュニケーションは、「不要」ではなく必要である。クリニカルパスは、医療者同士のコミュニケーションを促進し、チームでのケアを目指すことができる。
5.〇 正しい。一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。クリニカルパスは、患者が安全で質の高いケアを受けられるよう、同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上することできる。
113回 午後
89 インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。
1.法令で書式が統一されている。
2.責任追及のためには使用されない。
3.インシデントの発生から1か月後に提出する。
4.分析結果は他職種を含めて組織全体で共有する。
5.医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例の報告は不要である。
解答2・4
解説
インシデントレポートとは、医療現場で事故に繋がりかねないような、ヒヤリとしたり、はっとした出来事に関する報告書のことをいう。作成の目的は、事例を分析して類似するインシデントの再発や医療事故・医療過誤の発生を未然に防止することである。インシデントを直訳すると「出来事・事件・異変」である。一方、その行為によって患者に傷害や不利益を与えてしまった事象を、アクシデントという。なお、インシデントの本来の意味は、偶発的や付随的と解釈される。
【目的】
①事実の確認
②原因の究明
③組織全体で事例を共有・分析し、問題点を抽出する。
④将来の医療事故(アクシデント)の予防、再発の防止。
1.× 法令で書式が統一「されていない」。病院や施設によって書式(プリント)があることが多い。
2.〇 正しい。責任追及のためには使用されない。なぜなら、インシデントレポートの目的は、①事実の確認、②原因の究明、③組織全体で事例を共有・分析し、問題点を抽出する、④将来の医療事故(アクシデント)の予防、再発の防止などがあげられる。ちなみに、責任追及とは、責任をとるべき本人を明確にすることである。
3.× インシデントの発生から、「1か月後」ではなく発生した段階でできるだけ早く提出する。なぜなら、1か月後だと再び同じ事故が1か月以内に起こる可能性があるため。
4.〇 正しい。分析結果は他職種を含めて組織全体で共有する。なぜなら、他職種を含めて組織全体で共有することで、多職種からの視点や意見、同じインシデントの予防へとつながるため。
5.× 医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例の報告は、「不要」ではなく必要である。なぜなら、実際に患者に被害を及ぼすことがなかったケースでも、インシデントレポートとして報告することで、今後起こりうる重大なインシデントを予防できる可能性が高くなるため。