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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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110回 午前
53 乳幼児身体発育調査による、身体発育曲線のパーセンタイル値で正しいのはどれか。
1.3パーセンタイル未満の児は、要精密検査となる。
2.50パーセンタイルは同年齢同性の児の平均値を示す。
3.10パーセンタイルは同年齢同性の児の平均より10%小さいことを示す。
4.75パーセンタイル以上90パーセンタイル未満の児は、要経過観察となる。
解答1
解説
(図引用:「平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」厚生労働省HPより)
パーセンタイル値は、乳幼児の身長・体重・頭囲・胸囲について評価するための指標のひとつである。計測値を小さいものから大きいものへと順番に並べ、全体を100として何番目であるかを表したものである。10パーセンタイルから90パーセンタイルまでは正常範囲とされる。
1.〇 正しい。3パーセンタイル未満の児は、要精密検査となる。要精密検査と判断する基準として、3パーセンタイル未満と97パーセンタイルを超える場合であり、乳幼児健診では病院の受診を勧める。
2.× 50パーセンタイルは、同年齢同性の児の「平均値」ではなく中央値を示す。50パーセンタイルは、全体を100とした場合に計測値の小さいものから数えて50番目に位置することを示している。中央値とは、有限個のデータを小さい順に並べたとき中央に位置する値のことである。つまり、データの数値を小さい順に並べた時にちょうどまんなかの値である。一方、平均値とは、複数の数値に対して、個々を全て足し合わせた後、数値の個数で割った値のことである。
3.× 10パーセンタイルは、同年齢同性の児の「平均より10%小さいこと」ではなく、「全体を100とした場合に計測値の小さいものから10番目に位置する」ことを示す。
4.× 75パーセンタイル以上90パーセンタイル未満の児は、「要経過観察」ではなく正常範囲である。ちなみに、要経過観察は、10パーセンタイル未満と90パーセンタイルを超える場合である。
110回 午後
26 生後から20歳になるまでの器官の発育発達を示した曲線(Scammon〈スカモン〉の発育発達曲線)を図に示す。
胸腺の成長を示すのはどれか。
1.①
2.②
3.③
4.④
解答1
解説
スカモンの発育曲線(発育発達曲線)とは、ヒトは生まれてから成人(20歳)するまでの各器官の発育の急速な時期をわかりやすく図式化したもの。子どもの発育には、急速な時期と緩慢な時期が存在する。
1.〇 正しい。①は、リンパ型である。リンパ型には、胸腺や扁桃などが該当する。ちなみに、胸腺とは、胸骨裏面の前縦隔に位置する免疫担当臓器で、Tリンパ球が成熟する場所である。10~12歳頃に最も大きくなり、その後は加齢とともに小さくなる。
2.× ②は、神経型である。神経型には脳、脊髄などが該当する。神経型は出生直後から急激に発育し、幼児期のうちに成人に近いレベルに達する特徴を持つ。
3.× ③は、一般型である。一般形には心臓や肺、骨、筋肉などが該当する。S字状の形状を持つ。
4.× ④は、生殖型である。生殖器型には精巣や卵巣などが該当する。思春期以降に急速に発育する。
110回 午後
54 健康な小児の成長・発達で正しいのはどれか。
1.情緒は快から不快が分化する。
2.発達とともにレム睡眠の割合は増える。
3.体重は出生後1年で出生時の約4倍になる。
4.身長は出生後1年で出生時の約1.5倍になる。
解答4
解説
1.× 情緒は、「快」ではなく、「興奮」から不快が分化する。情緒とは、感情のことである。情緒の発達では、新生児の頃は興奮のみだが、その後、「不快」・「快」に分化し、「不快」から「怒り→嫌悪」に、「快」から「得意→愛情」へと更なる分化を遂げる。3か月頃に3つ(興奮・不快・快)に分化するが、「不快」な情緒の方が、「快」の情緒よりも早く発達する。1932年にブリッジェス(Bridges)が提唱した情緒の分化樹系図
2.× 発達とともにレム睡眠の割合は、「増える」のではなく減る。月齢が進むと、昼夜のリズムができていき、全睡眠におけるレム睡眠の割合は徐々に減少する。睡眠には、①レム睡眠(脳が活発に動いている)と、②ノンレム睡眠(大脳が休息している)がある。新生児の睡眠は、昼夜の区別がなく、睡眠と覚醒を短い期間で繰り返す(多相性睡眠)。
3.× 体重は出生後1年で、出生時の「約4倍」ではなく3倍になる。体重は、出生時の2倍(出生後3か月)、出生時の3倍(出生後1年)、4倍(2歳6か月頃)である。
4.〇 正しい。身長は出生後1年で出生時の約1.5倍になる。ちなみに、4歳頃には出生時の約2倍になる。
(※図引用:「子供の成長・発達」成長科学協会HPより)
112回 午前
問題57 1歳6か月の身体発育曲線 (体重) を示す。
異常が疑われるのはどれか。
解答3
解説
1~2.〇 正常である。それぞれ基準線内に沿っての体重増加が見られている。
3.× 異常が疑われる。なぜなら、生後12か月から18か月にかけて、体重の増加が見られていないため。生後12か月まで平均の基準線に推移していたが、18か月で逸脱したことから、異常が疑われる。
4.〇 正常である。-0.25付近を推移しているが、基準線に沿って体重が増加していることから正常と考えられる。
(図引用:「平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」厚生労働省HPより)
パーセンタイル値は、乳幼児の身長・体重・頭囲・胸囲について評価するための指標のひとつである。計測値を小さいものから大きいものへと順番に並べ、全体を100として何番目であるかを表したものである。10パーセンタイルから90パーセンタイルまでは正常範囲とされる。
112回 午後
問題82 標準的な成長をしている正期産児の身長が出生時の約2倍になるのはどれか。
1.生後6か月
2.生後12か月
3.2歳
4.4歳
5.6歳
解答4
解説
1.× 生後6か月では、正期産児の身長は出生時の約1.35倍に達する。
2.× 生後12か月(1歳)では、正期産児の身長は出生時の約1.5倍に達する。
3.× 2歳では、正期産児の身長は出生時の約1.75倍に達する。
4.〇 正しい。4歳は、標準的な成長をしている正期産児の身長が出生時の約2倍になる。ちなみに、ちなみに、4歳頃には出生時の約2倍になる。
5.× 6歳の年齢になると、男女差が開いてくるため、一概に何倍という指標では表せない。
(※図引用:「子供の成長・発達」成長科学協会HPより)
113回 午前
78 出生後の成長で、最も早く成人の大きさに達するのはどれか。
1.脳
2.肺
3.肝臓
4.心臓
5.脊柱
解答1
解説
スカモンの発育曲線(発育発達曲線)とは、ヒトは生まれてから成人(20歳)するまでの各器官の発育の急速な時期をわかりやすく図式化したもの。子どもの発育には、急速な時期と緩慢な時期が存在する。
1.〇 正しい。脳は、出生後の成長で、最も早く成人の大きさに達する。スキャモン曲線(図②:神経型)には脳、脊髄などが該当する。神経型は出生直後から急激に発育し、幼児期のうちに成人に近いレベルに達する特徴を持つ。
2~5.× 肺/肝臓/心臓/脊柱は、スキャモン曲線(図③:一般型)に該当する。一般形には心臓や肺、骨、筋肉などが該当する。S字状の形状を持つのが特徴である。