この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。
・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。
106回 午後
74 眼球内での光の通路に関与するのはどれか。2つ選べ。
1.強膜
2.脈絡膜
3.毛様体
4.硝子体
5.水晶体
解答4/5
解説
(引用:MSDマニュアル家庭版「結膜と強膜の病気の概要」)
1.× 強膜とは、眼球の外側をつくるいわゆる「しろ目」である。乳白色の強くて囲い膜で、前方は角膜とつながっている。つまり、角膜以外の眼球を覆う最も外側の膜である。
2.× 脈絡膜とは、強膜(白目の部分)の内側にある膜である。酸素や栄養の供給と瞳孔以外からの光を遮る働きがある。眼球の硬い壁である強膜と網膜の間にある組織。
3.× 毛様体とは、虹彩から続く組織で、血管と筋肉が豊富にある組織である。虹彩と脈絡膜の間にあり、毛様体小帯という細い線維が伸びて水晶体を支持している。内部には毛様体筋があり、水晶体の厚さを変えることで、ピント調節を行う。
4.〇 正しい。硝子体は、眼球内での光の通路に関与する。ものを見るとき光は、①角膜→②前房→③房水→④瞳孔→⑤水晶体→⑥硝子体→⑦網膜→⑧視神経→⑨視交叉→⑩視索→⑪外側膝状体→⑪視放線→⑫後頭葉視覚領域へと伝わる。硝子体とは、眼球内の大部分を占める透明なゼリー状の組織で、眼球の形態を保ち、角膜や水晶体で屈折された光を網膜まで透過させる働きがある。
5.× 水晶体は、眼球内での光の通路に関与する。ものを見るとき光は、①角膜→②前房→③房水→④瞳孔→⑤水晶体→⑥硝子体→⑦網膜→⑧視神経→⑨視交叉→⑩視索→⑪外側膝状体→⑪視放線→⑫後頭葉視覚領域へと伝わる。水晶体とは、凸レンズの形をしており、外から入ってくる光を屈折させることで、網膜にピントの合った像を映すという役割をもつ。
107回 午前
85 網膜剝離について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.確定診断のために眼底検査を行う。
2.前駆症状として光視症がみられる。
3.初期症状として夜盲がみられる。
4.失明には至らない。
5.若年者に好発する。
解答1・2
解説
(図引用:「~看護師イラスト集~」看護roo!様HPより)
網膜剥離とは、眼球の内側にある網膜という膜が剥がれて、視力が低下する病気である。網膜は眼球内の光を感知する部分であり、網膜が物理的に剥がれることで起こる。ちなみに、裂孔原性網膜剝離とは、様々な原因で生じた網膜の裂孔や円孔から液化した硝子体が網膜下へ流入することで、感覚網膜層と網膜色素上皮層との間が剥離した状態をいう。つまり、網膜の一部に裂孔と呼ばれる裂け目ができて、そこから網膜の裏側に水分が流れ込んで剥がれてしまった状態をいう。裂孔原性網膜剥離の手術には、強膜内陥術と硝子体手術がある。
1.〇 正しい。確定診断のために眼底検査を行う。眼底検査とは、瞳孔を特殊な目薬(散瞳薬)で開くことにより構造を詳しく観察することができる基本的な眼科検査のひとつである。眼底出血、網膜剥離、視神経炎、黄斑変性などの病気を見つけ治療につなげていく。
2.〇 正しい。前駆症状として光視症がみられる。前駆症状としては光視症や飛蚊症を認めることがある。光視症とは、光が当たっていないのに、視野の中心や端に光が飛んで見えたり、チカチカ・キラキラ光を感じる、硝子体の収縮により網膜が刺激を受けて起こる症状のことである。網膜の剥がれは痛みを伴わないため気付きにくいが、網膜裂孔を生じる際の網膜組織切片が原因で、前兆として飛蚊症があらわれることがある。
3.× 初期症状で夜盲はみられない。網膜剥離と夜盲は関連しない。なぜなら、夜盲とは、網膜色素変性やビタミンA欠乏症が原因疾患であるため。夜盲症とは、暗いところではたらく網膜の細胞(杆体細胞)に異常により、暗順応が障害され、暗いところや夜に見えにくくなる病気のことである。
4.× 失明には「至らない」と一概にいいきれない。なぜなら、黄斑部を含んだ網膜剥離の場合は、失明することもあるため。網膜剥離は、50歳を過ぎてから、眼内の加齢変化によって突然、生じることが多い。 失明につながる重篤な病気であるため、早期発見・治療が大切になる。
5.△ ※分かる方いらしたら、コメントにて教えてください。若年者に好発する。網膜剥離は近視の人に多く、好発年齢は若年者(10~20才台)と中高年(50~60才台)での発症が多い。若年者とは15歳から34歳までをいう。
109回 午前
76 眼球に入る光の量を調節するのはどれか。
1.角膜
2.虹彩
3.瞳孔
4.水晶体
5.毛様体
解答2
解説
(※図引用:「看護roo!様HP~看護師イラスト集~」より)
ものを見るとき光は、①角膜→②前房→③房水→④瞳孔→⑤水晶体→⑥硝子体→⑦網膜→⑧視神経→⑨視交叉→⑩視索→⑪外側膝状体→⑪視放線→⑫後頭葉視覚領域へと伝わる。硝子体は、眼球内の大部分を占める透明なゼリー状の組織で、眼球の形態を保ち、角膜や水晶体で屈折された光を網膜まで透過させる働きがある。水晶体は、凸レンズの形をしており、外から入ってくる光を屈折させることで、網膜にピントの合った像を映すという役割をもつ。
1.× 角膜の役割は、外界からの光線の通過・屈折である。水晶体の外側に覆う薄い膜である。
2.〇 正しい。虹彩の役割は、瞳孔の大きさを調整し眼球に入る光の量の調節である。これは、虹彩にある瞳孔括約筋と瞳孔散大筋の働きによる。
3.× 瞳孔とは、虹彩の中心の孔である。虹彩にある瞳孔括約筋と瞳孔散大筋により瞳孔の大きさが変化し、結果として光量が調節されることになるが、瞳孔自体に光量の調節などの特定の機能はない。
4.× 水晶体の役割は、角膜とともに外界からの光線の通過・屈折である。
5.× 毛様体の役割は、房水を作りだし眼内に栄養を与える。また、水晶体の厚さを変化させる。ちなみに、毛様体筋は、眼の遠近調節を行う筋である。毛様体筋は近くを見るときに収縮する。ちなみに近くで見るとき、毛様体小帯が弛緩し、水晶体が厚くなる。
109回 午後
83 加齢黄斑変性の症状はどれか。
1.羞明
2.霧視
3.飛蚊症
4.眼圧の亢進
5.中心視野の欠損
解答5
解説
加齢黄斑変性とは、老化に伴い、眼の中の網膜の中心に出血やむくみをきたし、視力が低下する病気である。原因として、紫外線による暴露や、喫煙、遺伝、さらに生活習慣も変性への移行を促進していると考えられている。症状は、①ものが歪んで見える(変視症、歪視)、②視力低下、③中心暗点などがある。治療は、早期発見が重要で、血管内皮増殖因子阻害薬の硝子体内注射が行われる。
1.× 羞明とは、強い光を受けた際に、不快感や眼の痛みなどを生じることをいう。白内障、ドライアイ、無虹彩症、緑内障、髄膜炎などでみられる。(※読み:しゅうめい)
2.× 霧視とは、視界が全体的にかすんで見えることをいう。白内障、緑内障に伴う眼圧の急激な上昇時などで起こる。(※読み:むし)
3.× 飛蚊症とは、小さな虫、糸くずのようなものが飛んで見えることをいう。網膜剥離や網膜裂孔、ぶどう膜炎などで見られる。(※読み:かぶんしょう)
4.× 眼圧の亢進は、緑内障でみられる。眼の痛み、充血、かすみや頭痛・吐き気、急速に視野が悪化する可能性がある。
5.〇 正しい。中心視野の欠損(中心暗点:視野の中心部が見えにくい症状)が、加齢黄斑変性の症状である。加齢黄斑変性とは、老化に伴い、眼の中の網膜の中心に出血やむくみをきたし、視力が低下する病気である。原因として、紫外線による暴露や、喫煙、遺伝、さらに生活習慣も変性への移行を促進していると考えられている。症状は、①ものが歪んで見える(変視症、歪視)、②視力低下、③中心暗点などがある。治療は、早期発見が重要で、血管内皮増殖因子阻害薬の硝子体内注射が行われる。
111回 午前
78 眼の遠近調節を行う筋はどれか。
1.下斜筋
2.下直筋
3.毛様体筋
4.上眼瞼挙筋
5.瞳孔括約筋
解答3
解説
【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋
【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋
1.× 下斜筋は、内上方への眼球運動に寄与する。
2.× 下直筋は、外下方への眼球運動に寄与する。
3.〇 正しい。毛様体筋は、眼の遠近調節を行う筋である。毛様体筋は近くを見るときに収縮する。ちなみに近くで見るとき、毛様体小帯が弛緩し、水晶体が厚くなる。
4.× 上眼瞼挙筋は、開眼運動に寄与する。上眼瞼挙筋が収縮すると、腱膜に引っ張られるようにして瞼板が持ち上がりまぶたを開く。ちなみに、上眼瞼挙筋は、途中から薄い膜状の腱膜となり、まぶたの先端部分にある瞼板という板状の組織の前面に付着している。
5.× 瞳孔括約筋は、縮瞳に寄与する。瞳孔散大筋は、交感神経の支配を受けており、ノルアドレナリンの作用で収縮する。逆の働きをする瞳孔括約筋が副交感神経支配筋であり、アセチルコリンで瞳孔は収縮(縮瞳)する。
112回 午前
問題86 緑内障について正しいのはどれか。 2つ選べ。
1.眼球が突出する。
2.視神経が萎縮する。
3.硝子体が混濁する。
4.眼底に出血がみられる。
5.眼圧の上昇が原因となる。
解答2・5
解説
(図引用:「~看護師イラスト集~」看護roo!様HPより)
緑内障とは、眼圧の上昇や視神経の脆弱性などにより視神経が障害され、視野障害をきたす疾患である。一般的な症状として、①見える範囲が狭くなる、②一部が見えにくくなる、③見えない部分が出現するなどが生じる。一度悪くなった視界・視野の症状は改善されることはないため、病気の種類や進行度合いなどによって薬物療法、レーザー治療、手術などが検討される。
1.× 眼球が突出するのは、「バセドウ病」である。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。
2.5.〇 正しい。視神経が萎縮する/眼圧の上昇が原因となる。緑内障とは、眼圧が上昇し、眼の視神経に萎縮が起こることで、視野や視力に障害を起こす病気である。
3.× 硝子体が混濁するのは、「飛蚊症」である。飛蚊症とは、小さな虫、糸くずのようなものが飛んで見えることをいう。網膜剥離や網膜裂孔、ぶどう膜炎などで見られる。(※読み:かぶんしょう)
4.× 眼底に出血がみられるのは、「糖尿病性網膜症」である。糖尿病性網膜症とは、網膜の血管障害により生じ、進行すると視力低下をきたす。また、症状は不可逆性であり、進行した糖尿病網膜症は改善されない。わが国における失明原因の上位を占めている。