【4問】心音の聴診部位についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。

 

第108回 午前

17 心音の聴取でⅠ音がⅡ音より大きく聴取されるのはどれか。
ただし、●は聴取部位を示す。

解答1

解説

心音について

正常心音は、Ⅰ〜Ⅳ音に分類されるが、健康成人ではⅠ音とⅡ音しか確認できないことが多い。

Ⅰ音(心室収縮時に起きる音:おもに僧帽弁閉鎖音、大動脈弁開放音)
Ⅱ音(心室拡張の始まりに起きる音:おもに大動脈弁閉鎖音(ⅡA)と肺動脈弁閉鎖音(ⅡP))
Ⅲ音(心室拡張期の終わり:心室筋の伸展による音)
Ⅳ音(心房収縮音:Ⅰ音の直前)

(※図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

1.〇 正しい。左第5肋間鎖骨中線(心尖部)は、Ⅰ音(僧帽弁閉鎖音)がⅡ音(大動脈弁・肺動脈閉鎖音)より大きく聴取できる。左第5肋間鎖骨中線(心尖部)は、僧帽弁領域を示している。
2.× 心音の聴取部位には含まれない。
3.× 第2肋間胸骨左縁は、肺動脈弁領域と呼ばれる。この部位では、Ⅱ音(特に肺動脈閉鎖音)が大きく聴取できる。
4.× 第2肋間胸骨右縁は、大動脈弁領域と呼ばれる。この部位では、Ⅱ音(特に大動脈弁閉鎖音)が大きく聴取できる。

心周期とは?

心周期とは、心臓の収縮と弛緩からなる、心臓ポンプの1回の心拍動のことである。心周期は5つに分けられる。

①心房収縮期(心房が収縮し、左右の房室弁が開くことで、心房内の血液が心室に送られる)
②等容性収縮期(心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。)
③駆出期(さらに心室が収縮し、心室内圧が動脈内圧を上まわる。動脈弁が開き、心室内の血液は動脈へと流れる。)
④等容性拡張期(心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。)
⑤充満期(心房と心室がさらに拡張し、心室内圧が低下して房室弁が開き、心房の血液が心室に流れ込む。)

 

 

 

 

 

第112回 午前

問題79 僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。

1.弁口面積が拡大する。
2.左心房内圧が上昇する。
3.狭心痛を合併することが多い。
4.弁尖の先天的な3尖化が原因となる。
5.胸骨右縁第2肋間で心雑音を聴取する。

解答

解説

(※図引用:「僧帽弁閉鎖不全症の原因、症状—早期に診断し適切な治療を行うために」Medical Note様HPより)

MEMO

僧帽弁狭窄症とは、僧帽弁の開口部が狭くなり、左心房から左心室への血流が妨害(閉塞)されている状態である。

1.× 弁口面積は、「拡大」ではなく減少する。なぜなら、僧帽弁狭窄症は、僧帽弁の開口部が狭くなる病気であるため。弁口面積とは、心臓の弁の出口の広さのことを指す。
2.〇 正しい。左心房内圧が上昇する。なぜなら、僧帽弁狭窄症は、僧帽弁の開口部が狭くなる病気であるため。左心室から左心房への血流が妨げられ、左心房内圧が上昇する。
3.× 狭心痛を合併することは、「多い」のではなく少ない。なぜなら、狭心痛は、冠動脈の血流低下による(狭心症による)ものであるため。
4.× 原因は、「弁尖の先天的な3尖化」ではなくリウマチ熱である。リウマチ熱とは、A群レンサ球菌と呼ばれる細菌に感染することによって起こる病気である。子どもの頃に感染・発症することが一般的で、中年期になってから僧帽弁狭窄症を引き起こすことがある。
5.× 「胸骨右縁第2肋間」ではなく、胸骨左縁第5肋間で心雑音を聴取する。ちなみに、胸骨右縁第2肋間は、肺動脈弁領域である。

 

 

 

112回 午後

問題26 心周期に伴う心臓の変化で、収縮期の初期には心室の容積は変わらずに内圧が上昇していく。
 このときの心臓で正しいのはどれか。

1.僧房弁は開いている。
2.大動脈弁は開いている。
3.左心室の容積は最小である。
4.左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。

解答

解説

心周期とは?

心周期とは、心臓の収縮と弛緩からなる、心臓ポンプの1回の心拍動のことである。心周期は5つに分けられる。

①心房収縮期(心房が収縮し、左右の房室弁が開くことで、心房内の血液が心室に送られる)
②等容性収縮期(心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。)
③駆出期(さらに心室が収縮し、心室内圧が動脈内圧を上まわる。動脈弁が開き、心室内の血液は動脈へと流れる。)
④等容性拡張期(心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。)
⑤充満期(心房と心室がさらに拡張し、心室内圧が低下して房室弁が開き、心房の血液が心室に流れ込む。)

(※図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

1~2.× 僧房弁(僧帽弁)/大動脈弁は、「開いている」のではなく閉じている。これにより血液の逆流を防いでいる。収縮期の初期(等容性収縮期)は、心室の収縮が始まる段階に該当し、心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはないことが特徴である。
3.× 左心室の容積は、「最小」ではなく最大である。左心室の容積が最小となるのは、等容性拡張期である。この時期は、心室筋が弛緩して拡張が始まる段階である。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。
4.〇 正しい。左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。したがって、血液の逆流を防ぐため大動脈弁が閉じる。左心室の圧力が大動脈圧を上回ると、大動脈弁が開く。収縮期の初期(等容性収縮期)は、心室の収縮が始まる段階に該当し、心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはないことが特徴である。

 

 

 

 

 

113回 午前

34 成人の心音の聴取部位を図に示す。
 心音の聴診における、僧帽弁領域はどれか。
 ただし、聴取部位は●で示す。

 1.①
 2.②
 3.③
 4.④

解答

解説

(※図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

 1.× ①(第二肋骨右縁)は、大動脈弁領域である。
 2.× ②(第二肋骨左縁)は、肺動脈弁領域である。
 3.〇 正しい。③(第五肋骨左縁)は、僧帽弁領域である。
 4.× ④(第四肋骨右縁)は、三尖弁領域である。

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