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31 診療記録で正しいのはどれか。
1.看護記録が含まれる。
2.開示は保健所長が行う。
3.1年間の保存義務がある。
4.閲覧は患者本人に限られる。
解答1
解説
診療録、カルテとは、医療に関してその診療経過等を記録したものである。 診療録には手術記録・検査記録・看護記録等を含め診療に関する記録の総称をいう。
1.〇 正しい。看護記録が含まれる。医療機関の記録には、看護記録の他に①診療録(カルテ)と②助産録がある。①診療録は、医師法第24条に、②助産録は保健師助産師看護師法(施行規則第34条)に、その記録が法的に規定されている。しかし、看護記録は保健師助産師看護師法に記録の規定はない。診療記録には、主に、①診療録(カルテ)、②処方箋、③手術記録、④看護記録、⑤検査所見、⑥エックス線写真、⑦紹介状など保管する。
2.× 開示は「保健所長」ではなく、医療機関の管理者が担当医師などの意見を聞いたうえ行う。厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」及び「診療情報の提供等に関する指針」に基づき、診療情報の開示が規定されている。ちなみに、保健所長とは、保健所内の組織管理を主な業務とし、医師たる職員であって、3年以上の公衆衛生の実務経験等を経た者を充てることが原則である。ただし、医師と同等以上の知識を持ち公衆衛生実務の経験が5年以上あり、国立保健医療科学院の養成訓練課程(原則1年)を終了した者であれば、医師でなくても保健所長になることを認められている。
3.× 診療記録の保存義務は、「診療録」と「診療に関する諸記録」で異なる。①医師が記載する「診療録」は、5年間の保存が義務付けられている。②看護師などの医療従事者が記載する「診療に関する諸記録」は、2年間の保存が義務付けられている。ちなみに、医師法第24条及び歯科医師法第23条に規定されている。
4.× 閲覧は「患者本人」だけでなく、患者本人以外の者が患者に代わって開示を求めることもできる。ただ原則として患者本人である。「診療情報の提供等に関する指針」に基づき、本人以外にも①法定代理人、②患者さんから開示の代理権を与えられた親族、③診療契約に関する代理権を付与されている任意後見人、④ご遺族があげられる。ただし、開示の際に本人同意書や続柄を証明する戸籍謄本等、顔写真入りの身分証の提出を求める施設もある。
32 雇用保険法について正しいのはどれか。
1.育児休業給付がある。
2.雇用保険は任意加入である。
3.雇用保険の保険者は市町村である。
4.雇用保険料は全額を労働者が負担する。
解答1
解説
雇用保険法とは、「労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ること」(第1条)を目的として制定された、日本の法律である。つまり、失業・雇用継続等に関する保険の制度である。保険者は日本政府(国:厚生労働省)。財源は雇用者と雇用主が社会保険として負担するほか、国費投入もされている。つまり雇用保険は、労働保険のひとつで、いわゆる失業保険を中心とするものである。
1.〇 正しい。育児休業給付がある。雇用保険の被保険者が、子の出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度として、産後パパ育休(出生時育児休業・2回まで分割取得できます)を取得した場合、一定の要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給を受けることができる。また、原則1歳未満の子を養育するために育児休業(2回まで分割取得できます)を取得した場合、一定の要件を満たすと「育児休業給付金」の支給を受けられる(※参考:「育児休業給付について」厚生労働省HPより)。
2.× 雇用保険は、「任意加入」ではなく強制加入(義務)である。雇用保険の加入条件は、「①所定労働時間が週20時間以上」、「②31日以上の雇用見込み」「③学生ではない」ことである。これらの条件をすべて満たしていれば、年齢や職種、雇用形態などにかかわらず加入義務が発生する。雇用保険料の支払いは事業者と従業員の双方が負担する。
3.× 雇用保険の保険者は、「市町村」ではなく政府(国:厚生労働省)である。適用事業に雇用される労働者は雇用保険の被保険者となる。
4.× 雇用保険料の支払いは、「労働者」ではなく労働者と事業主とで負担する。ちなみに、事業主負担分のほうが多く折半ではない。一方、労災保険料は事業者が負担するため、従業員は金銭の負担は一切ない。
33 小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法はどれか。
1.動画を視聴する。
2.友人と話し合う。
3.手洗い場で体験する。
4.養護教諭の話を聞く。
解答3
解説
運動学習とは、訓練や練習を通して獲得される運動行動の変化で、状況に適した協調性が改善していく過程である。感覚運動学習とも呼ぶ。運動学習をする際には、①口頭指示(文字のみ)→②模倣→③介助(誘導)の順で難易度が下がっていく。
1.× 動画を視聴するより優先度が高いものが他にある。今回は「手指衛生の手技」と小学生でも馴染みがある。動画を視聴するだけでは、手技を習得するまでには至らず、実際に体験・練習・模倣することが大切である。体育での運動技能の習得に動画コンテンツで、模倣を示すことが効果的であると報告されている。
2.4.× 友人と話し合う/養護教諭の話を聞くより優先度が高いものが他にある。手指衛生の手技を習得するためには、①口頭指示(文字のみ)のみだとイメージがしにくい。
3.〇 正しい。手洗い場で体験することが選択肢の中で最も適切な学習方法といえる。習得方法として、Bandura(1969)は、効率的な運動技能習得には視覚的イメージ形成が要因の一つであることを指摘している。体育での運動技能の習得にも動画コンテンツで模倣を示すことが効果的であると報告されている(山本2004)(※引用:「救急医療における基本手技習得のためのeラーニング開発と評価」日本教育工学会HPより)
34 呼吸音の変化と原因の組合せで正しいのはどれか。
1.呼気延長:胸水
2.呼吸音の減弱:過換気症候群
3.呼吸音の増強:無気肺
4.肺野での気管支呼吸音の聴取:肺炎
解答4
解説
1.× 胸水が存在すると、「呼気延長」ではなく、「呼吸音減弱」する。なぜなら、音による振動が伝わりにくくなる(呼吸音の伝達が低下する)ため。胸水とは、胸腔に液体が異常にたまることや、その液体自体のことをいう。原因としては、感染症、外傷、腫瘍、外傷、心不全、肝不全、肺の血管に詰まった血栓(肺塞栓症)、薬物など、数多くある。
2.× 過換気症候群は、呼吸音は「減弱」ではなく影響しない。なぜなら肺内に病変が現れないため。過換気症候群とは、器質的障害が認められないのにストレスや緊張、不安などの心理的要因等により発作的に肺胞過換気状態を生じ、呼吸性アルカローンスに基づく臨床症状を呈する病態をいう。1回換気量と呼吸数の増加により分時換気量が増加する。
3.× 無気肺は、呼吸音の「増強」ではなく減弱である。ちなみに、無気肺とは気管支の閉塞などによって肺内の空気の出入りがなくなり、空気が抜けてしまった状態である。原因としては、肺門部の扁平上皮がんなどの原発性肺がん、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の粘液栓による気道の閉塞や気道異物などがあげられる。
4.〇 正しい。肺炎は、肺野での気管支呼吸音の聴取できる。肺炎の主な症状は、発熱、咳、たんなどであるため、基本的に、ゴロゴロという水泡音が聴こえる。肺音は、呼吸に伴う気道中の空気の流れに生じる生理的な音である呼吸音と、正常な状態では通常聴取されない呼吸音以外の肺音である副雑音に分けられる。気管支呼吸音は、吸気時・呼気時の持続時間が等しく高調な音が聴取される。肺胞呼吸音より高調で、呼気時にも明瞭に聴かれる。
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35 ヒューマンエラーを起こす人間の特性で認知的特性はどれか。
1.同僚への依存
2.睡眠不足による疲労
3.同じ作業の連続による注意力低下
4.パワーハラスメントによる心理的圧迫
解答3
解説
ヒューマンエラーとは、人為的過誤や失敗のことである。人間の生まれながらに持つ諸特性と人間を取り巻く広義の環境により決定された行動のうち、ある期待された範囲から逸脱したものである。人間の特性とエラー誘発環境は、①生理的身体的特性、②認知的特性、③集団的特性、④エラー誘発環境である。
①生理的身体的特性:疲労、加齢、睡眠不足など。
②認知的特性:聴覚や視覚の勘違い(聞き間違え、見間違えなど)
③集団的特性:同調圧力、リスキーシフト現象(赤信号みんなで渡れば怖くない)
④エラー誘発環境:信号機が壊れている、似た色で判別できないなど
(※参考:「ヒューマンエラーの分類と分類別の防止対策の方法をわかりやすくご紹介!」shouin+様HPより)
1.4.× 同僚(他者)への依存/パワーハラスメントによる心理的圧迫は、集団的特性である。
2.× 睡眠不足による疲労は、生理的身体的特性である。
3.〇 正しい。同じ作業の連続による注意力低下は、認知的特性である。