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26 生後から20歳になるまでの器官の発育発達を示した曲線(Scammon〈スカモン〉の発育発達曲線)を図に示す。
胸腺の成長を示すのはどれか。
1.①
2.②
3.③
4.④
解答1
解説
スカモンの発育曲線(発育発達曲線)とは、ヒトは生まれてから成人(20歳)するまでの各器官の発育の急速な時期をわかりやすく図式化したもの。子どもの発育には、急速な時期と緩慢な時期が存在する。
1.〇 正しい。①は、リンパ型である。リンパ型には、胸腺や扁桃などが該当する。ちなみに、胸腺とは、胸骨裏面の前縦隔に位置する免疫担当臓器で、Tリンパ球が成熟する場所である。10~12歳頃に最も大きくなり、その後は加齢とともに小さくなる。
2.× ②は、神経型である。神経型には脳、脊髄などが該当する。神経型は出生直後から急激に発育し、幼児期のうちに成人に近いレベルに達する特徴を持つ。
3.× ③は、一般型である。一般形には心臓や肺、骨、筋肉などが該当する。S字状の形状を持つ。
4.× ④は、生殖型である。生殖器型には精巣や卵巣などが該当する。思春期以降に急速に発育する。
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27 腸閉塞について正しいのはどれか。
1.仰臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。
2.経口による水分摂取は少量にする。
3.イレウス管を小腸に留置する。
4.抗菌薬の投与は禁忌である。
解答3
解説
イレウス(腸閉塞)とは、何らかの原因により、腸管の通過が障害された状態である。主に、①機械的イレウス(腸閉塞とも呼び、腸内腔が機械的に閉塞されて起こる)、②機能的イレウス(腸管に分布する神経の障害により腸内容が停滞する)に大別される。
①機械的イレウスには、器質的異常を伴うものをいい、単純性イレウスと絞扼性(複雑性)イレウスに分類される。機械的イレウスは血流障害の有無によって、さらに単純性イレウスと複雑性イレウスに分類される。絞扼性(複雑性)イレウスは、腸間膜血行の停止により腸管壊死を伴うイレウスであり、急激に病状が悪化するため緊急に手術を要する。
②機能的イレウスとは、器質的な異常がなく、腸管の運動麻痺や痙攣により腸管の内容物が停滞することである。長期臥床、中枢神経疾患、腹膜炎、偽性腸閉塞が原因となることが多い。麻痺性イレウスと痙攣性イレウスに分けられる。
1.× 「仰臥位」ではなく立位または左側臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。単純X線写真において、立位または左側臥位をとると、腸管内容物のうち液性成分は下に、気体成分は上に移動し、水平に液面像を形成する(ガスと液体の境界線)。これをニボー像(鏡面像)という。
2.× 経口による水分摂取は、「少量」ではなく原則絶飲食とする。なぜなら、腸管の安静のため。点滴で水分を補給して回復させる。口から水分や食事を補給するのは、病態を悪化させるだけで改善につながらないため、絶食と点滴による水分・電解質の補給が必要となる。
3.〇 正しい。イレウス管を小腸に留置する。イレウス管とは、腸閉塞を保存的に治療するための経鼻腸管内減圧チューブのことである。保存的に腸管減圧・排液を図る。
4.× 抗菌薬の投与は、「禁忌」ではなく使用する場合がある。なぜなら、腸閉塞は腸管内に腸内容物が停滞することによって腸内細菌が増
28 膀胱癌について正しいのはどれか。
1.女性に多い。
2.尿路上皮癌より腺癌が多い。
3.経尿道的生検によって治療法を決定する。
4.表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。
解答3
解説
膀胱がんとは、膀胱に発生するがんのことである。はっきりとした原因は分かっていませんが、たばこを吸うことで膀胱がんにかかる確率が高くなる。症状は、痛みを伴わない血尿である。治療として、手術や放射線治療、薬物療法、膀胱内注入療法などを組み合わせた治療が検討される。
1.× 「女性」ではなく男性に多い。50歳以上に多く、男女比は約3~4:1で男性に多い。
2.× 逆である。腺癌より尿路上皮癌(移行上皮癌)が多い。95%以上は尿路上皮癌(移行上皮癌)であり、尿路上皮は腎盂・尿管・膀胱覆っている。腺癌とは、腺組織とよばれる上皮組織から発生するがんである。 胃、腸、子宮体部、肺、乳房、卵巣、前立腺、肝臓、膵臓、胆のうなどに発生する。
3.〇 正しい。経尿道的生検によって治療法を決定する。経尿道的生検とは、顕微鏡検査のために前立腺から組織標本を採取する手技である。尿道から前立腺に照明の付いた細い管を挿入し、切除ループを用いて小さな組織片を採取する。経尿道的生検は、経尿道的膀胱腫瘍切除術と同時に行うことが多い。治療的意義と診断的意義があり、がんの広がりや深さを正確に診断することで、適切な治療法を決定する。治療として、手術や放射線治療、薬物療法、膀胱内注入療法などを組み合わせた治療が検討される。
4.× 膀胱全摘除術が行われるのは、「表在性の癌」に対してではなく「筋層以上の浸潤性癌」である。膀胱全摘除術とは、膀胱を摘出する手術である。基本的には、全身麻酔をかけてから下腹部を切開し、尿管を切除したのち膀胱を摘出する。
29 日本の人口静態統計のもとになる調査はどれか。
1.患者調査
2.国勢調査
3.国民生活基礎調査
4.国民健康・栄養調査
解答2
解説
人口静態統計:ある時点(時間の瞬間的な断面)における人口
人口
1.× 患者調査は、人口
2.〇 正しい。国勢調査は、人口静態統計のもとになる調査である。国勢調査とは、日本に住んでいるすべての人を対象に5年に1回行う調査で、国内の人口や世帯の実態を把握するために行われる。男女の別、出生の年月、就業状態、従業地または通学地、世帯員の数、住居の種類、住宅の建て方などを調べる調査である。
3.× 国民生活基礎調査は、人口
4.× 国民健康・栄養調査は、人口
目的:病院・診療所を利用する患者について、傷病状況の実態を明らかに
調査頻度:3年に1回、医療施設静態調査と同時
調査対象:標本調査(全国の病院、一般診療所、歯科診療所から層化無作為に
調査項目:患者の性別、出生年月日、住所、入院・外来の種別、受療の状況等。
調査方法:医療施設の管理者が記入。
(参考:「患者調査(基幹統計)」厚生労働省HPより)
30 感染症と感染経路の組合せで正しいのはどれか。
1.結核:接触感染
2.麻疹:空気感染
3.マラリア:飛沫感染
4.インフルエンザ:経口感染
解答2
解説
1.× 結核は、「接触感染」ではなく空気感染である。ちなみに、結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。リンパ節結核や脊椎カリエス(骨の結核)など、肺に病気のない結核患者からはうつらない。また肺結核でも、治療がうまくいって喀痰の中に菌が出ていない患者さんからはうつることはない。また、たとえ感染しても、発病するのはそのうち1割ぐらいといわれており、残りの9割の人は生涯何ごともなく終わる。感染してからすぐに発病することもあるが、時には感染した後に体の免疫が働いていったん治癒し、その後数ヶ月から数十年を経て、免疫が弱ったときに再び結核菌が増えて発病することもある。結核の症状には、咳、痰、血痰、熱、息苦しさ、体のだるさなどがある。
2.〇 正しい。麻疹は、空気感染・接触感染である。ちなみに、麻疹とは、麻疹ウイルスの感染後、10~12日間の潜伏期ののち発熱や咳などの症状で発症する病気のこと。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感(小児では不機嫌)があり、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみなど)と結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなる。
3.× マラリアは、「飛沫感染」ではなく蚊媒介感染であるマラリア原虫がハマダラカを媒介して感染する。マラリアの症状として、発熱に伴い、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などがみられる。腹部症状(悪心・嘔吐、下痢、腹痛)や、呼吸器症状が目立つこともあるが、マラリアを疑わないと、風邪やインフルエンザと誤診されることも多い。
4.× インフルエンザは、「経口感染」ではなく飛沫感染・接触感染である。ちなみに、インフルエンザとは、インフルエンザウイルスへの感染を原因に発症する。A型、B型、C型の3種類があり、このうち冬季に流行する「季節性インフルエンザ」はA型とB型によるものである。症状として、38度以上の発熱や寒気、関節痛、全身のだるさなどの全身症状と、喉の痛みや咳などの風邪のような症状が現れる。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)