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26 複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。
1.咬筋
2.上腕二頭筋
3.腹直筋
4.大腿四頭筋
解答3
解説
(※写真参照:Tarzan様HP)
腱は、解剖学において骨格筋が骨に付着する部分の筋肉主体部寄りにある結合組織のひとつである。ちなみに、骨と骨とを結合させているものは靱帯という。腹直筋の腱画は、筋線維の集まりの中で横に3本走る短い腱のことをいう。 腹直筋の表面から深い部分にかけて複数の筋腹に区切っている。したがって、選択肢3.腹直筋は、複数の筋腹が腱(腱画)で直列につながっている筋である。
【起始】恥骨結合と恥骨結節との間
【停止】第5~第7肋軟骨。剣状突起の前面。
【作用】胸郭の前部を引き下げまたは骨盤の前部を引き上げ、また脊柱を前方に曲げる。
ポイント:左右2つに分かれており、それぞれ「腱画」という腱で3~4つに縦に分画されている。すなわち、筋腹は腱で直列につながっている。
1.× 咬筋の【起始】浅側:頬骨弓の前2/3の下縁と内面、深側:頬骨弓の後ろ2/3の下縁、【停止】下顎骨の外面。浅側は咬筋粗面の下部、深側はその上方、【作用】下顎骨を上げて、歯をかみ合わせる(閉口)である。筋腹は並列につながっている。
2.× 上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)である。筋腹は並列につながっている
4.× 大腿四頭筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つの筋の総称である。大腿骨を四方から挟む。筋腹は並列につながっている。
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27 ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。
1.A型肝炎ウイルス
2.B型肝炎ウイルス
3.C型肝炎ウイルス
4.E型肝炎ウイルス
解答2
解説
ウイルスは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。ウイルスは、①DNAウイルスと②RNAウイルスに分けられる。①DNAウイルスは、細胞のDNA合成に関わる酵素を利用しゲノムを複製する。①RNAウイルスは、ウイルスRNAを鋳型として細胞質で作られ、且つ、機能する。従って、RNAウイルスは原則として細胞質で増殖する。ちなみに、DNAウイルスにはアデノやヘルペスなどが分類される。
現在、人に感染して肝炎を起こす五種類の肝炎ウイルス(A型、B型、C型、D型、E型)がある。その中で、D型肝炎ウイルスは不完全なウイルスで、B型肝炎ウイルスを持っている人にだけ感染し、増殖することができる。同時に感染するよりは、B型肝炎ウイルス感染がある人に重ねて感染したときの方が、症状は重く、脳症状がでて短期間に死亡することが多い「劇症肝炎」の原因にもなる。B型肝炎ウイルスだけがDNAウイルスである。他は全てRNAウイルスである。
1.× A型肝炎ウイルスは、急性肝炎の原因となるRNAウイルスである。生ガキの摂取など経口感染が主な感染経路である。
2.〇 正しい。B型肝炎ウイルスは、ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスである。B型肝炎ウイルスはDNA型の肝炎ウイルスで、ヘパドナウイルス科に分類される。 直径約42nmの球状ウイルスで、外被(エンベロープ)とコアの二重構造を有している。母子感染、体液感染、血液感染が主な感染経路であり、母子感染、乳幼児感染では無症候性キャリアを経て慢性化し、肝硬変や肝細胞癌に至ることもある。さらに劇症肝炎の原因として最多でもある。
3.× C型肝炎ウイルスは、主に血液感染するRNAウイルスである。最も一般的な感染様式は、安全性に欠ける注射手技、不十分な医療器具の殺菌処理、スクリーニング検査していない血液や血液製剤の輸血である。感染にて容易に慢性化し、肝硬変や肝細胞癌に至る。
4.× E型肝炎ウイルスは、急性肝炎の原因となるRNAウイルスである。水や豚・猪のレバーなど食物を介して経口感染する。従来、経口伝播型非A非B型肝炎とよばれてきたウイルス性の急性肝炎で、その病原体はE型肝炎ウイルス(RNAウイルス)である。E型肝炎の致死率はA型肝炎の10倍といわれ、妊婦では実に20%に達することがある。
肝硬変とは、B型・C型肝炎ウイルス感染、多量・長期の飲酒、過栄養、自己免疫などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態をいう。 慢性肝炎が起こると肝細胞が壊れ、壊れた部分を補うように線維質が蓄積して肝臓のなかに壁ができる。
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28 成人の敗血症について正しいのはどれか。
1.徐脈となる。
2.高血圧となる。
3.血管透過性が低下する。
4.全身炎症性反応を認める。
解答4
解説
肺血症とは、感染症への反応が制御不能に陥ることで生命を脅かす臓器機能障害が生じる臨床症候群である。つまり、感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされている状態といえる。そのなかでも敗血症性ショックは「急性循環不全により細胞障害および代謝異常が重度となり、死亡率を増加させる可能性のある状態」と定義される。組織灌流が危機的に減少し、肺・腎臓・肝臓をはじめとする急性多臓器不全が起こる場合もある。特に、新生児は免疫学的に未熟であるため重症化しやすく、肺炎や髄膜炎を併発することもある。そのため、早期診断、早期治療が極めて重要である。
【初期の症状】悪寒、全身のふるえ、発熱、発汗など。
【症状進行時】心拍数、呼吸数の増加、血圧低下、排尿困難、意識障害など。
【重症化】腎不全、肝不全といった臓器不全、敗血性ショックを招き、命を落とす危険が高まる。
1~3.× 「徐脈」ではなく頻脈となる。/「高血圧」ではなく低血圧となる。/血管透過性が「低下」ではなく亢進する。感染に対する宿主の反応として血管透過性の亢進がみられ、血漿成分が間質へと移動するため、循環血液量が減少し、循環不全が生じる。その結果として頻脈、低血圧がみられる。他にも低血圧になる原因としては、感染による細菌作用(高サイトカイン血症)により、末梢血管抵抗の減弱(血管拡張)が影響する。
4.〇 正しい。全身炎症性反応を認める。感染に対する宿主の反応として全身炎症性反応、つまり発熱や白血球増加などが生じる。全身性炎症反応症候群とは、外傷や熱傷、手術および感染などの侵襲を受けた局所でサイトカインが産生され、それが血中に吸収されて全身を循環し、全身的な得印象反応を引き起こしている状態である。症状として、体温の変動、脈拍数の増加、呼吸数の増加、そして白血球の増加または減少がある。例えば、体温は38度以上あるいは36度以下、脈拍数は一分間に90回以上、呼吸数は一分間に20回以上などの異常が認められる。
29 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないことを定めているのはどれか。
1.医療法
2.健康保険法
3.地域保健法
4.個人情報の保護に関する法律
解答1
解説
1.〇 正しい。医療法(1条4第2項)で定められている。「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」(※引用:「医療法第1条4第2項」e-GOV法令検索様HPより)ちなみに、医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
2.× 健康保険法とは、労働者及びその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関する医療保険給付等について定めた日本の法律である。
3.× 地域保健法とは、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的として制定された法律である。
4.× 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)とは、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とした個人情報の取扱いに関連する日本の法律である。定義(第2条)には、「この法律において『個人情報』とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう」とされている。
インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。
30 食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効なのはどれか。
1.フグ毒
2.毒キノコ
3.黄色ブドウ球菌
4.サルモネラ属菌
解答4
解説
食中毒とは、食中毒を起こすもととなる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、吐き気などの症状が出る病気のことである。①微生物(細菌、ウイルス等)によるもの、②化学物質によるもの、③自然毒によるもの及びその他に大別される。なかでも、①微生物(細菌性)の食中毒は、感染型と毒素型に大きく分類される。加熱が有効なのは感染型であり、毒素型に加熱は無効である。
1.× フグ毒(テトロドトキシン)は、加熱は無効である。なぜなら、動物性の自然毒であるため。自然毒性食中毒は天然の毒素を摂取することで発症する。食後20分から3時間までに、口唇、舌端、指先のしびれが始まり、頭痛、腹痛などを伴い、激しい嘔吐が続くこともある。その後、知覚マヒ、言語障害、呼吸困難となり、血圧が下降し、全身が完全な運動麻痺になり、指さえ動かすことができなくなる。意識は死の直前まで明瞭なことが多い。
2.× 毒キノコは、加熱は無効である。なぜなら、植物性の自然毒であるため。自然毒性食中毒は天然の毒素を摂取することで発症する。一般的な毒キノコ(クサウラベニタケ)は食べると、食後20分~1時間程度で消化器系の中毒(嘔吐、下痢、腹痛など)を起こす。唾液の分泌、瞳孔の収縮、発汗などの中毒症状も現れる。翌日から10日程度で回復する。
3.× 黄色ブドウ球菌は、加熱は無効である。なぜなら、毒素型の細菌性食中毒(生体外毒素型)を生じるため。原因菌が黄色ブドウ球菌の場合、原因は加工食品(にぎりめし、弁当類)である。潜伏期間は約3時間程度で、発熱はしないが、症状として嘔吐(重度)、腹痛(中等度)、下痢(中等度)がみられる。
4.〇 正しい。サルモネラ属菌は、食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効である。なぜなら、感染型の細菌性食中毒であるため。原因菌がサルモネラ菌の食中毒の原因として、弁当類、生乳、生卵・肉類があげられる。潜伏期間は8~48時間で、38~40℃の発熱が3~5日続く。他の症状として、嘔吐(軽度)、腹痛(軽度)、下痢(中等度:ときに血便)、神経症状(なし)があげられる。