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76 車椅子での座位の姿勢を下図に示す。
このような姿勢を長時間続けることで最も褥瘡が発生しやすい部位はどれか。
1.右肘関節部
2.右大転子部
3.左坐骨結節部
4.左膝関節外側部
5.左足関節外果部
解答3
解説
褥瘡とは、局所の持続的な圧迫により組織に虚血が生じて発生する皮膚・皮下組織の損傷のことである。仙骨部、大転子部、足関節外果、踵部などの骨の突出している場所に好発する。頚髄完全損傷では、自分で除圧できないこと、感覚障害を合併していることより、褥瘡が生じやすい。したがって、仰臥位の褥瘡好発部位は、仙骨部が最も多く、次いで踵骨部、肩甲骨部、後頭部などがある。
1.× 右肘関節部より優先度が高いものが他にある。なぜなら、本症例の座位の姿勢から、重心が左寄りで右肘関節部に圧迫を受けているとはいいがたいため。また、一般的に、右肘関節部の褥瘡は起こりにくいが、座位より仰臥位での好発部位である。仰臥位の褥瘡好発部位は、仙骨部が最も多く、次いで踵骨部、肩甲骨部、後頭部などがある。
2.× 右大転子部より優先度が高いものが他にある。なぜなら、本症例の座位の姿勢から、重心が左寄りで右大転子部に圧迫を受けているとはいいがたいため。また、一般的に、座位より右側臥位での好発部位である。ただし、①車いすの座幅が狭く、②右足がフットレストに接地せず、ずり落ちる姿勢、つまり、サイドガードに右大転子部を押し付けるような姿勢であれば、右大転子部にも褥瘡ができやすいといえる。
3.〇 正しい。左坐骨結節部の褥瘡は、本症例の座位姿勢において最も褥瘡が発生しやすい部位といえる。なぜなら、体幹が左側屈し重心が左に寄っているため、左坐骨結節にかかる圧も正常より大きいと考えられるため。また、坐位においても好発部位である。ただし、自力で動けない状態において、接触する骨突出部位は、すべて褥瘡の発生リスク部位となるため注意する必要がある。
4.× 左膝関節外側部より優先度が高いものが他にある。なぜなら、左膝関節外側部は圧迫を受けていないため。本症例の座位の姿勢は、「左膝関節外側部」より、左大腿外側部のほうがアームサポートの支柱に当たっており、褥瘡のリスクがある。ちなみに、左膝関節外側部の褥瘡は、左側臥位での好発部位である。
5.× 左足関節外果部より優先度が高いものが他にある。なぜなら、左足関節外果部(ひだりくるぶし)は圧迫を受けていないため。本症例の座位の姿勢は、「左足関節外果部」より、左足部外側のほうがフットレストからの圧迫を受けており、褥瘡のリスクがある。ちなみに、左足関節外果部の褥瘡は、左側臥位での好発部位である。
77 平成26年(2014年)の人口動態統計において、1〜4歳の死因で最も多いのはどれか。
1.肺炎
2.心疾患
3.悪性新生物
4.不慮の事故
5.先天奇形、変形及び染色体異常
解答5
解説
(※図引用:「⼦どもの不慮の事故の発⽣傾向」消費者庁HPより)
1.× 肺炎(インフルエンザ)は、1~4歳の死因の第5位である
2.× 心疾患は、1~4歳の死因の第4位である。
3.× 悪性新生物は、1~4歳の死因の第3位である。
4.× 不慮の事故は、1~4歳の死因の第2位である。
5.〇 正しい。先天奇形、変形及び染色体異常は、1~4歳の死因の第1位である。他のポイントして、⼦どもの不慮の事故死は、病気を含む全ての死因の中で上位である。不慮の事故による⼦ども(0〜14歳)の死亡者数は減少傾向にある。
78 Aちゃん(8歳、女児)は、白血病の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。
Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。
1.「Aちゃんは外出できません」
2.「Bちゃんは面会できません」
3.「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」
4.「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」
5.「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」
解答3
解説
・Aちゃん(8歳、女児)
・4人家族:両親と姉のBちゃん(10歳)
・白血病の終末期で入院している。
・病状:安定している。
→終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供するという。従来、医療・介護の現場では、終末期における治療の開始・中止・変更の問題は重要な課題のひとつである。疾病の根治を目的とせず延命のみを目的とした対症療法を一般的に延命治療と称し、人工呼吸・人工栄養(経管栄養)、人工透析などが含まれる。しかし、終末期患者では意思疎通の困難な場合も多く、患者の意思に反する治療(延命)になりかねない。治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認し、それを患者・家族・医療者で共有し、方針を見いだすことが非常に重要である。
1~2.× 「Aちゃんは外出できません」「Bちゃんは面会できません」と伝える必要はない。むしろ、病状が安定しているため、Aさんにそのような希望があったら、チームで相談しながら、医師の指示のもと工夫と検討し行うべきである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供する。
3.〇 正しい。「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」と伝える。終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。家族との限られた時間をどう過ごすか?治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認する。
4.× 「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」と伝える必要はない。なぜなら、終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことであるため。Aさんは8歳であるため、自分の意志・希望を持ち考えることができる年齢である。ご家族・本人の両方の意思を聞く。
5.× 「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」と伝える必要はない。なぜなら、看護師がその方針を決定する権利はないため。家族(親)が、「医師に対し告知しないでほしい」と要望をすることがあり、チームで共有することがある。
急性白血病とは、骨髄の中にある幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり骨髄の中で急速に分裂して数を増やす疾患である。白血病細胞が骨髄の中で増えてくる結果、骨髄の本来の機能である造血能が著しく障害される。初期症状として、発熱・貧血・出血傾向・骨痛・倦怠感がみられる。
79 Aさん(28歳、女性)は、2歳の子どもを養育しながら働いている。
Aさんが所定労働時間の短縮を希望した場合、事業主にその措置を義務付けているのはどれか。
1.児童福祉法
2.労働基準法
3.男女共同参画社会基本法
4.雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)
5.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)
解答5
解説
・Aさん(28歳、女性)
・2歳の子どもを養育しながら働いている。
・希望:所定労働時間の短縮。
→妊産婦や子どもを育てる女性の労働時間に関する規定は、いくつかの法律に規定されている。
1.× 児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。
2.× 労働基準法とは、労働者の生存権の保障を目的として、①労働契約や賃金、②労働時間、③休日および年次有給休暇、④災害補償、⑤就業規則といった労働者の労働条件についての最低基準を定めた法律である。妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいう)に対する産前産後の休業や請求した場合、変型労働時間制を適用しないこと、時間外労働・休日労働をさせてはならないこと、深夜業をさせてはならないことが定められている。
3.× 男女共同参画社会基本法とは、男女平等を推進するべく、1999年に施行された日本の法律。男女が、互いにその人権を尊重しつつ、能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現のために作られた。 所管官庁は、内閣府である。
4.× 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)とは、職場における性的な言動に起因する問題(セクシャル・ハラスメント)と、職場における妊娠・出産などに関する言動に起因する問題(マタニティ・ハラスメント)について事業主が雇用管理上必要な措置を講じなければならないことが定められている。他にも、時差出勤などの措置や、女性労働者の婚姻、妊娠、出産を理由とした解雇の禁止などを定めている。
5.〇 正しい。育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)は、所定労働時間の短縮を希望した場合、事業主にその措置を義務付けている。これは、23条に「(所定労働時間の短縮措置等)事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置(以下「育児のための所定労働時間の短縮措置」)を講じなければならない」と規定されている(※引用:「育児・介護休業法」e-GOV法令検索様HPより)。
育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)とは、育児・介護に携わる労働者について定めた日本の法律である。①労働者の育児休業、②介護休業、③子の看護休暇、④介護休暇などが規定されている。
80 難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。
1.否認
2.昇華
3.知性化
4.合理化
5.反動形成
解答3
解説
防衛機制とは、人間の持つ心理メカニズムであり、自分にとって受け入れがたい状況や実現困難な目標に対して、自我を保つために無意識で発動する心理的な機構である。防衛機制には、短期的には精神状態を安定させる作用があるが、長期的にみればかえって精神を不安定にさせてしまうものもある。
1.× 否認とは、容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うこと。例えば、異性から振られたのに自分から振ったのだと思い込むことである。
2.× 昇華とは、性欲や支配欲などの基本的欲求を社会的に容認された方法で解消することである。例えば、満たされない性的欲求や攻撃欲求を芸術やスポーツ、学問という形で表現することである。
3.〇 正しい。知性化は、難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制である。知性化とは、欲動や感情を論理的あるいは抽象的に考えたり、それらに関する知識を得たりなどしてコントロールすること。例えば、性衝動を、性に関する知識で統制する態度。
4.× 合理化とは、欲求が満たされないとき、その耐え難い感情をかなり強引な理屈づけを行って処理しようとすることである。例えば、異性に振られたとき、「あんな奴と付き合わない方が自分のためになる」などと思い込む。
5.× 反動形成とは、満たされない欲求を正反対の欲動によって打ち消すことである。例えば、好きな子をいじめる。