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21 注射針を皮膚に対して45〜90度の角度で刺入するのはどれか。
1.皮内注射
2.皮下注射
3.筋肉内注射
4.静脈内注射
解答3
解説
深さ:表皮→真皮→皮下組織→静脈→筋肉の順に深くなる。
角度:皮内(ほぼ水平)→皮下注射(10~30度)→筋肉内注射(45~90度)である。
注射部位が浅ければ刺入角度を小さくし、注射部位が深ければ刺入角度を大きくする。
1.× 皮内注射は、皮膚に対して5~15度の角度で針を刺入する。ちなみに、皮内注射とは、主に前腕内側を選択し、皮膚をつまんで皮下組織を集めて、皮膚とほぼ平行に針を刺入し、薬液を皮内(表皮と真皮の間)に注入する方法である。ツベルクリン反応やアレルゲンテストで用いられる。
2.4.× 皮下注射/静脈内注射の刺入角度は、10〜30度である。ちなみに、静脈注射法とは、静脈内に直接薬液を入れる方法で、薬物作用は迅速かつ強力で最も効果的である。
3.〇 正しい。筋肉内注射は、皮膚に対して45~90度の角度で針を刺入する。なぜなら、筋肉は皮下組織の下にあるため。ちなみに、筋肉内注射とは、血管が豊富に分布する筋肉内に注射することで、薬剤の吸収を早める目的で行われる。薬剤が容易に確実に末梢血管に吸収されるため、皮下注射の約2倍の速さで効果が現れる。
22 薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。
1.坐薬
2.経口薬
3.筋肉内注射
4.静脈内注射
解答4
解説
1.× 坐薬は、注射に比べると血中濃度が上昇するまでに時間がかかる。なぜなら、直腸粘膜から吸収されて血中に取り込まれるため。ちなみに、坐薬とは、肛門または膣から挿入し、体温または分泌液で徐々に溶ける固形の薬剤である。坐薬の主な種類としては、解熱・消炎・鎮痛薬、吐き気止め、下剤、痔の治療薬などがある。
2.× 経口薬は、注射に比べると血中濃度が上昇するまでに時間がかかる。なぜなら、消化管の粘膜から吸収され、門脈を経て肝臓で代謝されて血中に取り込まれるため。ちなみに、経口薬とは、口から投与する方法のことをいう。
3.× 筋肉内注射は、静脈注射より薬剤の血中濃度の上昇は遅くなる。なぜなら、筋肉の層を経て、筋肉内の毛細血管から末梢静脈を経る必要があるため。筋肉内注射とは、医薬品を直接筋肉に注射することをいう。 医薬品の投与方法の一つである。一般的には筋肉注射または筋注と呼ばれる。
4.〇 正しい。静脈内注射は、薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法である。なぜなら、静脈内に直接薬液を注入するため。静脈内注射とは、血管内に直接薬液を注入する方法で、静脈内に入った薬剤は全身から戻った血液と融合し、1分後には動脈を介して全身に達す。
23 患者が自己採血で簡単に測定できるのはどれか。
1.血糖
2.カリウム
3.カルシウム
4.アルブミン
解答1
解説
1.〇 正しい。血糖は、患者が自己採血で簡単に測定できる。なぜなら、自分で簡単に自己血糖測定器を用いて計測できるため。自己血糖測定器とは、指先に小さい針を刺して採取した血液をセンサーで読み取り測定するものである。血糖とは、血液の中のブドウ糖(グルコース)であり、細胞が生きていくためのエネルギー源といえる。
2.× カリウムとは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしている。主に血液検査で測定する。
3.× カルシウムとは、骨や歯を形成するミネラルで、身体の機能の維持・調節に不可欠な栄養素である。カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなり、骨の発育障害や成長不良を引き起こす可能性がある。主に血液検査で測定する。
4.× アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。主に血液検査で測定する。
24 ベンチュリーマスクの写真を下に示す。
酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。
1.①
2.②
3.③
4.④
解答3
解説
ベンチュリーマスクとは、患者の換気量に関わらず、設定した濃度の酸素量を送気できるよう設計された酸素マスクのことで、ダイリューターと呼ばれる酸素濃度調整器具によってベンチュリー効果を生み出す酸素吸入器具である。ダイリューターという酸素濃度調整器具の選択によって、24~50%に吸入酸素濃度を調整することができる。ちなみに、ベンチュリー効果とは、空気や水が狭い部分を通るときに流速が増加して、陰圧を生じることをいう。ベンチュリーマスクのような高流量システムではこれを利用し、室内空気を取り込んで酸素濃度とトータルフローを調整している。
1.× ①は、マスク本体である。
2.× ②は、蛇管(じゃかん)と呼ぶ酸素を送る管である。
3.〇 正しい。③は、ダイリュータで酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節する。吸入酸素濃度別に6色に分けられている。
4.× ④は、酸素チューブである。
25 災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。
1.発災後3〜7日
2.発災後週2〜1か月
3.発災後半年〜3年
4.発災後4年目以降
解答1
解説
心的外傷後ストレス障害とは、大規模な災害や事故の現場、他人の悲惨な死など、心理的に大きなストレスを受ける状況下に居合わせた場合、1か月以上心的外傷による障害が持続した場合に生じる。典型的な症状として、①感覚や情動の鈍化、②心的外傷を想起するような状況の回避、③再現的で侵入的な回想(フラッシュバック)や悪夢、④過覚醒、⑤驚愕反応の亢進などが認められる。
1.〇 正しい。発災後3〜7日(発災後数日間)は、災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期である。発災後3〜7日(発災後数日間)は、動悸・めまい・震え・呼吸が速くなる・血圧上昇・発汗などの身体反応がみられる時期である。これを急性ストレス障害という。急性ストレス障害とは、交通事故・自然災害といった極めて強烈なストレスを原因として、その後、急性・一過性に解離症状(感情・感覚麻痺、健忘など)、PTSDと同様の再体験症状、回避症状などが出現し、著しい苦痛や社会的障害を生じている状態をいう。心的外傷後すぐに症状が出現し、持続期間は3日間~4週間である。
2~3.× 発災後週2〜3年は、災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期であるとはいえないが、つらい出来事がしばしばよみがえり、抑うつ感や罪悪感などがみられる。精神症状が1か月以上続くと心的外傷後ストレス障害(PTSD)となる。
4.× 発災後4年目以降は、身体反応が最も強い時期とはいえないが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が継続することがある。