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※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。
問題引用:第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について
1 日本の平成25年(2013年)における男性の平均寿命はどれか。
1.70.21年
2.75.21年
3.80.21年
4.85.21年
解答3
解説
(※図引用:「図表1-2-1 平均寿命の推移」厚生労働省HPより)
平均寿命とは、生まれたばかりの子どもが平均して何年生きるかを示したものであり、0歳の平均余命のことである。ちなみに、健康寿命とは日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる期間を指す。
男性の平均寿命は80.2年、女性の平均寿命は86.6年となっている。(※引用:平成25年簡易生命表(厚生労働省))したがって、選択肢3.80.21年が正しい。
1.× 70.21年は、昭和45~50年頃である。ちなみに、その頃の女性の平均寿命は約75年である。
2.× 75.21年は、昭和60~平成2年頃である。ちなみに、その頃の女性の平均寿命は約80年である。
4.× 85.21年には現在でも至っていない。
2 日本の平成24年(2012年)の国民健康・栄養調査における男性の喫煙習慣者の割合はどれか。
1.14.1%
2.34.1%
3.54.1%
4.74.1%
解答2
解説
習慣的に喫煙している者の割合は20.7%である。性別にみると、男性34.1%、女性9.0%である。したがって、選択肢2.34.1%が正しい。※引用:平成24年国民健康栄養調査(厚生労働省)
国民健康・栄養調査とは、国民の健康状態、生活習慣や栄養素摂取量を把握するための調査である。 毎年、食生活状況、各種身体・血液検査や飲酒、喫煙、運動習慣などを調べており、国における健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査となっている。国民健康・栄養調査は、『健康増進法』に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取状況および生活習慣の状況についての調査で、標本調査により実施される。
【国民健康・栄養調査の調査項目】
1)身体状況調査票
ア.身長、体重(満1歳以上)
イ.腹囲(満6歳以上)
ウ.血圧測定(満20歳以上)
エ.血液検査(満20歳以上)
オ.問診<服薬状況、糖尿病の治療の有無、運動>(満20歳以上)
2)栄養摂取状況調査票
満1歳以上の世帯員の食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況(欠食・外食等)、1日の身体活動量(歩数:満20歳以上)
3)生活習慣調査票
満20歳以上が対象。食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般を把握。
(※参考「国民健康・栄養調査」厚生労働省HPより)
3 地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。
1.酸素
2.水素
3.窒素
4.二酸化炭素
解答4
解説
1.× 酸素(O2)は温室効果はない。ちなみに、大気の約21%を占める。
2.× 水素(H2)は温室効果はない。ちなみに、水素は他のガスに比べてわずかしかない。
3.× 窒素(N2)は温室効果はない。ちなみに、大気の約78%を占める。
4.〇 正しい。二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化をもたらす温室効果ガスである。地球温暖化の原因は、排出された温室効果ガスが地球を覆うことで、太陽の熱が閉じ込められることで起きる。温室効果ガスは、化石燃料由来の二酸化炭素が65.2%、森林減少や土地利用変化などによる二酸化炭素が10.8%、メタンが15.8%、一酸化二窒素が6.2%、フロン類等が2.0%であり、二酸化炭素(CO2)による影響が最も大きい。
気候変動枠組条約(1992年):①大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることが目的である。②先進国は1990年代末まで温室効果ガス排出量を1990年レベルまで戻す(努力目標)。③国際連合環境開発会議(地球サミット)で155か国が署名している。
京都議定書(1997年):①先進国の温室効果ガス排出量の削減目標を定めた。②法的拘束力のある数値目標を国ごとに設定(先進国が対象)。③日本のCO2削減目標は、1990年比で6%減。④日本は1990年比8.4%減で目標の6%減を達成。
パリ協定(2015年):①世界共通の長期目標として産業革命前からの気温上昇を2℃未満に(努力目標は1.5℃)。②主要排出国を含む参加するすべての国が削減目標を5年ごとに提出・更新。③日本は2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で26.0%減として国連気候変動枠組条約事務所に登録。
(※参考:「気候変動の国際交渉|関連資料」環境省HPより)
4 終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
1.アドヒアランス
2.リビングウィル
3.セカンドオピニオン
4.インフォームド・コンセント
解答2
解説
1.× アドヒアランス(adherence)とは、医療現場で患者が治療方針の決定に賛同し、積極的に治療を受けることを意味する言葉である。つまり、患者が賛同、能動的に治療を受けることを指す。
2.〇 正しい。リビングウィル(Living will)とは、終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくことである。つまり、リビングウィルとは、「生きている間に効力を発揮する遺言」のことである。意思決定能力を失った場合に備えて、患者本人が希望する医療内容を事前に意思表示するものである。
3.× セカンドオピニオンとは、診断や治療について、主治医以外の医師の意見を求めることを指す。主治医の意見に不安や悩みを抱えている患者に提案することが多い。
4.× インフォームド・コンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。
終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供するという。従来、医療・介護の現場では、終末期における治療の開始・中止・変更の問題は重要な課題のひとつである。疾病の根治を目的とせず延命のみを目的とした対症療法を一般的に延命治療と称し、人工呼吸・人工栄養(経管栄養)、人工透析などが含まれる。しかし、終末期患者では意思疎通の困難な場合も多く、患者の意思に反する治療(延命)になりかねない。治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認し、それを患者・家族・医療者で共有し、方針を見いだすことが非常に重要である。
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5 医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。
1.静脈内注射
2.診断書の交付
3.末静脈路の確保
4.人工呼吸器の設定の変更
解答2
解説
1.× 静脈内注射は、医師の指示がある場合看護師も可能である。平成14年の「看護師等による静脈注射の実施について」により、医師または歯科医師の指示のもとに看護師などもできることとなった。
2.〇 正しい。診断書の交付は、医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務である。医師法第19~20条により、医師又は歯科医師だげの業務である。看護師は行うことができない。
3~4.× 末静脈路の確保/人工呼吸器の設定の変更は、医師の指示がある場合看護師も可能である。医師の指示がある場合、看護師が行える。ただし、口頭での指示ではなく、文章や指示簿に従い行った方がトラブルを回避できる。
第十九条 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。
第二十条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せヽんヽを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。
(※引用:「医師法第十九条」e-GOV法令検索様HPより)