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46 医療施設において、患者の入院から退院までの看護を1人の看護師が継続して責任をもつことを重視した看護体制はどれか。
1.機能別看護方式
2.患者受け持ち方式
3.チームナーシングシステム
4.プライマリナーシングシステム
解答4
解説
1.× 機能別看護方式とは、患者に提供される看護業務(与薬や処置など)の係を決めて分業するシステムである。投薬、検温、注射など内容別に分類した看護業務を各看護師に割り当て、複数の看護師が分担して看護を行う。メリットとしては、患者に対して一定の看護水準のケアを提供できるが、デメリットとしては、総合的かつ継続的な看護の提供は難しいことがあげられる。
2.× 患者受け持ち方式とは、複数の特定の患者を看護師1人が受け持ち、日ごとのケアの実施から診療の補助まですべてを担当する方式である。勤務帯ごとに各看護師が担当する患者を決めて受け持つ。
3.× チームナーシングシステムとは、各チームにリーダーを置き、リーダーの指示・協力を得ながら、複数のメンバーナースがケアを実施するシステムである。患者を複数のグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。チームナーシングの課題は、一人の患者さんに対して一人の看護師がつくことによる、①同一の看護が継続されにくい、②看護師の経験や能力・スキルにより看護にばらつきが出てしまう可能性がある。
4.〇 正しい。プライマリナーシングシステムが、医療施設において、患者の入院から退院までの看護を1人の看護師が継続して責任をもつことを重視した看護体制である。1人の看護師が特定の患者を入院から退院まで継続的に担当するシステムである。
プリセプターシップとは、新人看護師のオリエンテーションを効果的に行い、看護師としての適応を促す方法である。一人の新人看護師(プリセプティ)に、一人の先輩看護師(プリセプター)がつき、1年間を通じて行う教育指導である。
【利点】
①マンツーマンで技術の習得が早い(すぐ質問できる)。
②業務内容や方向性に一貫性がある。
③一人ひとりの特徴に合った指導を受けることができる。
【欠点】
①人間関係
・人間関係がうまくいかなかった場合早期離職に繋がりやすい。
・他の先輩に聞きづらい。
・プリセプターの実力不足。
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47 平成29年(2017年)の国民健康・栄養調査における成人の生活習慣の特徴で正しいのはどれか。
1.朝食の欠食率は40歳代が最も多い。
2.運動習慣のある人の割合は30歳代が最も多い。
3.1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多い。
4.習慣的に喫煙している人の割合は10年前に比べて増加している。
解答3
解説
1.× 朝食の欠食率は、「40歳代」ではなく男女ともに20歳代が最も多い。
2.× 運動習慣のある人の割合は、「30歳代」ではなく男女とも70歳以上が最も多い。
3.〇 正しい。1日の平均睡眠時間は、6時間以上7時間未満が最も多い。
4.× 習慣的に喫煙している人の割合は10年前に比べて、「増加」ではなく減少している。
(※図引用、各データ参考:厚生労働省HP様「平成29年「国民健康・栄養調査」の結果」)
国民健康・栄養調査とは、国民の健康状態、生活習慣や栄養素摂取量を把握するための調査である。 毎年、食生活状況、各種身体・血液検査や飲酒、喫煙、運動習慣などを調べており、国における健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査となっている。国民健康・栄養調査は、『健康増進法』に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取状況および生活習慣の状況についての調査で、標本調査により実施される。
【国民健康・栄養調査の調査項目】
1)身体状況調査票
ア.身長、体重(満1歳以上)
イ.腹囲(満6歳以上)
ウ.血圧測定(満20歳以上)
エ.血液検査(満20歳以上)
オ.問診<服薬状況、糖尿病の治療の有無、運動>(満20歳以上)
2)栄養摂取状況調査票
満1歳以上の世帯員の食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況(欠食・外食等)、1日の身体活動量(歩数:満20歳以上)
3)生活習慣調査票
満20歳以上が対象。食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般を把握。
(※参考「国民健康・栄養調査」厚生労働省HPより)
48 慢性疾患をもつ成人の自己管理を促進する援助はどれか。
1.行動の習慣化を促す。
2.医療者が患者の目標を設定する。
3.結果を優先して評価することを促す。
4.うまくいかない行動に目を向けるよう促す。
解答1
解説
1.〇 正しい。行動の習慣化を促すことは、慢性疾患をもつ成人の自己管理を促進する援助である。習慣化とは「自分が続けたいと思っていることを、意思や根性に頼らずに無意識的に継続される状態に導くこと」である。 デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の40%以上が「その場の決定」ではなく「習慣」によって決められていると報告している。したがって、自己管理を定着させるためには、行動の習慣化を促すことが有効である。
2.× 患者の目標を設定するのは、「医療者」ではなく患者が主体的に目標を設定することが重要である。
3.× 「結果を優先する」のではなく、問題解決へのプロセス(過程)を評価することを促す。なぜなら、慢性疾患を持つ患者の場合、結果が出るまで長期間かかるため。
4.× うまくいかない行動に目を向けるよう促すのは不適切である。自己効力感とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことである。自己管理で改善できた点を評価することで達成感が得られてさらに自己管理が促進される。
変化ステージ理論(行動変容ステージモデル)とは、人の健康行動の変容や維持について示された理論である。1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルであり、いろいろな健康(食事や運動、禁煙)に関する行動について幅広く研究と実践が進められた。行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられている。
無関心期:行動変容を考えていない時期である。
関心期:行動変容を考えているが実行していない時期である。
準備期:すぐ始める意思がある時期もしくは独自の方法でも何かしら行っている時期である。
実行期:望ましい行動を起こした時期である。
維持期:6か月以上行動を継続している時期である。
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49 気管支鏡検査を受ける成人患者への援助で正しいのはどれか。
1.検査の予約の際に抗凝固薬の内服の有無を確認する。
2.検査の1時間前から飲食しないように指導する。
3.検査中の咳は我慢しなくてよいと指導する。
4.検査後は肺気腫の症状に注意する。
解答1
解説
気管支鏡検査とは、肺や気管支の病気を診断するための内視鏡検査、いわゆる肺カメラの検査である。気管支鏡の太さは約3~6mmくらいの細くて柔らかい管で、一般的な胃カメラより細くできている。①肺がんや間質性肺炎、感染症などの病気を疑う場合、②痰に血が混じる、痰が詰まって息が出来ない場合、③入れ歯などの異物を誤嚥した場合などがあげられる。
1.〇 正しい。検査の予約の際に、抗凝固薬の内服の有無を確認する。なぜなら、気管支鏡検査の際に出血のリスクがあるため。他にも合併症として、息苦しさ、咳などの呼吸器症状、肺や気管支からの出血、検査後の発熱・感染症(特に肺炎)、気胸、麻酔薬によるアレルギーや中毒などが起こりえる。
2.× 「検査の1時間前」からではなく、検査前の4時間程度前から飲食しないように指導する。なぜなら、気管支鏡は挿入時に嘔吐反射を誘発し、窒息や誤嚥の原因となりうるため。
3.× 検査中の咳は、「我慢しなくてよい」のではなく、なるべく我慢するようと指導する。なぜなら、検査中、特に生検操作中の咳は出血や気胸のリスクとなるため。したがって、検査中は息をすることができるが、声を出せないため、事前に何かある際の合図の確認をしておく。
4.× 検査後は、「肺気腫」ではなく出血や気胸の症状に注意する。なぜなら、気管支鏡検査によって肺組織が傷つく場合があるため。他にも合併症として、息苦しさ、咳などの呼吸器症状、肺や気管支からの出血、検査後の発熱・感染症(特に肺炎)、気胸、麻酔薬によるアレルギーや中毒などが起こりえる。ちなみに、肺気腫とは、終末細気管支より末梢の気腔が、肺胞壁の破壊を伴いながら異常に拡大し、明らかな線維化は認められない病変を指す。主な原因は喫煙である。
50 ラテックス製手袋を着用した直後に口唇・手足のしびれと喉頭の違和感を自覚した。
原因となる病態はどれか。
1.Ⅰ型アレルギー
2.Ⅱ型アレルギー
3.Ⅲ型アレルギー
4.Ⅳ型アレルギー
解答1
解説
ラテックスアレルギーとは、天然ゴム製品(ラテックス)に接触することによって生じる接触部位および全身のじんましん、咳や喘鳴などの呼吸器症状、アナフィラキシーショックなどの即時型アレルギー反応(Ⅰ型アレルギー)である。
1.〇 正しい。Ⅰ型アレルギーである。Ⅰ型アレルギーとは、肥満細胞や好塩基球からの化学伝達物質の放出によって起こる即時型アレルギーで、アレルゲンに接触した数分後に、皮膚・粘膜症状が出現する。まれにアナフィラキシーショックとなり重篤化(血圧低下、呼吸困難、意識障害を伴う)することがある。
2.× Ⅱ型アレルギーとは、細胞傷害型や細胞融解型と呼ばれ、抗体はIgG・IgMが関与するアレルギーである。自己の細胞にこれらが結合し、補体の活性化による細胞融解や食細胞による貧食を起こす。血液型不適合輸血による溶血、自己免疫性溶血性貧血などに関連する。
3.× Ⅲ型アレルギーとは、免疫複合体型やArthus型と呼ばれ、抗体はIgG・IgMが関与するが、免疫複合体も関与するアレルギーである。免疫複合体が血管内皮などの組織に沈着すると補体を活性化し、結果として組織障害を生じる。血清病、全身性エリテマトーデスなどに関連する。遅発型で3~8時間で最大の紅斑と浮腫が生じる。
4.× Ⅳ型アレルギーとは、遅延型細胞性免疫やツベルクリン型とも呼ばれ、感作T細胞が関与するアレルギーである。感作T細胞と抗原の反応によって産生・放出されたサイトカインが局所の細胞性免疫反応を活性化し、炎症と組織障害が生じる。ツベルクリン反応、接触性皮膚炎などに関連する。
アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)