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31 急性骨髄性白血病の検査所見で正しいのはどれか。
1.赤血球数が増加する。
2.血小板数が増加する。
3.白血球分画に白血病裂孔を認める。
4.ミエロペルオキシダーゼ反応陽性が3%未満である。
解答3
解説
急性白血病とは、骨髄の中にある幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり骨髄の中で急速に分裂して数を増やす疾患である。白血病細胞が骨髄の中で増えてくる結果、骨髄の本来の機能である造血能が著しく障害される。初期症状として、発熱・貧血・出血傾向・骨痛・倦怠感がみられる。
1~2.× 赤血球数/血小板数は、「増加」ではなく低下する。急性白血病とは、骨髄の中にある幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり骨髄の中で急速に分裂して数を増やす疾患である。つまり、正常造血が抑制される。
3.〇 正しい。白血球分画に白血病裂孔を認める。白血球分画とは、白血球の各細胞である好中球、リンパ球、好酸球、単球、好塩基球の5種類について、その割合を100分率(%)で表したものである。通常、白血球数に異常をみとめた場合に、どの種類の白血球がおもに増減したかを調べるときに検査である。ちなみに、白血病裂孔とは、白血球を顕微鏡などで観察すると、幼若な白血病細胞と残存した成熟細胞はみられるが、分化段階が中間の成熟細胞が観察されなくなること。主に急性骨髄性白血病で観察される血液の状態のことである。
4.× ミエロペルオキシダーゼ反応陽性は、「3%未満」ではなく3%以上である。ちなみに、3%未満の場合は、急性リンパ性白血病と診断される。急性リンパ性白血病(リンパ芽球性リンパ腫)とは、白血球の一種であるリンパ球になる前の細胞に異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が骨髄で無制限に増える病気である。
急性白血病の診断において、白血病細胞が骨髄系かリンパ系かを調べるための重要な検査である。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)反応で染色する細胞が3%以上(陽性)ならば骨髄系、3%未満(陰性)ではリンパ系の急性白血病となる。ただし、骨髄系の急性白血病のー部には陰性となるものがある。
32 Ménière(メニエール)病で正しいのはどれか。
1.伝音性難聴を伴う。
2.めまいは回転性である。
3.発作期に外科治療を行う。
4.蝸牛の機能は保たれている。
解答2
解説
Ménière病とは、膜迷路を満たしている内リンパ液の内圧が上昇し、内リンパ水腫が生じる内耳疾患である。4大症状として、①激しい回転性のめまい、②難聴(感音難聴)、③耳鳴り、④耳閉感を繰り返す内耳の疾患である。主な原因は「内リンパ水腫」で、 その根底にはストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面な性格などがあると考えられている。耳発作時では安静を第一に考えた指導を行い、間欠期では発作が起こらないようにするための指導をする。
(※画像引用:やまだカイロプラクティック院様)
1.× 「伝音性難聴」ではなく、感音性難聴を伴う。なぜなら、メニエール病は内耳(蝸牛、前庭、三半規管)の障害によって起こる疾患であるため。伝音性難聴とは、外耳や中耳などの「伝音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴である。一方、感音性難聴とは、内耳や聴神経など「感音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴である。
2.〇 正しい。めまいは回転性である。なぜなら、メニエール病は内耳(蝸牛、前庭、三半規管)の障害によって起こる疾患であるため。回転性めまいとは、自分は動いていないにも関わらず、自分や周囲(天井や壁など)がぐるぐる回っているようなめまいのことである。
3.×外科治療を行うのは、「発作期」ではなく非発症期である。メニエール病の治療として、薬物療法による対症療法が中心となる。 症状の種類や重さに合わせて、血流改善剤・利尿薬・精神安定剤・自律神経調整剤などを用いる。日常生活が高度に障害される場合には、手術的な治療(内リンパ嚢開放術)を選択することもある。
4.× 蝸牛の機能は障害されている。なぜなら、メニエール病は内耳(蝸牛、前庭、三半規管)の障害によって起こる疾患であるため。蝸牛の働きは、振動として伝えられた音の情報を電気信号に変えて、蝸牛神経を介して脳に伝えることである。聴覚障害は、聴覚伝導路(内耳神経→蝸牛神経核(橋)→中脳下丘→視床→側頭葉)の障害で起こる。
33 成人の急性腎盂腎炎で正しいのはどれか。
1.男性に多い。
2.両腎性が多い。
3.初尿を用いて細菌培養を行う。
4.原因菌はGram(グラム)陰性桿菌が多い。
解答4
解説
急性腎盂腎炎とは、細菌が腎臓の中に入って、炎症が起きている状態である。 20~40歳代では、男女比は1対30である。なぜなら、膀胱炎からの逆行性感染によって生じることが多いため。したがって、解剖学的に尿道が短く膀胱炎になりやすい女性に多い。また、女性は男性よりも尿道が短く尿道口と肛門が近いため、細菌が膀胱へ侵入しやすいことが原因の一つとして挙げられる。症状が急に現れるが、治療が早くできると症状は3日~5日で落ち着く。 しかし、症状が悪くなれば入院する必要があるため、注意する必要がある。
1.× 「男性」ではなく女性に多い。20~40歳代では、男女比は1対30である。なぜなら、膀胱炎からの逆行性感染によって生じることが多いため。したがって、解剖学的に尿道が短く膀胱炎になりやすい女性に多い。また、女性は男性よりも尿道が短く尿道口と肛門が近いため、細菌が膀胱へ侵入しやすいことが原因の一つとして挙げられる。
2.× 「両腎性」ではなく片側腎のみが多い。
3.× 「初尿」ではなく中間尿を用いて細菌培養を行う。なぜなら、初尿は外陰部の常在菌が混入することがあるため。
4.〇 正しい。原因菌は、Gram(グラム)陰性桿菌(かんきん)が多い。急性腎盂腎炎とは、細菌が主として上行性に腎盂腎杯および腎実質に感染し、急性の炎症を生じた病態のことを指す。原因菌はグラム陰性桿菌が主体で、発症は急激で突然悪寒戦慄、高熱を生じ、全身倦怠感、食欲低下、頭痛を伴う。
尿路感染症は、感染診断名としては、①腎盂腎炎と②膀胱炎とに分けられる。一方で、その病態による一般的分類法として尿路基礎疾患のある・なしで、複雑性と単純性とに分ける。頻度として多い女性の急性単純性膀胱炎は外来治療の対象である。急性単純性腎盂腎炎は高熱のある場合、入院が必要なこともある。複雑性尿路感染症は、膀胱炎、腎盂腎炎とも、症状軽微な場合、外来治療が原則であるが、複雑性腎盂腎炎で尿路閉塞機転が強く高熱が認められるものでは、入院の上、腎瘻造設などの外科的ドレナージを要することもある。それら病態を見極めるための検査として、画像診断(超音波断層、静脈性腎盂造影、X線CTなど)が必要となる。感染症としての診断には、適切な採尿法による検尿で膿尿を証明すること、尿培養にて原因菌を同定し薬剤感受性を検査することが基本である。
【疑うべき臨床症状】
尿路感染症の症状は、急性単純性膀胱炎では排尿痛、頻尿、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛が、急性単純性腎盂腎炎では発熱、悪寒、側腹部痛が、主たるものである。複雑性尿路感染症では膀胱炎、腎盂腎炎それぞれにおいて、単純性と同様の症状が見られるが、無症状に近いものから、強い症状を呈するものまで幅が広い。上部尿路閉塞に伴う膿腎症では高熱が続くこともある。
(※引用:「尿路感染症」より)
34 国民健康保険で正しいのはどれか。
1.被用者保険である。
2.保険者は国である。
3.高額療養費制度がある。
4.保険料は加入者の年齢で算出する。
解答3
解説
国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。
1.× 「被用者保険」ではなく地域保険である。地域保険とは、自営業者や農・漁業者などが住所を基準として加入する国民健康保険で、主に市区町村が運営の主体である。職域保険に加入しないすべての人が被保険者になる。これは第五条に「(被保険者)都道府県の区域内に住所を有する者は、当該都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者とする」と記載されている(※一部引用:「国民健康保険法」e-GOV法令検索様HPより)。ちなみに、被用者保険(職域保険)とは、健康保険、共済組合、船員保険などが該当する。会社員や公務員など、国や地方公共団体、法人などに雇われる従業員やその扶養家族が加入する健康保険を指す。
2.× 保険者は、「国」ではなく、当該都道府県内の市町村である。これは第三条「(保険者)都道府県は、当該都道府県内の市町村(特別区を含む。以下同じ。)とともに、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うものとする」と記載されている(※一部引用:「国民健康保険法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.〇 正しい。高額療養費制度がある。高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度である。ちなみに、入院時の食費負担や差額ベッド代等は含まない。ちなみに、高額療養費制度は、国民健康保険だけでなく、他の医療保険にも存在する。
4.× 保険料は、加入者の年齢で算出するのではない。国民健康保険の保険料は、都道府県が算定した標準保険率を参考に市町村が保険料(税)率または額を決定する。内訳は、所得割・資産割・均等割・平等割からなり、世帯ごとに保険料が決定される。これは第76条に記載されている。
35 高齢者の虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)で、措置された高齢者が入所する社会福祉施設はどれか。
1.有料老人ホーム
2.特別養護老人ホーム
3.高齢者生活福祉センター
4.サービス付き高齢者向け住宅
解答2
解説
1.× 有料老人ホームとは、老人福祉法を根拠として、常時1人以上の老人を入所させ、介護等サービスを提供することを目的とした施設で、老人福祉施設でないものである。食事の提供、介護(入浴・排泄など)の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、健康管理のうち、いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設とされている。
2.〇 正しい。特別養護老人ホームが、高齢者虐待防止法に基づき措置された高齢者が入所する社会福祉施設である。『老人福祉法』で、やむを得ない事由による入所措置の対象施設は、特別養護老人ホーム、短期入所生活介護(ショートステイ)、小規模多機能居宅介護、認知症対応型共同生活介護などとされている。
3.× 高齢者生活福祉センターとは、地域において、ひとり暮らし等で見守りがなければ自宅で日常生活を送ることが困難な方が利用する施設である。自宅での生活に不安のある高齢者に対する各種相談や助言、介護サービスおよび保健福祉サービスの利用手続きの援助、緊急通報装置の貸与、高齢者の収入額に応じた住居の提供などを役割・機能としている。
4.× サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、サ付き)とは、主に民間事業者が運営するバリアフリー対応の賃貸住宅である。国土交通省と厚生労働省が所管する『高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)』を根拠法とする高齢者のための住宅であるため、措置の入所施設と合致しない。