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16 意識レベルを評価するスケールはどれか。
1.Borg(ボルグ)スケール
2.フェイススケール
3.ブリストルスケール
4.グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)
解答4
解説
修正Borg指数は、自覚的運動強度の指標である。修正Borg指数は、運動したときのきつさを数字と簡単な言葉で表現し、標準化したものである。0~10の数字で表し、0に近づくと楽と感じ、10に近づくときついという解釈になる。4~5が運動の目安となり、7~9が運動の中止基準となる。
1.× Borg(ボルグ)スケールとは、主観的運動強度のスケールである。運動を行う本人がどの程度「つらさ」を感じているかを数値化して測定する指標である。運動中の自覚症状をもとにした指標で、0~20に分けられ、0が最も軽く、20が最もきつい運動である。
2.× フェイススケールは、痛みの強さを評価するスケールである。顔の表情がいくつか並んでいるなかから、今の痛みの状況を表すのに一番ふさわしいと思うものを選んでもらう。小児では有用性が確認されているが、成人では気分が影響しやすいため通常は用いない。
3.× ブリストルスケール(Bristol Stool Form Scale)は、便の形状を客観的に7段階で評価する指標である。
4.〇 正しい。グラスゴー・コーマ・スケール(GCS:Glasgow Coma Scale)は、意識レベルを評価するスケールである。開眼機能(E)、言語機能(V)、運動機能(M)の3つの要素を用いて3~15点で評価し、点数が低いほど意識レベルの状態が悪いことを示す。ちなみに、他にも意識レベルを評価するスケールで、JCS(Japan coma Scale)があげられる。
(※図引用:「ブリストルスケールによる便の性状分類」排泄ケアナビ様より)
17 マズロー,A.H.の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。
1.尊重されたい。
2.休息をとりたい。
3.他人と関わりたい。
4.自分の能力を発揮したい。
解答1
解説
(※画像引用:STUDY HACKER様HP)
人間の欲求を自己実現に向かう5段階の階層で示したものである。最下層から最上層に向かって、①生理的欲求、②安全欲求、③認知欲求(愛と所属の欲求)、④承認欲求、⑤自己実現欲求の順である。
①生理的欲求:食事や睡民、排泄など、最も基本的な欲求
②安全欲求:人間が生きるための基本的な欲求、危険から逃れ、生活するうえでの安全・安定への欲求である。
③認知欲求、社会的欲求(愛と所属の欲求):友人や家族等の周囲の人々と関わりたいという集団への帰属を求める社会的な欲求である。
④承認欲求:自分が他者から価値のある存在であると認められたい、尊敬されたいという欲求である。
⑤自己実現欲求:自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求である。
※近年、⑥自己超越の欲求を第6段階としては発表している。これは「社会をより良いものにしたい」など自分のエゴを超えたレベルの理念を実現したいという、他者や社会など自分の外にあるものにベクトルが向いている欲求である。
1.〇 正しい。尊重されたいという欲求は、第4段階の欲求「承認の欲求」である。
2.× 休息をとりたいという欲求は、第1段階の欲求「生理的欲求」である。
3.× 他人と関わりたいという欲求は、第3段階の欲求「愛と所属の欲求」である。
4.× 自分の能力を発揮したいという欲求は、第5段階の欲求「自己実現の欲求」である。
18 過呼吸で正しいのはどれか。(※採点対象から除外)
1.吸気時に下顎が動く。
2.1回換気量が増加する。
3.呼吸数が24/分以上になる。
4.呼吸リズムが不規則になる。
解答2(※採点対象から除外)
理由:問題として適切であるが、必修問題としては妥当ではないため。
解説
(※図引用:「異常呼吸」日本臨床検査医学会様HPより)
1.× 吸気時に下顎が動く呼吸(下顎を上下させ、口をパクパクさせてあえぐような努力性の呼吸)は、下顎呼吸という。下顎呼吸とは、呼吸中枢機能がほぼ失われた際の異常呼吸で、全身の低酸素時に起こる呼吸である。下顎は動いてはいるが、十分な肺の酸素化はできていないという特徴を持つことから、死戦期呼吸ともいわれる。臨死期(息を引き取る数時間前~1日前の終末期)になどに認められる努力様呼吸であり、胸式・腹式呼吸が困難になると出現する。
2.〇 正しい。1回換気量が増加する呼吸は過呼吸(過換気症候群)である。1回換気量とは、安静時に意識せずに行っている呼吸1回あたりの換気量である。1回換気量のうち、ガス交換が可能な領域(呼吸細気管支と肺胞)を出入りする分が有効な換気量であり、ガス交換が行われない領域(鼻腔・口腔・気管・気管支・終末細気管支)を出入りする分はガス交換には無効な死腔換気量である。ちなみに、過換気症候群とは、器質的障害が認められないのにストレスや緊張、不安などの心理的要因等により発作的に肺胞過換気状態を生じ、呼吸性アルカローンスに基づく臨床症状を呈する病態をいう。
3.× 呼吸数が24/分以上になる呼吸は、頻呼吸という。頻呼吸とは、呼吸の深さは変わらないが回数が増えた状態で、多呼吸は深さも数も増加した状態である。ちなみに、呼吸数は、12~20/分が正常範囲である。
4.× 呼吸リズムが、不規則になる呼吸は、そのパターンによってクスマウル呼吸やチェーン・ストークス呼吸などである。クスマウル呼吸とは、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態である。 運動時にも同様の呼吸がみられることがある。 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時などに認められる。チェーンストークス呼吸とは、数十秒間程度の無呼吸が続いた後、外呼吸を再開すると1回換気量が次第に増加し、極大に達すると今度は1回換気量が減少して、再び数十秒間の無呼吸に至るというサイクルが続く、異常な外呼吸の仕方である。呼吸中枢の低酸素症(脳出血、脳梗塞)、動脈血循環の不良、低酸素血症のいずれかが原因となる。
(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)
19 患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
1.否定的感情の表出を受けとめる。
2.沈黙が生じた直後に会話を終える。
3.看護師が伝えたいことに重点をおく。
4.患者の表情よりも言語による表現を重視する。
解答1
解説
認知症の患者に対する対応では、バリデーション(本人の思いを肯定し、共感的・受容的態度で安心感を与えることを基本とし、信頼関係を構築すること)という考え方を用いると良いとされている。
【バリデーションを構成する要素】
・傾聴する(相手の言葉を聞いて、反複する。)
・共感する(表情や姿勢で感情を汲み取り、声のトーンを合わせる)
・誘導しない(患者にペースを合わせる。)
・受容する(強制しない、否定しない)
・嘘をつかない、ごまかさない
1.〇 正しい。否定的感情の表出を受けとめる。 否定的な感情とは、悲しみ、絶望、怒り、恨み、妬みなどである。患者に対する対応では、バリデーション(本人の思いを肯定し、共感的・受容的態度で安心感を与えることを基本とし、信頼関係を構築すること)という考え方を用いると良いとされている。
2.× 沈黙が生じた直後に会話を終える必要はない。なぜなら、沈黙は会話の終わりを意味するとは限らないため。患者が考えを整理し、言葉を考えている時間ともとらえられる。
3.× 看護師が伝えたいことに重点をおく必要はない。なぜなら、誘導しないこと、つまり、患者にペースを合わせることが大切であるため。したがって、「看護師」ではなく患者が伝えたいことに重点をおく。
4.× 患者の「表情」よりも「言語」による表現を重視するといった、どちらか優先度をつけてコミュニケーションをとる必要はない。むしろ、言語的表現より表情などの非言語的表現のほうが多いとされている。
20 入浴の温熱作用はどれか。
1.筋緊張が増す。
2.末梢血管が拡張する。
3.慢性疼痛が増強する。
4.循環血液量が減少する。
解答2
解説
①組織の粘弾性の改善
②局所新陳代謝の向上
③循環の改善
慢性的な疼痛に対する温熱療法の生理学的影響として、血行の改善によるケミカルメディエーター(痛み物質)の除去、二次的な筋スパズムの軽減、疼痛閾値の上昇などがある。
1.× 筋緊張が「増す」のではなく低下する。なぜなら、温水によって身体が温まり副交感神経が優位になるため。慢性的な疼痛に対する温熱療法の生理学的影響として、血行の改善によるケミカルメディエーター(痛み物質)の除去、二次的な筋スパズムの軽減、疼痛閾値の上昇などがある。
2.〇 正しい。末梢血管が拡張する。したがって、血液の循環量が増加する。
3.× 慢性疼痛が「増強する」のではなく軽減する。慢性的な疼痛に対する温熱療法の生理学的影響として、血行の改善によるケミカルメディエーター(痛み物質)の除去、二次的な筋スパズムの軽減、疼痛閾値の上昇などがある。ちなみに、閾値とは、感覚や反応や興奮を起こさせるのに必要な、最小の強度や刺激などの(物理)量である。したがって閾値が高いと(上がると)、 感覚を感じにくくなることをさす。
4.× 循環血液量が「減少する」のではなく増加する。なぜなら、末梢血管が拡張するため。