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71 Aさん(88歳、男性)は、長女(60歳、無職)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランクC2。仙骨部の褥瘡の治療のため、膀胱留置カテーテルを挿入することになった。
膀胱留置カテーテルを挿入中のAさんを介護する長女に対して、訪問看護師が指導する内容で適切なのはどれか。
1.「褥瘡が治癒するまでおしりは洗浄しないでください」
2.「体位変換ごとに蓄尿バッグを空にしてください」
3.「カテーテルは太ももに固定してください」
4.「尿に浮遊物がないか確認してください」
解答4
解説
膀胱留置カテーテルとは、尿道に留置する方法である。長期の留置により、膀胱が膨らみにくくなるため、他の方法が選択できるのであれば、長期留置は避けるべきである。
1.× 褥瘡の治癒に関わらず、おしりの洗浄は推奨する。褥瘡とは、局所の持続的な圧迫により組織に虚血が生じて発生する皮膚の潰瘍あるいは皮下組織の損傷のことである。背臥位では、後頭骨や肩甲骨、肘頭、仙骨、踵部などの骨の突出している場所に好発する。予防法としては、最も負担がかかりやすい骨突出部を除圧し、面で支持することで一点に圧をかけることなく、圧の分散に努める。褥瘡予防マットやクッションなどを活用する。また、清潔を心がけ、体位変換を行う。
2.× 体位変換ごとに蓄尿バッグを空にする必要はない。蓄尿バッグの尿の破棄は、12時間ごとまたは蓄尿バッグの8割ほどどの尿がたまったときに実施する。なぜなら、頻回に蓄尿バッグを開放することはかえって感染リスクにつながるため。
3.× 男性のカテーテルの固定は、「太もも」ではなく下腹部に固定する。なぜなら、男性の場合、大腿部に固定するとカテーテルにより尿道損傷を起こすおそれがあるため。一方、女性の場合は太ももに固定する。男女ともに、カテーテルにゆとりがないと、体動のたびにカテーテルが引っ張られて、抜去しやすくなったり、尿道粘膜が摩擦によって損傷される危険性がある。女性の場合、膣から離すことで、膣分泌物によるカテーテル汚染を防ぐ。
4.〇 正しい。「尿に浮遊物がないか確認してください」と指導する。なぜなら、尿中の混濁・浮遊物は尿路感染の徴候として役立つため。早期発見のために、毎日尿の性状・発熱など確認するよう指導する。
72 平成28年(2016年)の介護サービス施設・事業所調査における要介護度別利用者数の構成割合で、要介護5の利用者が最も多いのはどれか。
1.訪問介護
2.訪問看護
3.居宅介護支援
4.訪問入浴介護
解答4
解説
(※図引用:「厚生労働省HPより「要介護度別利用者数の構成割合」厚生労働省HPより)
1.× 訪問介護の要介護5は、10.1%である。
2.× 訪問看護(訪問看護ステーション)の要介護5は、16.9%である。
3.× 居宅介護支援(居宅介護支援事業所)の要介護5は、6.9%である。
4.〇 正しい。訪問入浴介護の要介護5は、48.8%で要介護5で最も多い。訪問入浴介護のみ、要介護度が高いほど、構成割合が多くなる特徴を持つ。
73 医療法における医療計画で正しいのはどれか。
1.国が策定する。
2.在宅医療が含まれる。
3.3年ごとに見直される。
4.病床の整備は含まれない。
解答2
解説
医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
医療法における医療計画とは、医療提供体制の確保を図るための計画である。地域における体系的な医療の提供を実現することを目的として、都道府県が策定する計画である。医療計画は6年ごと(平成29年度までは5年ごと)に見直される。
1.× 「国」ではなく都道府県が策定する。
2.〇 正しい。在宅医療が含まれる。居宅などにおける医療の確保に関する事項が含まれている。医療機能の分化・連携「医療連携」を推進することにより、急性期から回復期、在宅療養に至るまで、地域全体で切れ目なく必要な医療が提供される「地域完結型医療」を推進する。
3.△ 一部の「特定事項」については、3年ごとに見直される。しかし、都道府県は、原則として6年ごとに医療計画の見直し、変更をするものとする。ちなみに、平成29(2017)年度までは少なくとも5年ごとに見直し、変更するものとされていた。※下記参照。
4.× 病床の整備は、「含まれない」のではなく含まれている。病床の整備を図るべき地域的単位としての区域の設定や病床数に関する事項が含まれている。これは第30条4第2項14に「主として病院の病床(次号に規定する病床並びに精神病床、感染症病床及び結核病床を除く。)及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項」と記載されている(※一部引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)
第三十条の六 都道府県は、三年ごとに第三十条の四第二項第六号及び第十一号に掲げる事項並びに次の各号に掲げる事項のうち同項第六号及び第十一号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項に関するもの(次項において「特定事項」という。)について、調査、分析及び評価を行い、必要があると認めるときは、当該都道府県の医療計画を変更するものとする。
一 第三十条の四第二項各号(第六号及び第十一号を除く。)に掲げる事項
二 医療計画に第三十条の四第三項各号に掲げる事項を定める場合にあつては、当該各号に掲げる事項
2 都道府県は、六年ごとに前項各号に掲げる事項(特定事項を除く。)について、調査、分析及び評価を行い、必要があると認めるときは、当該都道府県の医療計画を変更するものとする。
(※一部引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)
74 災害対策基本法に定められている内容で正しいのはどれか。
1.物資の備蓄
2.避難所の設置
3.災害障害見舞金の支給
4.救護班による医療の提供
解答1
解説
災害対策基本法とは、①防災計画の作成、②災害予防、③災害応急対策、④災害復旧および防災に関する財政金融措置など、災害対策の基本を定めている。国民の生命、身体及び財産を災害から保護し、もって、社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とした法律である。
1.〇 正しい。物資の備蓄は、災害対策基本法に定められている。「(防災に必要な物資及び資材の備蓄等の義務)第四十九条 災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務又は業務に係る災害応急対策又は災害復旧に必要な物資及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又はその管理に属する防災に関する施設及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない」と記載されている(※一部引用:「災害対策基本法」e-GOV法令検索様HPより)
2.× 避難所の設置は、主に『災害救助法』に定められている。災害対策基本法には、指定緊急避難場所及び指定避難所の指定等が記載されている。ちなみに、災害救助法とは、災害に際して、国が地方自治体、日本赤十字社などと国民の協力のもとに、応急的に必要な救助を行い、被災者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とした法律である。
3.× 災害障害見舞金の支給は、『災害弔慰金の支給等に関する法律』で定められている。災害障害見舞金とは、災害による負傷または疾病により障害を負った住民に支給されるものである。ちなみに、災害弔慰金の支給等に関する法律とは、災害により死亡した者の遺族に対して支給する災害弔慰金、災害により精神又は身体に著しい障害を受けた者に対して支給する災害障害見舞金及び災害により被害を受けた世帯の世帯主に対して貸し付ける災害援護資金について規定するものとする。
4.× 救護班による医療の提供は、主に『災害救助法』に定められている。災害対策基本法には、救護班の派遣の要請等が記載されている。ちなみに、救護班とは、都道府県知事が派遣する公立の病院や診療所、医師会の医療チームや、日本赤十字社が都道府県知事から委託を受けて派遣する救護班を指し、DMAT(災害派遣医療チーム)も該当する。
75 2015年の経済協力開発機構(OECD)の報告書の日本に関する記述で正しいのはどれか。
1.喫煙率が最も低い。
2.高齢化率が最も高い。
3.人口千人当たりの病床数が最も少ない。
4.国内総生産(GDP)に対する医療費の割合が最も高い。
解答2
解説
経済協力開発機構は、先進34か国による国際経済などに関する協議・政策を提言する機関である。より良い暮らしのためのより良い政策の構築に取り組む国際機関である。目標は、あらゆる人々の繁栄、平等、機会、幸福を促す政策を形作ることである。
1.× 喫煙率が最も低いわけではない。日本は、全体での喫煙率は19.3%で、40か国中22位である。ちなみに、ランキングの1位はロシアの33.8%、2位はギリシャの31.9%、3位はチリの29.8%である。
2.〇 正しい。高齢化率が最も高い。日本の高齢化率は26.0%である。ただし、経済協力開発機構の枠にとらわれない場合、最も高いのはモナコで約36%である。
3.× 人口千人当たりの病床数が最も「少ない」のではなく最も多い。日本の病床数は、千人当たり13.3床である。ちなみに、2位が韓国(12.4床)、3位がドイツ(8.0床)である。
4.× 国内総生産(GDP)に対する医療費の割合は、最も高いわけではない。国内総生産(GDP)に対する医療費の割合は、10.2%であり、OECD加盟国中第8位である。最も高いのはアメリカ(16.9%)である。