第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午前6~10】

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6 児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

1.オキシトシン
2.プロラクチン
3.テストステロン
4.プロゲステロン

解答1

解説

1.〇 正しい。オキシトシンは、児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促す。オキシトシンとは、脳下垂体後葉から分泌される。乳汁射出、子宮収縮作用がある。また、分娩開始前後には分泌が亢進し、分娩時に子宮の収縮を促し、胎児が下界に出られるように働きかける。
2.× プロラクチン(催乳ホルモン)は、下垂体前葉から分泌される。作用は、乳腺の発育、乳汁の産生・分泌をもつ。したがって、出産後に多く分泌されるホルモンである。
3.× テストステロン(アンドロゲン、男性ホルモン)は、精巣から分泌される。作用は、筋肉の増大・骨格の発達・陰毛の発毛に作用する。女性でも卵巣や副腎からごく微量分泌される。分泌量は、男性の人生の中で20〜30代の頃がピークといわれている。
4.× プロゲステロン(黄体ホルモン)は、妊娠初期は妊娠黄体から、妊娠8週以降は胎盤から分泌される。作用は、妊娠の維持(子宮筋の収縮抑制)、体温の上昇、乳腺の発育、妊娠中の乳汁分泌抑制である。厚くなった子宮内膜を、さらに受精卵が着床しやすい状態にする。

月経周期

・卵胞期:1回の月経周期が始まると脳の底の方にある下垂体というところから、卵を包んでいる卵胞を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されはじめ、卵胞は大きくなると同時に女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する時期。
・増殖期:女性ホルモン(エストロゲン)が新しい子宮内膜を成長させていく時期。卵胞期と増殖期とはだいたい同じ時期。
・黄体期:排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期。
・分泌期:子宮内膜が成長を止めて受精卵が着床できるよう準備をする時期。

 

 

 

 

 

7 平成29年(2017年)の国民生活基礎調査における平均世帯人数はどれか。

1.1.47
2.2.47
3.3.47
4.4.47

解答2

解説

(※図引用:「国民生活基礎調査における平均世帯人数」厚生労働省HPより)

選択肢2.2.47が平成29年(2017年)の国民生活基礎調査における平均世帯人数である。

国民生活基礎調査とは?

国民生活基礎調査とは、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得るとともに、各種調査の調査客体を抽出するための親標本を設定することを目的とした厚生労働省が行う基幹統計調査である。

(※図引用:「国民生活基礎調査における平均世帯人数」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

8 レスパイトケアの目的はどれか。

1.介護者の休息
2.介護者同士の交流
3.介護者への療養指導
4.療養者の自己決定支援

解答1

解説

レスパイトケアとは?

レスパイトケアとは、利用者と家族が活用できる資源の一つで、在宅介護の要介護状態の方(利用者)が、福祉サービスなどを利用している間、介護をしている家族などが一時的に介護から解放され、休息をとれるようにする支援のことである。ちなみに、レスパイト(respite)とは、「息抜き・休息」を意味する。レスパイトサービスとして、訪問介護・通所介護・短期入所生活介護などが挙げられる。

1.〇 正しい。介護者の休息は、レスパイトケアの目的である。レスパイト(respite)とは、「息抜き・休息」を意味する。
2.× 介護者同士の交流は、「ピアサポート」の概念に近い。ピアサポートとは、自助グループ活動の一つであり、同じ問題や障害を背景にもつ人が、仲間同士として支え合うこという。ピアサポートを行う人たちのことを、「ピアサポーター」という。介護者同士の交流を促す場として、認知症介護者交流会、家族会、認知症カフェなどがある。
3.× 申し訳ありません。介護者への療養指導に近い概念がありましたら、コメント欄にて教えて下さい。介護者への療養指導は主に、家族介護教室などで行う。
4.× 療養者の自己決定支援は、レスパイトケアの目的に該当しない。療養者の自己決定支援のことを、インフォームド・コンセントといわれる。

インフォームド・コンセントとは?

インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。

 

 

 

 

 

9 死の三徴候に含まれるのはどれか。

1.筋の弛緩
2.角膜の混濁
3.呼吸の停止
4.呼名反応の消失

解答3

解説

死の三徴候とは?

死の三徴候とは、①自発呼吸の停止、②心臓の停止、③瞳孔散大(対光反射の消失)である。

1.× 筋の弛緩は、死の三徴候に含まれない。死後2~3時間経つとみられるのは死後硬直であり、早期死体現象の一つである。早期死体現象とは、死後比較的早期に認められる死体の変化で、死後冷却、死斑、死後硬直、乾燥、角膜混濁、眼圧低下などがあげられる。死後硬直は死後12時間頃に最も強くなり、2日目以後は弛緩する特徴を持つ。
2.× 角膜の混濁は、死の三徴候に含まれない。角膜の混濁は、早期死体現象の一つである。早期死体現象とは、死後比較的早期に認められる死体の変化で、死後冷却、死斑、死後硬直、乾燥、角膜混濁、眼圧低下などがあげられる。
3.〇 呼吸の停止は、死の三徴候に含まれる。死の三徴候とは、①自発呼吸の停止、②心臓の停止、③瞳孔散大(対光反射の消失)である。
4.× 呼名反応の消失は、死の三徴候に含まれない。呼名反応の消失は、意識レベルの評価に用いられる。

脳死の判定基準

脳死とは、脳幹を含む全脳の機能が停止した状態である。

①深い昏睡にあること
②瞳孔が固定し一定以上開いていること
③刺激に対する脳幹の反射がないこと
④脳波が平坦であること
⑤自分の力で呼吸ができないこと

の5項目を行い、6時間以上経過した後に同じ一連の検査(2回目)をすることで、状態が変化せず、不可逆的であることの確認できた場合。

 

 

 

 

10 球関節はどれか。

1.肩関節
2.膝関節
3.下橈尺関節
4.手根中手関節

解答1

解説

1.〇 正しい。肩関節は、球関節である。他にも腕橈関節があげられる。
2.× 膝関節は、らせん関節である。他にも腕尺関節、距腿関節があげられる。ただし、膝関節において、らせん関節とされてきたが、これまで文献によって、顆状関節と紹介されていたものもあった。どちらの意見も尊重して覚えておこう。
3.× 下橈尺関節は、車軸関節である。他にも環軸関節があげられる。
4.× 母指手根中手関節は、鞍関節であり、第2~5指にある手根中手関節は、半関節(関節の形態をとるが、可動性はほとんどない)である。ちなみに、鞍関節は他にも胸鎖関節があげられる。

 

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