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6 胎盤の断面を図に示す。
絨毛間腔を示す場所はどれか。
1.A
2.B
3.C
4.D
解答2
解説
(※図引用:「25. 胎盤・臍帯の超音波像」日本産婦人科医会様HPより)
1.× Aは絨毛を示す。絨毛は、子宮壁(螺旋動脈)から流れ込む母体血(絨毛間腔)に浸かった状態で、絨毛組織を介して、母体から胎児側へ酸素や水、栄養、胎児から母体側へ二酸化炭素などの不要な物質などの受け渡しを行っている。
2.〇 正しい。Bが絨毛間腔を示す。絨毛間腔とは、母体の血液が流れ込む空間で、母体血の溜まりである。酸素や栄養素がこの空間を介して胎児に供給される。
3.× Cは、子宮筋層を示す。子宮筋層とは、子宮の外側の筋肉の層である。
4.× Dは、基底脱落膜を示す。基底脱落膜とは、母体の子宮内膜の一部であり、妊娠中に胎盤の一部を形成する。胎盤とは、母体の組織に由来する基底脱落膜と、胎児の組織である絨毛が一緒になって構成されており、円盤状の基底脱落膜のなかに絨毛が納まっているような形をしている。
(※図引用:「羊膜のご提供をお考えのお母さまへ」東京歯科大学HPより)
7 乳児が身体の傍にあるおもちゃを認識し、手を伸ばしてつかむことができるようになる時期はどれか。
1.生後1か月ころ
2.生後2か月ころ
3.生後3か月ころ
4.生後6か月ころ
解答4
解説
(※図:日本版デンバー式発達スクリーニング検査)
1.× 生後1か月ころは、正中線まで追視が行えるようになる時期である。
2.× 生後2か月ころは、声を出して笑うことができる時期である。
3.× 生後3か月ころは、ガラガラを握ったり、両手を合わせることができる時期である。
4.〇 正しい。生後6か月ころは、乳児が身体の傍にあるおもちゃを認識し、手を伸ばしてつかむことができるようになる時期である。したがって、おもちゃを取ろうとしたり、おもちゃを引っ張ると抵抗する時期である。
8 生後6か月の女児。これまで健康で、身体発育、精神運動発達に問題は指摘されていない。
児の食事の内容で適切なのはどれか。
1.軟飯
2.はちみつ
3.つぶした豆腐
4.フォローアップミルク
解答3
解説
離乳の開始とは、なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時をいう。その時期は生後5,6か月頃が適当である。発達の目安としては、首のすわりがしっかりしている、支えてやるとすわれる、食物に興味を示す、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)などがあげられる。なお、離乳の開始前の乳児にとって、最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)である。離乳の開始前に果汁を与えることについては、果汁の摂取によって、乳汁の摂取量が減少すること、たんばく質、脂質、ピタミン類や鉄カルシウム、亜鉛などのミネラル類の摂取量低下が危惧されること、また乳児期以降における果汁の過剰摂取傾向と低栄養や発育障害との関連が報告されており、栄養学的な意義は認められていない。また、咀嚼機能の発達の観点からも、通常生後5~7か月頃にかけて哺乳反射が減弱・消失していく過程でスプーンが口に入ることも受け入れられていくので、スプーン等の使用は離乳の開始以降でよい。
離乳の進行
①離乳の開始後ほぼ1か月間は、離乳食は1日目1回与える。母乳または育児用ミルクは子どもの欲するままに与える。この時期は、離乳食を飲み込むこと、その舌ざわりや味に慣れることが主目的である。
②離乳を開始して1か月を過ぎた頃から、離乳食は1日2回にしていく。母乳または育児用ミルクは離乳食の後にそれぞれ与え,離乳食とは別に母乳は子どもの欲するままに、育児用ミルクは1日に3回程度与える。生後7,8か月頃からは舌でつぶせる固さのものを与える。
③生後9か月頃から、離乳食は1日3回にし、歯ぐきでつぶせる固さのものを与える。食欲に応じて、離乳食の量を増やし、離乳食の後に母乳または育児用ミルクを与える。離乳食とは別に、母乳は子どもの欲するままに、育児用ミルクは1日2回程度与える。鉄の不足には十分配慮する。(※引用:「離乳編」厚生労働省HPより)
1.× 軟飯を与えることができる時期は、生後9か月~1歳半頃である(※読み:なんはん)。軟飯とは、硬さがお粥とご飯の間にあたるやわらかいご飯である。
2.× はちみつを与えることができる時期は、1歳以降である。なぜなら、はちみつにはボツリヌス菌が含まれている可能性があり、ボツリヌス中毒症を引き起こすリスクがあるため。ボツリヌス中毒症は、ハム、 キャビア、小児ではハチミツなどが原因となる。潜伏期は12~36時間で、毒素型食中毒に属し、発熱は通常目立たない。神経毒により末梢神経障害をきたし、球麻痺(発語障害、嚥下障害)、 外眼筋麻痺(複視、眼瞼下垂)、呼吸筋麻痺などをきたす。
3.〇 正しい。つぶした豆腐を児(生後6か月)の食事の内容とする。なぜなら、生後6か月は、離乳食を開始したてであるため。つぶした豆腐は、柔らかくて消化しやすく、栄養価も高く、アレルギーのリスクも比較的低いため、6か月の乳児にとって適切な食べ物である。
4.× フォローアップミルクは、食事が1日3回となった生後9か月以降、離乳食が頂調に進まない場合などに必要に応じて使用するものである。フォローアップミルクには、離乳時に不足しがちで牛乳にほとんど含まれない鉄、ビタミンC、DHAが配合され、さらにカルシウムやその吸収を促進する乳糖やビタミンDなどバランスよく配合されていることから、お子さんの成長に必要な栄養を補うのに適している。
9 Aさん(47歳、女性)は市町村の子宮がん検診の結果から精密検査を勧められ、産婦人科外来を受診した。持参した子宮頸部細胞診の結果はLSIL(軽度扁平上皮内病変)であった。
Aさんに必要な検査はどれか。
1.膀胱鏡
2.骨盤MRI検査
3.コルポスコピー
4.子宮内膜細胞診
解答3
解説
・Aさん(47歳、女性)
・市町村の子宮がん検診の結果:精密検査を勧められた。
・持参した子宮頸部細胞診の結果:LSIL(軽度扁平上皮内病変)。
→本症例は、軽度扁平上皮内病変となっている。軽度扁平上皮内病変の診断前を、「ASC-US(Atypical Squamous Cells of Undetermined Significance:意義不明な異型平上皮細胞)」という。ASC-US(Atypical Squamous Cells of Undetermined Significance:意義不明な異型平上皮細胞)とは、細胞の形態が正常ではないが異形成と診断するには細胞の異形変化が少ないと判断されたグレーな所見である。がんが疑われる所見ではなく、異形成が疑われている所見である。「正常細胞が少し形を変えた心配ないもの」なのか、「ヒトパピローマウイルス感染症(HPV)に感染している腫瘍性の病変」なのか区別が付きにくい場合はASC-USと判定される。
【ASC-USの場合、要精密検査を行う。以下の3つの選択肢から選択する】
①直ちにハイリスクHPV検査施行し、陰性の場合は1年後に細胞診検査、陽性の場合はコルポスコピー・生検を行う。
② HPV 検査施行せず、6か月目と12か月目に細胞診再検する。どちらか一方でも ASC-US以上のとき、コルポスコピー・生検を行う。
③ HPV 検査施行せず、直ちにコルポスコピー・生検する。
1.× 膀胱鏡とは、内視鏡器具を使用し、尿道から膀胱等を観察する検査である。血尿や尿路感染症(膀胱炎など)、尿失禁、排尿障害、頻尿などの原因を詳しく調べるために行い、尿道・膀胱内の炎症や腫瘍、結石などの病変を確認できる。
2.× 骨盤MRI検査とは、 骨盤内(お臍あたり~股あたりまで)の病巣を画像化し、診断する検査である。子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症といった癌以外の病気の発見に用いられる。
3.〇 正しい。コルポスコピーは、Aさんに必要な検査である。コルポスコピーとは、腟や子宮の頸部の表面を拡大する顕微鏡のことである。6~40倍に拡大することが可能で、肉眼では見られない病変を発見することができる。通常、コルポスコピーでの観察と、異常が疑われる部位の病理検査(組織診)の結果とあわせて診断する。
4.× 子宮内膜細胞診とは、子宮内に細いチューブやブラシ状の器具を挿入して細胞を採取し、顕微鏡で異型細胞(がんの可能性がある細胞)がないか調べる。子宮内膜細胞診で見つかる代表的な疾患は、子宮体がん(子宮内膜がん)である。
セスダシステムとは、子宮頸がんの細胞診報告様式である。従来のクラス分類ではなく推定病変を一定の基準で記載やヒトパピローマウイルス(HPV)関与のエビデンスが取り入れられるようになった国際分類である。
NILM(クラスⅠ・Ⅱ):正常な細胞のみ。
ASC-US(クラスⅡ・Ⅲa):異形成と言い切れないけれど細胞に変化がある。
ASC-H(クラスⅢa・Ⅲb):高度な細胞異型の可能性がある。
LSIL(クラスⅢa):HPV感染や軽度異形成と考えられる。
HSIL(クラスⅢa・Ⅲb・Ⅳ):中等度異形成・高度異形成・上皮内癌と考えられる。
SCC(クラスⅣ・Ⅴ):明らかな扁平上皮がんと考えられる。
10 妊娠中期以降の超音波検査による児頭大横径〈BPD〉の計測断面を図に示す。
測定位置で正しいのはどれか。
解答1
解説
児頭大横径とは、胎児の頭の横幅の左右差の中で最も大きい部分の長さを指す。
【測定方法】エコー検査によって、透明中隔と四丘体槽の観察できる高さで、頭蓋骨の「外側」から遠位の頭蓋骨の「内側」を測定する。
1.〇 測定位置として正しい。児頭大横径とは、胎児の頭の横幅の左右差の中で最も大きい部分の長さを指す。【測定方法】エコー検査によって、透明中隔と四丘体槽の観察できる高さで、頭蓋骨の「外側」から遠位の頭蓋骨の「内側」を測定する。
2.× 図の測定方法は、頭蓋骨の「外側」から遠位の頭蓋骨の「外側」を測定している。
3~4.× 図の計測方向が前・後方向である。ちなみに、児頭前後径は、左右頭蓋骨の中央から中央までを測定する。