この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
31 がん対策基本法で定められているのはどれか。
1.肝炎ウイルス検査の実施を推進する。
2.受動喫煙のない職場環境を整備する。
3.学校等でのがんに関する教育を推進する。
4.がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置する。
解答3
解説
健康増進法は、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律である。都道府県と市町村は、地域の実情に応じた健康づくりの促進のため、都道府県健康増進計画(義務)および市町村健康増進計画(努力義務)を策定する。平成14(2002)年に制定された。
【市町村が行う健康増進事業】
①健康手帳、②健康教育、③健康相談、④訪問指導、⑤総合的な保健推進事業、⑥歯周疾患検診、⑦骨粗鬆症検診、⑧肝炎ウイルス検診、⑨がん検診、⑩健康検査、⑪保健指導などである。
【都道府県の役割】
都道府県は、都道府県健康増進計画において、管内市町村が実施する健康増進事業に対する支援を行うことを明記する。都道府県保健所は、市町村が地域特性等を踏まえて健康増進事業を円滑かつ効果的に実施できるよう、必要な助言、技術的支援、連絡調整及び健康指標その他の保健医療情報の収集及び提供を行い、必要に応じ健康増進事業についての評価を行うことが望ましい。都道府県は、保健・医療・福祉の連携を図るとともに、市町村による健康増進事業と医療保険者による保健事業との効果的な連携を図るために、地域・職域連携推進協議会を活性化していくことが望ましい。
1.× 肝炎ウイルス検査の実施を推進することは、「健康増進法」に定められている。
2.× 受動喫煙のない職場環境を整備することは、「労働安全衛生法」に定められている。労働安全衛生法とは、労働者の安全と衛生についての基準を定めた日本の法律である。事業者は安全衛生管理体制を整備することが義務づけられている。
3.〇 正しい。学校等でのがんに関する教育を推進することは、「がん対策基本法」に定められている。これは、がん対策基本法23条(がんに関する教育の推進)に「国及び地方公共団体は、国民が、がんに関する知識及びがん患者に関する理解を深めることができるよう、学校教育及び社会教育におけるがんに関する教育の推進のために必要な施策を講ずるものとする」と規定されている(※引用:「がん対策基本法」e-GOV法令検索様HPより)。ちなみに、がん対策基本法とは、がんの治療法や予防法、早期発見対策などを効率的・計画的に推進するため、平成18年に定められた法律である。
4.× がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置することは、「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」に定められている。がん相談支援センターとは、全国にある、どなたでも無料・匿名で利用できるがんに関する相談窓口である。全国の「がん診療連携拠点病院」や「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されている。主な業務内容として、①がんの病態や治療に関する情報提供、②治療可能な地域の医療機関に関する情報収集や提供、③がんの療養上の相談、④セカンドオピニオンの提示を受けることが可能な医師の紹介などである(※参考:「がん相談支援センターとは」がん情報サービス様HPより)。
(※図引用:「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」厚生労働省様HPより)。
32 国際生活機能分類〈ICF〉で「生活機能」の構成要素に含まれるのはどれか。
1.活動
2.疾病
3.能力障害
4.社会的不利
解答1
解説
(※画像引用:Job Medley様HP)
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害分類法として2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択された。これまでの ICIDH(国際障害分類、1980)が「疾病の帰結(結果)に関する分類」であったのに対し、ICF は「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものとなった。生活機能上の問題は誰にでも起りうるものなので、ICF は特定の人々のためのものではなく、「全ての人に関する分類」である。
1.〇 正しい。活動は、国際生活機能分類〈ICF〉で「生活機能」の構成要素に含まれる。活動とは、課題や行為の個人による遂行のことを指す。参加とは、生活へのかかわりあいである。
2~4.× 疾病/能力障害/社会的不利は、国際障害分類(ICIDH)の構成要素である。ICIDHとは、一方向に「疾病変調→機能障害→能力障害→社会的不利」とマイナス面のみを評価するものである。ICIDH(国際障害分類)に対する批判から、医療福祉の専門家と障害者団体が関わって、その結果を結集してICFの改訂へと至っている。
ICIDHとは、一方向に「疾病変調→機能障害→能力障害→社会的不利」とマイナス面のみを評価するものである。ICIDH(国際障害分類)に対する批判から、医療福祉の専門家と障害者団体が関わって、その結果を結集してICFの改訂へと至っている。
機能障害:病気やけがによる一次的な生物学的障害
能力低下:けがによって歩けないといった個人レベルの障害
社会的不利:けがによって就職できないといった社会レベルの障害
33 Broca〈ブローカ〉失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
1.閉じた質問〈closed question〉を活用する。
2.大きな声で質問する。
3.単語で話しかける。
4.文字盤を用いる。
解答1
解説
非流暢性失語(Broca失語)は、主に優位半球の前頭葉の障害でみられる。簡単な言葉は理解できるが、言いたい言葉が出てこないのが特徴である。他にも前頭葉障害の症状として、遂行機能障害、易疲労性、意欲・発動性の低下、脱抑制・易怒性、注意障害などがあげられる。
1.〇 正しい。閉じた質問〈closed question〉を活用する。なぜなら、Broca失語の特徴として、簡単な言葉は理解できるが、言いたい言葉が出てこないのが特徴である。したがって、「はい・いいえ」で答えられる閉じた質問〈closed question〉を活用することで、コミュニケーションが円滑に行える。
2.× 大きな声で質問する必要はない。なぜなら、聴力は正常であるため。難聴に対し、大きな声を用いることが多い。
3.× 単語で話しかけるのは、「ブローカ失語」ではなくウェルニッケ失語である。Broca失語は、言語理解は良好であるため、短文や単語を用いる優先度は低い。ちなみに、ウェルニッケ失語とは、①復唱困難、②言語理解不良、③非流暢を特徴とした言語障害である。感覚性失語ともいう。話し方は滑らかであるが、言い間違いが多かったり、言葉が支離滅裂になったりして、自分の言いたいことが思うように伝えられなくなってしまうという特徴がある。
4.× 文字盤を用いる必要はない。なぜなら、文字盤の適応は、運動障害性構音障害(発声・発語の障害)であるため。運動障害性構音障害とは、口唇・舌・顎・声帯など発声・発語器官の運動麻痺や運動の調節が障害されることにより出現する。ちなみに、文字盤とは、シートに五十音が示されているものである。
開かれた質問
患者の自由な答えを求める質問
例:「他に気になるところはありますか?」
閉じられた質問
「はい・いいえ」で答えられる質問
例:「吐き気はありますか?」
中立的な質問
1つの答えしか求めない質問法
例:「水分はいつからとれていないですか?」
焦点型質問
1つの事柄を深く掘り下げる質問法
例:「頭痛についてもう少し詳しく教えてください。」
類似問題です↓
34 指鼻試験で評価するのはどれか。
1.視野
2.小脳機能
3.表在反射
4.複合知覚
解答2
解説
小脳とは、後頭部の下方に位置し、筋緊張や身体の平衡の情報を処理し運動や姿勢の制御(運動系の統合的な調節)を行っている。小脳は、筋トーヌスと運動の調節に関与している。
1.× 視野の検査には、対座法があり、検者と被検者が向かい合って座り、検者の一点を被検者に注視させて、検者の指の動きが確認できた点でその範囲を確認する。ちなみに、視覚の伝導路は、視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線→後頭葉(視覚野)がみられる。
2.〇 正しい。小脳機能は、指鼻試験で評価する。指鼻試験とは、患者の指で患者の鼻と看護師の指を交互にすばやく触れる動作を行う試験である。小脳の運動失調により指鼻試験は陽性となり、企図振戦がみられる。
3.× 表在反射とは、皮膚や粘膜を刺激することでみられる反射のことである。錐体路の障害で陽性となる。 角膜反射・咽頭反射・腹壁反射・挙睾筋反射・足底反射・肛門反射などがある。
4.× 複合知覚とは、大脳レベルで判断する感覚のことである。二点識別感覚、皮膚書字覚、立体認知、二点同時刺激識別感覚といった知覚を含む高度な感覚である。
①測定障害:目標物の距離を正確にとらえられない。
②反復拮抗運動障害:拮抗筋の動きの切り替えがスムーズにできない。
③運動分解:運動軌道が円滑ではない。
④協働収縮不能:複雑な動きを段階的かつ協調的に働かせることができない症状のことを指す。例えば、「後ろへ反り返る」という指示があった場合、同時に膝を曲げてバランスをとるという動作が障害され、後方へ転倒しそうになる。また、背臥位で腕を組んだまま起き上がることができない。
⑤企図振戦:随意運動しようとすると粗大な振戦が出現する。
⑥時間測定異常:動作が遅れる。
35 マイコプラズマ肺炎の感染経路はどれか。
1.空気感染
2.血液感染
3.飛沫感染
4.媒介物感染
解答3
解説
マイコプラズマ肺炎とは、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症である。小児や若い人の肺炎の原因としては、比較的多いものの1つである。例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下であるが、成人の報告もみられる。
1.× 空気感染とは、飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染するものをいう。例えば、結核、水痘、麻疹などが該当する。
2.× 血液感染とは、血液が傷口や粘膜に付着することにより引き起こされる感染症のことを指す。例えば、AIDS(HIVによる後天性免疫不全症候群)、C型肝炎、B型肝炎、梅毒があげられる。
3.〇 正しい。飛沫感染は、マイコプラズマ肺炎の感染経路である。飛沫感染とは、咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する感染経路のことである。特徴として、飛散する範囲は1m以内である。例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など。もちろん接触感染でも感染する。
4.× 媒介物感染とは、汚染された食物や水、蚊などを介し感染するものを指す。食中毒やマラリアなどがあたる。ちなみに、マラリアとは、マラリア原虫という寄生虫で引き起こされる疾患で、マラリア原虫が感染した蚊に刺されることで伝搬される。刺されてから発症するのは1週間位後で、はじめは発熱や頭痛、そして寒気や吐き気といった風邪に似た症状が多い。したがって、マラリアだと気づきにくいのが特徴である。その後、脳症や、じん臓・肝臓の機能障害、重症貧血といった合併症で死に至る危険がある。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)