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11 43歳の経産婦。産褥0日。身長156cm、体重70kg。妊娠30週から前期破水で入院し、長期安静臥床の後、35週で経腟分娩となった。分娩経過に異常はなかった。
ケアで適切なのはどれか。
1.早期離床を促す。
2.水分摂取を制限する。
3.シャワー浴を禁止する。
4.高エネルギーの食事とする。
解答1
解説
・43歳の経産婦(産褥0日)。
・身長156cm、体重70kg(BMI:28.8)。
・妊娠30週から前期破水で入院。
・長期安静臥床の後:35週で経腟分娩。
・分娩経過に異常はなかった。
→本症例は、深部静脈血栓症が発症しやすいと考えられる。なぜなら、BMI28.
①下肢挙上し、重力による静脈還流を促す。
②弾性ストッキングや弾性包帯の利用
③下肢の運動(足部の運動、膝の等尺性運動)
ちなみに、深部静脈血栓症とは、長時間の安静や手術などの血流低下により下肢の静脈に血栓が詰まってしまう病気である。下肢の疼痛、圧痛、熱感などの症状がみられる。ほかのリスク因子として、脱水や肥満、化学療法などがあげられる。
2.× 水分摂取を制限する必要はない。むしろ、血液循環を良くし、脱水(特に産後は授乳に伴う水分喪失)を防ぐため水分補給が重要である。
3.× シャワー浴を禁止する必要はない。なぜなら、本症例は、産後の出血や感染症状はみられないため。ちなみに、産後の経過や体調に問題がなければ、出産の翌日からシャワー、産後1カ月から入浴が可能である。
4.× 高エネルギーの食事とする必要はない。なぜなら、本症例は、肥満(BMI 28.8)であるため。むしろ、バランスの取れた食事で体重管理を行い、回復を促すことが重要である。
12 妊娠中・後期の腹部超音波断層法による胎児頭部横断面を図に示す。
ただし、図の上方は母体の腹側、下方は背側である。
児頭大横径〈BPD〉の計測位置で正しいのはどれか。
解答1
解説
児頭大横径とは、胎児の頭の横幅の左右差の中で最も大きい部分の長さを指す。
【測定方法】エコー検査によって、透明中隔と四丘体槽の観察できる高さで、頭蓋骨の「外側」から遠位の頭蓋骨の「内側」を測定する。
1.〇 正しい。児頭大横径とは、胎児の頭の横幅の左右差の中で最も大きい部分の長さを指す。【測定方法】エコー検査によって、透明中隔と四丘体槽の観察できる高さで、頭蓋骨の「外側」から遠位の頭蓋骨の「内側」を測定する。
2.× 図の測定方法は、頭蓋骨の「外側」から遠位の頭蓋骨の「外側」を測定している。
3.× 図の測定方法は、選択肢1と逆となっている。
4.× 図の測定方法は、頭蓋骨の「内側」から遠位の頭蓋骨の「内側」を測定している。
13 高校1年生の女子を対象に、健康教育を行うこととした。
健やか親子21の指標を踏まえた内容で優先度が高いのはどれか。
1.食育
2.肥満の予防
3.う歯の予防
4.性感染症の防止
解答4
解説
(※図引用:「課題の概要」厚生労働省HPより)
健やか親子21は、平成25年の第1次計画の最終評価報告書を受け、平成27年度より第2次計画が開始されている。第1次計画では目標を設定した指標が多かったため、第2次計画では見直しを行い、目標を設けた52の指標と、目標を設けない「参考とする指標」として28の指標を設定した。第2次計画の中間評価は5年後、最終評価は10年後を予定している。
<目標>
1. 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進(十代の自殺、人工妊娠中絶、性感染症罹患)
2. 妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援(妊産婦死亡、産後うつ病、産婦人科医・助産師数)
3. 小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備(低出生体重児、事故、妊娠・育児期間中の喫煙)
4. 子どものこころの安らかな発達の促進と育児不安の軽減(虐待死亡、母乳育児、心の問題に対応する小児科医)
(※参考:「健やか親子21(第2次)について」厚生労働省HPより)
1~2.× 食育/肥満の予防より優先度が高いものがほかにある。食育/肥満の予防は、基盤課題B学童期・思春期から成人期に向けた保健対策であるが、設問は「高校1年生」を対象としている。
3.× う歯の予防は、基盤課題A切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策である。
4.〇 正しい。性感染症の防止は優先度が高い。健やか親子21の目標に①思春期の保健対策の強化と健康教育の推進(十代の自殺、人工妊娠中絶、性感染症罹患)と掲げられている。
14 15歳の女子。高校生。2か月間月経がなく、市販の妊娠検査薬で調べたところ妊娠反応が陽性だったため、母親に伴われて受診した。妊娠8週と診断された。
助産師の対応で適切なのはどれか。
1.妊娠を継続するよう促す。
2.避妊カウンセリングを行う。
3.母親のいない部屋で本人に話を聴く。
4.親に最終決定してもらうように勧める。
解答3
解説
・15歳の女子(高校生、2か月間月経がなし)。
・市販の妊娠検査薬で調べたところ妊娠反応:陽性。
・妊娠8週と診断された。
→本症例は、高校生の妊娠である。若年妊娠の特徴もおさえておこう。
1.× 妊娠を継続するよう促す必要はない。なぜなら、助産師や医療者が、本症例の意思や状況を十分に確認しないまま妊娠継続を促すことになりかねないため。本人が妊娠を継続するか中絶を選ぶかは、非常にデリケートな問題であり、医療者が一方的に決めるものではない。
2.× 避妊カウンセリングを行う必要はない。なぜなら、本症例の妊娠は、診断済みであるため。避妊カウンセリングとは、医師から避妊に関する正しい指導を受けることである。避妊法には、コンドームやピル、避妊リング(IUD)、ミレーナ(IUS)、リズム法、避妊手術などがある。
3.〇 正しい。母親のいない部屋で本人に話を聴く。なぜなら、意思を表現できる環境を整えることで、未成年であっても、本人の意思や感情を確認することができるため。母親の同席が本人に圧力をかけたり、自由に意見を言えなくなる可能性も考えられる。したがって、母親のいない環境で、本人が自分の意思を表明できるような配慮が求められる。
4.× 親に最終決定してもらうように勧める必要はない。なぜなら、親に最終決定を求めた場合、本症例の意思が無視されてしまう恐れがあるため。本人の意思が尊重されるべきである。
15 緊急避妊ピルについて正しいのはどれか。
1.妊娠阻止率は約90%である。
2.性交後72時間以内に内服する。
3.主に着床阻害によって避妊効果を発揮する。
4.内服後は次回月経まで他の経口避妊薬は使用しない。
解答2
解説
低用量ピルとは、毎日同じ時間に服用できれば99.7%の避妊効果があり、飲み忘れたとしても91%の避妊効果を期待できる。また、ピルに含まれる女性ホルモンを体内に取り入れることで脳をだまし、排卵日に排卵が起こらないようにして妊娠を防ぐ仕組みである。低用量ピルによる避妊の主な副作用は、①不正出血、②吐き気、③気分の落ち込みや変化、④肌荒れ、⑤乳房の張りなどである。その中でも一番多い症状は不正出血で、服用者の約20%が経験するといわれている。
1.× 妊娠阻止率は、「約90%」ではなく84%である。性交後72時間以内に他のレボノルゲストレル製剤1.5mgを1回経口投与した際の妊娠率及び妊娠阻止率は以下のように報告されている。
2.〇 正しい。性交後72時間以内に内服する。6.用法及び用量「性交後72時間以内にレボノルゲストレルとして1.5mgを1回経口投与する」(※参考:「緊急避妊剤 レボノルゲストレル錠」一般財団法人日本医薬情報センター様HPより)。
3.× 主に、「着床阻害」ではなく排卵の抑制や遅延によって避妊効果を発揮する。緊急避妊ピルは、排卵を遅らせることで精子と卵子が出会うのを防ぐことが主な効果である。
4.× 内服後、次回月経まで他の経口避妊薬は「使用しない」という決まりはない。つまり、緊急避妊ピルを服用した後でも、通常の経口避妊薬(低用量ピルなど)の使用は可能である。むしろ、緊急避妊ピルは一時的な避妊法であるため、今後の避妊についてはしっかりと計画を立て、継続的な避妊法(経口避妊薬、IUDなど)を使用することが推奨される。