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1 受精卵が着床するときの卵割の状態で正しいのはどれか。
1.4細胞期
2.8細胞期
3.桑実胚
4.胚盤胞
解答4
解説
(※図引用:「基礎編―人体発生―」腹腔内内ヘルニア大全HPより)
着床とは、輸送された受精卵が子宮内膜に接着し、さらに埋没するまでの過程をいう。受精卵は、胚盤胞の状態で子宮内膜に接着する。着床は排卵後7~10日頃から始まり、受精後12日頃に完了する。
1.× 4細胞期は、受精後1.5~2日目である。
2.× 8細胞期は、受精後3日目である。
3.× 桑実胚は、受精後4日目である。着床は排卵後7~10日頃から始まり、受精後12日頃に完了する。
4.〇 正しい。胚盤胞は、受精卵が着床するときの卵割の状態である。
卵割球
・前核期胚(1日目)
・4分割期胚(2日目)
・8分割期胚(3日目)
桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。
胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚。
2 羊水について正しいのはどれか。
1.pHは6~7である。
2.妊娠初期には絨毛膜から分泌される。
3.妊娠末期の羊水量は約1000mlである。
4.妊娠中期から末期には主に胎児尿に由来する。
解答4
解説
羊水とは、羊水腔を満たす液体であり、その99%が母の血液の成分からつくられている。妊娠中期以降は胎児尿が主な生産源である。胎児は16週ころから羊水を嚥下し排尿行動と合わせて羊水量を維持する。嚥下した羊水は、食道・胃・小腸・大腸へと移行し、消化管の成熟を助ける。妊娠20週になると羊水量は350mlになり、赤ちゃんの腎臓が発達して、おしっこが出るようになる。赤ちゃんが羊膜腔内に満たされた羊水を飲み込んでは、おしっこをする「胎児循環」のしくみができあがっていく。羊水量が保たれていることは、羊水中で胸郭運動を行う胎児の肺発育にとってきわめて重要である。羊水は子宮の収縮によって胎児にかかる圧力を均等に分散し、臍帯や胎盤への圧力を軽減させる。 同時に、胎動が直接母体に伝わることを防ぎ、胎動による母体の痛みを緩和する。一方、羊水には外界や母体の温度変化からの緩衝作用があり胎児の体温を一定に保つ働きがある。
【羊水の働き】
①胎児の保護作用(物理的および機械的刺激に対する保護作用、感染防御作用、前期破水および早産の予防)
②胎児発育にかかわる作用
③分娩時の作用
④羊水から得られる臨床情報
(※図引用:「25. 胎盤・臍帯の超音波像」日本産婦人科医会様HPより)
1.× pHは、「6~7」ではなく7~8である。弱アルカリ性である。なぜなら、羊水のもととなっている母体の血液(pH7.4)に由来しているため。
2.× 妊娠初期には、「絨毛膜」ではなく羊膜腔の周囲の細胞から分泌される。妊娠の初期と妊娠中期~後期では羊水の起源は大きく違う。妊娠の初期は、母体からの起源が主で、羊膜や絨毛膜を介して母体の血漿成分が漏出してできる。妊娠初期の羊水産生は、主に胎盤と胎児の皮膚からの蒸散などである。ちなみに、妊娠の中期(妊娠20週前後)以降では、胎児の尿が羊水の主な産生源となる。胎児の尿量は妊娠20週では100ml/日であるが、妊娠40週には1,200ml/日以上にも達する。
3.× 妊娠末期の羊水量は、「約1000ml」ではなく約500mlである。羊水量は、妊娠34週ころに最大となる。羊水量は、赤ちゃんの成長の段階によって変わっていく。一般的には、妊娠週数が進むにつれて増えていき、30~35週に約800mlとピークを迎え、40週を過ぎると500ml以下になり減少する。なぜなら、出産に向けて子宮への血流が減少するためである。
4.〇 正しい。妊娠中期から末期には主に胎児尿に由来する。胎児は16週ころから羊水を嚥下し排尿行動と合わせて羊水量を維持する。ちなみに、妊娠初期の羊水産生は、主に胎盤と胎児の皮膚からの蒸散などである。
3 32歳の初産婦。妊娠39週0日。内診所見は、子宮口3cm開大、展退度80%、Station-2、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は中央であった。
この産婦のBishop〈ビショップ〉スコアの点数はどれか。
1.7点
2.8点
3.9点
4.10点
解答3
解説
・子宮口3cm開大(2点)
・展退度80%(3点)
・Station-2(1点)
・子宮頸管の硬度は軟(2点)
・子宮口の位置は中央(1点)
したがって、選択肢3.9点がこの産婦のBishopスコアの点数である。
ビショップスコアとは、最も広く使用されている子宮頚管の熟化評価法である。以下の表を参考に、5項目のスコアを合計し、13点満点で評価する。通常、9点以上を「良好」、6点以下を「不良」、3点以下を「特に不良」と評価することが多い。
4 哺乳開始後の正常新生児で活性が低い消化酵素はどれか。
1.膵アミラーゼ
2.ラクターゼ
3.マルターゼ
4.ペプシン
解答1
解説
(※引用:「応用栄養学概論」著:渡邊早苗らより)
1.〇 膵アミラーゼは、哺乳開始後の正常新生児で活性が低い消化酵素である。「応用栄養学概論」において、「新生児期は,母乳中の成分に合わせて,リパーゼによる脂肪の分解が主なエネルギー源となります。生後1か月を過ぎると,ペプシンとトリプシンの活性化でたんぱく質の分解も始まりますが,量的には少ないので,エネルギーは糖質に依存しなければなりません。乳糖を分解するラクターゼは生後2~3日で活性がみられますが,でんぷんを分解するアミラーゼは,生後4~6か月頃に活性化されます」と記載されている。
2.× ラクターゼとは、乳糖(ラクトース)をグルコースとガラクトースに分解する。
3.× マルターゼとは、マルトースをグルコースに分解する酵素である。つまり糖を分解する。膵液・腸液に含まれる。
4.× ペプシンとは、胃液中のペプシンと膵液中のトリプシンでたんぱく質を分解する。胃主細胞から分泌されたペプシノーゲンは、壁細胞が分泌する塩酸によりペプシンとなる。ペプシンは、胃底腺の主細胞の分泌物に由来するタンパク分解酵素である。蛋白質の消化酵素として、ペプシン(胃)、トリプシン(膵)、ペプチターゼ(膵・小腸)があげられる。
5 産褥期の肺塞栓症のリスク因子で正しいのはどれか。
1.睡眠不足
2.頻回の授乳
3.精神的な興奮
4.長時間の安静臥床
解答4
解説
肺塞栓症とは、肺動脈に血栓が詰まる病気のこと。この血栓が9割以上は脚の静脈内にできる。この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。深部静脈血栓症患者の約50%は潜在性の肺塞栓症を有し、肺塞栓症患者の30%以上は証明可能な深部静脈血栓症患者を有すると報告されている。
1~2.× 睡眠不足/頻回の授乳は、産褥期の肺塞栓症のリスク因子といえない。心理的・身体的なストレスが増加する可能性はあるが、血流の停滞や血栓の形成に影響を与えない。
3.× 精神的な興奮は、産褥期の肺塞栓症のリスク因子といえない。肺塞栓症のリスク因子としては、血液の凝固能の亢進が基本にある。
4.〇 正しい。長時間の安静臥床は、産褥期の肺塞栓症のリスク因子である。なぜなら、安静による血流の停滞が、肺塞栓症のリスクとなるため。
手術を行った後や脊髄損傷の急性期、長期臥床などにより、静脈血がうっ滞することによって深部静脈血栓症が起こりやすい。未治療の運動療法は肺塞栓症を生じる可能性もある。その予防法についは以下のものがあげられる。
①下肢挙上し、重力による静脈還流を促す。
②弾性ストッキングや弾性包帯の利用
③下肢の運動(足部の運動、膝の等尺性運動)