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次の文を読み41~43の問いに答えよ。
在胎41週3日、正常分娩で出生した3800gの児。出生直後は啼泣なく、筋緊張も低下していた。皮膚刺激と口鼻腔吸引を行い、吸引した羊水は混濁していた。出生から30秒後、弱い自発呼吸が認められ、心拍数80/分であった。
41 新生児蘇生法ガイドライン2010に基づいて管理する場合、このときの処置で適切なのはどれか。
1.フリーフローで酸素投与
2.バッグ・マスク換気
3.CPAP
4.気管挿管
5.胸骨圧迫
解答2
解説
・在胎41週3日(正常分娩:3800gの児)。
・出生直後:啼泣なく、筋緊張:低下。
・皮膚刺激と口鼻腔吸引を行い、吸引した羊水は混濁。
・出生から30秒後:弱い自発呼吸、心拍数80/分。
→JRC蘇生ガイドラインのチャートをしっかりおさえておこう。
→あえぎ呼吸とは、瀕死状態で認められるほぼ完全な呼吸中枢機能消失による異常な呼吸パターンで、開口しておこなう深い努力様呼吸である。あえぎ呼吸は無呼吸と判断する。毎分数回以下の徐呼吸となり、長い呼吸停止をともなう。 吸気時に呼吸補助筋の協働運動のため頭部を後ろへ反らす動きを認める。
(※図引用:「JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版‐第4章 新生児の蘇生(NCPR)」一般社団法人 日本蘇生協議会より)
1.3.× フリーフローで酸素投与/CPAPを行う場合は、「自発呼吸あり、かつ、心拍数:100回/分以上」の場合である。フリーフロー酸素投与とは、チューブを持つ手で作るカップ状のくぼみ、酸素マスクなどの器具を用いて酸素を投与する方法である。ちなみに、持続的気道陽圧〈CPAP〉療法、持続性気道陽圧法(Continuous Positive Airway Pressur:CPAP:シーパップ)とは、気道内圧を呼吸相全般にわたって常に一定の陽圧に(大気圧よりも高く)保ち、換気は機械的な換気補助なしに患者の自発呼吸にまかせて行う換気様式のことである。機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止できる。
2.〇 正しい。バッグ・マスク換気は、この児の処置で適切である。なぜなら、「あえぎ呼吸:弱い呼吸(無呼吸:自発呼吸なし)あるいは、心拍数:100回/分未満」の場合、①人工呼吸、②SpO2モニタの装着、③ECGモニタ装着を検討する必要があるため。バッグバルブマスク換気とは、呼吸停止または重度の換気不全の場合に人工換気を迅速に行う手段で、人工呼吸に最も近いアプローチが行える。
4~5.× 気管挿管/胸骨圧迫は、「あえぎ呼吸(無呼吸:自発呼吸なし)あるいは、心拍数:60回/分未満」の場合に実施される。
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
在胎41週3日、正常分娩で出生した3800gの児。出生直後は啼泣なく、筋緊張も低下していた。皮膚刺激と口鼻腔吸引を行い、吸引した羊水は混濁していた。出生から30秒後、弱い自発呼吸が認められ、心拍数80/分であった。
42 生後1時間から多呼吸、陥没呼吸および呻吟が認められ始め、徐々に呼吸障害が増悪した。高濃度酸素を投与したが、中心性チアノーゼが認められたため、胸腹部エックス線撮影を行った。生後6時間に撮影した胸腹部エックス線写真を下図に示す。
最も疑われる疾患はどれか。
1.気胸
2.胎便吸引症候群
3.一過性多呼吸〈TTN〉
4.呼吸窮迫症候群〈RDS〉
5.先天性横隔膜ヘルニア
解答2
解説
・在胎41週3日(正常分娩:3800gの児)。
・生後1時間:多呼吸、陥没呼吸、呻吟が認める。
・徐々に呼吸障害が増悪した。
・高濃度酸素を投与:中心性チアノーゼ、胸腹部エックス線撮影。
・生後6時間、胸腹部エックス線写真:斑状陰影、粗大索状除影、右側下肺は過膨張。
→本症例は、胎便吸引症候群がもっとも疑われる。胎便吸引症候群とは、出生前または周産期に肺に胎便(暗緑色の、無菌の便)を吸い込んだ新生児にチアノーゼや呼吸困難(呼吸窮迫)がみられることである。酸素不足などのストレスによって反射的にあえぎ、胎便を含む羊水を肺に吸い込んでしまうことなどで起こる。多呼吸、羊水混濁が特徴である。胸部エックス線の所見の特徴では、①両肺野にびまん性の策状影、②縦郭気腫などのエアリーク所見、③両側肺の過膨張がみられる。
1.× 気胸とは、肺が破れて胸腔内に空気が漏れる状態である。レントゲン写真で、肺が黒く見えるのは典型的な所見である。また、胸腔内の圧力が変化するため、呼吸困難や血圧低下が生じることがある。
2.〇 正しい。胎便吸引症候群がもっとも疑われる。胎便吸引症候群とは、出生前または周産期に肺に胎便(暗緑色の、無菌の便)を吸い込んだ新生児にチアノーゼや呼吸困難(呼吸窮迫)がみられることである。酸素不足などのストレスによって反射的にあえぎ、胎便を含む羊水を肺に吸い込んでしまうことなどで起こる。多呼吸、羊水混濁が特徴である。胸部エックス線の所見の特徴では、①両肺野にびまん性の策状影、②縦郭気腫などのエアリーク所見、③両側肺の過膨張がみられる。
3.× 一過性多呼吸とは、出生後、肺の中に過剰な液体があるために一時的な呼吸困難が起こって、しばしば血液中の酸素レベルが低くなる病気である。ちなみに、多呼吸とは、浅くて速い呼吸のことである。基準値として、新生児は60回/分以上、乳児は50回/分以上、幼児は40回/分以上である。主に肺炎など肺のコンプライアンスが減少するために1回換気量が不足し、呼吸回数で補おうとする。多呼吸の原因として、他にも肺の未熟性、感染症、心不全、代謝異常などがあげられる。
4.× 呼吸窮迫症候群とは、早産児にみられる呼吸疾患で、サーファクタントという肺胞を覆う物質が産生されないか不足している(肺表面活性物質の欠乏)ために、肺胞が拡張した状態を保てないことで起こる。呼吸窮迫症候群の合併症には、脳室内出血、脳室周囲白質部の損傷、緊張性気胸、気管支肺異形成症、敗血症および新生児死亡などがある。
5.× 先天性横隔膜ヘルニアとは、生まれつき横隔膜に欠損孔があって、本来お腹の中にあるべき腹部臓器の一部が胸の中に脱出してしまう病気である。多くの場合、横隔膜の後外側を中心に生じるボホダレク孔が欠損孔であるため、別名ボホダレク孔ヘルニアとも呼ばれる。
【原発性自然気胸】
原発性自然気胸とは、肺疾患のない人に明らかな原因なく起こる気胸のこと。通常、肺のややもろくなった部分(ブラ)が破裂した際に発生する。特徴として、40歳未満で背が高い男性の喫煙者に最もよくみられる。ほとんどの人が完全に回復するが、最大で50%の人に再発がみられる。
【続発性自然気胸】
続発性自然気胸とは、基礎に肺疾患がある人に発生する気胸のこと。最も多いものは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある高齢者である。他にも、嚢胞性線維症、喘息、ランゲルハンス細胞組織球症、サルコイドーシス、肺膿瘍、結核、ニューモシスチス(Pneumocystis)肺炎など、その他の肺疾患の患者でもみられる。特徴として、基礎に肺疾患があるため、原発性自然気胸に比べて症状や治療成績は一般に悪くなる。再発率は、原発性自然気胸と同程度である。
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
在胎41週3日、正常分娩で出生した3800gの児。出生直後は啼泣なく、筋緊張も低下していた。皮膚刺激と口鼻腔吸引を行い、吸引した羊水は混濁していた。出生から30秒後、弱い自発呼吸が認められ、心拍数80/分であった。
43 生後1日に肉眼的黄疸を認めた。児の血液型はA型Rh(+)。母親はO型Rh(+)。精密検査の結果、ABO式血液型不適合による溶血性黄疸と診断され、児の交換輸血が必要となった。
交換輸血に使用する合成血の組成で最も適切なのはどれか。
1.A型赤血球とO型血漿
2.A型赤血球とA型血漿
3.O型赤血球とAB型血漿
4.AB型赤血球とO型血漿
解答3
解説
・在胎41週3日(正常分娩:3800gの児)。
・胎便吸引症候群の疑い。
・生後1日に肉眼的黄疸を認めた。
・児の血液型:A型Rh(+)。母親:O型Rh(+)。
・ABO式血液型不適合による溶血性黄疸。
・児の交換輸血が必要。
→ABO式血液型不適合とは、胎児側の血液と母胎側の血液は混じり合わないようになっているが、何らかの原因により胎児血が母体側に紛れ込んでしまい、胎児の赤血球に対して、母体の免疫反応が起こり、その赤血球を攻撃する抗体ができることにより起こる。その抗体は胎盤を通過することができるため、胎児の赤血球を破壊し、その結果、新生児早期からの黄疸や貧血が出てくる。これがABO式血液型不適合による黄疸である。ABO式血液型不適合の児の赤血球の直接クームス試験が陰性となる理由として、胎児赤血球の抗体レセプターの数が少なく、そのレセプター間の距離が広いためである。したがって、抗原抗体反応が起こっても沈降反応を起こすに至らない。臨床的には、O型のお母さんとA型、もしくはB型の赤ちゃんの組み合わせで比較的よく見られる。日本人の血液型の分布はA型が38%、次いでO型が31%、B型が21%、もっとも少ないAB型は10%である。
(※引用:「【献血まるわかり辞典】vol.5「万能血」」日本赤十字社様HPより)
1~2.4.× A型赤血球とO型血漿/A型赤血球とA型血漿は不適切である。なぜなら、A型赤血球は、母親の抗A抗体により溶血のリスクがあるため。
3.〇 正しい。O型赤血球とAB型血漿は、交換輸血に使用する合成血の組成で最も適切である。O型赤血球は抗原がなく、母親の抗体による溶血のリスクがない。また、AB型血漿には抗A抗体も抗B抗体も含まれないため、最も安全な組み合わせである。
4.× AB型赤血球とO型血漿は不適切である。なぜなら、AB型赤血球はA抗原とB抗原を持つため。母親の抗A抗体や抗B抗体によって溶血するリスクがある。
Rh式血液型にはD、E、C、c、eなどいくつかの因子があり、このうち「D」の因子を持つ場合を「Rh(+)」(Rhプラス)、持たない場合を「Rh(-)」(Rhマイナス)という。Rh式血液型にはD、E、C、c、eなどいくつかの因子があり、このうち「D」の因子を持つ場合を「Rh(+)」(Rhプラス)、持たない場合を「Rh(-)」(Rhマイナス)という。Rh式血液型不適合妊娠とは、母親の血液型がRh(-)、父親の血液型がRh(+)で、胎児の血液型がRh(+)のため新生児溶血性黄疸が起きる場合をいう。Rh(-)の女性が初めて妊娠し、分娩時にRh(+)の胎児の血液が母体内へ侵入すると、母体にRh(+)の血球に対する抗体がつくられる。これを母体感作といい、Rh(+)の第2子を妊娠したときには、この母体中のIgG抗体が経胎盤的に胎児に移行し、それが胎児の赤血球を破壊する。しかし、妊娠前にすでにRh(-)の母体がRh(+)の供血者からRh因子不適合輸血を受けていれば、その際にすでに感作が成立しているので、初回妊娠による第1児でも症状が出ることがある。そのため、お母さんが抗D抗体を作らないように、妊娠中や出産後の適切な時期に、お母さんに「抗D人免疫グロブリン製剤」を注射することが勧められている。
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
25歳の初産婦。妊娠40週2日。妊娠経過は良好であった。午前5時に陣痛が発来し、午前7時に来院した。身長156cm、体重64kg(非妊時52kg)。胎児推定体重3320g。来院時の診察にて、胎児心拍数は130bpm、第1頭位。内診所見は、子宮口4cm開大、展退度40%、Station-1、未破水で回旋異常はない。
44 来院時の内診所見図で正しいのはどれか。
ただし、図の上が母体腹側、下が母体背側を示し、◇は大泉門、Yは小泉門を表す。
解答2
解説
・25歳の初産婦(妊娠40週2日)。
・妊娠経過:良好。
・胎児推定体重3320g、胎児心拍数は130bpm、第1頭位。
・子宮口4cm開大、展退度40%、Station-1、未破水で回旋異常はない。
→一般的な分娩経過や回旋をおさえておこう。本症例の場合、第1頭位、Station-1において回旋異常はない。
→第1頭位とは、胎児の背中が母体の左手側にあることをいう。つまり第1頭位の場合、入口部における小泉門は母体の左方にある。第2頭位とは、胎児の背中が母体の右手側にあることをいう。
(※図引用:「助産師基礎教育テキスト:第 5 巻:2020 年版訂正ご案内」株式会社日本看護協会出版会様HPより)
1.× 大泉門が先行し、小泉門9時方向である。これは、第2前頭位である。
2.〇 来院時の内診所見図で正しい。なぜなら、小泉門が先行し、小泉門が3時方向であるため(※上図:参照)。後頭位とは、小泉門が先進する状態である。一方、前頭位(反屈位)とは、大泉門が先進する状態である。
3.× 大泉門が先行し、小泉門3時方向である。これは、第1前頭位を示す。
4.× 小泉門が先行し、小泉門が9時方向である。これは、第2後頭位である。
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」)
第1回旋(屈曲):児頭が骨盤入口部に進入する時、児頭は両耳結合線を軸とする横軸回旋をして強い前屈位をとる(後頭位)。この第1回旋により、先進部は小泉門となり、小斜径で産道に接するようになる。
第2回旋(内回旋):児頭は先進する小泉門が常に母体前方に向かうように、胎児長軸を軸とする縦軸回旋をしながら下降する(前方後頭位)。分娩所要時間のうち、この過程に最も時間を要する。
第3回旋(伸展):児頭後頭部が恥骨結合下を通過して、後部が恥骨下縁に接すると、そこを支点として頭部が反屈状に横軸回旋する。この運動によって、児頭は前頭、顔面、オトガイ部の順に会陰を滑って娩出される。第1回旋の逆の動きである。
第4回旋(外回旋):児頭娩出に引き続き、肩甲の下降が起こり、それに伴って児の顔面が母体大腿内側を向く縦軸回旋をする。第2回旋の逆の動きである。
第1・第3回旋:胎児の姿勢を変化させる回旋(胎勢回旋・横軸回旋)である。
第2・第4回旋:体幹の向きが移動する回旋(胎向回旋・縦軸回旋)である。
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
25歳の初産婦。妊娠40週2日。妊娠経過は良好であった。午前5時に陣痛が発来し、午前7時に来院した。身長156cm、体重64kg(非妊時52kg)。胎児推定体重3320g。来院時の診察にて、胎児心拍数は130bpm、第1頭位。内診所見は、子宮口4cm開大、展退度40%、Station-1、未破水で回旋異常はない。
45 午後0時の内診所見は、子宮口6cm開大、展退度50%、Station+1。陣痛間欠7分、陣痛発作30秒。午後0時30分からオキシトシン点滴静脈内注射が開始された。点滴開始後2時間で、最下点85bpm、持続時間40秒の変動一過性徐脈が1回みられた。胎児心拍数基線130bpm、基線細変動は正常である。
このときの対応で適切なのはどれか。
1.絶飲食にする。
2.体位変換を行う。
3.酸素を投与する。
4.オキシトシン点滴静脈内注射を中止する。
解答2
解説
・25歳の初産婦(妊娠40週2日)。
・妊娠経過:良好(胎児推定体重3320g)。
・午前5時:陣痛発来、午前7時:来院。
・身長156cm、体重64kg(非妊時52kg)。
・午後0時:子宮口6cm開大、展退度50%、Station+1、陣痛間欠7分、陣痛発作30秒。
・午後0時30分:オキシトシン点滴静脈内注射が開始。
・点滴開始後2時間:最下点85bpm、持続時間40秒(変動一過性徐脈が1回)。
・胎児心拍数基線:130bpm、基線細変動:正常。
→上記の評価から正常範囲や異常所見、対処をおさえておこう。本児は、(軽度)変動一過性徐脈である。
→変動一過性徐脈とは、15bpm以上の心拍数減少が急速に起こり、開始から回復まで15秒以上2分未満の波形をいう。高度の判断は、①最下点が70 bpm未満で持続時間が30秒以上、②最下点が70 bpm以上80 bpm未満で持続時間が60秒以上で評価する。子宮収縮に伴って発生する場合は、一定の形を取らず、下降度、持続時間は子宮収縮ごとに変動することが多い。緊急時の対応(症状の悪化や胎児仮死のある場合)として、鉗子分娩・吸引分娩及び緊急帝王切開などのほかにも、可能な限り速やかに分娩を完了させる必要がある場合に行われる産科手術で、急速遂娩と呼ばれる。つまり、急速分娩とは、分娩中に母児に危機的状況が生じた場合に、分娩を早めるために、①帝王切開、②鉗子分娩、③吸引分娩などによって児を娩出することである。
1.× 絶飲食にする優先度は低い。なぜなら、現時点(軽度変動一過性徐脈)では、緊急帝王切開の適応とはいえないため。絶飲食は手術や緊急帝王切開を視野に入れた対応である。ちなみに、緊急帝王切開の主な適応としては、胎児機能不全、臍帯下垂・脱出、前置血管破綻、37週未満の前期破水などがあり、脳性麻痺のリスク要因である。
2.〇 正しい。体位変換を行う。なぜなら、設問文から、変動一過性徐脈が1回のみで,児心拍数基線130bpm、基線細変動は正常であるため。子宮収縮による臍帯圧迫や胎盤血流の一時的な低下が原因となることが多いため、体位変換を行って経過観察を行うのが妥当である。仰臥位から左側臥位などへの体位変換を行うことで、母体の大静脈圧迫を避け、胎児への血流を改善することが期待できる。
3.× 酸素を投与する必要はない。なぜなら、本児の胎児心拍数基線は130bpm、基線細変動は正常であるため。一般的に、酸素投与は、分娩後に実施し、「新生児の蘇生(NCPR)」によると「自発呼吸があり、かつ心拍数が100/分以上の場合は、努力呼吸と中心性チアノーゼの有無を評価する。どちらか一方でも認める場合は、パルスオキシメーターを装着したうえで、フリーブローの酸素投与か持続的気道陽圧<CPAP>を開始する。
4.× オキシトシン点滴静脈内注射を中止する必要はない。なぜなら、具体的な副作用や症状の悪化は見られないため。「医療用医薬品 : アトニン」において、「オキシトシンに対する子宮筋の感受性が高い場合、過強陣痛、胎児機能不全があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するか、又は減量すること」と記載されている。ちなみに、オキシトシン点滴静脈内注射とは、分娩誘発、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、流産、人工妊娠中絶などが適応として用いられる。
(※図引用:「JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版‐第4章 新生児の蘇生(NCPR)」一般社団法人 日本蘇生協議会より)