第98回(H27) 助産師国家試験 解説【午後41~45】

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次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 28歳の初産婦。妊娠39週5日。妊娠経過は順調であった。午後5時に陣痛発来し、午後8時に夫に付き添われて入院した。入院時、内診所見は子宮口3cm開大、展退度60%、Station-3、子宮頸管の硬度は中、子宮口の位置は中央、矢状縫合は横径に一致し、小泉門は9時の方向に触れ、未破水である。陣痛間欠5分、陣痛発作20〜30秒。胎児心拍数基線は145bpmであった。夫は産婦の様子をみて心配している。

41 午前10時の内診所見は、子宮口全開大、展退度100%、子宮頸管の硬度は軟、Station+3、大泉門が先進し0時方向にあり、産瘤が形成されている。陣痛間欠1分30秒〜2分、陣痛発作70〜80秒。5分前に自然破水し、羊水の混濁はなかった。陣痛間欠時の血圧は130/90mmHgであり、上腹部痛は消失した。陣痛発作時は上手に怒責を逃がす呼吸をしている。胎児心拍数陣痛図で早発一過性徐脈が認められる。陣痛発作時の産婦の表情を見た夫は助産師に「妻のあのようなつらい表情を見たのは初めてです」と戸惑った表情で言った。
 このときの夫への対応で最も適切なのはどれか。

1.「このくらいの痛みは普通です」
2.「一緒に呼吸をしてあげてください」
3.「帝王切開になる可能性が高いです」
4.「お疲れでしょうから、別室で待機してください」

解答

解説

本症例のポイント

・28歳の初産婦(妊娠39週5日、妊娠経過は順調)。
・午前10時:子宮口全開大、展退度100%、子宮頸管の硬度は軟、Station+3、大泉門が先進し0時方向にあり、産瘤が形成されている。
・陣痛間欠1分30秒〜2分、陣痛発作70〜80秒。
・5分前に自然破水し、羊水の混濁はなかった。
・陣痛間欠時の血圧:130/90mmHg、上腹部痛は消失した。
・陣痛発作時:上手に怒責を逃がす呼吸をしている。
・胎児心拍数陣痛図:早発一過性徐脈が認められる。
・夫「妻のあのようなつらい表情を見たのは初めてです」と戸惑った表情
→本症例は分娩第2期である。分娩第2期の対応をおさえておこう。
→早発一過性徐脈とは、子宮収縮にともなって心拍数の減少の開始から最下点まで30秒以上の経過でゆるやかに下降し、子宮収縮の消退にともなってゆるやかに元に戻る徐脈のことをいう。一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点と概ね一致しているものをいう。

1.× 「このくらいの痛みは普通です」と伝える必要はない。なぜなら、戸惑っている夫の発言を、否定されたと感じかねないため。夫も初めての状況であるため、共感的な態度が大切である。

2.〇 正しい。「一緒に呼吸をしてあげてください」と伝える。なぜなら、夫が妻の分娩をサポート、参加することで、夫の不安が軽減され、妻もリラックスできる可能性が高いため。夫婦の絆を強める効果も期待できる。

3.× 「帝王切開になる可能性が高いです」と伝える必要はない。なぜなら、帝王切開術の適応には該当しないため。

4.× 「お疲れでしょうから、別室で待機してください」と伝える必要はない。なぜなら、なぜなら、戸惑っている夫の直接的な解決とはならないため。夫婦が一緒にこの経験を乗り越える機会を奪うことになる。

帝王切開術の適応

①母体適応:児頭骨盤不均衡 前置胎盤,子宮破裂,重症妊娠高血圧症候群,常位胎盤早期剝離,分娩停止,分娩遷延など。
②胎児適応:胎児機能不全(胎児ジストレス),臍帯脱出,子宮内胎児発育遅延,切迫早産,前期破水,多胎など。

 

 

 

 

 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。
 32歳の初産婦。身長155cm、非妊時体重68kg、非妊時BMI28.3。妊娠12週0日、初診時の妊婦健康診査の血液検査データは、随時血糖85mg/dL、HbA1c5.5%であった。

42 妊娠33週0日。妊娠12週以降初めて病院を受診した。体重82kg。尿糖2+。子宮底長35cm。胎児推定体重は2600g、羊水量は多めであった。
 この時点での母児の状態について正しいのはどれか。

1.妊娠糖尿病である。
2.羊水検査が必要である。
3.耐糖能検査を行う必要がある。
4.胎児推定体重は正常範囲である。

解答

解説

本症例のポイント

・32歳の初産婦(身長155cm、非妊時体重68kg、非妊時BMI28.3
・妊娠12週0日:随時血糖85mg/dL、HbA1c5.5%。
・妊娠33週0日:妊娠12週以降初めて病院を受診。
体重82kg尿糖2+。子宮底長35cm。
・胎児推定体重は2600g、羊水量は多め。
→妊婦の体重の変化として、基準として、①低体重(やせ)の場合:12~15kg、②標準(ふつう)の場合:10~13kg、③肥満(1度)の場合:7~10kg、④肥満(2度以上):個別対応(上限5kgまでが目安)とされている。これ以上、体重が増加した場合、早産や切迫早産、胎児の発育の遅れによる影響、成人後の生活習慣病などのリスクがあげられる。

→BMIとは、体重(㎏) ÷ 身長の2乗(m) で計算される体格指数のことである。日本肥満学会の基準では、18.5以下:低体重、25以下:普通、30以下:肥満Ⅰ度、35以下:肥満Ⅱ度、40以下:肥満Ⅲ度、40以上:肥満Ⅳ度である。

1.× 妊娠糖尿病といえない。なぜなら、妊娠糖尿病の診断には、耐糖能検査(75g OGTT)などが必要であるため。妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見、または発症した糖尿病まではいかない糖代謝異常のことである。糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す血糖値が上がった状態である。肥満女性は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨大児などのリスクが高い。日本糖尿病学会においては、妊娠中は、朝食前血糖値70~100mg/dL以下、食後2時間血糖値120mg/dL以下、HbA1c:6.2%未満を目標とする。

2.× 羊水検査が必要とはいえない。なぜなら、羊水検査は主に染色体異常の診断に用いられるものであるため。ちなみに、羊水検査とは、羊水穿刺により羊水中に浮遊する胎児細胞を分析し、染色体の数や構造の異常などを診断する検査である。15~16週以降の胎児染色体異常・遺伝子異常に適応となり、ほぼ100%で確定診断が可能である。

3.〇 正しい。耐糖能検査を行う必要がある。なぜなら、本症例は、妊娠糖尿病が疑われるため。診断のため、耐糖能検査(75g OGTT)が推奨される。ちなみに、耐糖能検査とは、朝食抜きで受診し、ブドウ糖75gを飲む前、飲んでから1時間後、2時間後の計3回、血糖値を測る。空腹時100mg/dl以上、1時間値180mg/dl以上、2時間値150mg/dl以上のうち、2項目を満たせば妊娠糖尿病と診断される。妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見、または発症した糖尿病まではいかない糖代謝異常のことである。糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す血糖値が上がった状態である。肥満女性は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨大児などのリスクが高い。

4.× 胎児推定体重は正常範囲とはいえない。なぜなら、33週0日での胎児推定体重は、平均1980g前後であるため。本症例の場合、妊娠33週の胎児推定体重が2600gであり、正常範囲内とは言い難い。

(※図引用:「推定胎児体重と胎児発育曲線」)

 

 

 

 

 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。
32歳の初産婦。身長155cm、非妊時体重68kg、非妊時BMI28.3。妊娠12週0日、初診時の妊婦健康診査の血液検査データは、随時血糖85mg/dL、HbA1c5.5%であった。

43 妊娠39週4日。陣痛発来し午前4時に入院した。入院時、血圧135/82mmHg。尿蛋白(-)、尿糖2+。午前10時に自然破水し、午後5時に子宮口全開大となったが、微弱陣痛のためオキシトシン点滴静脈内注射による陣痛促進が行われた。午後10時46分、4150gの女児を経腟分娩した。Apgar〈アプガー〉スコアは、1分後8点、5分後9点。午後10時52分に胎盤が娩出され、子宮内に遺残はなかったが、子宮底部は臍よりも高い位置に軟らかく触知された。腟口から持続的な出血が認められ、午後11時15分の時点で総出血量が1400mLとなった。
 出血量の増加に関係した可能性が高いのはどれか。

1.児の体重
2.破水の時期
3.母体の身長
4.母体の血圧

解答

解説

本症例のポイント

・32歳の初産婦(身長155cm)
・妊娠39週4日:陣痛発来し午前4時に入院。
・入院時:血圧135/82mmHg。尿蛋白(-)、尿糖2+。
・午前10時:自然破水、午後5時:子宮口全開大、微弱陣痛のためオキシトシン点滴静脈内注射による陣痛促進。
・午後10時46分:4150gの女児を経腟分娩した。
・アプガースコア:1分後8点、5分後9点。
・午後10時52分:胎盤が娩出され、子宮内に遺残はなかったが、子宮底部は臍よりも高い位置に軟らかく触知。
腟口から持続的な出血が認められ、午後11時15分:総出血量が1400mL。
→上記の評価から正常所見と異常所見が分かるようにしよう。

→本症例は、弛緩出血が疑われる。弛緩出血とは、児と胎盤の娩出後、本来なら子宮が収縮することで止まるはずの出血が続く状態である。原因は、多胎妊娠や巨大児による子宮の過伸展、子宮収縮剤の長時間投与、長引く分娩による母胎の疲労、子宮奇形などの体質によるもの、子宮内の凝血塊の遺残、全身麻酔などが挙げられる。

→巨大児とは、出生体重が4000g以上の正期産児をさす。主な原因は母体糖尿病である。合併症には、分娩外傷、低血糖、過粘稠度、および高ビリルビン血症がある。

1.〇 正しい。児の体重は、出血量の増加に関係した可能性が高い。本症例は、弛緩出血が疑われる。弛緩出血とは、児と胎盤の娩出後、本来なら子宮が収縮することで止まるはずの出血が続く状態である。原因は、多胎妊娠や巨大児による子宮の過伸展、子宮収縮剤の長時間投与、長引く分娩による母胎の疲労、子宮奇形などの体質によるもの、子宮内の凝血塊の遺残、全身麻酔などが挙げられる。

2.× 破水の時期より出血量の増加に関係したものがほかにある。なぜなら、本症例は、午前10時に自然破水であるため。正常である。

3.× 母体の身長より出血量の増加に関係したものがほかにある。なぜなら、本症例の身長は155cmであり、低身長ともいえないため。ちなみに、身長150cm未満の場合は、「Ⅲ.妊婦管理適応リスト」では,「B.連携する産婦人科医師と相談の上,協働管理すべき対象者」の①理学的所見のあるもの(身長150cm未満、非妊時BMI 18.5未満または25以上、年齢35歳以上)に該当する。

4.× 母体の血圧より出血量の増加に関係したものがほかにある。なぜなら、本症例の入院時の血圧は135/82mmHgであるため。母体の血圧は正常範囲内である。

(※図引用:「Ⅲ.妊婦管理適応リスト」助産業務ガイドライン 2019より)

 

 

 

 

 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。
32歳の初産婦。身長155cm、非妊時体重68kg、非妊時BMI28.3。妊娠12週0日、初診時の妊婦健康診査の血液検査データは、随時血糖85mg/dL、HbA1c5.5%であった。

44 午後11時20分、性器出血が持続し総出血量1800mLとなり、気分不快を訴えた後、名前の呼びかけに対する応答が困難となった。体温37.1℃、呼吸数25/分、脈拍130/分、血圧74/35mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%であった。
 この時点での判断で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.輸血を準備する必要がある。
2.痛み止めの坐薬が必要である。
3.子宮収縮抑制薬の使用が必要である。
4.仰臥位低血圧症候群の可能性が高い。
5.ショックインデックスは1.5を超えている。

解答1・5

解説

本症例のポイント

・32歳の初産婦(弛緩出血が疑い)
・午後11時20分:性器出血が持続し総出血量1800mL
・気分不快を訴えた後、名前の呼びかけに対する応答が困難。
・体温37.1℃、呼吸数25/分、脈拍130/分、血圧74/35mmHg、SpO2:98%。
→本症例の分娩後の総出血量は、1800mLと正常より多く分娩後異常出血が疑われる。ちなみに、分娩後異常出血の定義として「産後24時間以内の出血量が経腟分娩で500mL、帝王切開で1000mLを超えるもの」とされている。 妊産婦死亡(妊婦と産褥42日までの死亡)の原因として、日本では分娩後異常出血に続発して起こる産科危機的出血が最も多く26%を占めている。また、産後24時間以内の大量出血(経腟分娩では500mL以上、帝王切開では1000mL以上)に、妊婦は出血に対応できる能力が高く、出血性ショックの症状が出にくい。しかし、1500~2000mL以上出血すると容易に循環血液減少性ショックと血液凝固異常を発症しやすい。

1.〇 正しい。輸血を準備する必要がある。なぜなら、本症例は、ショックインデックスは1.5を超えており、「産科危機的出血」と宣言されるため。「産科危機的出血」と宣言し、①直ちに輸血開始、②高次施設へ搬送する必要がある。

2.× 痛み止めの坐薬より優先度が高いものがほかにある。なぜなら、本症例は、痛みの訴えの記載はされていないため。

3.× 子宮収縮抑制薬の使用より優先度が高いものがほかにある。むしろ、本症例は弛緩出血が疑われているため投与すべきではない。子宮収縮抑制薬(塩酸リトドリン)の臨床応用としては、切迫早産や切迫流産の際に子宮収縮(陣痛)を抑制するのに用いられる。

4.× 仰臥位低血圧症候群の可能性が高いとはいえない。なぜなら、本症例は、出血総出血量1800mLによる出血性ショックの状態であるため。ちなみに、仰臥位低血圧症候群とは、妊娠末期の妊婦が仰臥位になった際、子宮が脊柱の右側を上行する下大静脈を圧迫することにより右心房への静脈還流量が減少、心拍出量が減少し低血圧となることである。左側臥位をとることで圧迫が解消され、症状が改善する。

5.〇 正しい。ショックインデックスは1.5を超えている。なぜなら、本症例のショックインデックスは、130/74=1.76となるため。ショック指数(ショックインデックス)とは、出血、体液喪失が原因で起こる循環不全を循環血液量減少性ショックといい、重症度の指標としてショック指数(SI)を用いることがある。SI=「脈拍数(心拍数)/収縮期血圧」で表す。1.0で循環血液量のおよそ20%が、1.5でおよそ40%が失われていると考えられる。基準として、正常(0.5)、軽症(1.0)、中等症(1.5)、重症(2.0)となる。

(※図引用:「産科危機的出血への対応指針 2022」日本産科婦人科学会より)

 

 

 

 

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 Aさん(33歳、経産婦、銀行員)。妊娠28週0日。妊婦健康診査で、身長160cm、体重70kg(非妊時体重58kg)。血圧136/90mmHg。尿蛋白+、尿糖(-)。下肢に浮腫と静脈瘤は認めない。Hb11.5g/dL、Ht34%。胎児推定体重1200g、AFI8.0、子宮頸管長35mmであった。前回の妊婦健康診査までは異常は指摘されていない。

45 この時点の母体のアセスメントで適切なのはどれか。

1.正常経過
2.切迫早産
3.妊娠貧血
4.妊娠高血圧症候群
5.胎児発育不全〈FGR〉

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(33歳、経産婦、銀行員)。
妊娠28週0日:身長160cm、体重70kg(非妊時体重58kg)。
血圧136/90mmHg尿蛋白+、尿糖(-)。
・下肢に浮腫と静脈瘤は認めない。
Hb11.5g/dLHt34%
・胎児推定体重1200g、AFI8.0、子宮頸管長35mm
・前回の妊婦健康診査:異常は指摘されていない。
→上記の評価から、正常範囲内と異常所見を見極められるようにしよう。

1.× 正常経過は考えにくい。なぜなら、本症例は、血圧136/90mmHg尿蛋白+が認められているため。

2.× 切迫早産は考えにくい。なぜなら、本症例(妊娠28週0日)は、子宮頸管長35mmであるため。切迫早産とは、子宮収縮が規則的かつ頻回に起こることにより子宮口が開き、早産となる危険性が高い状態である。頸管長が妊娠28週未満で30mm未満は切迫早産と診断とされる場合が多い。破水が先に起きたり、同時に起きたりすることもある。切迫早産の主な症状は、下腹部の張り、生理痛のような下腹部や腰の痛みである。このような症状がある場合には、まず横になって安静に促す。

3.× 妊娠貧血は考えにくい。なぜなら、本症例は、Hb11.5g/dLHt34%であるため。妊娠貧血とは、妊婦に認められる貧血の総称である。その診断基準はヘモグロビ ン(Hb)値 11.0 g/dL 未満、またはヘマトクリット(Ht)値 33 %未満である。妊婦貧血は全妊娠の20%に発症し、その大部分は妊娠に起因する鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血または両者を合併したものである。原因として、妊婦さんはヘモグロビンの生成に関わる鉄分の多くをお腹の赤ちゃんに吸収されてしまうからと考えられている。

4.〇 正しい。妊娠高血圧症候群が最も疑われる。本症例は、血圧136/90mmHg尿蛋白+が認められているため。妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上)を発症した場合をいう。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。基準値として、収縮期血圧が140mmHg以上(重症では160 mmHg以上)、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上(重症では110mmHg以上)になった場合が該当する。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。

5.× 胎児発育不全〈FGR〉は考えにくい。なぜなら、本児(妊娠28週0日)の胎児推定体重1200gであるため。妊娠28週0日の胎児推定体重は、1130gである。ちなみに、胎児発育不全とは、平均と比べて成⻑が遅くなっていることをいい、胎盤由来の妊娠合併症の代表的なものである。子宮内での胎児の発育が遅延あるいは停止したために在胎週数に相当した胎児の発育が見られない状態で、妊娠週数に対して胎児が明らかに小さい場合をいい、胎児発育曲線において「-1.5SD以下」の場合に診断される。

(※図引用:「妊娠高血圧腎症の診断」著:神田昌子より)

 

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