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次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
Aさん(38歳、初産婦)。分娩後7か月、母乳育児をしている。避妊法に関する相談で受診し経口避妊薬を開始したいという。身長160cm、体重68㎏。産褥3日に高血圧に対して降圧薬が処方され1か月内服した。現在は内服していない。1日20本喫煙している。
46 Aさんは「今の子どもが小学生になってから次の妊娠をしようと思っています」と話した。
説明すべき内容で最も適切なのはどれか。
1.妊孕力
2.各避妊法の失敗率
3.人工妊娠中絶の弊害
4.男性と女性の身体の仕組み
解答1
解説
・Aさん(38歳、初産婦、1日20本喫煙)。
・分娩後7か月:母乳育児。
・Aさん「今の子どもが小学生になってから次の妊娠をしようと思っています」と。
→本症例は、現在38歳で、今の子供が小学生(6歳)になるころには、44歳となっていることになる。
(図引用:「2020年体外受精・胚移植等の臨床実施成績」一般社団法人日本生殖医学会様HPより)
1.〇 正しい。妊孕力を説明する。なぜなら、本症例は、現在38歳で、今の子供が小学生(6歳)になるころには、44歳となっていることになるため。妊孕性とは、「妊娠するための力」のことをいう。妊娠するためには、卵子と精子だけでなく、性機能や生殖器、内分泌の働きも重要である。妊孕性は女性・男性両方に関わることで、女性の妊孕性は20代のときが最も高く、30代で徐々に低下し、35歳を過ぎると急激に低下する。したがって、卵子凍結も視野に入れなればならない。
2.× 各避妊法の失敗率より優先されるものが他にある。なぜなら、現在Aさんは「今の子どもが小学生になってから次の妊娠をしようと思っています」と、次の妊娠の時期を考えているため。避妊法より、妊娠できるかどうかの問題が優先的に上がってくる。
3.× 人工妊娠中絶の弊害より優先されるものが他にある。なぜなら、妊娠できるかどうかの問題が優先的に上がってくるため。
4.× 男性と女性の身体の仕組みより優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんが次の妊娠を計画しているという具体的な質問に対しての回答とは言えないため。
次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
Aさん(33歳、初産婦)。妊娠36週3日。散歩中にサラサラと流れる出血があり、月経痛よりも強い持続的な下腹部痛を感じた。胎動は自覚しているが心配になり、Aさんは受診している病院に電話した。夫は自宅から1時間程度の場所にある職場で勤務中のため不在であった。
47 この時点での対応で適切なのはどれか。
1.「直ちに来院してください」
2.「夫が帰宅してから一緒に来院してください」
3.「入院に必要な物品を整えてから来院してください」
4.「しばらく様子を見て腹痛が持続しているなら来院してください」
解答1
解説
・Aさん(33歳、初産婦、妊娠36週3日)。
・散歩中:サラサラの出血あり(月経痛よりも強い持続的な下腹部痛)。
・胎動:自覚している。
・夫は自宅から1時間程度の場所にある職場で勤務中のため不在。
→本症例は、常位胎盤早期剥離が疑われる。ちなみに、常位胎盤早期剥離とは、子宮壁の正常な位置に付着している胎盤が、通常は妊娠20週以降に剥がれてしまうことである。性器出血や激しい腹痛が起こり、ショック状態を起こすこともある。胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえある。治療の原則は、可能な限り速やかに分娩を行うこととされている。短時間のうちに経腟分娩が可能と判断される場合は、経腟での分娩を試みることもあるが、多くの場合は緊急帝王切開術で分娩を行う。
1.〇 正しい。「直ちに来院してください」と伝える。なぜなら、サラサラの出血と強い下腹部痛は、早産や常位胎盤早期剥離などの緊急事態の可能性があるため。胎動を感じていても、状況が急変する可能性がある。
2~3.× 「夫が帰宅してから一緒に来院してください」「入院に必要な物品を整えてから来院してください」「しばらく様子を見て腹痛が持続しているなら来院してください」と伝える必要はない。なぜなら、緊急を要する場面であるため。症状が既に強い痛みと出血を伴っているため、すぐに医療機関で評価を受ける必要がある。
(※図引用:「常位胎盤早期剥離ってなに?」産科医療補償制度再発防止委員会HPより)
次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
Aさん(33歳、初産婦)。妊娠36週3日。散歩中にサラサラと流れる出血があり、月経痛よりも強い持続的な下腹部痛を感じた。胎動は自覚しているが心配になり、Aさんは受診している病院に電話した。夫は自宅から1時間程度の場所にある職場で勤務中のため不在であった。
48 来院時、Aさんは腹部の痛みを訴え苦悶様の表情をしている。子宮は持続的に固く触れる。体温36.8℃、呼吸数15/分、脈拍95/分、血圧130/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉100%。内診所見は、子宮口2cm開大、展退度40%、Station-2、第1頭位、未破水。子宮口から持続的な血性の液体流出を認める。このときの胎児心拍数陣痛図を下図に示す。
胎児心拍数陣痛図で認める所見はどれか。
1.基線細変動の亢進
2.胎児心拍数基線の低下
3.遅発一過性徐脈
4.変動一過性徐脈
5.早発一過性徐脈
解答3
解説
1.× 基線細変動は、「亢進」しているとはいえない。なぜなら、本症例の基線細変動が10~15bpmであるため。細変動の「増加(亢進)」は、26bpm以上のことを指す。
2.× 胎児心拍数基線は、「低下」しているとはいえない。なぜなら、本症例の胎児心拍数基線は、150~165bpmで頻脈であるため。160bpm以上のことを頻脈という(※詳しくは下参照)。
3.〇 正しい。遅発一過性徐脈が胎児心拍数陣痛図で認める所見である。遅発一過性徐脈とは、子宮収縮の最強点に遅れて心拍数が減少し、減少開始から最下点まで30秒以上の経過でゆるやかに下降し、子宮収縮の消退にともなって元に戻る徐脈である。母児間におけるガス交換の減少を示し、胎児の危険を示す。糖尿病、高血圧、妊娠中毒症、腎炎、予定日超過などの胎盤機能不全や母児低血圧、その他子宮収縮剤の過剰投与などが原因となる。
4.× 変動一過性徐脈とは、15bpm以上の心拍減少が急速に起こり、減少開始から最下点まで30秒未満で急速し、回復までに15秒以上2分未満かかる徐脈である。高度の判断は、①最下点が70 bpm未満で持続時間が30秒以上、②最下点が70 bpm以上80 bpm未満で持続時間が60秒以上で評価する。子宮収縮に伴って発生する場合は、一定の形を取らず、下降度、持続時間は子宮収縮ごとに変動することが多い。
5.× 早発一過性徐脈とは、子宮収縮にともなって心拍数の減少の開始から最下点まで30秒以上の経過でゆるやかに下降し、子宮収縮の消退にともなってゆるやかに元に戻る徐脈のことをいう。一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点と概ね一致しているものをいう。
胎児心拍数基線は、10分間の区間の平均心拍数で5の倍数で表現する。基線は一過性変動部分や基線細変動増加の部分は除外し、2分間以上持続している部分で判断する。胎児心拍数基線細変動は、胎児心拍数基線が判読可能な部分で判読する。基線細変動は、胎児心拍数基線の細かい変動で、定義上、1分間に2サイクル以上の胎児心拍数の変動で、振幅、周波数とも規則性がないものを指す。
①胎児心拍数基線
・頻脈:160bpm以上
・正常脈:110bpm~160bpm
・徐脈:110bpm未満
②胎児心拍数基線細変動
・細変動消失:肉眼的に認められない
・細変動減少:5bpm以下
・細変動中等度:6~25bpm
・細変動増加:26bpm以上
次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
Aさん(33歳、初産婦)。妊娠36週3日。散歩中にサラサラと流れる出血があり、月経痛よりも強い持続的な下腹部痛を感じた。胎動は自覚しているが心配になり、Aさんは受診している病院に電話した。夫は自宅から1時間程度の場所にある職場で勤務中のため不在であった。
49 胎児心拍数陣痛図を確認した後の対応として適切なのはどれか。
1.歩行を促す。
2.帝王切開の準備を進める。
3.降圧薬の点滴静脈内注射を準備する。
4.オキシトシン点滴静脈内注射を準備する。
5.胎児心拍数陣痛モニタリングを中止する。
解答2
解説
・Aさん(33歳、初産婦、妊娠36週3日)。
・常位胎盤早期剥離が疑われる。
・来院時:腹部の痛みを訴え苦悶様の表情。
・子宮は持続的に固く触れる。
・体温36.8℃、呼吸数15/分、脈拍95/分、血圧130/80mmHg、SpO2:100%。
・内診所見:子宮口2cm開大、展退度40%、Station-2、第1頭位、未破水。
・子宮口から持続的な血性の液体流出を認める。
・胎児心拍数陣痛図:遅発一過性徐脈
→常位胎盤早期剥離に対する管理を把握しておこう。ちなみに、常位胎盤早期剥離とは、子宮壁の正常な位置に付着している胎盤が、通常は妊娠20週以降に剥がれてしまうことである。性器出血や激しい腹痛が起こり、ショック状態を起こすこともある。胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえある。治療の原則は、可能な限り速やかに分娩を行うこととされている。短時間のうちに経腟分娩が可能と判断される場合は、経腟での分娩を試みることもあるが、多くの場合は緊急帝王切開術で分娩を行う。
1.× 歩行を促す必要はない。なぜなら、すでに本症例から来院時に腹部の痛みを訴え苦悶様の表情、子宮口から持続的な血性の液体流出を認めるため。歩行によりさらなる症状の悪化が懸念される。
2.〇 正しい。帝王切開の準備を進める。常位胎盤早期剥離が疑われる場合、胎児および母体の生命を守るために緊急帝王切開が必要となる。ちなみに、帝王切開術の適応として、①母体適応:児頭骨盤不均衡 前置胎盤,子宮破裂,重症妊娠高血圧症候群,常位胎盤早期剝離,分娩停止,分娩遷延などである。②胎児適応:胎児機能不全(胎児ジストレス),臍帯脱出,子宮内胎児発育遅延,切迫早産,前期破水,多胎などである。
3.× 降圧薬の点滴静脈内注射を準備する必要はない。なぜなら、Aさんの血圧は130/80mmHgであるため。ちなみに、持続点滴静脈内注射とは、大量の薬品を持続的に静脈内に注入する方法である。治療においても使用頻度が高く、与薬ミスや感染防止対策なども多い処置である。主に前腕正中皮静脈、橈側皮静脈、 尺側皮静脈が用いられる。表在性の静脈にならどこにでも行うことができ、針の固定が容易で、太く弾力のある血管を選択する。麻痺側、利き手などを避けることが推奨されている。
4.× オキシトシン点滴静脈内注射を準備する必要はない。なぜなら、オキシトシンは子宮収縮を促進する薬剤であるが、常位胎盤早期剥離が疑われる場合、出血がさらに増加し、胎児の状態を悪化させる可能性があるため。ちなみに、オキシトシン点滴静脈内注射の適応として、分娩誘発、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、流産、人工妊娠中絶である。
5.× 胎児心拍数陣痛モニタリングを中止する必要はない。なぜなら、「連続モニタリングの適応」:産婦が突然強い子宮収縮や腹痛を訴えた場合であるため。
「経過観察」を満たしても、以下の場合は連続モニタリングを行う(ただし、トイレへの歩行や病室の移動等で胎児心拍数が評価できない期間を除く)
1)分娩第2期のすべての産婦
2)分娩時期を問わず、以下のような場合(①子宮収縮薬使用中、②用量41mL以上のメトロイリンテル挿入中、③用量41mL未満のメトロイリンテル挿入中であっても陣痛が発来した場合、④無痛分娩中、⑤38℃以上の母体発熱中、⑥上記以外に産婦が突然強い子宮収縮や腹痛を訴えた場合)
3)分娩時期を問わず、以下のようなハイリスク妊娠の場合(①母体側要因:糖尿病合併、“妊娠中の明らかな糖尿病”、コントロール不良な妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、妊娠・分娩中の低酸素状態が原因と考えられる脳性麻痺児、子宮内胎児死亡児出産既往(概ね30週以上)、子癇既往、子宮体部への手術歴、②胎児側要因:胎位異常、推定体重<2,000g、胎児発育不全、多胎妊娠、サイトメガロウイルス感染胎児、③胎盤、羊水、臍帯の異常:低置胎盤、羊水過多、羊水過少、臍帯卵膜付着が診断されている場合)
4)その他、ハイリスク妊娠と考えられる産婦(コントロール不良の母体合併症等)
7.以下の場合は分娩監視装置を一定時間(20 分以上)装着してモニタリングを記録し、評価する。1)破水時、2)羊水混濁あるいは血性羊水を認めたとき、3)間欠的児心拍数聴取で(一過性)徐脈、頻脈を認めたとき、4)分娩が急速に進行したり、排尿・排便後など、胎児の位置の変化が予想される場合(間欠的児心拍聴取でもよい)
(※引用「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020 P223」)
(※参考:「産婦人科診療ガイドライン産科編 2020 P164」)
次の文を読み50〜52の問いに答えよ。
Aさん(38歳、1回経産婦)。Aさんは第1子を3年前に病院で正常分娩し、現在の健康状態は良好である。妊娠が判明し、今回は助産所での出産を希望して妊婦健康診査を受けている。妊娠経過は順調である。
50 妊娠30週0日。Aさんは「上の子どもを出産に立ち会わせたいと思っています。でも、夫は子どもがショックを受けるのではないかと心配しています」と話した。
このときのAさんへの説明で最も適切なのはどれか。
1.「上の子の気持ちを大切にしましょう」
2.「子どもの立ち会いはやめた方がよいです」
3.「母親であるAさんの希望を第一に考えてください」
4.「赤ちゃんが出てくるところを見せないようにしましょう」
解答1
解説
・Aさん(38歳、1回経産婦、妊娠が判明)。
・第1子(3年前:病院で正常分娩)
・現在の健康状態:良好。
・希望:助産所での出産。
・妊娠経過:順調。
・妊娠30週0日「上の子どもを出産に立ち会わせたいと思っています。でも、夫は子どもがショックを受けるのではないかと心配しています」と。
→出産の立ち合いは、非常に慎重に決めるべきことである。立ち合い出産のメリット・デメリットをおさえておこう。特に3歳の子が、病院のルールや環境に適応しきれるかなど考えていかなければならない。
1.〇 正しい。「上の子の気持ちを大切にしましょう」と伝える。なぜなら、子ども自身の意志を尊重する必要もあるため。特に、3歳の子は、自我意識の始まりで、自己中心かつ大人の言いなりになりたくないという意識も芽生える時期である。出産時間が夜間になる場合もあり、3歳の子の体力や病院の環境に適応できるか、慎重に決めていく必要がある。
2.× 「子どもの立ち会いはやめた方がよいです」と伝える必要はない。なぜなら、Aさんの「上の子どもを出産に立ち会わせたい」という気持ちを否定しているため。あくまでも決めるのは家族であり、その家族の決定を尊重すべきである。また、子供の立ち合いにも、弟妹への愛情を高める効果も期待できる。一方的に、「やめたほうがいい」というのは安直である。
3.× 「母親であるAさんの希望を第一に考えてください」と伝える必要はない。なぜなら、夫や子どもの気持ちや意見を軽視しているため。あくまでも決めるのは家族であり、その家族の決定を尊重すべきである。
4.× 「赤ちゃんが出てくるところを見せないようにしましょう」と伝える必要はない。なぜなら、すでに子どもの立ち合いが行われる予定で話を進めているため。子どもがショックを受けるところは、赤ちゃんが出てくるところを見る以外にも、母親が陣痛に苦む姿をみて恐怖体験になることもある。3歳の子どもであるため、その辺の配慮は、子供の立ち合いが決定してからでも遅くない。
乳児期(0歳~1歳6ヶ月頃):基本的信頼感vs不信感
幼児前期(1歳6ヶ月頃~4歳):自律性vs恥・羞恥心
幼児後期(4歳~6歳):積極性(自発性)vs罪悪感
児童期・学童期(6歳~12歳):勤勉性vs劣等感
青年期(12歳~22歳):同一性(アイデンティティ)vs同一性の拡散
前成人期(就職して結婚するまでの時期):親密性vs孤立
成人期(結婚から子供が生まれる時期):生殖性vs自己没頭
壮年期(子供を産み育てる時期):世代性vs停滞性
老年期(子育てを終え、退職する時期~):自己統合(統合性)vs絶望