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次の文を読み36~38の問いに答えよ。
A女子高校から助産師に1年生(15、16歳)全員への健康教育と個別の健康相談の依頼があった。健康教育の目的は「自分の身体を知ること」である。A女子高校の1年生の入学時の身体測定値は全国平均と同等であった。
36 今回の健康教育における対象者の身体的特徴として考えられるのはどれか。
1.身長の発育速度は同年の男子を上回っている。
2.卵胞刺激ホルモン〈FSH〉は上昇を続けている。
3.無排卵性の月経周期の頻度が性成熟期に比べて高い。
4.黄体形成ホルモン〈LH〉は初経発来前と比べ低値である。
解答3
解説
・対象:女子高校1年生(15、16歳)全員
・内容:健康教育と個別の健康相談。
・健康教育の目的「自分の身体を知ること」。
・入学時の身体測定値:全国平均と同等。
→一般的な女性の月経周期やライフステージの特徴を抑えておく。
1.× 身長の発育速度は、同年の男子を上回っていない。なぜなら、入学時の身体測定値は、全国平均と同等であるため。一般的に、成長曲線によれば、女子の身長の発育速度は、10歳から12歳の間がピークで、その後ゆっくりと減少する。一方、男子の身長の発育速度は、12歳から14歳の間がピークとなる。よって、女子高校1年生(15、16歳)の身長の発育速度が同年齢の男性を上回っていない。
2.× 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉は上昇を続けることはない。なぜなら、通常、卵胞刺激ホルモン(FSH)は、月経周期によって変動するため。月経周期の初め(つまり、月経の初日)に卵胞刺激ホルモンのレベルは比較的高く、その後低下する。
3.〇 正しい。無排卵性の月経周期の頻度が性成熟期に比べて高い。なぜなら、ホルモンの調節や卵巣機能がまだ完全には成熟していないため。性成熟期が進行するにつれて、この状況は徐々に改善する。ちなみに、無排卵性月経とは、月経時に出血がみられるものの排卵は伴っていない状態をいう。多くの場合、無排卵を自覚することなく、通常症状は起こらない。病気でなくても初経から数年の卵巣機能が未熟な思春期や、卵巣機能が低下しつつある更年期の場合に起こる。ただし、病気が原因で起こることもあり、主に視床下部機能異常や多嚢胞性卵巣症候群などがあげられる。
4.× 黄体形成ホルモン〈LH〉は初経発来前と比べ、「低値」ではなく高値である。なぜなら、卵胞が成熟する過程でエストロゲンが十分に分泌されると、下垂体が黄体形成ホルモンを分泌し卵巣を刺激することで排卵が起こるため。ちなみに、約1ヵ月に1回卵巣から卵管へ卵子が放出されることを「排卵」という。 月経周期が一般的な28日周期の女性の場合、次の月経開始予定日から約14日前に起こる。 (※月経周期によって異なる。)排卵期は、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの血中濃度が急激に上昇して始まる。黄体形成ホルモンは卵子の放出(排卵)を促すが、排卵は通常、両ホルモンの急激な増加が始まってから16~32時間後に起こる。この時期にはエストロゲンの血中濃度は低下し、プロゲステロンの血中濃度が上昇し始める。
・卵胞期:1回の月経周期が始まると脳の底の方にある下垂体というところから、卵を包んでいる卵胞を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されはじめ、卵胞は大きくなると同時に女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する時期。
・増殖期:女性ホルモン(エストロゲン)が新しい子宮内膜を成長させていく時期。卵胞期と増殖期とはだいたい同じ時期。
・黄体期:排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期。
・分泌期:子宮内膜が成長を止めて受精卵が着床できるよう準備をする時期。
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
A女子高校から助産師に1年生(15、16歳)全員への健康教育と個別の健康相談の依頼があった。健康教育の目的は「自分の身体を知ること」である。A女子高校の1年生の入学時の身体測定値は全国平均と同等であった。
37 A女子高校の養護教諭から助産師に、1年生は特に月経前に頭痛、腹痛、イライラや不安感を訴えて保健室に来る生徒が多いという情報提供があった。
助産師が行う健康教育の内容で優先するのはどれか。
1.無月経の種類
2.月経発来の機序
3.月経困難症への対応
4.月経前症候群の説明
解答4
解説
・養護教諭から「1年生は特に月経前に頭痛、腹痛、イライラや不安感を訴えて保健室に来る生徒が多い」と。
→1年生は、養護教諭の話から月経前症候群に悩まされている可能性が高いと考えられる。月経前症候群とは、月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいう。原因は、はっきりとはわかっていないが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられている。排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌される。この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、PMSの原因と考えられている。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれている。精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがある。とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(PMDD)の場合もある。治療法として、①日常生活の改善、②薬物療法(排卵抑制療法、症状に対する治療法、漢方療法)があげられる。
1~2.× 無月経の種類/月経発来の機序の優先度は低い。なぜなら、月経の周期についての相談は受けていないため。つまり、高校生1年生の悩んでいる問題と関連性が薄い。
3.× 月経困難症への対応の優先度は低い。なぜなら、「月経前に頭痛、腹痛、イライラや不安感」を訴えているため。ちなみに、月経困難症とは、月経時に多くの女性は生理痛(月経痛)をはじめとする何らかの症状を伴うが、その症状が日常生活に支障をきたすほどの状態のことをさす。月経困難症には主に2種類あげられる。①器質性月経困難症:子宮内膜症、チョコレート嚢胞、子宮腺筋症、子宮筋腫などの器質的疾患を伴う。30歳以降の女性に多くみられる。②機能性月経困難症:器質的疾患を伴わないものをいう。思春期~20歳台前半の発症が多い。原因として、月経の血液を排出するために子宮を収縮させる物質(プロスタグランジン)の分泌が多すぎて子宮が収縮しすぎることや、頸管(子宮の出口)が狭いことが痛みの主な原因とされている。大部分の月経困難症がこれにあたり、初経を迎えた2~3年後から起こることが多い。
4.〇 正しい。月経前症候群の説明は、助産師が行う健康教育の内容で優先する。なぜなら、1年生は、養護教諭の話から月経前症候群に悩まされている可能性が高いと考えられるため。助産師は、これらの症状がなぜ起こり、どのように管理できるかについて教育することで、生徒たちの理解と自己管理を助けることができる。
無月経(月経がない状態)には①原発性、②続発性、③その他のものがある。
①原発性無月経:正常な成長と第二次性徴が認められる患者において15歳までに月経が起こらないことである。しかし、13歳までに月経が開始せず、思春期の徴候(例、何らかのタイプの乳房の発達)がみられない場合は、原発性無月経の評価を行うべきである。
②続発性無月経:規則的な月経周期の確立後に6カ月以上または月経周期で3周期以上の期間、月経がない状態である。しかし、以前の周期が規則的であった患者では月経が3カ月以上なければ続発性無月経の評価が行われ、以前の周期が不規則であった患者では月経が6カ月以上なければ続発性無月経の評価が行われる。
③その他:解剖学的原因(妊娠を含む)、慢性無排卵、卵巣不全など
(※参考:「無月経」MSDマニュアルプロフェッショナル版様より)
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
A女子高校から助産師に1年生(15、16歳)全員への健康教育と個別の健康相談の依頼があった。健康教育の目的は「自分の身体を知ること」である。A女子高校の1年生の入学時の身体測定値は全国平均と同等であった。
38 健康教育の終了後に1人の生徒から、「私はまだ月経が来ていません。どうしたらいいでしょうか」と相談があった。学校生活の様子を聞くと、「高校に入ってから部活で陸上競技を始めて、週に3、4日練習しています。特に、身体の調子は悪くありません」と話した。生徒の身長は150cm、体重44kgで乳房の発育は他の生徒と変わりなく見える。
このときの助産師の助言で適切なのはどれか。
1.「運動を控えましょう」
2.「食事量を増やしましょう」
3.「もう少し様子を見ましょう」
4.「婦人科の診察を受けましょう」
解答4
解説
・健康教育の終了後に1人の生徒から、「私はまだ月経が来ていません。どうしたらいいでしょうか」と。
・学校生活の様子「高校に入ってから部活で陸上競技を始めて、週に3、4日練習しています。特に、身体の調子は悪くありません」と。
・生徒の身長:150cm、体重:44kg
・乳房の発育:他の生徒と変わりなし。
→本症例は、原発性無月経が疑われる。初経の平均は12歳とされる。従来、満18歳になっても初経を見ない場合が原発性無月経と定義されているが、実地臨床的には「乳房発育など第2次性徴が正常であるにも関わらず満15歳までに初経初来しないもの」を原発性無月経と考え、医療の対象としている。無月経の一番の問題は女性ホルモン(エストロゲン)の低下により骨密度が減少することである。したがって、15歳で初経がない場合は、婦人科を受診し検査・治療を勧める(※参考:「思春期の月経異常(1)原発性無月経」多和田レディースクリニック様HPより)。
1~3.× 「運動を控えましょう」「食事量を増やしましょう」「もう少し様子を見ましょう」と伝えるより優先されるものが他にある。なぜなら、本症例は、原発性無月経が疑われるため。原発性無月経の原因疾患として視床下部・下垂体の障害、卵巣の障害、ミュラー管分化異常、高ゴナドトロピン性である卵巣の障害などが挙げられる。つまり、医療的対応(検査や治療)が必要な場合ケースである。
4.〇 正しい。「婦人科の診察を受けましょう」と伝える。本症例は、原発性無月経が疑われる。初経の平均は12歳とされる。従来、満18歳になっても初経を見ない場合が原発性無月経と定義されているが、実地臨床的には「乳房発育など第2次性徴が正常であるにも関わらず満15歳までに初経初来しないもの」を原発性無月経と考え、医療の対象としている。無月経の一番の問題は女性ホルモン(エストロゲン)の低下により骨密度が減少することである。したがって、15歳で初経がない場合は、婦人科を受診し検査・治療を勧める(※参考:「思春期の月経異常(1)原発性無月経」多和田レディースクリニック様HPより)。
【検査が必要な思春期の月経異常の定義】
① 乳房発育後3年以内に初経がない。
② 陰毛発育後14歳になっても初経がない。
③ 食行動の異常があり14歳になっても初経がない。
④ 15歳になっても初経がない。
⑤ 月経周期が21日未満あるいは46日以上。
⑥ 月経持続が8日以上。
⑦ 1~2時間でパット交換が必要なくらい月経量が多い。
(※参考:「米国産婦人科学会若年女性ヘルスケア委員会」)
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
Aさん(39歳、初産婦)は身長158cm、体重58kg、特記すべき合併症はない。妊娠41週3日、予定日超過のため、オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発が9時から開始された。
39 15時の内診所見は、児頭が先進し、子宮口7cm開大、展退度80%、Station-1、陣痛発作時に胎胞が緊満して触れた。子宮収縮は10分間で6回ある。胎児心拍数陣痛図で、胎児心拍数基線150bpm、基線細変動10bpm、最下点が70bpmで回復まで3分30秒の一過性徐脈がみられた。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1.努責を促す。
2.経過観察をする。
3.人工破膜をする。
4.吸引分娩の準備をする。
5.オキシトシンを中止する。
解答5
解説
・Aさん(39歳、初産婦)
・身長158cm、体重58kg、特記すべき合併症はない。
・妊娠41週3日:予定日超過。
・9時から:オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発開始。
・15時の内診所見:児頭が先進、子宮口7cm開大、展退度80%、Station-1、陣痛発作時に胎胞が緊満して触れた。
・子宮収縮:10分間6回。
・胎児心拍数陣痛図:胎児心拍数基線150bpm、基線細変動10bpm、最下点が70bpmで回復まで3分30秒の一過性徐脈。
→本症例は、陣痛、子宮口拡大前であるため、分娩第1期と考えられる。胎児心拍数陣痛図とは、分娩監視装置による胎児心拍数と陣痛の連続記録であり、子宮収縮に対する胎児の心拍数変化により胎児の状態を推測するものである。本症例の胎児の場合、徐脈(高度遷延一過性徐脈)が認められる。変動一過性徐脈とは、15bpm以上の心拍数減少が急速に起こり、開始から回復まで15秒以上2分未満の波形をいう。高度の判断は、①最下点が70 bpm未満で持続時間が30秒以上、②最下点が70 bpm以上80 bpm未満で持続時間が60秒以上で評価する。子宮収縮に伴って発生する場合は、一定の形を取らず、下降度、持続時間は子宮収縮ごとに変動することが多い。
1.× 努責を促す必要はない。なぜなら、努責を促すのは第2期以降であるため。早いタイミングで努責(いきみ)を行うと産道に傷がついたり赤ちゃんの頭に無理がかかったりする。分娩第1期は呼吸法や肛門圧迫で努責(いきみ)を逃す。
2.× 経過観察をする優先度は低い。なぜなら、本症例の胎児は、徐脈(高度遷延一過性徐脈)が認められるため。つまり、なんらかの医療的処置が必要となる。高度遷延一過性徐脈の優先順位が高い対応として、①子宮収縮薬使用中:減量あるいは投与中止とする、②分娩中:増大した子宮による大動脈、下大静脈圧迫による心拍出量低下、それに伴う胎盤循環不全防止のために母体の体位変換、とくに側臥位を試みる、③母体への酸素投与:非再呼吸式マスク(一方向弁付きリザーバーマスク)を用い、10L/分かそれ以上の酸素流量下で80~100%の酸素濃度を確保する、④その他:ニトログリセリンや塩酸リトドリン等の緊急子宮弛緩、急速輸液投与等がある、⑤高度徐脈から胎児心拍数が回復しない場合:急速遂娩(読み:すいべん)を行う。遂娩とは、可能な限り速やかに分娩を完了させる必要がある場合に行われる産科手術であるなどがあげられる。
3.× 人工破膜をするのは時期尚早である。なぜなら、本事例の母親の子宮口は、「7cm開大」であり全開大(約10cm)していないことから、分娩第1期(分娩開始から子宮口全開大まで)と考えられるため。人工破膜とは、内診時に内子宮口から赤ちゃんを包んでいる卵膜を破る処置のことで、人工的に破水させ、陣痛を誘発させることを目的としている。分娩までの時間が長引いた場合は、自然な破水と同様、子宮内感染について注意する必要がある。ただし、羊水が流出することにより子宮内圧が急激に変わり胎児に影響を及ぼすことがあるため、人工破膜を実施する時期は慎重に判断すべきである。
4.× 吸引分娩の準備をするのは時期尚早である。なぜなら、本事例の母親の子宮口は、「7cm開大」であり全開大(約10cm)していないことから、分娩第1期(分娩開始から子宮口全開大まで)と考えられるため。ちなみに、吸引分娩の適応として、分娩第2期(子宮口の全開大から胎児娩出まで)の遷延、胎児機能不全の疑いがある(例,異常な心拍数パターン)場合である。
5.〇 正しい。オキシトシンを中止する。オキシトシンとは、子宮収縮薬(点滴静注法)である。 胎児が「徐脈(高度遷延一過性徐脈)」が疑われるため、早急に胎児のストレス緩和を目的に、子宮収縮薬(オキシトシン)を中止することにより子宮収縮を停止させる必要がある。
【分娩第1期】
陣痛の開始から、子宮口(子宮頸部)が完全に開く(全開大、約10cm)までの期間を指す。
・分娩第1期
「①潜伏期」と「②活動期」に分けられる。
①潜伏期:陣痛がリズミカルになり、子宮頸部が薄くなり4cmほど開いた状態まで(初産婦で12時間・経産婦で5時間程度かかる)の時期を示す。
②活動期:子宮口が4センチから10cm(全開)に開き、胎児の一部が胎盤内に降りてくる(初産婦で3時間・経産婦で2時間程度かかる)。いきみたくなって来る段階である。
・分娩第2期:赤ちゃんが産道を通っている間
子宮口が完全に開大してから胎児を娩出するまでの期間を指す。この段階は初産婦では平均45~60分間、経産婦では15~30分間続く。
・分娩第3期:「後産」の時期
胎児を娩出してから胎盤を娩出するまでの期間である。この段階は数分間で終わるのが普通であるが、最大30分ほど続くこともある。
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
Aさん(39歳、初産婦)は身長158cm、体重58kg、特記すべき合併症はない。妊娠41週3日、予定日超過のため、オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発が9時から開始された。
40 Aさんの分娩は順調に進行し、18時に子宮口が全開大し、21時に3,720gの女児を吸引分娩で出産した。胎盤は自然娩出されたが、分娩後30分の時点で子宮腔内からの出血が持続している。Aさんの意識は清明で、バイタルサインは、体温37.4℃、呼吸数25/分、脈拍102/分、整、血圧98/61mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)である。
この時点で推測される出血量はどれか。
1.100mL以上、500mL未満
2.500mL以上、1,000mL未満
3.1,000mL以上、2,000mL未満
4.2,000mL以上、3,000mL未満
解答3
解説
・Aさん(39歳、初産婦、体重58kg)
・分娩:順調に進行
・胎盤:自然娩出。
・分娩後30分:子宮腔内からの出血が持続。
・意識清明、バイタルサイン:体温37.4℃、呼吸数25/分、脈拍102/分、整、血圧98/61mmHg、SpO2:97%。
→ショック指数から推定出血量を求めることができる。ショック指数(ショックインデックス)とは、出血、体液喪失が原因で起こる循環不全を循環血液量減少性ショックといい、重症度の指標としてショック指数(SI)を用いることがある。SI=「脈拍数(心拍数)/収縮期血圧」で表す。1.0で循環血液量のおよそ20%が、1.5でおよそ40%が失われていると考えられる。基準として、正常(0.5)、軽症(1.0)、中等症(1.5)、重症(2.0)となる。
本症例のショック指数は、脈拍102分/98mmHg=1.04である。
【ショック指数による推定出血量】
①0.5<SI値<1.0:推定出血量750mL未満
②1.0<SI値<1.5:推定出血量750~1,500mL
③1.5<SI値<2.0:推定出血量1,500~2,000mL
④2.0以上:推定出血量2,000mL以上
1.× 100mL以上、500mL未満は、ショック指数0.5~1.0が該当する。
2.× 500mL以上、1,000mL未満より出血している可能性のほうが高い。
3.〇 正しい。1,000mL以上、2,000mL未満は、この時点で推測される出血量である。本症例のショック指数は、脈拍102分/98mmHg=1.04である。
4.× 2,000mL以上、3,000mL未満は、ショック指数2.0以上が考えられる。
今年受験を控えている助産学生です。
いつもお世話になっております。
106回午後 問題39 の黄色枠の解説ですが、本症例では「高度変動一過性徐脈」と書かれてありますが、問題文は、3分30秒の一過性徐脈であるため、「高度遷延一過性徐脈」では無いかと思います。
ご確認よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
更新の励みになります!
ご指摘通り間違えておりましたので修正いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。