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21 栄養成分と新生児に対する効果の組合せで正しいのはどれか。
1.オリゴ糖:感染防御
2.リパーゼ:壊血病予防
3.ビタミンC:くる病予防
4.ラクターゼ:脂肪の消化吸収の補助
解答1
解説
1.〇 正しい。オリゴ糖は、「感染防御」に寄与する。オリゴ糖とは、大腸内で有用細菌ビフィズス菌の増殖を促進するヒトの母乳に含まれるミルクオリゴ糖(ヒトミルクオリゴ糖)と食品添加物として利用される工業的に生産されるオリゴ糖とがある。腸管内ビフィズス菌の増殖促進効果に他に、病原性細菌やウィルスが腸管に付着するのを阻害する、ワクチン効果の増強による免疫能向上と感染防御、腸管バリア機能の強化による乳児壊死性腸炎の予防、免疫調整による抗炎症、乳児の脳神経系形成促進などの効果も予想されている。
2.× 壊血病予防には「リパーゼ」ではなくビタミンCである。ビタミンCの欠乏により、壊血病が起こる。壊血病とは、結合組織の異常から毛細血管が脆弱化して出血しやすくなる病気である。一方、リパーゼとは、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに加水分解する反応を触媒する酵素である。
3.× くる病予防には「ビタミンC」ではなくビタミンDである。くる病とは、小児期に見られる骨の石灰化不全であり、主に成長障害と骨の弯曲が起こる疾患である。ビタミンDの代謝あるいは感受性の障害により、骨に石灰化が起こらず、強度が不足する病気である。 成人期ではビタミンD依存性骨軟化症と呼ばれる。小児期には成長も障害され、骨X線検査で特徴的な所見を呈し、ビタミンD依存性くる病とも呼ばれる。
4.× 脂肪の消化吸収の補助には「ラクターゼ」ではなくリパーゼである。ラクターゼは、ラクトースをグルコースとガラクトースに分解する酵素である。つまり糖を分解する。腸液に含まれる。
22 妊婦の状態とそれに関連して生じやすい新生児への影響の組合せで正しいのはどれか。
1.血小板減少:light-for-dates児
2.不規則抗体陽性:多血症
3.抗てんかん薬の定期内服:出血性疾患
4.サイトメガロウイルス感染症への罹患:巨大児
解答3
解説
1.× light-for-dates児は、「血小板減少」ではなく妊娠高血圧症候群などの合併症によって、胎盤から赤ちゃんへの栄養がうまく供給されなかったりすることなどがあげられる。light-for-dates児とは、在胎週数に比して出生体重が著しく小さい児(体重が在胎期間別出生時体格標準値における10パーセンタイル未満の児)のことをいう。ちなみに、血小板とは、出血の際の一次止血や血液凝固機能に関与する。血液中の細胞成分である。したがって、血小板の数が少なすぎたり、機能に異常があると出血傾向となる。
2.× 不規則抗体陽性は、「多血症」ではなく、黄疸や溶血性疾患である。不規則抗体とは、赤血球に対する抗体のうちABO式血液型の抗A抗体、抗B抗体以外の抗体をしめす。不規則抗体検査の結果が陽性(+)と出た人は、その抗体に反応する血液型を輸血してしまうと、輸血した赤血球が壊される副作用が起こす。不規則抗体の存在に気付かず輸血された赤血球と反応して溶血が起こり、24時間以降にそれに伴う発熱や貧血、黄疸、Hb値の低下、LDH・総ビリルビンの上昇、ヘモグロビン尿などの溶血を伴う症状を示す。稀に、腎不全、DIC(播種性血管内凝固症候群)などによる死亡例もあるが重篤化することは少ない。ちなみに、多血症とは、血液の中の赤血球やヘモグロビンの量が基準値よりも多くなる病気のことをいう。多血症には、①肥満、高血圧、緊張によるストレス多血症、②アルコール多飲や脱水による循環血症量の減少による相対的多血症、③喫煙や肺疾患による低酸素血症による多血症、④JAK2遺伝子の後天的変異による真性多血症や造血ホルモン産生腫瘍による2次性多血症があげられる。
3.〇 正しい。抗てんかん薬の定期内服は、出血性疾患をきたしやすい。抗てんかん薬を服用した場合、新生児のビタミンK不足を引き起こし、出血性疾患のリスクを高める。新生児ビタミンK欠乏性出血症とは、出生後7日以内に起きるビタミンK欠乏に基づく出血性疾患である。出血斑や注射・採血など皮膚穿刺部位の止血困難、吐血、下血が認められ、重度の場合は頭蓋内出血など致命的な出血を呈する場合もある。特に第 2~4生日に起こることが多いものの出生後24時間以内に発症することもある。合併症をもつ新生児やビタミンK吸収障害をもつ母親から生まれた新生児、妊娠中にワルファリンや抗てんかん薬などの薬剤を服用していた母親から生まれた新生児では、リスクが高くなる。
4.× 巨大児の原因は、「サイトメガロウイルス感染症への罹患」ではなく母体糖尿病である。サイトメガロウイルス感染症とは、サイトメガロウィルスにより生じる感染症である。感染経路は母乳感染、尿や唾液による水平感染が主経路であり、産道感染、輸血による感染、性行為による感染なども認められている。子宮内での発育遅延、早産、小頭症、黄疸、肝臓や脾臓の腫れ、点状出血、脳内の脳室周囲の石灰化、網膜炎、肺炎等が起こりやすく、 このような異常が見られた児では、後に難聴・精神発達遅滞・視力障害といった何らかの神経学的障害が明らかになる場合が多い。ちなみに、巨大児とは、出生体重が4000g以上の正期産児をさす。主な原因は母体糖尿病である。合併症には、分娩外傷、低血糖、過粘稠度、および高ビリルビン血症がある。
23 助産師が1歳6か月児の養育者に子どもの社会性の発達を促す支援として伝える内容で適切なのはどれか。
1.児がお菓子を買うよう泣いて要求したら購入する。
2.児が排泄前に意思表示ができないときは児を注意する。
3.おもちゃで遊んでいるときは、そばにいてやり取りを楽しむ。
4.子どもが同一のものを取り合う場合は子ども同士で解決するまで見守る。
解答3
解説
(1)特 性
・体型は次第に細身に変化し始める。
・歩行が可能になる。
・手指操作の微細運動が発達し、道具が使えるようになっていく。
・社会性の発達とともに自我の芽生えが見られる時期である。
・視線、指さし動作、さらにことばによる意志の伝達と受け取り(周囲の指示理解)が可能になる。
(※引用:「新潟県福祉保健部 乳幼児保健指導の手引」)
1.× 児がお菓子を買うよう泣いて要求したら購入する必要はない。なぜなら、児が泣いて要求するだけで望みが叶えられると学んでしまうと、将来、社会的な交渉や適応の技術を身につける妨げになる可能性があるため。
2.× 児が排泄前に意思表示ができないときは児を注意する必要はない。なぜなら、尿意は、2~3歳ごろ自覚し、尿意コントロールは3~4歳頃であるため。したがって、尿意の自覚が不十分な1歳6か月児に、児を注意するのは、自己認識や自尊心に悪影響を与える可能性が高い。
3.〇 正しい。おもちゃで遊んでいるときは、そばにいてやり取りを楽しむ。1歳6か月児は、積み木を2~3個積むことができ、意味のある言葉を2~3語話す(パパ, ママ, ブーブー)ことができるようになる。社会性の発達とともに自我の芽生えが見られる時期であるため、養育者が子どもと一緒に遊び、やり取りを楽しむことは、子どもの社会的なスキルを発展させる重要な方法といえる。
4.× 子どもが同一のものを取り合う場合は、子ども同士で解決するまで見守る必要ない。なぜなら、1歳6か月児は、意味のある言葉を2~3語話す(パパ, ママ, ブーブー)程度で、おもちゃの共有や交渉といったことは難しいため。他の子どもとおもちゃの貸し借りを行うのは、連合遊びである。連合遊びとは、幼児期後期(3~6歳)に見られ、他児と一緒に遊ぶが、遊びの役割がはっきりせず役割分担がなされていないが、連帯感が見られるものをいう。
【1歳6か月】
・コップで水を飲む。
・スプーンを使って食べようとする。
・積み木を2~3個積むことができる。
・意味のある言葉を2~3語話す(パパ, ママ, ブーブー)。
・簡単な指示に従うことができる(おいで、○○をとって)。
・離乳が完了する。
【3歳】
・自分の名前を言う。
・簡単な文章を話す。
・指示に従う。
・物の大小や長短、色を区別できる。
・箸を持って食べる。
・手を洗う。
・ままごとやごっこ遊びをする。
24 地域母子保健の助産師活動で正しいのはどれか。
1.有床助産所を開設する。
2.ハイリスクアプローチを原則とする。
3.社会資源は自治体内にあるもので対応する。
4.母子の健康課題は地域特性と関連づけてアセスメントする。
解答4
解説
母子健康手帳の交付
妊産婦と乳幼児の健康診査
医療費の給付・助成
健康教育(教室・講演会)
健康相談・訪問指導
育児サークル
1.× 有床助産所を開設するのは、地域母子保健の助産師活動とはいえない。なぜなら、助産所を開設は、一般企業が行えることであるため。助産所には、①有床助産所、②無床助産所がある。①有床助産所では、健康診査、分娩介助、産後ケア、保健指導などが行われる。②無床助産所では、出張による妊産婦等の自宅での健康診査、分娩介助、保健指導などが行われている。
2.× 「ハイリスクアプローチ」ではなくポピュラーアプローチを原則とする。ポピュラーアプローチ(ポピュレーションストラテジー):対象を限定せず地域や職場など、集団全体に働きかけてリスクを下げる方法である。1次予防とされる。ハイリスクアプローチ(ハイリスクストラテジー):リスクの高いものに対象を絞り込んで働きかける方法である。2次予防とされる。個人への効果が高い。
3.× 社会資源は自治体内にあるもので対応すると決まっているわけではない。社会資源とは、生活するうえでおこるさまざまな問題の解決を担う福祉制度や施設などのことである。自治体内にあるものでは限界があるため、必要に応じて必要なサービスや支援を柔軟性をもって民間企業に頼る。
4.〇 正しい。母子の健康課題は地域特性と関連づけてアセスメントする。なぜなら、地域に応じて、地域の環境、文化、社会経済的な状況など異なるため。個々の住民の健康問題の把握にとどまらず、地域特性を踏まえて、集団に共通する地域の健康課題や施策を総合的に捉える視点を持った活動の実施する。
25 母子保健統計の年次推移グラフを示す。
Aにあてはまるのはどれか。
1.自然死産率
2.人工死産率
3.乳児死亡率
4.新生児死亡率
解答2
解説
1.× 自然死産率とは、各年の出産1,000人に対して自然死産が何件あったかを示す。一般的に、自然死産は、主に母体の健康状態に影響を受けるといわれている。死産率のうち、自然死産率は9.8 で前年の9.5より上昇し、人工死産率は9.9で前年の10.6より低下している(※引用:「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」厚生労働省HPより)」。
2.〇 正しい。人工死産率がAにあてはまる。人工死産とは、胎児の母体内生存が確実であるときに、人工的処置(胎児又は付属物に対する措置及び陣痛促進剤の使用)を加えたことにより死産に至った場合をいい、それ以外はすべて自然死産とする。死産率のうち、自然死産率は9.8で前年の 9.5 より上昇し、人工死産率は 9.9 で前年の10.6より低下している(※引用:「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」厚生労働省HPより)」。
3.× 乳児死亡率とは、生後1年未満に死亡した乳児の死亡率のことである。乳児死亡率(出生千対)の推移をみると、昭和14年までは100以上、即ち、生まれたこどものおよそ10人に1人が1年以内に死亡していたが、乳児死亡率は51年に、新生児死亡率(出生千対)は42年に10を下回り、現在は乳児死亡は250人に1人、新生児死亡は500人に1人の割合となっている(※引用:「人口動態統計100年の年次推移」厚生労働省HPより)。
4.× 新生児死亡率とは、年間の1000出生当たりの早期新生児の死亡数(生後1週未満の死亡数) を指す。【早期新生児死亡率】= 年間早期新生児死亡数(生後1週(7日)未満の死亡数)÷ 年間出生数×1000で表せる。つまり、早期新生児死亡とは、「早期新生児の死亡数(生後1週未満の死亡数) 」である。