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問題51 ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査の説明で正しいのはどれか。
1.「子宮頸部の細胞をこすり取って検査します」
2.「HPVワクチンを接種した人が対象です」
3.「陽性であれば子宮頸癌と診断されます」
4.「HPV抗原検査も同時に行います」
解答1
解説
子宮頸がんとは、子宮の入り口である「子宮頸部」に発生するがんである。がんの中では比較的若い世代に発症しやすく、30歳代後半が発症年齢のピークである。子宮頸がんの多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因とされており、予防としては、HPVワクチンの接種が有効である。
【子宮頸がん検査の検体採取】
一般的に子宮頸がんの検査では、ブラシやヘラで子宮頸部をこすり、細胞を採取する「子宮頸部細胞診」と呼ばれる検査を行う。その採取方法として、医師が直接子宮を見ながら頸部の細胞を採取する「医師採取」が一般的であるが、自分自身で子宮入口(頸部)の細胞を採る「自己採取」による検査方法もある。
1.〇 正しい。「子宮頸部の細胞をこすり取って検査します」と説明する。ヒトパピローマウイルス検査は、ブラシやヘラで子宮頸部をこすり、細胞を採取する「子宮頸部細胞診」と呼ばれる検査を行う。その採取方法として、医師が直接子宮を見ながら頸部の細胞を採取する「医師採取」が一般的であるが、自分自身で子宮入口(頸部)の細胞を採る「自己採取」による検査方法もある。
2.× 対象は、HPVワクチンの接種の有無にかからず可能である。子宮頸がんの予防として、HPVワクチンの接種が有効であるが、子宮頸がんにかからないというわけではないため、ヒトパピローマウイルス検査が行われる。ちなみに、ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐ。
3.× 陽性であっても、子宮頸癌と診断されるわけではない。なぜなら、ヒトパピローマウイルス検査はがんの原因となるウイルスの有無を調べるものであるため。子宮頸癌でなくても、ヒトパピローマウイルスに感染していれば陽性の結果が出る。
4.× HPV抗原検査は、同時に行わない。ヒトパピローマウイルス検査と同時に行う検査は子宮頸部細胞診であり、細胞診と同様に採取した細胞が、子宮頸がんの原因であるウイルスに感染しているかどうかがわかる。細胞診の際に摂取した同じ細胞を利用して検査も可能である。ちなみに、ヒトパピローマウイルス感染には、病原体(遺伝子)を調べる「抗原検査」と、感染によって血液中にできる免疫抗体を測る「抗体検査」とがある。抗原検査においては、主に医療機関や産婦人科で単独で行える。一方、抗体検査は、現状、一般の臨床で行われていない(抗原検査と比較したら利点が少ない)。
問題52 令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。
1.75歳以上の通院率は約9割である。
2.65歳以上の半数以上が有訴者である。
3.65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。
4.65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。
解答4
解説
国民生活基礎調査とは、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得るとともに、各種調査の調査客体を抽出するための親標本を設定することを目的とした厚生労働省が行う基幹統計調査である。
(※引用:「世帯員の健康状況」厚生労働省HPより)
1.× 75歳以上の通院率は、約9割ではなく約7割である。傷病で通院している者〔通院者〕は人口千人当たり404.0(この割合を「通院者率」という。)となっている。通院者率(人口千対)を性別にみると、男388.1、女418.8で女が高くなっている。年齢階級別にみると、「10~19歳」の140.1が最も低く、年齢階級が高くなるにしたがって上昇し、「80歳以上」で730.3となっている。傷病別にみると、男では「高血圧症」での通院者率が最も高く、次いで「糖尿病」、「歯の病気」、女では「高血圧症」が最も高く、次いで「脂質異常症(高コレステロール血症等)」、「眼の病気」となっている(※引用:「世帯員の健康状況」厚生労働省HPより)。
2.× 65歳以上の「半数以上」ではなく約4割が有訴者である病気やけが等で自覚症状のある者〔有訴者〕は人口千人当たり302.5(この割合を「有訴者率」という。)となっている。有訴者率(人口千対)を性別にみると、男270.8、女332.1で女が高くなっている。年齢階級別にみると、「10~19歳」の157.1が最も低く、年齢階級が高くなるにしたがって上昇し、「80歳以上」では511.0となっている(※引用:「世帯員の健康状況」厚生労働省HPより)。
3.× 65歳以上の外来受療率は、年齢が上がるほど高くなるとはいえない。外来受療率ではなく、入院受療率は年齢が上がるほど高くなる。性・年齢階級別にみると、入院では、0歳、20~34歳及び80歳以上の年齢階級で女が男より高く、外来では、10~14歳までの年齢階級及び85歳以上の年齢階級で男が女より高い(※引用:「受療率」厚生労働省HPより)。
4.〇 正しい。65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。症状別にみると、男では「腰痛」での有訴者率が最も高く、次いで「肩こり」、「鼻がつまる・鼻汁が出る」、女では「肩こり」が最も高く、次いで「腰痛」、「手足の関節が痛む」となっている。なお、足腰に痛み(「腰痛」か「手足の関節が痛む」のいずれか若しくは両方の有訴者。以下「足腰に痛み」という。)のある高齢者(65歳以上)の割合は、男では205.5、女では254.5となっている(※引用:「世帯員の健康状況」厚生労働省HPより)。
(※引用:「世帯員の健康状況」厚生労働省HPより)
問題53 平成30年度(2018年度)の高齢者の住宅と生活環境に関する調査で、高齢者がいる世帯で賃貸住宅に住んでいる世帯の割合が最も多いのはどれか。
1.単身世帯
2.三世代世帯
3.夫婦のみの世帯
4.単身の子どもと同居世帯
解答1
解説
①単身世帯:26.9%
②夫婦のみ世帯:10.3%
③二世代世帯(親と同居):4.8%
④二世代世帯(子と同居):6.7%
⑤三世代世帯(親・子と同居):2.3%
⑥三世代世帯(親・孫と同居):4.6%
⑦そのほかの世帯:33.3%
(※引用:「図表 2-2-2-2 現在の住まいの住居形態(Q15)(択一回答)図表 3-3-2 住居の所有関係と種類(Q15)」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。単身世帯は、平成30年度(2018年度)の高齢者の住宅と生活環境に関する調査で、高齢者がいる世帯で賃貸住宅に住んでいる世帯の割合が最も多い。26.9%占める。
2.× 三世代世帯は、6.9%占める。内訳は、三世代世帯(親・子と同居):2.3%と、三世代世帯(親・孫と同居):4.6%である。
3.× 夫婦のみの世帯は、10.3%占める。
4.× 単身の子どもと同居世帯は、記載がない。ちなみに、二世代世帯(子と同居):6.7%である。
問題54 Aさん(80歳、女性)は脳梗塞の後遺症のため要介護5と認定され、治療を終えて退院することになった。Aさんの息子の妻が 「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安そうに看護師に話しかけてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.「介護は楽しいですよ」
2.「介護にはすぐに慣れますよ」
3.「家族で介護できるよう頑張りましょう」
4.「介護についてどのような思いがありますか」
解答4
解説
・Aさん(80歳、女性、脳梗塞の後遺症、要介護5)
・治療を終えて退院。
・Aさんの息子の妻が「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安。
→Aさんの息子の妻は、介護に対し不安を抱いている。初めての介護であるが、具体的にどこがどういうふうに不安であるのか?丁寧に傾聴や共感、受容しながら評価していく必要がある。
1~2.× 「介護は楽しいですよ」「介護にはすぐに慣れますよ」と伝える必要はない。なぜなら、「楽しい」という感情や、「慣れ」は、個々の感性や経験に左右されるものであるため。根拠のない声掛けではなく、具体的にどこがどういうふうに不安であるのか?丁寧に傾聴や共感、受容しながら評価していく必要がある。
3.× 「家族で介護できるよう頑張りましょう」と伝える必要はない。なぜなら、現状、家族の状態を詳しく知れていない状況であるため。介護サービスや訪問サービスもある中で、一方的に、家族のほかに介護を頑張らせる選択を取るのは時期尚早である。また、「頑張りましょう」という表現の仕方には、「介護=頑張るもの」というネガティブなイメージが付きやすいため控えるべきである。
4.〇 正しい。「介護についてどのような思いがありますか」と話を聞く。Aさんの息子の妻は、介護に対し不安を抱いている。初めての介護であるが、具体的にどこがどういうふうに不安であるのか?丁寧に傾聴や共感、受容しながら評価していく必要がある。具体的な評価ができたところで、看護師ならではの専門的なアドバイスを行う。
問題55 子どもの発達で正しいのはどれか。
1.発達は急速な時期と緩慢な時期がある。
2.原始反射は生後6~12か月にみられる。
3.基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。
4.新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。
解答1
解説
1.〇 正しい。発達は急速な時期と緩慢な時期がある。成長発達の一般的原則として、成長発達には、急速に発達する時期と緩慢な時期とがあり、臨界期に適切な刺激が加わることで促進される。成長発達は、遺伝的要因や環境的要因に影響を受けるため、個人差がある。
2.× 原始反射は、「生後6~12か月」ではなく生まれた時からみられる。原始反射は、知覚や姿勢に入力された刺激が大脳の指令を受けずに脊髄や脳幹レベルで処理されることで、無意識下で筋肉が動く現象である。随意運動が発達すると徐々に原始反射は消失する。これは、新生児期の反射中枢は脊髄レベルであり、月齢とともに、脳幹部、中脳、大脳皮質と反射中枢は高次に達するため。つまり、原始反射とは、新生児期から乳児期早期にかけて(生まれた日を0日とし、生後28日未満)のみ認められる反射である。
3.× 基本的な運動発達は、「脚部から上方」ではなく頭部から下方へ向かう。①成長発達には、方向性・順序性があり、中枢から末梢の方向へ、身体の頭部から足の方向へ進む。
4.× 逆である。新生児期は「環境因子」よりも「遺伝」の影響が大きい。ちなみに、新生児とは、生後0日から28日未満の赤ちゃんのことで、それ以降は乳児と呼ばれる。