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問題11 副交感神経の作用で正しいのはどれか。
1.瞳孔散大
2.気管支拡張
3.心拍数の増加
4.消化液分泌の促進
解答4
解説
1.× 瞳孔散大は、交感神経の作用である。瞳孔散大筋は、交感神経の支配を受けており、ノルアドレナリンの作用で収縮する。逆の働きをする瞳孔括約筋が副交感神経支配筋であり、アセチルコリンで瞳孔は収縮(縮瞳)する。
2.× 気管支拡張は、交感神経の作用である。一方、副交感神経の作用で、気管支は収縮する。
3.× 心拍数の増加は、交感神経の作用である。
4.〇 正しい。消化液分泌の促進は、副交感神経の作用である。副交感神経の作用で、消化器官の働きを活発化し、消化プロセスをスムーズに進める助けとなる。
問題12 心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。
1.洞房結節
2.房室結節
3.His〈ヒス〉束
4.Purkinje〈プルキンエ〉線維
解答1
解説
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
心臓の刺激伝導系は、「洞結節(洞房結節)→右房→左房→房室結節→His束(房室束)→左脚・右脚→プルキンエ線維(Purkinje線維)→心室」となる。刺激伝導系を構成する細胞は特殊心筋と呼ばれ、心房・心室の壁を構成する一般の心筋細胞である固有心筋とは区別する。
1.〇 正しい。洞房結節は、心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位である。洞房結節とは、心臓の興奮のペースメーカーの働きをする部位である。洞房結節は、右心房の上部に位置する。
2.× 房室結節とは、心臓の刺激伝導系で洞房結節からのシグナルを受け取る。右心房と右心室の境界に位置する。
3.× His束とは、心臓の刺激伝導系で房室結節からのシグナルを受け取る。心室中隔の上部に位置する。
4.× Purkinje線維とは、刺激伝導系の左右脚の末梢が心室壁内面で細かく分岐して心筋に移行し、その直前で特殊心筋のネットワークが形成される部位である。His束からのシグナルを受け取り、心室の収縮を誘発する。
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問題13 成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。
1.球状の細胞である。
2.腎臓で破壊される。
3.寿命は約60日である。
4.酸素の輸送を担っている。
解答4
解説
赤血球とは、細胞内にヘモグロビンを含み、主に酸素の運搬を行う。血液中の細胞成分である。ちなみに、ヘモグロビンのヘム鉄が、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。
1.× 「球状」ではなく円盤状の細胞である。なぜなら、骨髄で成熟し、核が失われるため。また、円盤状であるため、酸素と二酸化炭素の輸送効率を向上する。
2.× 「腎臓」ではなく脾臓で破壊される。脾臓とは、①古くなった血球(白血球、赤血球、血小板)の処理や、②感染に対する防御など免疫に関係する働きを担う。
3.× 寿命は、「約60日」ではなく約120日である。
4.〇 正しい。酸素の輸送を担っている。赤血球とは、血液中の血液細胞の一種であり、主な役割は、酸素を全身に運ぶことである。赤血球中にはヘモグロビン(血色素)と呼ばれる蛋白質があり、ここに酸素を結合させて運んでいる。赤血球は骨髄で作られる際に、骨髄中で成熟し、脱核して末梢血中に出る。血管のなかで約120日間働いた後、肝臓や脾臓で壊される。
問題14 チアノーゼとは ( )の絶対量が増加して5g/dL以上になり、皮膚や粘膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。
( )に入るのはどれか。
1.ビリルビン
2.ヘモグロビン
3.ヘモグロビン Alc〈HbAlc〉
4.脱酸素化ヘモグロビン〈還元へモグロビン〉
解答4
解説
チアノーゼとは、皮膚や粘膜が青紫色である状態をいう。 一般に、血液中の酸素が不足することをきっかけとし、 血液中の酸素濃度が低下した際に、爪床や口唇周囲に表れやすい。毛細血管血液中の還元ヘモグロビンが、5g/dL以上に増加すると出現する皮膚の青紫調変化である。
1.× (総)ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる黄色い色素のことである。総ビリルビンは、①間接ビリルビンと②直接ビリルビンをあわせていう。基準値:0.2〜1.2mg/dLである。肝細胞の障害により、直接ビリルビンが上昇する。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、自己免疫性肝炎などがあげられる。腎臓からも排泄され、主に肝臓で代謝されるため、肝臓や胆嚢の状態を知るための重要な指標となる。
2.× ヘモグロビンとは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。
3.× ヘモグロビン Alc〈HbAlc〉とは、赤血球中のヘモグロビンが血中のブドウ糖と結合したものである。採血前1~2か月間の血糖値の平均的な状況を反映している。糖尿病の診断や管理に使用される指標である。
4.〇 正しい。脱酸素化ヘモグロビン〈還元へモグロビン〉が、( )に入る。チアノーゼとは、 ( 脱酸素化ヘモグロビン )の絶対量が増加して5g/dL以上になり、皮膚や粘膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。脱酸素化ヘモグロビンとは、酸素が結合していない状態のヘモグロビンである。静脈血の色である暗赤色を示す。酸素供給不足や循環障害が原因となってチアノーゼが発生する。
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問題15 飛沫感染するのはどれか。
1.疥癬
2.破傷風
3.デング熱
4.インフルエンザ
解答4
解説
1.× 疥癬とは、接触感染で、疥癬虫(ヒゼンダニ)による皮膚の角層内感染症で、強い痒み、丘疹が特徴である。(※読み:かいせん)
2.× 破傷風とは、接触感染で、破傷風菌により発生し、主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用する。感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれる。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡する。
3.× デング熱とは、接触感染で、蚊に刺されることによって感染する疾患である。 症状として、急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などがみられる。通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に出現する。
4.〇 正しい。インフルエンザは、飛沫感染と接触感染する。インフルエンザとは、インフルエンザウイルスへの感染を原因に発症する。A型、B型、C型の3種類があり、このうち冬季に流行する「季節性インフルエンザ」はA型とB型によるものである。症状として、38℃以上の発熱や寒気、関節痛、全身のだるさなどの全身症状と、喉の痛みや咳などの風邪のような症状が現れる。上気道症状が1週間程度続くのが典型的である。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)