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問題86 緑内障について正しいのはどれか。 2つ選べ。
1.眼球が突出する。
2.視神経が萎縮する。
3.硝子体が混濁する。
4.眼底に出血がみられる。
5.眼圧の上昇が原因となる。
解答2・5
解説
(図引用:「~看護師イラスト集~」看護roo!様HPより)
緑内障とは、眼圧の上昇や視神経の脆弱性などにより視神経が障害され、視野障害をきたす疾患である。一般的な症状として、①見える範囲が狭くなる、②一部が見えにくくなる、③見えない部分が出現するなどが生じる。一度悪くなった視界・視野の症状は改善されることはないため、病気の種類や進行度合いなどによって薬物療法、レーザー治療、手術などが検討される。
1.× 眼球が突出するのは、「バセドウ病」である。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。
2.5.〇 正しい。視神経が萎縮する/眼圧の上昇が原因となる。緑内障とは、眼圧が上昇し、眼の視神経に萎縮が起こることで、視野や視力に障害を起こす病気である。
3.× 硝子体が混濁するのは、「飛蚊症」である。飛蚊症とは、小さな虫、糸くずのようなものが飛んで見えることをいう。網膜剥離や網膜裂孔、ぶどう膜炎などで見られる。(※読み:かぶんしょう)
4.× 眼底に出血がみられるのは、「糖尿病性網膜症」である。糖尿病性網膜症とは、網膜の血管障害により生じ、進行すると視力低下をきたす。また、症状は不可逆性であり、進行した糖尿病網膜症は改善されない。わが国における失明原因の上位を占めている。
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問題87 高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。 2つ選べ。
1.骨量の減少
2.筋肉量の減少
3.細胞内液量の減少
4.渇中枢の感受性の亢進
5.抗利尿ホルモンの反応性の亢進
解答2・3
解説
脱水とは、生体において体液量が減少した状態をいう。水やナトリウムの喪失が原因で起こる。この際、ナトリウムの喪失を伴わず水欠乏を起こす病態を高張性脱水(水欠乏性脱水)や一次脱水という。脱水症状とは、体内の水分が2%失われると、のどの渇きを感じ、運動能力が低下しはじめる。3%失われると、強いのどの渇き、ぼんやり、食欲不振などの症状がおこり、4~5%になると、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状が現れる。10%以上になると、死にいたることもある。
1.× 骨量の減少は、骨粗鬆症や骨折のリスクを高める要因の一つである。一般的に、骨の成分は水分が10%程度であるため、脱水への影響は少ない。他には、70%が無機物のリン酸カルシウム、残りの20%がコラーゲンなどの有機物といわれている。
2.〇 正しい。筋肉量の減少は、高齢者に脱水が起こりやすくなる要因の一つである。なぜなら、筋肉量の減少は、体内の水分量が減ることにつながるため。筋重量の72%程度が水分で構成されている。
3.〇 正しい。細胞内液量の減少は、高齢者に脱水が起こりやすくなる要因の一つである。なぜなら、細胞内液量が減少に伴い、水分の代謝が低下するため。体液のうち、細胞内液が約65%、細胞外液が約35%を占めている。体液の水分は体重の約60%を占め、水は人体を構成する最大の化合物である。
4.× 渇中枢の感受性は、加齢に伴い「亢進」ではなく低下する。身体は常に体内の水分、血液の量や濃さをモニタリングしている。血液量が減ってしまったり、血液の浸透圧が高くなったりする(=血液が濃くなってしまうこと)と、足りない水分を補ったり高すぎる浸透圧を薄めて下げるために口渇中枢が働き、飲水などの水分摂取につながる。
5.× 抗利尿ホルモンの反応性は、加齢に伴い「亢進」ではなく低下する。抗利尿ホルモン (ADH:バソプレシン)は、下垂体後葉から分泌される。作用は、水の再吸収量を増加させる。つまり、利尿を妨げる。したがって、抗利尿ホルモンの反応性が亢進すると、尿量が減少し、体内の水分が保たれる。
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問題88 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.応急入院は72時間以内に限られている。
2.緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
3.措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
4.精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
5.医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。
解答1・3
解説
精神保健福祉法とは、①精神障害者の医療及び保護を行うこと、②障害者総合支援法とともに、精神障害者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと、③精神疾患の発生の予防や、国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とした法律である。(参考:「精神保健福祉法について」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。応急入院は72時間以内に限られている。応急入院とは、①患者本人の同意:必ずしも必要としない。②精神保健指定医の診察:1人の診察。③そのほか:医療および保護の依頼があるが、家族等の同意が得られない。④備考:入院期間は72時間以内。入院後直ちに知事に届け出る。知事指定の病院に限る。⑤入院権限:精神科病院管理者
2.× 緊急措置入院中の患者は、本人と家族が希望しても「退院できない」。入院権限が、都道府県知事にあるため、都道府県知事に退院請求は可能であるが、本人と家族が希望しても退院できない可能性の方が高い。緊急措置入院とは、①患者本人の同意:必ずしも必要としない。②精神保健指定医の診察:1人の診察、③そのほか:自傷・他害のおそれが著しく、急を要する。④備考:入院期間は72時間以内。指定医が1人しか確保できず時間的余裕がない場合、暫定的に適用される。⑤入院権限:都道府県知事
3.〇 正しい。措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。精神医療審査会とは、精神科病院に入院中の患者家族等から退院請求や処遇改善請求があったときに、入院の必要性や処遇の妥当性について審査を行う機関である。精神医療審査会は、『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)』により、都道府県・指定都市に設置されるものである。ちなみに、措置入院とは、①患者本人の同意:必ずしも必要としない。②精神保健指定医の診察:2人以上の診察、③そのほか:自傷・他害のおそれがある。④備考:国立・都道府県立精神科病院または指定病院に限る。⑤入院権限:都道府県知事
4.× 精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断した場合、退院を「制限できる」。精神保健指定医とは、「精神保健福祉法」に基づいて、精神障害者の措置入院・医療保護入院・行動制限の要否判断などの職務を行う精神科医のことである。原則として、精神科病院では、常勤の指定医を置かなければならない。臨床経験・研修などの要件を満たす医師の申請に基づいて厚生労働大臣が指定する。ちなみに、任意入院とは、①患者本人の同意:必要。②精神保健指定医の診察:必要なし。③そのほか:書面による本人意思の確認。④備考:本人の申し出があれば退院可能。⑤精神保健指定医が必要と認めれば、72時間以内の退院制限が可能。⑥入院権限:精神科病院管理者。
5.× 入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要であるのは、「医療保護入院」ではなく措置入院である。医療保護入院とは、①患者本人の同意:必ずしも必要としない。②精神保健指定医の診察:1人の診察。③そのほか:家族等のうち、いずれかの者の同意。④備考:入院後、退院後ともに10日以内に知事に届け出る。⑤入院権限:精神科病院管理者
①任意入院:患者本人の同意:必要。精神保健指定医の診察:必要なし。そのほか:書面による本人意思の確認。備考:本人の申し出があれば退院可能。精神保健指定医が必要と認めれば、72時間以内の退院制限が可能。入院権限:精神科病院管理者。
②医療保護入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:家族等のうち、いずれかの者の同意。備考:入院後、退院後ともに10日以内に知事に届け出る。入院権限:精神科病院管理者
③応急入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:医療および保護の依頼があるが、家族等の同意が得られない。備考:入院期間は72時間以内。入院後直ちに知事に届け出る。知事指定の病院に限る。入院権限:精神科病院管理者
④措置入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:2人以上の診察、そのほか:自傷・他害のおそれがある。備考:国立・都道府県立精神科病院または指定病院に限る。入院権限:都道府県知事
⑤緊急措置入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察、そのほか:自傷・他害のおそれが著しく、急を要する。備考:入院期間は72時間以内。指定医が1人しか確保できず時間的余裕がない場合、暫定的に適用される。入院権限:都道府県知事
問題89 クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
1.在宅療養には適用できない。
2.医療者と患者が治療計画を共有できる。
3.バリアンス発生の判断は退院日に行う。
4.多職種間のコミュニケーションが不要になる。
5.一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。
解答2・5
解説
クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている
【目的・効果】
①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上。
②医療従事者間での情報共有。
③患者満足度の向上。
④入院患者の在院日数短縮・効率化。
⑤医療コストや資源の節約。
⑥医療事故防止。
1.× 在宅療養にも「適用できる」。なぜなら、手術し退院後の生活まで記載されているものもあるため。また、地域連携クリティカルパスといったものもある。
2.〇 正しい。医療者と患者が治療計画を共有できる。クリニカルパスは、医療者と患者が治療計画やケアの目標を共有し、理解し合うことができる。そのため、患者満足度の向上につながる。
3.× バリアンス発生の判断は、「退院日」ではなく発生時に行う。バリアンスとは、クリニカルパスからの逸脱のことをさす。一般的には相違、不一致などの意味を持つ言葉であり、クリニカルパスにおいては、アウトカ ムが達成されない状態のことを指す。
4.× 多職種間のコミュニケーションは、「不要」ではなく必要である。クリニカルパスは、医療者同士のコミュニケーションを促進し、チームでのケアを目指すことができる。
5.〇 正しい。一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。クリニカルパスは、患者が安全で質の高いケアを受けられるよう、同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上することできる。
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問題90 看護のアウトカムを評価するために収集する情報はどれか。2つ選べ。
1.褥瘡発生率
2.患者の満足度
3.研修会の開催回数
4.新人看護師の離職率
5.退院指導の実施回数
解答1・2
解説
アウトカム指標とは、施策・事業の実施により発生する効果・成果(アウトカム)を表す指標のことである。例えば、「交通安全の推進」という施策を構成する「歩道の設置」という事業があるとすれば、「歩道を年度内に○○m設置する」というのがアウトプットであり、その成果として「交通事故件数が減少する」ということが「アウトカム」である。
1~2.〇 正しい。褥瘡発生率/患者の満足度は、看護のアウトカム(結果)を評価するために収集する情報である。
3~4.× 研修会の開催回数/新人看護師の離職率は、ストラクチャー評価(企画評価)である。
5.× 退院指導の実施回数は、プロセス評価(実施評価)である。
①ストラクチャー評価(企画評価):事業を実施するための仕組みや体制を評価するもの。
例:マンパワー、予算、会場の状況、関係機関との連携体制 等。
②プロセス評価(実施評価):事業の手順や実施過程、活動状況の妥当性を評価するもの。
例:事業参加者の募集方法、健康診査の従事者数・受診者数,事業の実施内容等。
③アウトプット評価:事業実施過程と参加状況などから直接生じた結果(数や量)を評価するもの。
④アウトカム評価(成果評価):事業の目的を達成したかどうかの最終的な成果を判断するもの。
例:参加者の6か月後のBMI値、糖尿病の治療継続者の割合、腹囲の減少率、参加者の運動回数 等。