この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
61 正常な成長・発達をしている子どもの情緒の分化で、生後6か月ころからみられるのはどれか。
1.恐れ
2.嫉妬
3.喜び
4.恥ずかしさ
解答1
解説
情緒の発達では、新生児の頃は興奮のみだが、その後、「不快」・「快」に分化し、「不快」から「怒り→嫌悪」に、「快」から「得意→愛情」へと更なる分化を遂げる。3か月頃に3つ(興奮・不快・快)に分化するが、「不快」な情緒の方が、「快」の情緒よりも早く発達する。1932年にブリッジェス(Bridges)が提唱した情緒の分化樹系図を参考にする。
1.〇 正しい。恐れは、生後6か月ころからみられる。
2.× 嫉妬は、1歳6か月ころからみられる。
3.× 喜びは、2歳ころからみられる。
4.× 恥ずかしさは、5歳ころからみられる。
ブリッジズは,新生児期の感情的反応は刺激に対する「興奮」や「緊張」であり未分化だが,3 ヶ月ごろには「満足」,「笑顔」,「苦痛」を表すようになり,6 ヶ月ごろには「怒り」,「嫌悪」,「恐怖」が「苦痛」から分化して,1 歳ごろには「得意」,「愛情」という感情表出が「満足」から分化していくという。1 歳半ごろには大人の介入に対する「不快感」,「かんしゃく」や他児への「嫉妬」が「苦痛」から分化し,「特定の大人への愛着」や「他児への愛情」が「愛情」から分化するとしている。2 歳ごろには「喜び」が「満足」から分化し,やがて感情的反応は組織化されていくとした。総じて「苦痛」という感情反応は他の感情より表現されやすいが,感情はゆっくりと発達していくこと,子どもを取り巻く環境によって感情発達の正確な年齢を決定することは難しいと述べている。
(※引用:「未就学児の感情調整の発達の促進要因に関する研究」著:加藤 邦子)
62 性周期とホルモンについて正しいのはどれか。
1.増殖期は基礎体温が上昇する。
2.プロラクチンによって排卵が起こる。
3.プロゲステロンは子宮内膜の増殖を促進する。
4.排卵直前に黄体形成ホルモン<LH>値が高くなる。
解答4
解説
・卵胞期:1回の月経周期が始まると脳の底の方にある下垂体というところから、卵を包んでいる卵胞を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されはじめ、卵胞は大きくなると同時に女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する時期。
・増殖期:女性ホルモン(エストロゲン)が新しい子宮内膜を成長させていく時期。卵胞期と増殖期とはだいたい同じ時期。
・黄体期:排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期。
・分泌期:子宮内膜が成長を止めて受精卵が着床できるよう準備をする時期。
1.× 基礎体温が上昇するのは、「増殖期」ではなく分泌期である。排卵が起こり、卵胞が黄体に変化すると、黄体ホルモンの分泌によって体温が上昇する。
2.× 排卵が起こるのは、「プロラクチン」ではなく黄体形成ホルモンである。排卵期は、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの血中濃度が急激に上昇して始まる。黄体形成ホルモンは卵子の放出(排卵)を促すが、排卵は通常、両ホルモンの急激な増加が始まってから16~32時間後に起こる。この時期にはエストロゲンの血中濃度は低下し、プロゲステロンの血中濃度が上昇し始める。ちなみに、プロラクチン(催乳ホルモン)は、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。プロラクチン放出ホルモンは視床下部から分泌される。乳腺の発育と乳汁の産生に働く。
3.× 子宮内膜の増殖を促進するのは、「プロゲステロン」ではなくエストロゲンである。ちなみに、プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵直後から黄体期に増加する。排卵後の卵胞は黄体へと変化してプロゲステロンを分泌する。プロゲステロンは妊娠の準備のため基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ、乳腺を発達させる働きがある。また栄養や水分を体にたくわえようとするため浮腫や体重増加しやすい。妊娠が成立しなければ、排卵の1週間後くらいからプロゲステロンは減り始め、さらに1週間くらい経つと子宮内膜がはがれ月経が始まる。
4.〇 正しい。排卵直前に黄体形成ホルモン<LH>値が高くなる。排卵期は、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの血中濃度が急激に上昇して始まる。黄体形成ホルモンは卵子の放出(排卵)を促すが、排卵は通常、両ホルモンの急激な増加が始まってから16~32時間後に起こる。この時期にはエストロゲンの血中濃度は低下し、プロゲステロンの血中濃度が上昇し始める。
(※画像引用:日本医師会様HPより)
63 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律<DV防止法>について正しいのはどれか。
1.配偶者暴力相談支援センターは被害者の保護命令を出すことができる。
2.配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。
3.配偶者からの暴力を発見したときは、保健所へ通報する。
4.加害者の矯正が法の目的に含まれる。
解答2
解説
1.× 被害者の保護命令を出すことができるのは、「配偶者暴力相談支援センター」ではなく裁判所である。これはDV防止法10条2項に「(保護命令)裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、被害者に対して次の各号に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする」と記載されている(※引用:「DV防止法」e-GOV法令検索様HPより)。
2.〇 正しい。配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。これはDV防止法1条3項に「(定義)この法律にいう配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、離婚には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする」と記載されている(※引用:「DV防止法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.× 配偶者からの暴力を発見したときは、「保健所」ではなく「配偶者暴力相談支援センターまたは警察官」へ通報する。これはDV防止法6条1項に「(配偶者からの暴力の発見者による通報等)配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない」と記載されている(※引用:「DV防止法」e-GOV法令検索様HPより)。
4.× 加害者の矯正が法の目的に含まれない。配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るためのDV防止法である。
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)とは、今まで家庭内に潜在してきた女性への暴力について、女性の人権擁護と男女平等の実現を図るため、夫やパートナーからの暴力の防止、及び被害者の保護・支援を目的として作られた法律である。
【主な内容】
①配偶者からの暴力の定義
②国及び地方公共団体の責務
③配偶者暴力相談支援センター
④一時保護
⑤情報提供・通報
⑥警察官による被害の防止・警察本部長等の援助
⑦福祉事務所による自立支援
⑧各関係機関連携
⑨保護命令
(※参考:「DV防止法とは?」千葉県HPより)
64 Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤のため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。
手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
1.浣腸を行う。
2.夕食が禁食となっているか確認する。
3.輸血の準備ができているか確認する。
4.下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。
解答3
解説
・Aさん(32歳、初産婦、前置胎盤)
・妊娠37週0日の予定:帝王切開術を受ける。
→前置胎盤とは、胎盤が正常より低い位置(腟に近い側)に付着してしまい、そのために胎盤が子宮の出口(内子宮口)の一部もしくは全部を覆っている状態のことをいう。頻度として、全分娩の約1%弱を占めている。一般的に前置胎盤は無症状であるが、典型的な症状として①腹痛を伴わない突然の性器出血(警告出血)や大量性器出血があげられる。これらの症状は、お腹が大きくなり張りやすくなる妊娠28週以降に増加するといわれている。
(※図一部引用:「帝王切開を受けられる患者さんへ」神戸医療センター産婦人科HPより)
1.× 浣腸を行うのは、「手術前日」ではなく手術当日(手術前)である。その際の処置として、内診室で膣の消毒も行う。
2.× 禁食が必要なのは、「夕食(手術前日)」ではなく手術当日(朝から)である。水分摂取の制限もある。
3.〇 正しい。輸血の準備ができているか確認する。手術当日までの流れとして、①インフォームド・コンセントに基づいた説明と同意や②帝王切開を必要とする母児の状態、多量出血と輸血に関すること、麻酔と手術に関すること、合併症のリスク、次回妊娠に関することについて準備をする必要がある。また、術前チェックリストを作成するため、分娩予定日、胎児の推定体重、血液型、既往歴、合併症、手術歴、術前検査結果、最終飲食などの確認も行う。
4.× 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着するのは、「手術前日」ではなく術後である。間欠的空気圧迫(下肢を圧迫すること)は、静脈還流を促すため、深部静脈血栓症の予防法として有用である。他にも術後ベッドの準備として、心電図モニター、血圧計、酸素、輸液ポンプ、蓄尿用の容器、電気毛布、病衣などを準備しておく。
①母体適応:児頭骨盤不均衡 前置胎盤,子宮破裂,重症妊娠高血圧症候群,常位胎盤早期剝離,分娩停止,分娩遷延など。
②胎児適応:胎児機能不全(胎児ジストレス),臍帯脱出,子宮内胎児発育遅延,切迫早産,前期破水,多胎など。
65 新生児の呼吸の生理的特徴で適切なのはどれか。
1.成人に比べて肺のガス交換面積が大きい。
2.周期性呼吸がみられる。
3.胸式呼吸が主である。
4.口呼吸が主である。
解答2
解説
1.× 成人に比べて肺のガス交換面積が、「大きい」のではなく小さい。なぜなら、新生児の肺がまだ発育を始めたばかりで、ガス交換が行われている場所である肺胞の数が非常に少ないため。したがって、呼吸数で補い、新生児は35~50回に及ぶ。ちなみに、新生児とは、生後0日から28日未満の赤ちゃんのことである。
2.〇 正しい。周期性呼吸がみられる。周期性呼吸とは、正常新生児にときどき認められる5~10秒程度の呼吸休止が不規則的にみられる呼吸パターンである。原因として、呼吸中枢の未熟と考えられていて、特別異常なことではない。ただし、無呼吸発作の移行や、SPO2の低下、徐脈などが伴わないか観察が必要である。
3.× 「胸式呼吸」ではなく腹式呼吸が主である。なぜなら、新生児は、肋骨の角度が水平で呼吸筋が未発達のためである。肋骨の傾斜が成人に近づき、呼吸筋が発達してくるのに合わせて、2歳ごろから胸腹式呼吸となり、6歳ごろまでに胸式呼吸となる。
4.× 「口呼吸」ではなく鼻呼吸が主である。なぜなら、新生児は、相対的に舌が大きく、のどを覆っているため。