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6 オキシトシン5単位を5%ブドウ糖液500mlで希釈し、点滴静脈内注射を開始した。
120ml/時間で滴下しているときのオキシトシンの1分間当たりの投与量で正しいのはどれか。
1.1ミリ単位
2.5ミリ単位
3.10ミリ単位
4.20ミリ単位
解答4
解説
【設問文の要約】
オキシトシンの希釈濃度(①)と点滴速度(②)を基に、1分間当たりのオキシトシン投与量(③)を計算する。
①:オキシトシンの希釈濃度を求める。
オキシトシン5単位を500mlの5%ブドウ糖液に希釈している。
したがって、1mlあたりのオキシトシンの単位数を求める式は、
5単位/500ml
=0.01単位/ml
②:点滴速度(1分当たりの点滴量)を求める。
120mL/時間で滴下する。
したがって、1分間あたりの点滴量を求める式は、
120mL/60分
=2mL/分
③1分間当たりのオキシトシン投与量を求める。
①(オキシトシンの希釈濃度)×②(1分当たりの点滴量)
=0.01単位/ml × 2mL/分
=0.02単位/分
0.001単位=1ミリ単位
したがって、0.02単位は20ミリ単位に相当する。
したがって、選択肢4.20ミリ単位がオキシトシンの1分間当たりの投与量である。
7 ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンと子宮頸癌の説明で適切なのはどれか。
1.HPVワクチンは1回の接種で予防効果がある。
2.子宮頸癌のほぼ50%にハイリスクHPVが検出される。
3.HPVワクチンを投与すれば子宮頸がん検診は不要である。
4.HPVワクチンはHPV16型とHPV18型に対する感染予防効果がある。
解答4
解説
子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の管状の部分)に生じるがんのことである。子宮頸がんは、子宮がんのうち約7割程度を占める。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっている。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染である。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染する。初期では無症状だが、進行するにつれて帯下の増加や悪臭のある帯下、周囲臓器の浸潤による疼痛などの症状が現れる。
(※引用:「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」厚生労働省様HPより)
1.× HPVワクチンは、「1回」ではなく2~3回の接種で予防効果がある。接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なる。3種類いずれも、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされている。
2.× 子宮頸癌の「ほぼ50%」ではなくほぼ90%にハイリスクHPVが検出される。ハイリスクHPV検査とは、がんに進展する可能性のあるヒトパピローマウイルス感染症(HPV)に感染しているかどうかの検査を行う。検査方法は子宮頸がん検査と同様に子宮の入り口(子宮腟部)をブラシでこすって細胞を採取して行う。
3.× HPVワクチンを投与しても、子宮頸がん検診は「必要である」。なぜなら、ワクチンを接種してもすでに感染している場合や、すべてのHPV型に対して予防効果はないため。
4.〇 正しい。HPVワクチンはHPV16型とHPV18型に対する感染予防効果がある。現在、使われているHPVワクチンには、2価、4価、9価の3つがあり、それぞれHPVの2種類、4種類、9種類の型に対応している。2価ワクチンはHPV16型、18型に対して、4価ワクチンはこれに加えて性感染症の尖圭コンジローマの原因であるHPV6型、11型に対して、さらに9価ワクチンでは4価ワクチンに加えてがんと関係する5種類のHPVに対する感染予防効果がある(※引用:「一般の皆さまへ HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)についてQ&A」日本婦人科腫瘍学会様HPより)。
子宮頸がんとは、子宮の入り口である「子宮頸部」に発生するがんである。がんの中では比較的若い世代に発症しやすく、30歳代後半が発症年齢のピークである。子宮頸がんの多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因とされており、予防としては、HPVワクチンの接種が有効である。
【子宮頸がん検査の検体採取】
一般的に子宮頸がんの検査では、ブラシやヘラで子宮頸部をこすり、細胞を採取する「子宮頸部細胞診」と呼ばれる検査を行う。その採取方法として、医師が直接子宮を見ながら頸部の細胞を採取する「医師採取」が一般的であるが、自分自身で子宮入口(頸部)の細胞を採る「自己採取」による検査方法もある。
8 18歳の初妊婦。未婚。妊娠24週0日。3回目の妊婦健康診査である。妊婦はパートナーのことを嫌悪しており、現在まったく会っていない。実家に住んでいるが、両親とも働いており、あまり話ができていないという。妊婦は出産して子どもに会えることを楽しみにしている。
今回の妊婦健康診査時の対応で適切なのはどれか。
1.入籍することを勧める。
2.出生した児を乳児院に預けることを勧める。
3.母親になるのでしっかりするように励ます。
4.出産・育児について親に相談するように勧める。
解答4
解説
・18歳の初妊婦(未婚、妊娠24週0日)。
・3回目の妊婦健康診査である。
・妊婦はパートナーのことを嫌悪しており、現在まったく会っていない。
・実家に住んでいるが、両親とも働いており、あまり話ができていない。
・妊婦:出産して子どもに会えることを楽しみにしている。
→現在の状況を適切に読み取り、妊婦の意思を尊重しよう。
1.× 入籍することを勧める必要はない。なぜなら、妊婦はパートナーのことを嫌悪しており、現在まったく会っていないため。入籍や結婚は本人の意思や状況に応じて慎重に決めるべきである。
2.× 出生した児を乳児院に預けることを勧める必要はない。なぜなら、妊婦は、出産して子どもに会えることを楽しみにしているため。乳児院に預けることを勧めるのは、彼女の気持ちを無視した対応である。ちなみに、乳児院とは、乳児を入院させてこれを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする児童福祉施設である。児童福祉法第37条に規定がある。
3.× 母親になるのでしっかりするように励ます必要はない。なぜなら、何をしっかりするのか具体的な解決になっていないため。彼女が置かれている孤立した状況を考慮し、単なる励ましではなく、具体的な支援やサポートが必要である。
4.〇 正しい。出産・育児について親に相談するように勧める。なぜなら、妊婦は、「実家に住んでいるものの、両親とはあまり話せていない」と記載されているため。出産や育児は大きな負担になるため、家族のサポートが重要である。親に相談することで、妊婦が精神的・経済的な支援を受ける可能性が高まる。
9 産褥経過で正常から逸脱しているのはどれか。
1.分娩直後の悪寒
2.分娩後12時間の子宮底の高さ臍上1横指
3.産褥3日の歩行時の恥骨部痛
4.産褥10日の褐色の悪露
解答3
解説
1.〇 分娩直後の悪寒は、正常な経過である。なぜなら、下半身から心臓に戻ろうとする血液の流れが悪く、冷えにつながるため。つまり、出産によるホルモン変動や体温調節のために一時的に起こる。
2.〇 分娩後12時間の子宮底の高さ臍上1横指は、正常な経過である。一般的な子宮復古状態の分娩後12時間は、①子宮底長(15cm)、②子宮底の高さ(臍高~臍上1~2横指少し右方に傾く)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)である。
3.× 産褥3日の歩行時の恥骨部痛は、産褥経過で正常から逸脱している。この場合、恥骨結合離開が疑われる。恥骨結合離開とは、出産時に起こる恥骨結合部が離開し痛みが生じていることである。分娩後に恥骨痛が出現し、歩行時障害が現れたら疑われる。治療として、離開の程度によるが、安静とベルトによる固定が必要になる。重いものを持ち上げたり、長時間の歩行を控えるよう指導するだけでなく、骨盤ベルトを正しく着用することが重要である。
4.〇 産褥10日の褐色の悪露は、正常な経過である。一般的な子宮復古状態の分娩後7~9日は、子宮底の高さ(恥骨結合上わずかに触れる)、悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)である。産後の悪露は、時間の経過とともに変化し、赤色:鮮血性で、その後、褐色、赤褐色で、次に黄色、白色へと変わる。
・分娩直後:①子宮底長(11~12cm)、②子宮底の高さ(臍下2~3横指)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)
・分娩後12時間:①子宮底長(15cm)、②子宮底の高さ(臍高~臍上1~2横指少し右方に傾く)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)
・1~2日:①子宮底長(11~17cm)、②子宮底の高さ(臍下1~2横指)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)
・3日:①子宮底長(9~13cm)、②子宮底の高さ(臍下2~3横指)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・4日:①子宮底長(9~10cm)、②子宮底の高さ(臍と恥骨結合の中央:臍恥中央)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・5日:①子宮底長(8~11cm)、②子宮底の高さ(恥骨結合上縁3横指)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・6日:①子宮底長(8~11cm)、②子宮底の高さ(恥骨結合上縁3横指)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・7~9日:②子宮底の高さ(恥骨結合上わずかに触れる)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・10日以降~3週間:②子宮底の高さ(腹壁上より触知不能)、③悪露の色調・におい(黄色・無臭)
・4~6週間:③悪露の色調・におい(白色・無臭)
10 産褥5日の褥婦。児はNICUに入院している。両乳房の外側に乳汁のうっ滞があり、射乳は3~5本ある。
用手搾乳の方法について適切なのはどれか。
1.軽く痛みを感じる範囲内で行う。
2.搾乳前に乳頭を滅菌水で清拭する。
3.固くなっている部分から搾乳する。
4.搾乳時間は左右の乳房を合わせて1時間程度とする。
解答3
解説
・産褥5日の褥婦。
・児はNICUに入院している。
・両乳房の外側に乳汁のうっ滞があり。
・射乳は3~5本ある。
→用手搾乳とは、手で乳房を搾って母乳を排出する搾乳方法である。乳房を支えながら、親指と人差し指で乳頭乳輪部を刺激して母乳を絞る。
1.× 軽く痛みを感じる範囲内で行う必要はない。むしろ、痛みを伴わない範囲で行う。なぜなら、痛みを感じる場合、母乳の分泌を妨げたり、乳房を傷つける原因になるため。
2.× 搾乳前に乳頭を滅菌水で清拭する必要はない。なぜなら、乳頭の自然な皮脂を取り、皮膚のバリア機能を低下させる可能性があるため。通常は、日常的な清潔保持(シャワーなど)で十分である。
3.〇 正しい。固くなっている部分から搾乳する。なぜなら、硬くなっている部分は、乳汁がうっ滞して固くなっていると考えられるため。滞留している乳汁を効果的に排出することで、乳腺炎を防ぐことができる。
4.× 搾乳時間は左右の乳房を合わせて、「1時間」ではなく30分程度とする。一般的には、片側の乳房につき10~15分程度である。時間が長すぎると、乳房に負担をかけ、母乳の分泌を妨げる可能性がある。