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26 子癇発作の出現の予測に有用な徴候はどれか。2つ選べ。
1.頭痛
2.腰痛
3.耳閉感
4.上腹部痛
5.手指の振戦
解答1・4
解説
子癇とは、妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起こし、痙攣発作の起こった時期により、妊娠子癇・分娩子癇・産褥子癇に分けられる。 子癇発作の発症頻度は、0.04%程度であり、妊娠中が19%、分娩時39%、産褥期42%との報告がある。てんかんや二次痙攣が否定されるものである。子癇の病態の詳細はまだ明らかになっていないが、高血圧に伴う一過性の脳浮腫が原因といわれている。(子癇のよみかた:しかん)
(※図引用:「妊娠高血圧腎症の診断」著:神田昌子より)
1.〇 正しい。頭痛は、子癇発作の出現の予測に有用な徴候である。なぜなら、子癇の病態の詳細はまだ明らかになっていないが、高血圧に伴う一過性の脳浮腫が原因といわれているため。つまり、妊娠高血圧症候群が重症化することで、子癇発作の出現の予測を期待できる。血圧が高くなると、頭痛やめまい、動悸、息切れなどがみられやすい。
2~3.4.× 腰痛/耳閉感/手指の振戦は、子癇発作と関連しない。
4.〇 正しい。上腹部痛は、子癇発作の出現の予測に有用な徴候である。なぜなら、子癇発作の場合、高頻度で、HELLP症候群を呈すことがあげられるため。HELLP症候群とは、妊娠中あるいは産褥期に溶血(hemolysis)、肝酵素上昇(elevated liver enzymes)、血小板減少(low platelet)を呈し、多臓器障害をきたして母体生命を脅かす重篤な妊産婦救急疾患である。主な症状は上腹部(心窩部あるいは右季肋部)痛であり、嘔気や嘔吐、強い倦怠感を伴うこともある。今回妊娠時に高血圧を発症した妊娠高血圧症候群であり、妊娠高血圧症候群は重症になると血圧上昇、蛋白尿に加えてけいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、HELLP症候群などを引き起こすことがある。直ちに行う検査としては、HELLP症候群の3徴候である①溶血、②肝酵素上昇、③血小板減少を血液検査所見で確認する。
(※引用:「子癇の管理」著:山本捻彦様)
27 経口避妊薬の副効用はどれか。2つ選べ。
1.過多月経の改善
2.性感染症の予防
3.月経困難症の軽減
4.深部静脈血栓症の予防
5.子宮頸癌発生率の低下
解答1・3
解説
経口避妊薬とは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンからなる。正確に服用できれば避妊効果は確実であるが、短所として、悪心や少量の不正性器出血を起こすことがある。血栓症、心筋梗塞などのリスクを伴う場合がある。
【利点】女性主体で避妊ができる。正確に服用すれば、避妊効果は確実である。以下のような避妊以外の利点がある。
・子宮体癌、卵巣癌の発生率低下。
・子宮内膜症の症状緩和。
・月経困難症、月経前症候群の改善。
【欠点】服用開始後1~2週間くらいまで、悪心や少量の不正性器出血を起こすことがある。血栓症、心筋梗塞などのリスクを伴う場合がある。
【禁忌】
大手術の前後および長期間安静状態を要する患者。
35歳以上で1日15本以上の喫煙者。
血栓性素因のある者。
重症の高血圧症患者。
血管病変を伴う糖尿病患者。
産後4週以内の者。
授乳中(産後6か月未満)の者など。
1.〇 正しい。過多月経の改善は、経口避妊薬の副効用である。なぜなら、子宮内膜の増殖を抑える作用があるため。したがって、月経血量が減少し、過多月経による貧血症状の改善も期待できる。ちなみに、過多月経とは、1回の生理期間の出血量が150ml以上あることである。
2.× 性感染症の予防は期待できない。一般的に、性感染症の予防には、コンドームのようなバリア型の避妊法が必要である。性感染症とは、「性的接触によって感染する病気」 と定義されており、普通の性器の接触による性交だけではなくオーラルセックスやアナルセックスなど性的な接触で感染するすべてが含まれる。
3.〇 正しい。月経困難症の軽減は、経口避妊薬の副効用である。なぜなら、ホルモンの調整によって子宮の収縮運動を抑える(生理痛軽減)効果があるため。ほかにも、子宮内膜が薄くなり、プロスタグランジンの分泌が抑えられるため、痛みが軽減される。ちなみに、月経困難症とは、月経時に多くの女性は生理痛(月経痛)をはじめとする何らかの症状を伴うが、その症状が日常生活に支障をきたすほどの状態のことをさす。月経困難症には主に2種類あげられる。①器質性月経困難症:子宮内膜症、チョコレート嚢胞、子宮腺筋症、子宮筋腫などの器質的疾患を伴う。30歳以降の女性に多くみられる。②機能性月経困難症:器質的疾患を伴わないものをいう。思春期~20歳台前半の発症が多い。原因として、月経の血液を排出するために子宮を収縮させる物質(プロスタグランジン)の分泌が多すぎて子宮が収縮しすぎることや、頸管(子宮の出口)が狭いことが痛みの主な原因とされている。大部分の月経困難症がこれにあたり、初経を迎えた2~3年後から起こることが多い。
4.× 深部静脈血栓症の予防は期待できない。むしろ、経口避妊薬の副作用に深部静脈血栓症があげられる。これは、経口避妊薬に含まれるエストロゲンが血液凝固因子を増やすため、血液が固まりやすくなることが原因といわれている。
5.× 子宮頸癌発生率の低下は期待できない。むしろ、子宮頸癌発生率の上昇させる可能性がある。経口避妊薬により、ヒトパピローマウイルス(HPV)排除率が低下することが原因といわれている。
子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の管状の部分)に生じるがんのことである。子宮頸がんは、子宮がんのうち約7割程度を占める。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっている。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染である。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染する。初期では無症状だが、進行するにつれて帯下の増加や悪臭のある帯下、周囲臓器の浸潤による疼痛などの症状が現れる。
28 尿を用いた妊娠反応検査について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.胞状奇胎では陽性である。
2.異所性妊娠では陰性である。
3.プロゲステロンの濃度を測定している。
4.子宮内胎児死亡の24時間後には陰性化している。
5.妊娠の診断可能な時期は経腟超音波断層法より早い。
解答1・5
解説
受精卵が着床すると胎盤が形成され、この胎盤の中でhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)というホルモンがつくられる。hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)は、生理予定日となる妊娠4週目より、血中や尿中から検出される。妊娠検査薬は尿中にhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が含まれているかを調べることで、陽性・陰性と妊娠反応の確認をおこなう。
1.〇 正しい。胞状奇胎では陽性である。なぜなら、胞状奇胎はhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が分泌され、それに反応する妊娠反応検査は陽性となるため。胞状奇胎とは、異常な受精卵が増殖したもの、あるいは胎盤の組織が過剰に増殖したものである。患者は妊娠したように見えるが、子宮は正常な妊娠時と比べてはるかに速く大きくなる。ほとんどの場合、吐き気や嘔吐がひどく、性器出血や著しい血圧上昇がみられる。診断には、①超音波検査、②ヒト絨毛性ゴナドトロピン(正常な妊娠の初期に分泌されるホルモン)を測定する血液検査を用いる。吸引による子宮内容除去術を行うことで奇胎を取り除く。胞状奇胎がなくならない場合は、化学療法が必要になる。
2.× 異所性妊娠では、「陰性」ではなく陽性である。なぜなら、異所性妊娠(子宮外妊娠)でも、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が分泌されるため。ちなみに、卵管妊娠(子宮外妊娠、異所性妊娠)とは、正常妊娠と異なり、受精卵が子宮内膜以外に着床し、胎芽・胎児の発育が進んでしまうことである。最も多いのは卵管に着床するケースで、そのほかに卵巣や腹腔、子宮頸管などに着床することもある。全妊娠数の1%程度で発症する。卵管妊娠(子宮外妊娠、異所性妊娠)の原因として、性感染症であるクラミジアや一般細菌などへの感染が卵管付近の炎症を引き起こしたり、卵管の癒着につながったりするとされている。
3.× 「プロゲステロン」ではなくhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の濃度を測定している。ちなみに、プロゲステロンとは、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすい状態にする作用を持つ。プロゲステロン(黄体ホルモン)は、性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンである。着床が起こる時期とは、月経の黄体期である。黄体期は、排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期である。
4.× 子宮内胎児死亡の24時間後には陰性化しているとは言い切れない。なぜなら、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の濃度をは、胎児の死亡後も徐々に減少するため。
5.〇 正しい。妊娠の診断可能な時期は、経腟超音波断層法より早い。一般的に、尿を用いた妊娠反応検査は、妊娠4週目で分かり、正確に妊娠の診断は妊娠5週目以降である。一方、経腟超音波断層法では、胎囊は妊娠4週末、妊娠6週で心拍動が確認できる。ちなみに、経腟超音波断層法とは、超音波にて子宮や卵巣などを観察するための検査である。子宮の形態異常の有無や月経前の子宮内膜の厚さなど得られる。経腟超音波検査で見つかる代表的な疾患は、子宮がんや卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮内膜ポリープなどである。
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG:human chorionic gonadotropin)とは、妊娠中にのみ測定可能量が著しく産生されるホルモンであり、妊娠の早期発見や自然流産や子宮外妊娠といった妊娠初期によくみられる異常妊娠の診断と管理のために使用される。主に絨毛組織において産生され、妊娠初期の卵巣黄体を刺激してプロゲステロン産生を高め、妊娠の維持に重要な働きをしている。また、胎児精巣に対する性分化作用や母体甲状腺刺激作用がある。絨毛性腫瘍の他に、子宮、卵巣、肺、消化管、膀胱の悪性腫瘍においても異所性発現している例もある。
29 重症妊娠悪阻の管理中において注意すべき主な合併症はどれか。2つ選べ。
1.肺塞栓症
2.悪性高熱症
3.高カリウム血症
4.高ナトリウム血症
5.Wernicke〈ウェルニッケ〉脳症
解答1・5
解説
妊娠悪阻とは、妊娠中にみられる極めて強い吐き気や激しい嘔吐のことである。通常の「つわり」がみられる女性とは異なり、妊娠悪阻の女性は体重が減少し、脱水を起こす。妊娠悪阻の重篤な合併症としてビタミンB1の欠乏から発症するウエルニッケ脳症があり、意識障害や小脳性運動失調などが出現し、50%以上で逆行性健忘、記銘力の低下、作話が特徴のコルサコフ症候群という後遺症が残る。 母体死亡に至る症例もあるため、慎重に管理する必要がある。悪心・嘔吐が強く、脱水、3kg以上の体重減少、飢餓によるケトアシドーシスをきたすもの、経口摂取が困難な時、尿ケトン体が陽性の場合は、輸液を行い水分と栄養、ビタミン類を補充する。
1.〇 正しい。肺塞栓症(静脈血栓塞栓症)は、重症妊娠悪阻の管理中において注意すべき主な合併症である。なぜなら、脱水を起こすため。重症妊娠悪阻の合併症には脱水と安静臥床が原因となる肺塞栓症(静脈血栓塞栓症)がある。特に高齢で肥満の場合はリスクが高く、肺塞栓症を起こす可能性がある。塞栓症が起こる機序として、長期臥床や長時間の座位による静脈系のうっ滞と血液粘稠度の上昇で起こりやすくなる。離床(車椅子乗車や立位訓練、歩行訓練など)を開始したタイミングで、下肢の静脈から遊離した血栓が肺動脈に詰まる肺塞栓(肺血栓塞栓症)を発症するリスクが高くなるため注意が必要である。
2.× 悪性高熱症とは、通常は脱分極性筋弛緩薬と強力な揮発性の吸入全身麻酔薬の併用に対する代謝亢進反応により生じる体温上昇である。全身麻酔薬の使用中に発症し、急激な体温上昇や異常な高熱・頻脈・筋硬直・ミオグロビン尿などを特徴とする。遺伝性があるため、術前に家族歴や既往を聴取することが重要である。治療としては麻酔の中止、ダントロレン投与、全身冷却などを行う。
3.× 高カリウム血症とは、血清カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回ることである。通常は腎臓からのカリウム排泄の低下またはカリウムの細胞外への異常な移動によって発生する。原因としては、①カリウム摂取の増加、②腎臓からのカリウム排泄を障害する薬剤、③急性腎障害または慢性腎臓病などで起こりえる。症状として、悪心、嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状、不整脈などが現れる。
4.× 高ナトリウム血症とは、血清ナトリウム濃度が145mEq/Lを上回る状態である。水分の摂取不足、下痢、腎機能障害、利尿薬などの脱水が原因で生じる。糸球体濾過率の増加、Na利尿作用をもつプロゲステロンの増加などによって妊婦の血清Na値は妊娠初期に最も低く、重症妊娠悪阻においても高ナトリウム血症にはならない。
5.〇 正しい。Wernicke〈ウェルニッケ〉脳症は、重症妊娠悪阻の管理中において注意すべき主な合併症である。妊娠悪阻とは、妊娠中にみられる極めて強い吐き気や激しい嘔吐のことである。通常の「つわり」がみられる女性とは異なり、妊娠悪阻の女性は体重が減少し、脱水を起こす。妊娠悪阻の重篤な合併症としてビタミンB1の欠乏から発症するウエルニッケ脳症があり、意識障害や小脳性運動失調などが出現し、50%以上で逆行性健忘、記銘力の低下、作話が特徴のコルサコフ症候群という後遺症が残る。 母体死亡に至る症例もあるため、慎重に管理する必要がある。悪心・嘔吐が強く、脱水、3kg以上の体重減少、飢餓によるケトアシドーシスをきたすもの、経口摂取が困難な時、尿ケトン体が陽性の場合は、輸液を行い水分と栄養、ビタミン類を補充する。
30 破水の診断に用いられる物質はどれか。2つ選べ。
1.癌胎児性フィブロネクチン
2.α-フェトプロテイン〈AFP〉
3.スフィンゴミエリン
4.エラスターゼ
5.レシチン
解答1・2
解説
羊水とは、羊水腔を満たす液体であり、その99%が母の血液の成分からつくられている。妊娠中期以降は胎児尿が主な生産源である。胎児は16週ころから羊水を嚥下し排尿行動と合わせて羊水量を維持する。嚥下した羊水は、食道・胃・小腸・大腸へと移行し、消化管の成熟を助ける。妊娠20週になると羊水量は350mlになり、赤ちゃんの腎臓が発達して、おしっこが出るようになる。赤ちゃんが羊膜腔内に満たされた羊水を飲み込んでは、おしっこをする「胎児循環」のしくみができあがっていく。羊水量が保たれていることは、羊水中で胸郭運動を行う胎児の肺発育にとってきわめて重要である。羊水は子宮の収縮によって胎児にかかる圧力を均等に分散し、臍帯や胎盤への圧力を軽減させる。 同時に、胎動が直接母体に伝わることを防ぎ、胎動による母体の痛みを緩和する。一方、羊水には外界や母体の温度変化からの緩衝作用があり胎児の体温を一定に保つ働きがある。
1.〇 正しい。癌胎児性フィブロネクチンは、破水の診断に用いられる物質である。(ヒト)癌胎児性フィブロネクチンとは、絨毛膜で産生される胎児蛋白由来の糖蛋白で、胎盤・卵膜と脱落膜との接着に働き、母体血中や羊水中にも高濃度で認められる。妊娠22週以降の正常妊婦の腟分泌物中には検出されないが、炎症や物理的要因による卵膜の損傷や脆弱化、子宮収縮があるときに腟分泌液中で検出される。つまり、腟分泌には含まれないため破水の診断には信頼性が高い。
2.〇 正しい。α-フェトプロテイン〈AFP〉は、破水の診断に用いられる物質である。α-フェトプロテイン〈AFP〉とは、妊娠22~36週の間に前期破水が疑われる場合、腟内にたまった液体中のα-フェトプロテイン〈AFP〉の量を測定することで破水かどうかを診断できる。ちなみに、α-フェトプロテイン〈AFP〉は、胎児の肝臓で産生される蛋白で、羊水中に含まれている。羊水の流出がある場合、膣内でα-フェトプロテイン〈AFP〉の検出が可能となり、破水の診断に役立つ。
3.× スフィンゴミエリンは、胎児の肺成熟の指標(肺サーファクタントの一部)として、羊水中に含まれるリン脂質の一つである。肺サーファクタントは胎児が成熟するにつれて羊水中に流出するため、羊水を採取することによって肺サーファクタント中のレシチン/スフィンゴミエリン(L/S比)を分析することができる。また羊水過少により肺胞液の流出が促進され肺胞腔が縮小するとともに、呼吸様運動が抑制されるため肺低形成が生じる。
4.× エラスターゼ(頸管内顆粒球エラスターゼ定量)は、早産や前期破水の主因である絨毛膜羊膜炎の診断を行う検査である。頸管内顆粒球エラスターゼ定量とは、子宮頸管粘液中の感染部位に遊走した好中球の顆粒から放出された遊離顆粒球エラスターゼやインヒビターと結合し不活性化された顆粒球エラスターゼを定量する検査である。
5.× レシチンとは、胎児の肺成熟の指標(肺サーファクタントの主成分)でもあり、妊娠週数の増加とともに上昇する。肺サーファクタントは胎児が成熟するにつれて羊水中に流出するため、羊水を採取することによって肺サーファクタント中のレシチン/スフィンゴミエリン(L/S比)を分析することができる。また羊水過少により肺胞液の流出が促進され肺胞腔が縮小するとともに、呼吸様運動が抑制されるため肺低形成が生じる。34週頃に急増し、36週頃にピークに達する。羊水や胎盤に含まれ、胎児の呼吸や栄養の吸収にも関わっている。レシチンが少ないと出生後に呼吸困難を起こして危険な状態に陥ることがある。
(※引用:「8)前期破水」株式会社杏林舎様HP)