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21 地域子育て支援拠点事業について正しいのはどれか。
1.おおむね3歳未満の児童および保護者を対象とする。
2.ボランティアには子育て経験が必要である。
3.ひとり親家庭生活支援事業がある。
4.新生児訪問事業を実施する。
解答1
解説
(※図引用:「地域子育て支援拠点事業について」厚生労働省HPより)
地域子育て支援拠点事業とは、地域において子育て親子の交流を促進する子育て支援拠点の設置を推進することにより、地域の子育て支援機能の充実を図り、子育ての不安を緩和し、子どもの健やかな育ちを支援することを目的としている。
1.〇 正しい。おおむね3歳未満の児童および保護者を対象とする。なぜなら、地域子育て支援拠点事業の背景として、3歳未満児の約7~8割は家庭で子育てをしているため。地域子育て支援拠点の設置は、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供のために作られた。
2.× 必ずしも、ボランティアには子育て経験が必要ではない。なぜなら、子どもの多様な大人・子どもとの関わりにより、子どもの健やかな育ちが期待できるため。
3.× ひとり親家庭生活支援事業との関連はない。ひとり親家庭生活支援事業とは、就職活動や家族の病気などにより、一時的に家事・育児に困っている母子家庭、父子家庭及び寡婦の方に、家庭生活支援員(ヘルパー)を派遣し、日常生活をお手伝いするものである。対象は、「⺟⼦及び⽗⼦並びに寡婦福祉法」に定める⺟⼦家庭の⺟、⽗⼦家庭の⽗、寡婦である。
4.× 新生児訪問事業との関連はない。新生児訪問事業とは、母子保健法第11条に定められた事業であり、市区町村によって実施される。 新生児の保護者に、育児上必要があると認めるときは、医師、保健師、助産師または栄養士などの専門職が保護者を訪問して、必要な指導を行うものである。
22 特定不妊治療費の助成に必要な要件はどれか。
1.これまでに人工授精を受けたことがある。
2.指定医療機関で治療を受けている。
3.現在の子どもが1人以下である。
4.治療期間は5年以上である。
解答2
解説
(※図引用:「不妊に悩む方への特定治療支援事業」厚生労働省HPより)
1.× これまでに人工授精を受けたことは、要件にはない。特定不妊治療支援事業の対象者は、「特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)」があげられる。
2.〇 正しい。指定医療機関で治療を受けていることは、特定不妊治療費の助成に必要な要件である。指定医療機関は、事業実施主体において医療機関を指定されている。
3.× 現在の子どもが1人以下であることは、要件にはない。現在の子どもの数は関係ない。
4.× 治療期間は5年以上であることは、要件にはない。金額において、1回30万円と規定されている。ただし、40歳未満であるときは通算6回まで、40歳以上43歳未満であるときは通算3回まで助成される。
23 病院で新たに助産師外来を開設することになった。勤務経験5年以上の助産師5名が担当し、対象は正常経過の妊婦とした。
助産師外来の運営で望ましいのはどれか。
1.医師への報告基準を作成する。
2.妊婦の希望する超音波検査を主とする。
3.正常な経過であれば医師外来の受診は不要とする。
4.妊婦健康診査の記録は助産師外来独自の記録とする。
解答1
解説
助産師外来とは、助産師による妊婦健診や保健指導を行う外来である。妊娠中の過ごし方や日常生活の注意点、お産の不安やバースプランなど、妊婦の心と体の準備をサポートするために、助産師がさまざまなアドバイスを行う。
1.〇 正しい。医師への報告基準を作成する。なぜなら、これにより、リスク管理が徹底され、必要な場合には医師の診察や治療が速やかに行われることが期待できるため。
2.× 妊婦の希望する超音波検査を主とする必要はない。なぜなら、その妊婦に応じた適切な評価を行うべきであるため。助産師外来の目的は、妊婦の総合的な健康管理であり、超音波検査に偏らないバランスの取れたケアが求められる。
3.× 正常な経過であっても、医師外来の受診は「必要である」。なぜなら、正常経過の妊婦でも、妊婦の強い意志で、受診を希望された場合、不安の改善のためにも受診が勧められるため。また、医師の定期的な確認が、助産師外来の信頼性を高めることにもつながる。
4.× 妊婦健康診査の記録は、助産師外来独自の記録とする必要はない。なぜなら、一貫性をもった記録は、円滑な医師との情報共有を容易とするため。助産録とは、助産師が分娩介助をしたときに、助産に関する事項を速やかに記載しなければいけないものである。助産録の記載内容の12項目が定められている。ちなみに、診療記録(診療録、カルテ)とは、医療に関してその診療経過等を記録したものである。 診療録には手術記録・検査記録・看護記録等を含め診療に関する記録の総称をいう。
①妊産婦の住所、氏名、年齢、職業
②分娩・死産回数、生死産の別
③妊産婦の既往疾患の有無およびその経過
④今回の妊娠経過、所見、保健指導の要項
⑤医師による妊娠中の健康診断受診の有無
⑥分娩場所、年月日時分
⑦分娩経過・処置
⑧分娩異常の有無、経過および処置
⑨児の数、性別、生死別
⑩児および胎児付属物の所見
⑪産褥経過、褥婦および新生児の保健指導の要項
⑫産後の医師による健康診断の有無
24 妊娠37週0日の初産婦。陣痛発来で入院した。入院後3時間で自然破水し、羊水は白色で少量の血性分泌物がみられた。破水後、胎児心拍数陣痛モニタリングを開始した。1時間後に胎児心拍数が80bpmに低下したため、直ちに酸素を投与し、1分後に回復した。40分後に遅発性一過性徐脈が出現し、助産師は医師に報告した。児は吸引分娩で出生、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後6点、5分後9点であった。
この事例で改善すべき行動はどれか。
1.破水した産婦を経過観察したこと
2.医師の指示なく酸素投与を行ったこと
3.血性分泌物がみられたことを医師に報告しなかったこと
4.胎児心拍数が80bpmに低下したことを医師に報告しなかったこと
解答4
解説
・妊娠37週0日の初産婦(陣痛発来で入院)。
・入院後3時間:自然破水、羊水:白色(少量の血性分泌物)。
・破水後:胎児心拍数陣痛モニタリングを開始。
・1時間後:胎児心拍数が80bpmに低下、直ちに酸素投与(1分後に回復)。
・40分後:遅発性一過性徐脈が出現(医師に報告)。
・児:吸引分娩で出生(アプガースコアは1分後6点、5分後9点)。
→上記評価にて、正常な範囲を異常な所見を見抜けるようにしよう。
1.× 破水した産婦を経過観察したことは、問題ないといえる。なぜなら、本症例は自然破水であるため。現時点では、正常な範囲での所見である。
2.× 医師の指示なく酸素投与を行ったことは、問題ないといえる。なぜなら、保健師助産師看護師法の第38条「助産師は、妊婦、産婦、じよく婦、胎児又は新生児に異常があると認めたときは、医師の診療を求めさせることを要し、自らこれらの者に対して処置をしてはならない。ただし、臨時応急の手当については、この限りでない」と記載されているため(※引用:「保健師助産師看護師法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.× 血性分泌物がみられたことを医師に報告しなかったことは、問題ないといえる。なぜなら、分娩の開始が近づいているサインであるため。分娩の開始が近づいているサインとして、①おしるし(血性分泌)、②規則的な子宮収縮があげられる。①おしるし(血性分泌):分娩前の子宮の収縮(前陣痛)によって子宮口が開き始めると、卵膜(胎児を包んでいる膜)が子宮から少しずつはがれて、ここからにじみ出る血液と、子宮口の分泌物が混じったおりものがみられる。分娩の準備ができた「しるし」ではあるが、すぐに分娩になるとは限らない。分娩の4~5日前にみられることもあり、陣痛が始まってからみられることもある。また、「おしるし」が、みられないこともある。②規則的な子宮収縮:お腹が張って、腰へもひびく状態が一定の間隔で規則的に起こる。この子宮収縮が10分間隔で起こるようになったら陣痛が始まったことになる(参考:「1.お産の始まりと入院 」松戸市HPより)。
4.〇 正しい。胎児心拍数が80bpmに低下したことを医師に報告しなかったことは改善すべき行動である。なぜなら、胎児心拍数が80bpmに低下した時点で、高度遷延一過性徐脈への発展も疑われるため。ちなみに、遷延一過性徐脈とは、心拍数減少が15bpm以上で、開始から回復まで2分以上10分未満の波形をいう。その心拍数減少は直前の心拍数より算出される。10分以上の心拍数減少の持続は基線の変化とみなす。最下点が80bpm未満のものは高度遷延一過性徐脈と呼ばれる。胎児の生命に関わる危険な状態を示している可能性が高い。
25 2週前に大災害を体験した妊婦。妊婦健康診査時に「小さな物音も気になります。不安になると気持ちが落ち着かず、眠りが浅くなります。あのときのことが思い出されます」と話した。
適切な対応はどれか。
1.災害のことは早く忘れるよう励ます。
2.つらい体験は胸にしまっておくよう勧める。
3.誰にでも起こりうる反応であることを話す。
4.これから子どもが生まれるのだから幸せな方だと慰める。
解答3
解説
・妊婦(2週前に大災害を体験)。
・妊婦健康診査時「小さな物音も気になります。不安になると気持ちが落ち着かず、眠りが浅くなります。あのときのことが思い出されます」と。
→心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは、大規模な災害や事故の現場、他人の悲惨な死など、心理的に大きなストレスを受ける状況下に居合わせた場合、1か月以上心的外傷による障害が持続した場合に生じる。典型的な症状として、①感覚や情動の鈍化、②心的外傷を想起するような状況の回避、③再現的で侵入的な回想(フラッシュバック)や悪夢、④過覚醒、⑤驚愕反応の亢進などが認められる。
1.× 災害のことは、「早く忘れる」よう励ます必要はない。なぜなら、妊婦の体験を軽視していると感じ取られる発言であるため。また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状として、再現的で侵入的な回想(フラッシュバック)や悪夢があげられる。これらは、忘れようとして忘れられる体験ではない。
2.× つらい体験は、「胸にしまっておく」よう勧める必要はない。なぜなら、自然と体験を語ることで、思いや気持ちを共有・整理し、症状の軽減が期待できるため。ただし、外傷体験の直後は、強いストレスの受容が追い付いていない時期であるため、詳しく体験を語らせることはしない。
3.〇 正しい。誰にでも起こりうる反応であることを話す。なぜなら、妊婦さんに対して、彼女の反応が異常ではなく、安心感を提供し、心の負担を軽減できるため。
4.× これから子どもが生まれるのだから幸せな方だと「慰める」必要はない。なぜなら、幸せの価値観や基準は人それぞれであり、助産師の価値観を押し付けているように感じ取られるため。また、慰めたところで、「小さな物音も気になります。不安になると気持ちが落ち着かず、眠りが浅くなります。あのときのことが思い出されます」ということへの改善には寄与しない。これらのことから、逆に孤独感を深めてしまう可能性がある。