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次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
52歳の女性。42歳で子宮筋腫に対して単純子宮全摘術を受けた。1年前からホットフラッシュや発汗が出現し、最近、その頻度が増して動悸や易疲労感を伴うようになったため来院した。来院時、身長154cm、体重43kg、脈拍64/分、血圧112/72mmHgである。
41 この女性の検査結果で上昇している可能性が高いのはどれか。
1.甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉
2.卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
3.エストラジオール
4.プロゲステロン
解答2
解説
・52歳の女性
・42歳:子宮筋腫:単純子宮全摘術
・1年前:ホットフラッシュ、発汗が出現。
・最近:その頻度が増して動悸や易疲労感を伴う。
・来院時:身長154cm、体重43kg、脈拍64/分、血圧112/72mmHg。
→本症例の場合、卵巣を一緒に摘出しているため、エストロゲンの減少が生じ、更年期障害に似た症状が起こることが考えられる。子宮全摘術の合併症をおさえておこう。
→(広汎)子宮全摘出術とは、卵管、卵巣、腟および子宮周囲の組織を含めた広い範囲で、子宮を摘出する手術である。この手術方法は、手術前の診断で、がんが子宮の頸部に及んでいる場合(Ⅱ期およびⅢ期の一部)に行うことが多い。合併症として、膀胱機能障害(尿意鈍磨、排尿困難)や便秘、下肢の浮腫が起こりやすい。また、卵巣を摘出した場合は、卵巣欠落症状がみられることがある。これはエストロゲンの減少により生じる。
→更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。
1.× 甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉は、下垂体前葉から分泌される。作用は、甲状腺に働きかけ甲状腺ホルモンの分泌を促進させる。ちなみに、甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがある。
2.〇 正しい。卵胞刺激ホルモン〈FSH〉は、上昇している可能性が高い。なぜなら、閉経に伴い、卵巣からのエストロゲン分泌が減少すると、視床下部‐下垂体系がこれを感知し、卵胞刺激ホルモンの分泌が増加するため(ネガティブフィードバック)。卵胞刺激ホルモンとは、卵胞期に増加する。卵胞刺激ホルモンは、脳下垂体前葉から分泌される。卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンを性腺刺激ホルモンと呼ぶ。卵胞刺激ホルモンは、卵巣の卵胞の成熟を促進し、エストロゲンの分泌を刺激する。更年期によるエストロゲンの分泌低下に働きかけるため上昇する。(ネガティブフィードバック)
3.× エストラジオールとは、エストロゲンの一種で、母体の肝臓と胎盤、胎児の副腎を経て生成されるため、その血中濃度は胎児の生命状態の指標として用いられる。エストロゲンの中で最も強い卵胞ホルモン作用を持つ物質で、女性の二次性徴に働き、卵巣機能調節、卵胞発育、子宮内膜増殖などの作用を示す。
4.× プロゲステロンとは、黄体ホルモンともいい、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすい状態にする作用を持つ。性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンである。着床が起こる時期とは、月経の黄体期である。黄体期は、排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期である。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。甲状腺機能亢進症では、放射性ヨウ素から放出されるベーター線で正常な甲状腺細胞を破壊し、甲状腺機能亢進症を改善させる。
【治療後1週間の注意事項】
・不要な放射性ヨウ素を早く体外に出すため十分に水分を摂る。
・排泄後、2度水を流す。尿の飛散による汚染を軽減させるため便座に座る。
・汗に少量の放射性ヨウ素が出るから入浴は最後に入る。
・可能ならば1人で寝る。
・唾液や体液にごく少量の放射性ヨウ素が出るからキスやセックスを避ける。
・子供との親密に接触(距離1m以内)すること、近くで長時間過ごすこと(添い寝など)などは避ける。
次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
52歳の女性。42歳で子宮筋腫に対して単純子宮全摘術を受けた。1年前からホットフラッシュや発汗が出現し、最近、その頻度が増して動悸や易疲労感を伴うようになったため来院した。来院時、身長154cm、体重43kg。脈拍64/分、血圧112/72mmHgである。
42 この女性はホルモン補充療法を受けることになった。
方法として適切なのはどれか。
1.エストロゲン単独周期的投与法
2.エストロゲン単独持続的投与法
3.エストロゲン・プロゲスチン(黄体ホルモン製剤)併用周期的投与法
4.エストロゲン・プロゲスチン(黄体ホルモン製剤)併用持続的投与法
解答2
解説
・52歳の女性
・42歳:子宮筋腫:単純子宮全摘術
・1年前:ホットフラッシュ、発汗が出現。
・最近:その頻度が増して動悸や易疲労感を伴う。
・来院時:身長154cm、体重43kg、脈拍64/分、血圧112/72mmHg。
→本症例の場合、単純子宮全摘術を実施しているため、適応となるものを選択しよう。単純子宮全摘術は、通常、子宮のみを摘出し、卵巣(黄体)や卵管は摘出しない。したがって、黄体(卵巣の一部)は通常残される。
→(広汎)子宮全摘出術とは、卵管、卵巣、腟および子宮周囲の組織を含めた広い範囲で、子宮を摘出する手術である。この手術方法は、手術前の診断で、がんが子宮の頸部に及んでいる場合(Ⅱ期およびⅢ期の一部)に行うことが多い。合併症として、膀胱機能障害(尿意鈍磨、排尿困難)や便秘、下肢の浮腫が起こりやすい。また、卵巣を摘出した場合は、卵巣欠落症状がみられることがある。これはエストロゲンの減少により生じる。
1.× エストロゲン単独周期的投与法より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例の場合、子宮全摘術を実施しているため。エストロゲンの投与方法には、①周期投与法と②持続的投与法がある。①周期投与法とは、21~24日間程度薬を使用した後に何日か休薬し、その期間に消退出血を来させる方法である。閉経前や閉経後1年以内に治療を始める時は周期投与法で開始する(※参考:「更年期障害のホルモン補充療法」ミラザ新宿つるかめクリニック様HPより)。
2.〇 正しい。エストロゲン単独持続的投与法は、本症例に対し適応となる。持続的投与法とは、薬を連続的に飲み続ける方法で子宮摘出術を受けた女性に対して行われる。子宮を摘出しているため子宮体がんのリスクがなく、黄体ホルモンを使用する必要がないことから、エストロゲンのみの単独投与が行われる。
3.× エストロゲン・プロゲスチン(黄体ホルモン製剤)併用周期的投与法/エストロゲン・プロゲスチン(黄体ホルモン製剤)併用持続的投与法より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例の場合、プロゲスチン(黄体ホルモン製剤)の投与は不要であるため。単純子宮全摘術は、通常、子宮のみを摘出し、卵巣(黄体)や卵管は摘出しない。したがって、黄体(卵巣の一部)は通常残される。
更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。
次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
52歳の女性。42歳で子宮筋腫に対して単純子宮全摘術を受けた。1年前からホットフラッシュや発汗が出現し、最近、その頻度が増して動悸や易疲労感を伴うようになったため来院した。来院時、身長154cm、体重43kg。脈拍64/分、血圧112/72mmHgである。
43 この女性がホルモン補充療法を受けることで予防できるのはどれか。
1.乳癌
2.脳卒中
3.骨粗鬆症
4.静脈血栓塞栓症
解答3
解説
更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。
ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。
1.× 乳癌は、ホルモン補充療法を受けることのリスク要因とされることもある(文献や報告によって異なる)。特に長期間(5年以上)で起こる可能性が示唆されている。ちなみに、エストロゲンとは、主に卵巣から分泌される女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。
2.4.× 脳卒中/静脈血栓塞栓症は、ホルモン補充療法を受けることのリスク要因とされることもある(文献や報告によって異なる)。特に、脳梗塞が起こる可能性が示唆されている。したがって、「慎重投与症例」に、血栓症のリスクを有する場合が含まれている。ちなみに、静脈血栓塞栓症とは、手足の静脈に血栓ができて血管が詰まる深部静脈血栓症(DVT)と、その血栓が血流に乗って運ばれ肺の動脈に詰まる肺血栓塞栓症を合わせた総称である。深部静脈血栓症とは、長時間の安静や手術などの血流低下により下肢の静脈に血栓が詰まってしまう病気である。下肢の疼痛、圧痛、熱感などの症状がみられる。ほかのリスク因子として、脱水や肥満、化学療法などがあげられる。
3.〇 正しい。骨粗鬆症は、本症例がホルモン補充療法を受けることで予防できる。なぜなら、エストロゲンには、骨芽細胞を活性化し,破骨細胞の働きを抑える作用があるため。また、腎臓での活性型ビタミンDの生産にも関与する。したがって、エストロゲンの分泌が低下すると骨粗鬆症へと進みやすい。
[禁忌症例]
・重度の活動性肝疾患
・現在の乳癌とその既往
・現在の子宮内膜癌、低悪性度子宮内膜間質肉腫
・原因不明の不正性器出血
・妊娠が疑われる場合
・急性血栓性静脈炎または静脈血栓塞栓症とその既往
・心筋梗塞および冠動脈に動脈硬化性病変の既往
・脳卒中の既往
[慎重投与ないしは条件付きで投与が可能な症例]
・子宮内膜癌の既往
・卵巣癌の既往
・肥満
・60歳以上または閉経後10年以上の新規投与
・血栓症のリスクを有する場合
・冠攣縮および微小血管狭心症の既往
・慢性肝疾患
・胆嚢炎および胆石症の既往
・重症の高トリグリセリド血症
・コントロール不良な糖尿病
・コントロール不良な高血圧
・子宮筋腫,子宮内膜症、子宮腺筋症の既往
・片頭痛
・てんかん
・急性ポルフィリン症
(※参考:「ホルモン補充療法ガイドライン 2017 年度版」日本産科婦人科学会より)
次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
Aさん(40歳、女性)は、36歳で結婚したが自然妊娠しなかったため、38歳から不妊専門クリニックで治療を受けている。既往歴に特記すべきことはない。これまで体外受精を4回受けた。今回の体外受精で受精後5日の胚2個を子宮内に移植し、妊娠反応陽性になった。
44 胚移植から4週経過した。3日前から下腹部膨満感と悪心とがあり、食事も摂れていないため来院した。身長155cm、体重50kg。体温37.0℃、脈拍60/分、血圧120/70mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)、尿ケトン体2+。診察にて腟分泌物は白色少量、子宮口は閉鎖。子宮は超鶏卵大で軟らかく、軽度の圧痛がある。経腟超音波検査の所見を下に示す。
診断で正しいのはどれか。
1.1絨毛膜1羊膜性双胎
2.1絨毛膜2羊膜性双胎
3.2絨毛膜1羊膜性双胎
4.2絨毛膜2羊膜性双胎
解答4
解説
(画像引用:「多胎妊娠とは」和歌山県立医科大学様HPより)
多胎妊娠とは、2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠することをいう。双胎妊娠には①一卵性双胎と②二卵性双胎とがある。②二卵性双胎とは、2個の受精卵から発生したもので、2個の胎盤があり、二絨毛膜二羊膜となる。一方、一卵性双胎は、1個の受精卵が分裂することにより発生し、
・1絨毛膜2羊膜:胎児の間に隔壁があり
・1絨毛膜1羊膜:胎児の間に隔壁がなし
1.× 1絨毛膜1羊膜性双胎とは、1つの絨毛膜と1つの羊膜嚢を共有している状態である。
2.× 1絨毛膜2羊膜性双胎とは、1つの絨毛膜と2つの羊膜嚢を共有している状態である。
3.× 2絨毛膜1羊膜性双胎は、文字の意味していることは「2つの絨毛膜と1つの羊膜嚢を共有している状態」といえるが、存在していない。
4.〇 正しい。2絨毛膜2羊膜性双胎とは、2つの絨毛膜と2つの羊膜嚢を共有している状態である。つまり、胎児それぞれが独立した絨毛膜と羊膜を持つ。
次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
Aさん(40歳、女性)は、36歳で結婚したが自然妊娠しなかったため、38歳から不妊専門クリニックで治療を受けている。既往歴に特記すべきことはない。これまで体外受精を4回受けた。今回の体外受精で受精後5日の胚2個を子宮内に移植し、妊娠反応陽性になった。
45 Aさんは悪阻の治療のため総合病院に入院となった。入院後、Aさんは「不妊治療を受けている間は妊娠を目標に頑張っていましたが、妊娠後のことまで深く考えていませんでした。私にはどんなリスクがあるのか、夫と一緒に聞いておきたいです」と話している。
Aさんと夫への説明として優先度が高いのはどれか。
1.子宮破裂
2.絨毛膜羊膜炎
3.児頭骨盤不均合
4.妊娠高血圧症候群
5.母児間輸血症候群
解答4
解説
・Aさん(40歳、女性、2絨毛膜2羊膜性双胎)
・既往歴:特記なし。
・36歳:結婚、38歳:不妊で治療。
・これまで体外受精を4回受けた。
・今回:受精後5日の胚2個を子宮内に移植し、妊娠反応陽性。
・悪阻の治療のため総合病院に入院。
・Aさん「不妊治療を受けている間は妊娠を目標に頑張っていましたが、妊娠後のことまで深く考えていませんでした。私にはどんなリスクがあるのか、夫と一緒に聞いておきたいです」と。
→双胎妊娠では悪阻(つわり)、早産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、HELLP症候群、子宮内胎児発育遅延、胎児形態異常、子宮内胎児死亡、血栓症などの合併症が単胎妊娠に比べて起こりやすい。特に、早産は多胎妊娠では頻度が高く、双胎妊娠の児の予後に大きく関わる合併症である。
1.× 子宮破裂とは、子宮が自然に裂けて開くことであり、強い腹痛が続き、胎児の心拍数が異常に下がる。帝王切開の既往がある女性で治癒した瘢痕線に沿って起こることが多い。他に多胎妊娠や羊水過多なども原因となることがある。
2.× 絨毛膜羊膜炎とは、腟からの上行性感染により細菌が絨毛膜羊膜に至り、そこに止まっている状態を指す。この細菌が、破水などにより子宮腔内へ波及した状態が子宮内感染症である。したがって、子宮内感染症では、胎児感染も引き起こされている可能性がある。症状としては、発熱、子宮圧痛、悪臭のある羊水、膿性の頸管分泌物、母体または胎児の頻脈などがある。診断には母体の発熱、頻脈や白血球 15000/μL以上などがあげられる。
3.× 児頭骨盤不均合とは、胎児の頭が母体の骨盤に比べて大きかったり、母体の骨盤の形に問題があったりして、胎児がスムーズに骨盤を通過できず分娩の進行が停止する場合を指す。全分娩の約4~6%にみられる。
4.〇 正しい。妊娠高血圧症候群は、本症例(双胎妊娠)に起きやすいため説明が必要である。ちなみに、妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧(血圧140/90mmHg以上)を発症した場合をいう。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。肥満女性は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨大児などのリスクが高い。
5.× 母児間輸血症候群とは、分娩前または分娩中に胎児血が母体循環に流入することで発症する様々な病態の総称である。原因不明なことも多いが、誘因として、前置胎盤や外傷、帝王切開、羊水・臍帯穿刺、外回転術などの産科的手術などがあげられる。母児間輸血による胎児貧血は、神経学的後遺症、死産、新生児死亡などの重大な結果をもた らす。 母児間輸血は、 母体外傷後に、 あるいは前置胎盤や前置血管に併発して、あるいは羊水穿 刺後や外回転術後に起こりうる。
①母体適応:児頭骨盤不均衡 前置胎盤,子宮破裂,重症妊娠高血圧症候群,常位胎盤早 期剝離,分娩停止,分娩遷延など。
②胎児適応:胎児機能不全(胎児ジストレス),臍帯脱出,子宮内胎児発育遅延,切迫早産,前期破水,多胎など。