第96回(H25) 助産師国家試験 解説【午後36~40】

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次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 14歳の女性。月経周期は28日型であったが、2か月間月経がなかったため、母親に付き添われ思春期外来を受診した。初経は10歳。身長157cm、体重45kg。脈拍64/分、血圧110/70mmHg。全身所見に異常はなかった。

36 母親は「娘は、朝は牛乳だけ、夕食もほとんど残している。給食は少し食べているようだが、痩せてきていて心配です」と話す。本人は「自分は太っていてかわいくない。友達から好かれるために、もっと痩せなくてはいけないから今以上は食べたくありません」と話す。
 この時点で思春期やせ症の診断基準を満たすのはどれか。

1.脈拍数
2.肥満度
3.月経周期
4.本人の自身に対する身体像

解答

解説

本症例のポイント

・14歳の女性(月経周期:28日型、2か月間月経なし)。
・初経は10歳、身長157cm体重45kg
脈拍64/分、血圧110/70mmHg。
・全身所見に異常はなかった
・母親は「娘は、朝は牛乳だけ、夕食もほとんど残している。給食は少し食べているようだが、痩せてきていて心配です」と話す。
・本人は「自分は太っていてかわいくない。友達から好かれるために、もっと痩せなくてはいけないから今以上は食べたくありません」と話す。
→思春期やせ症とは、医学的には神経性無食欲症といわれる。神経性無食欲症は、思春期~青年期の若い女性に発症しやすい。神経性無食欲症の主な特徴は以下の通りである。①病的な痩せ願望、②ボディーイメージのゆがみ、③極端な食べ物制限と下剤などの乱用、④月経の停止、うぶげの増加、⑤乳房萎縮はみられない、⑥性格的には頑固で競争心が強い、⑦母親との心的葛藤をみることがある。よく見られる身体症状としては、徐脈、低血圧、低体温、産毛の密生、脱毛などである。臨床検査では、白血球減少、血小板減少、貧血、血清タンパク質の低値、高コレステロール血症、成長ホルモンの高値、コルチゾールの高値、トランスアミナーゼ高値(飢餓と再摂食の両時期で起こる)、低血糖、低Na血症・低K血症・低CI血症などの電解質異常(特に嘔吐や下剤乱用時)、CTなどによる脳萎縮像、さらに嘔吐によって代謝性アルカローシスや高アミラーゼ血症が引き起こされることも多い。

1.× 脈拍数は、思春期やせ症の診断基準を満たすとはいえない。本症例の脈拍数64/分で正常範囲である。一般的に、成人の正常な安静時の脈拍数は、60~100回/分である。

2.× 肥満度は、思春期やせ症の診断基準を満たすとはいえない。本症例の肥満度(BMI:18.26)で「やせ」であるが、「標準体重の-20 %以上のやせ」に該当しないため。標準体重とは、BMIを22としたときの体重のことである。したがって、計算方法は、[身長(m)]2 × 22である。本症例の場合、標準体重は54.2kgであり、「標準体重の-20 %以上のやせ」の場合、43.2kgに該当する。

3.× 月経周期は、思春期やせ症の診断基準を満たすとはいえない。本症例の月経周期:28日型、2か月間月経なしである。無月経の基準は、妊娠以外で3か月以上月経がない状態である。したがって、本症例の場合、無月経に該当しない。

4.〇 正しい。本人の自身に対する身体像は、思春期やせ症の診断基準を満たす。これは、神経性食欲不振症の診断基準(厚生労働省特定疾患・神経性食欲不振症調査研究班)における③体重や体型についての歪んだ認識(体重増加に対する極端な恐怖など)に該当する。設問文からも、「自分は太っていてかわいくない。友達から好かれるために、もっと痩せなくてはいけないから今以上は食べたくありません」と話していることから、ボディーイメージのゆがみに該当する。

神経性食欲不振症の診断基準(厚生労働省特定疾患・神経性食欲不振症調査研究班)

①標準体重の-20 %以上のやせ
②食行動の異常(不食、大食、隠れ食いなど)
体重や体型についての歪んだ認識(体重増加に対する極端な恐怖など)
④発症年齢:30歳以下
⑤(女性ならば)無月経
⑥やせの原因と考えられる器質性疾患がない。

(備考)1.2.3.5は既往歴を含む。(例えば、-20%以上のやせがかってあれば、現在はそうでなくても基準を満たすとする。)6 項目すべてを満たさないものは、疑診例として経過観察する。

(※引用:「神経性食欲不振症の診断基準(厚生労働省特定疾患・神経性食欲不振症調査研究班)」難病情報センターHPより)

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 14歳の女性。月経周期は28日型であったが、2か月間月経がなかったため、母親に付き添われ思春期外来を受診した。初経は10歳。身長157cm、体重45kg。脈拍64/分、血圧110/70mmHg。全身所見に異常はなかった。

37 診察の結果、乳房、陰毛の発育は良好。妊娠反応は陰性。既往歴に特記すべきことはない。血液検査は、FSH6.0mIU/ml、LH3.0mIU/mlであった。エストロゲンとプロゲスチン黄体ホルモン製剤を投与した後に消退出血が認められた。最も疑われるのはどれか。

1.視床下部性無月経
2.下垂体性無月経
3.卵巣性無月経
4.子宮性無月経

解答

解説

本症例のポイント

・14歳の女性(月経周期:28日型、2か月間月経なし)。
・初経は10歳、身長157cm、体重45kg。
・脈拍64/分、血圧110/70mmHg。
・全身所見に異常はなかった。
・母親は「娘は、朝は牛乳だけ、夕食もほとんど残している。給食は少し食べているようだが、痩せてきていて心配です」と話す。
・本人は「自分は太っていてかわいくない。友達から好かれるために、もっと痩せなくてはいけないから今以上は食べたくありません」と話す。
・乳房、陰毛の発育:良好、妊娠反応:陰性、既往歴に特記なし。
・血液検査:FSH6.0mIU/mlLH3.0mIU/ml
エストロゲンとプロゲスチン黄体ホルモン製剤を投与:消退出血が認められた。
→各選択肢の消去理由もあげられるようにしよう。

卵胞刺激ホルモン〈FSH〉は、脳下垂体前葉から分泌される。卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンを性腺刺激ホルモンと呼ぶ。黄体化ホルモン〈LH〉は、プロゲステロンの分泌を促進する。

1.〇 正しい。視床下部性無月経が、最も疑われる。なぜなら、本症例は、血液検査:FSH6.0mIU/mlLH3.0mIU/mlと正常範囲内(若干低値)で、エストロゲンとプロゲスチン黄体ホルモン製剤を投与し消退出血が認められたため。仮に、消退出血が認められない場合は、下垂体性無月経となる。視床下部性無月経とは、ダイエット、運動、ストレスで無月経になったものをさす。視床下部は、今、妊娠すると危ないと感じれば生殖活動を停止させるため、低栄養状態や過度のストレスで生理が止まる。ちなみに、3ヶ月間生理が来ない状態を無月経という。女性全体の数%、無月経の人の中では35%が視床下部性無月経と考えられている。

2.× 下垂体性無月経は考えにくい。なぜなら、本症例は、エストロゲンとプロゲスチン黄体ホルモン製剤を投与し消退出血が認められたため。仮に、消退出血が認められない場合は、下垂体性無月経となる。ちなみに、下垂体性無月経とは、何らかの理由で、下垂体が正常に働かず、無月経な状態である。原因は、ストレスや腫瘍、脳外傷などが当てはまる。

3.× 卵巣性無月経は考えにくい。なぜなら、本症例は、血液検査:FSH6.0mIU/mlLH3.0mIU/mlと正常範囲内(若干低値)であるため。仮に、FSHとLHが高値の場合は、卵巣性無月経となる。正常な範囲は、FSH:3.5~10mIU/mlLH:1.5~7mIU/mlである。ちなみに、卵巣性無月経とは、卵巣機能不全に起因し、卵巣が正常に働きにくくなり、月経周期の乱れや無月経など、さまざまな障害が引き起こされる状態である。思春期前の若年女性から閉経前の女性まで、幅広い年代で発症する。

4.× 子宮性無月経は考えにくい。なぜなら、本症例は、エストロゲンとプロゲスチンを投与した後に消退出血あったため。子宮性無月経とは、子宮自体の異常(例:子宮内膜の非反応性)により月経が発生しない状態を指す。

月経の種類

無月経(月経がない状態)には①原発性、②続発性、③その他のものがある。

①原発性無月経:正常な成長と第二次性徴が認められる患者において15歳までに月経が起こらないことである。しかし、13歳までに月経が開始せず、思春期の徴候(例、何らかのタイプの乳房の発達)がみられない場合は、原発性無月経の評価を行うべきである。

②続発性無月経:規則的な月経周期の確立後に6カ月以上または月経周期で3周期以上の期間、月経がない状態である。しかし、以前の周期が規則的であった患者では月経が3カ月以上なければ続発性無月経の評価が行われ、以前の周期が不規則であった患者では月経が6カ月以上なければ続発性無月経の評価が行われる。

③その他:解剖学的原因(妊娠を含む)、慢性無排卵、卵巣不全など

(※参考:「無月経」MSDマニュアルプロフェッショナル版様より)

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 14歳の女性。月経周期は28日型であったが、2か月間月経がなかったため、母親に付き添われ思春期外来を受診した。初経は10歳。身長157cm、体重45kg。脈拍64/分、血圧110/70mmHg。全身所見に異常はなかった。

38 初診から1か月が経過した。無月経の治療と、専門カウンセラーによるカウンセリングを受けている。初診時は、食べることを強く拒否していたが、最近は食べることを受け入れるようになってきた。初診時より体重が2kg減少した。
 食事に関する対応で適切なのはどれか。

1.食事の代わりに経腸栄養剤を摂取する。
2.食事の量は、残さず摂取できる量から段階的に増量する。
3.毎日の生活に運動を取り入れ、空腹になるようにする。
4.治療により月経が開始した後に、食生活の改善をはかる。

解答

解説

本症例のポイント

・14歳の女性(月経周期:28日型、2か月間月経なし)。
・初経は10歳、身長157cm、体重45kg。
・全身所見に異常はなかった。
・乳房、陰毛の発育:良好、妊娠反応:陰性、既往歴に特記なし。
・1か月経過(神経性無食欲症)。
・無月経の治療、専門カウンセラーによるカウンセリングを受けている。
・初診時:食べることを強く拒否していたが、最近は食べることを受け入れるようになってきた
・初診時より体重が2kg減少
→神経性無食欲症に対する生活指導を実施しよう。摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。作業療法場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。

【摂食障害の支援のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自信の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。

【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。

1.× 食事の代わりに経腸栄養剤を摂取する優先度は低い。なぜなら、本症例の食事は、最近は食べることを受け入れるようになってきたため。ちなみに、経腸栄養剤は、食事がとれていない場合に用いられる。経腸栄養とは、高エネルギーの投与する生理的な補給方法である。欠点として、消化器症状(悪心・嘔吐、下痢など)の発生頻度が高く、経鼻ルートでの咽頭部不快感や、細かな組成調整が出来ないなどの欠点がある。消化器症状(下痢)の原因として、①栄養剤の浸透圧が体液より高い、②投与速度が速い、③温度が低い、④栄養剤容器内の細菌増殖などが挙げられる。

2.〇 正しい。食事の量は、残さず摂取できる量から段階的に増量する。なぜなら、全量摂取が「自信の回復」につながるため。現時点では、初診時より体重が2kg減少しているものの、最近は食べることを受け入れるようになってきたことから、治療の効果がみえてきている。その場や即効性のある結果より、根気よく支援することが望ましい。

3.× 毎日の生活に運動を取り入れ、空腹になるようにする優先度は低い。なぜなら、食べられていない理由は「空腹」ではないため。また、運動を取り入れることで、さらなる体重の減少や、過活動、体重へのこだわりが強くなる可能性が高い。

4.× 治療により月経が開始した後に、食生活の改善をはかる優先度は低い。なぜなら、同時進行で治療を進めることができるため。また、食生活の改善が月経開始の助けになる可能性も高い。

 

 

 

 

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 29歳の経産婦。妊娠37週0日。不規則な子宮収縮を主訴に午後10時に来院した。妊娠経過は良好であった。身長165cm、体重55kg。推定児体重3400g。胎児心拍数陣痛図では陣痛間欠8分、発作40秒。胎児心拍基線140bpm、胎児心拍細変動は良好で、一過性頻脈があり、一過性徐脈は出現していない。血性分泌物はない。

39 胎児心音の最良聴取部位は、母体の左側、臍棘線上中央であった。内診所見は、子宮口5cm開大、展退度50%、Station-1。陣痛開始しており入院となった。矢状縫合は横径に一致し、大泉門は左側、小泉門は右側に触知できた。
 胎児の胎位胎向で正しいのはどれか。

1.第1後頭位
2.第1前頭位
3.第2後頭位
4.第2前頭位

解答

解説

本症例のポイント

・29歳の経産婦(妊娠37週0日、妊娠経過:良好)。
・胎児心音の最良聴取部位:母体の左側、臍棘線上中央であった。
・内診所見:子宮口5cm開大、展退度50%、Station-1。
・陣痛開始しており入院となった。
矢状縫合は横径に一致し、大泉門は左側、小泉門は右側に触知できた
→「胎児心音の最良聴取部位:母体の左側、臍棘線上中央」で聴取できている。母親の左手側で心音が聞ければ第1胎向、一方母親の右手側で心音が聞ければ第2胎向である。「矢状縫合は横径に一致し、大泉門は左側、小泉門は右側」ことからも前頭位と確認できる。

1.× 第1後頭位は否定できる。後頭位とは、小泉門が先進する状態である。一方、前頭位とは大泉門が先進する状態である。

2.〇 正しい。第1前頭位は、胎児の胎位胎向である。「胎児心音の最良聴取部位:母体の左側、臍棘線上中央」で聴取できている。母親の左手側で心音が聞ければ第1胎向、一方母親の右手側で心音が聞ければ第2胎向である。「矢状縫合は横径に一致し、大泉門は左側、小泉門は右側」ことからも前頭位と確認できる。

3~4.× 第2後頭位/第2前頭位は、否定できる。母親の左手側で心音が聞ければ第1胎向である。

 

 

 

 

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 29歳の経産婦。妊娠37週0日。不規則な子宮収縮を主訴に午後10時に来院した。妊娠経過は良好であった。身長165cm、体重55kg。推定児体重3400g。胎児心拍数陣痛図では陣痛間欠8分、発作40秒。胎児心拍基線140bpm、胎児心拍細変動は良好で、一過性頻脈があり、一過性徐脈は出現していない。血性分泌物はない。

40 陣痛開始から6時間が経過した。陣痛間欠7分、発作30秒。胎児心拍基線細変動25bpm。陣痛発作時に少し苦悶様の表情がみられたため内診を実施したところ、子宮口6cm開大、展退度60%、Station-1。矢状縫合は右斜径に一致し、小泉門が2時方向に触れた。発作時、胎胞を触知する。血性分泌物少量。
 この所見から考えられる状態はどれか。

1.微弱陣痛
2.回旋異常
3.早期破水
4.胎児機能不全

解答

解説

本症例のポイント

・29歳の経産婦(妊娠37週0日、妊娠経過:良好)。

・主訴:不規則な子宮収縮(午後10時、)。
・身長165cm、体重55kg、推定児体重3400g。
・陣痛間欠8分、発作40秒、胎児心拍基線140bpm。
・胎児心拍細変動:良好、一過性頻脈があり、一過性徐脈は出現していない
・陣痛開始から6時間が経過。
陣痛間欠7分発作30秒胎児心拍基線細変動25bpm
・陣痛発作時:少し苦悶様の表情がみられた。
・内診:子宮口6cm開大、展退度60%、Station-1
・矢状縫合:右斜径に一致、小泉門が2時方向に触れた
・発作時、胎胞を触知する。血性分泌物少量。
→本症例は「微弱陣痛」が疑われる。微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいう。子宮口の開き具合により、6分30秒以上(子宮口の開き:4~6cm)、6分以上(子宮口の開き:7~8cm)、4分以上(子宮口の開き:9~10cm)が陣痛周期の目安とされている。子宮口が完全に開いてから(分娩第2期)は、初産婦では4分以上、経産婦では3分30秒以上が微弱陣痛の目安となる。

1.〇 正しい。微弱陣痛が疑われる。なぜなら、本症例は、子宮口6cm開大に対し、陣痛間欠7分発作30秒であるため。ちなみに、微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいう。子宮口の開き具合により、6分30秒以上(子宮口の開き:4~6cm)、6分以上(子宮口の開き:7~8cm)、4分以上(子宮口の開き:9~10cm)が陣痛周期の目安とされている。子宮口が完全に開いてから(分娩第2期)は、初産婦では4分以上、経産婦では3分30秒以上が微弱陣痛の目安となる。

2.× 回旋異常は考えにくい。なぜなら、本症例は、Station-1に対し矢状縫合は右斜径に一致、小泉門が2時方向に触れているため。回旋異常とは、お産の際に赤ちゃんが何らかの原因でうまく回ることができていない状態のことをいう。

3.× 早期破水より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例は、発作時、胎胞を触知していることから破水していないため。ちなみに、破水とは、卵膜が破れて羊水が子宮外に流出することである。破水は、臍帯脱出や上行感染、胎児機能不全などの原因となり得る。【破水の種類】①前期破水とは、分娩が始まる前の破水のこと、②早期破水とは、分娩開始以降で子宮口全開大前の破水のこと、③適時破水:子宮口全開大に達する頃の破水のことをいう。

4.× 胎児機能不全より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例は、「胎児心拍基線140bpm、胎児心拍細変動:良好、一過性頻脈があり、一過性徐脈は出現しておらず、胎児心拍基線細変動25bpmである」ため。胎児機能不全とは、お産の途中でさまざまな原因によって胎児が低酸素状態になることをいう。胎児機能不全の基準として、基線細変動が消失し、かつ一過性徐脈が頻発する場合を呼ぶことが多い。胎児仮死、胎児ジストレスとも呼ぶ。原因としては母体の妊娠高血圧症候群、胎盤早期剥離、臍帯の圧迫などである。新生児蘇生法ガイドライン(NCPR)に従って蘇生初期処置を行い、蘇生終了後、新生児の健康に不安がある場合、新生児管理に関する十分な知識と経験がある医師に相談する。

(※図引用:「助産師基礎教育テキスト:第 5 巻:2020 年版訂正ご案内」株式会社日本看護協会出版会様HPより)

 

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