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26 神経線維には髄鞘のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄鞘の働きはどれか。
1.活動電位の発生頻度を増やす。
2.活動電位のピークを高くする。
3.活動電位の伝導速度を速くする。
4.活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ。
解答3
解説
髄鞘とは、ミエリン鞘ともいい、神経細胞の軸索のまわりを幾重にも包み込む、脂質に富んだ膜構造のことである。グリア細胞(中枢神経ではオリゴデンドロサイト、末梢神経ではシュワン細胞)から供給され、神経細胞の軸索が一定の径に達すると、髄鞘形成が開始される。
1.× 活動電位の発生頻度を増やす。これは膜電位感受性カリウムチャネルの働きが寄与する。
2.× 活動電位のピークを高くすることはできない。なぜなら、活動電位の大きさは、刺激の大きさによらず常に一定であるため。不滅衰伝導という。
3.〇 正しい。活動電位の伝導速度を速くする。神経伝導速度は、神経線維の直径が太いほど早くなる。これは、大きな直径を持つ神経は、完全な髄鞘を持つため、跳躍伝導が行えるからである。
4.× 活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ機能を有する必要はない。なぜなら、1本の神経線維の興奮は、隣接するほかの神経線維を興奮させないため。これを絶縁性(隔絶)伝導という。
①絶縁性(隔絶)伝導:1本の神経線維の興奮は、隣接するほかの神経線維を興奮させない。
②不滅衰伝導:興奮は減衰せずに伝わる。
③両方向(両側)性伝導:神経線維の一部を刺激すると、興奮は両方向に伝導する。ただし、シナプスからの出力は原則一方向性である。
(※④等速伝導:1本の軸索上の興奮は一定の速度で伝導していく。ただし、有髄線維では跳躍伝導が起こる。)
27 舌の模式図を示す。
味蕾が少ない部位はどれか。
1.①
2.②
3.③
4.④
解答2
解説
(図引用:「舌の構造、舌白斑症」笠井耳鼻咽喉科クリニック様より)
1.× ①(糸状乳頭:しじょうにゅうとう)頭とは、舌の前2/3部分、つまり舌の先端と側面にランダム性に存在している味覚受容体を持たない乳頭である。役割として、舌表面の摩擦を高め、食物の移動を助ける。
2.〇 正しい。②(茸状乳頭:じじょうにゅうとう)は、味蕾が少ない部位である。茸状乳頭とは、糸状乳頭の間にランダム性に存在している。特徴として、赤い粒として見え、味蕾が少ない。
3.× ③(有郭乳頭)とは、分界溝の前に8~12個ほど並ぶ大きな乳頭で、側面に味蕾が存在する。
4.× ④(葉状乳頭:ようじょうにゅうとう)とは、舌体の側面に4~5本みられる粘膜ヒダであり、 側面に味蕾が存在する。
28 労働力調査における平成22年(2010年)と令和3年(2021年)の男性と女性の労働力人口の比較で正しいのはどれか。
1.男性、女性とも減少している。
2.男性、女性とも増加している。
3.男性は減少し、女性は増加している。
4.男性は増加し、女性は減少している。
解答3
解説
労働力調査とは、総務省統計局が毎月実施しており、労働市場における就業状況、失業者、失業率の統計が公表されている。労働力とは、財・サービスという生産物を作るために投入される人間の能力のことで、肉体的なもののみならず、知的なものも含む。
1~2.4.× 男性、女性とも減少している/男性、女性とも増加している/男性は増加し、女性は減少しているのは、いずれも該当しない。
3.〇 正しい。男性は減少し、女性は増加している。
平成22年(2010年)の労働力人口
男性:3822万人
女性:2768万人
令和3年(2021年)の労働力人口
男性:3803万人
女性:3057万人
29 生活保護法に基づき生活保護の実務を行うのはどれか。
1.保健所
2.福祉事務所
3.精神保健福祉センター
4.地域包括支援センター
解答2
解説
生活保護法とは、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。
1.× 保健所とは、精神保健福祉・健康・生活衛生など地域保健法に定められた14の事業(主に疾病予防・健康増進・環境衛生などの公衆衛生活動)を中心に行っている。保健所では保健師や精神保健福祉士、医師などが生活面や社会復帰について相談にのってくれる。都道府県、特別区、指定都市、中核市、『地域保健法施行令』で定める市に必置である。
2.〇 正しい。福祉事務所は、生活保護法に基づき生活保護の実務を行う。福祉事務所とは、社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関である。
3.× 精神保健福祉センターとは、精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関である。地域精神保健福祉活動の中核機関として、保健所・市町村への技術的助言を行う役割を担っている。
4.× 地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。
生活保護制度は、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。
生活扶助:日常生活に必要な費用
住宅扶助:アパート等の家賃
教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
医療扶助:医療サービスの費用
介護扶助:介護サービスの費用
出産扶助:出産費用
生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
葬祭扶助:葬祭費用
【生活保護法の4つの基本原理】
①国家責任の原理:法の目的を定めた最も根本的原理で、憲法第25条の生存権を実現する為、国がその責任を持って生活に困窮する国民の保護を行う。
②無差別平等の原理:全ての国民は、この法に定める要件を満たす限り、生活困窮に陥った理由や社会的身分等に関わらず無差別平等に保護を受給できる。また、現時点の経済的状態に着目して保護が実施される。
③最低生活の原理:法で保障する最低生活水準について、健康で文化的な最低限度の生活を維持できるものを保障する。
④保護の補足性の原理:保護を受ける側、つまり国民に要請される原理で、各自が持てる能力や資産、他法や他施策といったあらゆるものを活用し、最善の努力をしても最低生活が維持できない場合に初めて生活保護制度を活用できる。
【4つの原則】
①申請保護の原則:保護を受けるためには必ず申請手続きを要し、本人や扶養義務者、親族等による申請に基づいて保護が開始。
②基準及び程度の原則:保護は最低限度の生活基準を超えない枠で行われ、厚生労働大臣の定める保護基準により測定した要保護者の需要を基とし、その不足分を補う程度の保護が行われる。
③必要即応の原則:要保護者の年齢や性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行われる。
④世帯単位の原則:世帯を単位として保護の要否及び程度が定められる。また、特別な事情がある場合は世帯分離を行い個人を世帯の単位として定めることもできる。
(※参考:「生活保護制度」厚生労働省HPより)
(※参考:「生活保護法の基本原理と基本原則」室蘭市HPより)
30 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、診断した際に全数を届け出る疾患はどれか。
1.インフルエンザ
2.細菌性髄膜炎
3.水痘
4.梅毒
解答4
解説
1~3類感染症:診断後ただちに届け出を行う。
4類感染症:原則、診断後7日以内に届け出を行う。
5類感染症(全数把握):原則、診断後7日以内に届け出を行う。
5類感染症(定点把握):次の月曜日まで、または翌月初日まで。
(※図引用:「感染症法の対象となる感染症の分類と考え方」厚生労働省HPより)
1.× インフルエンザ/細菌性髄膜炎/水痘は、定点把握疾患である。
4.〇 正しい。梅毒は、感染症法において、診断した際に全数を届け出る疾患である。つまり、全数把握疾患である。梅毒とは、5類感染症の全数把握対象疾患であり、スピロヘータ(細菌)の一種である梅毒トロポネーマ感染により発症し、この梅毒トロポネーマが脳の実施まで至ると、進行性麻痺となる。性行為や胎盤を通じて感染する。梅毒に特徴的な症状として、陰茎・外陰部を中心に生じる無痛性の硬結(指で触れることのできる硬い丘疹)やバラ疹(全身にできる淡い紅斑)などがあり、進行すると神経系の病変を生じて死に至ることもある。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症予防法、感染症法、感染症新法)は、感染症の予防および感染症患者に対する医療に関する措置について定めた日本の法律である。平成10年(1998年)に制定された。主な内容は、①1~5類感染症の分類と定義、②情報の収集・公表、③感染症(結核を含む)への対応や処置。
【「感染症法」の対象となる感染症】
①1類感染症(7疾患:エボラ出血熱 ・クリミア・コンゴ出血熱・痘そう(天然痘) ・南米出血熱・ペスト・マールブルグ病・ラッサ熱)
対応:原則入院・消毒等の対物措置(例外的に建物への措置,通行制限の措置も適用対象とする)
②2類感染症(6疾患:・急性灰白髄炎(ポリオ)・結核 ・ジフテリア ・重症急性呼吸器症候群(SARS)・特定鳥インフルエンザ(H5N1, H7N9) ・中東呼吸器症候群(MERS))
対応:状況に応じて入院・消毒等の対物措置
③3類感染症(5疾患:・コレラ・細菌性赤痢・品管出血性大腸菌感染症(0157等)・腸チフス ・パラチフス)
対応:・特定職種への就業制限・消毒等の対物措置
④4類感染症(44疾患:※一部抜粋。・E型肝炎・A型肝炎 ・黄熱・Q熱・狂犬病・チクングニア熱・鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)・炭疽 ・ボツリヌス症 ・マラリア ・野兎病・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・デング熱・ジカウイルス感染症・日本脳炎・その他感染症(政令で指定))
対応:・感染症発生状況の情報収集、分析とその結果の公開,提供・媒介動物の輸入規制・消毒等の対物措置
⑤5類感染症(46疾患:※一部抜粋。・インフルエンザ(鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ等感染症を除く)・ウイルス性肝炎(E型・A型を除く)・クリプトスポリジウム症・後天性免疫不全症候群(AIDS)・性器クラミジア感染症 ・梅毒・麻疹・百日咳・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症・その他感染症(省令で指定))
対応:・感染症発生状況の情報収集、分析とその結果の公開情報提供