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問題6 緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
1.疾病の治癒
2.余命の延長
3.QOLの向上
4.在院日数の短縮
解答3
解説
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。
1.× 疾病の治癒は、急性期の目標である。急性期とは、症状が急に現れる時期、病気になり始めの時期である。急性期は、全身の生体反応と機能低下が起こり、合併症が発現するおそれがある。このため、回復過程における経過を予測して系統的な観察を行い、正常範囲に経過しているのか、それとも逸脱して悪化していくおそれがあるのかを判断し、異常を察知すれば早期に対処する必要がある。
2.4.× 余命の延長/在院日数の短縮が目標とはならない。ただし、適切な緩和ケアが提供されることで、患者さんの状態が改善し、自然と余命が延びたり、在院日数が短縮されることもある。ちなみに、在院日数の短縮は、医療費の適正化のための目標として掲げられている。
3.〇 正しい。QOLの向上は、緩和ケアの目標である。緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。
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問題7 運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
1.階段を昇る。
2.ひとりで立つ。
3.ボールを蹴る。
4.けんけん〈片足跳び〉をする。
解答4
解説
1.3.× 階段を昇る/ボールを蹴ることは、1歳7か月頃で獲得できる。
2.× ひとりで立つことは、1歳頃で獲得できる。
4.〇 正しい。けんけん〈片足跳び〉をすることは、運動機能の発達で3歳以降に獲得する。
問題8 ハヴィガースト,R.J.(Havighust,R.J.) が提唱する成人期の発達課題はどれか。
1.経済的に自立する。
2.身体的衰退を自覚する。
3.正、不正の区別がつく。
4.読み、書き、計算ができる。
解答1
解説
1.〇 正しい。経済的に自立することは、ハヴィガースト,R.J.(Havighust,R.J.) が提唱する成人期(青年期)の発達課題である。成人期とは、医学的には20歳前後から60歳前後とされる場合が多い。一方、青年期は、医学的には10歳から30歳とされる場合が多い。ほかの選択肢が、消去法で除外されるため、この選択肢がおのずと優先度が高くなる。
2.× 身体的衰退を自覚することは、老年期(高齢期)の発達課題である。
3.× 正、不正の区別がつくことは、乳幼児期の発達課題である。
4.× 読み、書き、計算ができることは、児童期の発達課題である。
発達段階に対応する発達課題の概念を最初に提唱したとされるアメリカの教育学者である。ライフサイクルを6つの段階に分け、それぞれの時期において乗り越えなければならない代表的な課題を発達課題として示した。発達課題とは、「発達段階に対応する発達課題(能力・役割)」である。つまり、「発達課題とは人生の各段階の時期に生じる課題で、それを達成すれば人は幸福になり、次の発達段階の課題の達成も容易になるが、失敗した場合にはその人は不幸になり、社会から承認されず、次の発達段階の課題を成し遂げることが困難となる課題」とし、人間が健全で幸福な発達を遂げるために各発達段階で達成しておかなければならない課題を提唱した。
1.乳幼児期
(1) 歩行の学習
(2) 固形の食物をとることの学習
(3) 話すことの学習
(4) 大小便の排泄を統御することの学習(排泄習慣の自立)
(5) 性の相違及び性の慎みの学習
(6) 生理的安定の獲得
(7) 社会や事物についての単純な概念形成
(8) 両親、兄弟及び他人に自己を情緒的に結びつけることの学習
(9) 正・不正を区別することの学習と良心を発達させること
2.児童期
(1) 普通のゲーム(ボール遊び、水泳など)に必要な身体的技能の学習
(2) 成長する生活体としての自己に対する健全な態度の養成
(3) 同年齢の友達と仲良くすることの学習
(4) 男子または女子としての正しい役割の学習
(5) 読み、書き、計算の基礎的技能を発達させること
(6) 日常生活に必要な概念を発達させること
(7) 良心、道徳性、価値の尺度を発達させること(内面的な道徳の支配、道徳律に対する尊敬、合理的価値判断力を発達させること)
(8) 人格の独立性を達成すること(自立的な人間形成)
(9) 社会的集団ならびに諸機関に対する態度を発達させること(民主的な社会的態度の発達)
3.青年期
(1) 同年齢の男女両性との洗練された新しい関係
(2) 自己の身体構造を理解し、男性または女性としての役割を理解すること
(3) 両親や他の大人からの情緒的独立
(4) 経済的独立に関する自信の確立
(5) 職業の選択及び準備
(6) 結婚と家庭生活の準備
(7) 市民的資質に必要な知的技能と概念を発達させること(法律、政治機構、経済学、地理学、人間性、あるいは社会制度などの知識、民主主義の問題を処理するために必要な言語と合理的思考を発達させること)
(8) 社会的に責任のある行動を求め、かつ成し遂げること
(9) 行動の指針としての価値や論理の体系の学習、適切な科学的世界像と調和した良心的価値の確立(実現しうる価値体系をつくる。自己の世界観を持ち、他人と調和しつつ自分の価値体系を守る)
4.壮年初期
(1) 配偶者の選択
(2) 結婚相手との生活の学習
(3) 家庭生活の出発(第一子をもうけること)
(4) 子どもの養育
(5) 家庭の管理
(6) 就職
(7) 市民的責任の負担(家庭外の社会集団の福祉のために責任を負うこと)
(8) 適切な社会集団の発見
5.中年期
(1) 大人としての市民的社会的責任の達成
(2) 一定の経済的生活水準の確立と維持
(3) 十代の子どもたちが、信頼できる幸福な大人になれるよう援助すること
(4) 大人の余暇活動を充実すること
(5) 自分と自分の配偶者をひとりの人間として結びつけること
(6) 中年期の生理的変化を理解し、これに適応すること
(7) 老年の両親への適応
6.老年期(高齢期)
(1) 肉体的な強さと健康の衰退に適応すること
(2) 隠退と減少した収入に適応すること
(3) 配偶者の死に適応すること
(4) 自分と同年輩の老人たちと明るい親密な関係を確立すること
(5) 肉体的生活を満足におくれるよう準備態勢を確立すること
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問題9 令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。
1.事業所
2.市町村
3.保健所
4.訪問看護ステーション
解答4
解説
(※図引用:「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」厚生労働省HPより)
1.× 事業所は、0.4%(5176人)である。
2.× 市町村は、0.6%(7544人)である。
3.× 保健所は、0.1%(1543人)である。ちなみに、保健所とは、精神保健福祉・健康・生活衛生など地域保健法に定められた14の事業(主に疾病予防・健康増進・環境衛生などの公衆衛生活動)を中心に行っている。保健所では保健師や精神保健福祉士、医師などが生活面や社会復帰について相談にのってくれる。都道府県、特別区、指定都市、中核市、『地域保健法施行令』で定める市に必置である。
4.〇 正しい。訪問看護ステーションは、令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多い。ちなみに、訪問看護ステーションとは、住み慣れた自宅で療養生活が送れるように、医師や他の医療専門職、ケアマネジャーなどと連携し、訪問看護サービスを提供すること業所である。看護ケアを提供することで患者の療養生活をサポートするとともに、自立を目指した支援も行っている。訪問看護制度をもとに、医師の指示を受け、看護を必要とする人の居宅に看護師や保健師などを派遣する機関である。
問題10 体性感覚はどれか。
1.視覚
2.触覚
3.聴覚
4.平衡覚
解答2
解説
体性感覚とは、①表在感覚(触覚、温度感覚、痛覚の皮膚感覚)と、②深部感覚(筋や腱、関節など)から成り、内臓感覚は含まない。皮膚感覚が皮膚表面における感覚であるのに対し、深部感覚とは、身体内部の感覚を意味する。後者は固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、筋受容器からの伸縮の情報により、身体部位の位置の情報が得られる。
1.3.4.× 視覚/聴覚/平衡覚
これらは特殊感覚に該当する。他にも、味覚や嗅覚も該当する。特殊感覚とは、顔面や頭部にある非常に繊細な器官の感覚情報で、脳神経が大脳皮質へと伝達するのが特徴である。
2.〇 正しい。触覚は、体性感覚である。体性感覚とは、①表在感覚(触覚、温度感覚、痛覚の皮膚感覚)と、②深部感覚(筋や腱、関節など)から成り、内臓感覚は含まない。皮膚感覚が皮膚表面における感覚であるのに対し、深部感覚とは、身体内部の感覚を意味する。後者は固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、筋受容器からの伸縮の情報により、身体部位の位置の情報が得られる。