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次の文を読み51~53の問いに答えよ。
A市の国民健康保険を担当する保健師は、加入者の平均年齢が上昇していることを把握したため、データヘルス計画を見直すこととした。
51 データヘルス計画の見直しにあたり、国保データベース〈KDB〉で把握するもので優先度が高い指標はどれか。
1.介護給付費
2.難病の医療費
3.新規要介護認定者数
4.特定保健指導実施率
5.特定健康診査結果の有所見率
解答3
解説
・国民健康保険の加入者の平均年齢が上昇していることを把握した。
・データヘルス計画を見直す。
→国保データベース(KDB)システムには、国民健康保険加入者ならびに後期高齢者医療制度対象者のレセプト情報、特定健診・特定保健指導データ、介護保険レセプトデータ、要介護認定データが集約されており、市町村や後高齢者医療広域連合の保健事業実施計画(データヘルス計画)の作成など活用される。
1.× 介護給付費より優先されるものが他にある。なぜなら、介護給付費は、要介護状態になった後に発生する費用を示す指標であるため。高齢化に伴う健康課題を早期に把握し、予防対策を検討する指標としては、新規要介護認定者数より優先度が下がる。例えば、介護給付費が増えているとしても、それが認知症、脳血管疾患、骨折、フレイルのどれによるものかまでは、費用だけでは分かりにくい。
2.× 難病の医療費より優先されるものが他にある。なぜなら、難病の医療費は、特定の疾患群(難病)に関する医療費であり、加入者全体の高齢化に伴う健康課題を広く把握する指標としては限定的であるため。
3.〇 正しい。新規要介護認定者数が最も優先される。なぜなら、新規要介護認定者数は高齢化に伴って住民が要介護状態へ移行している状況を把握できる指標であるため。したがって、国保加入者の平均年齢上昇を踏まえた計画見直しに適している。
4.× 特定保健指導実施率より優先されるものが他にある。なぜなら、特定保健指導実施率と高齢化に伴う健康課題や要介護化の状況の関連性は薄いため。
・特定保健指導は、メタボリックシンドローム該当者や予備群に対して、生活習慣改善を支援する事業である。
5.× 特定健康診査結果の有所見率より優先されるものが他にある。なぜなら、特定健康診査結果の有所見率と高齢化に伴う健康課題や要介護化の状況の関連性は薄いため。
・有所見率とは、健康診断や検査で「異常あり」「要観察」など何らかの所見が認められた人の割合である。受診者全体のうち、問題や変化が見つかった人がどれくらいいるかを示す指標である。したがって、特定健康診査の有所見率とは、血圧、血糖、脂質、肝機能、腎機能などに異常がある人の割合である。
特定健康診査とは、40~74歳までの医療保険加入者を対象に実施されるものである。特定健診で行う検査は、主に①身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)、②血中脂質検査(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)、③肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)、④血糖検査(空腹時血糖・HbA1c)、⑤尿検査(尿糖・尿蛋白)などである。
次の文を読み51~53の問いに答えよ。
A市の国民健康保険を担当する保健師は、加入者の平均年齢が上昇していることを把握したため、データヘルス計画を見直すこととした。
52 A市は人口15万人で、高齢化率が高く、中小企業が多い。市外へ転出する者が多く、市の基本構想において「経済発展」と「暮らしの安心」という重点戦略を設定している。データヘルス計画とあわせて健康増進計画も見直すこととし、A市の基本構想をふまえて整理することとなった。
データヘルス計画や健康増進計画に定める取り組みで、A市の基本構想である「経済発展」に寄与するもので最も適切なのはどれか。
1.医療費の適正化
2.地域医療提供体制の充実
3.健康づくりに取り組む事業者の表彰
4.がん治療と仕事の両立支援を行う相談窓口の開設
解答3
解説
1.× 医療費の適正化より優先されるものが他にある。なぜなら、A市の基本構想でいう「経済発展」に直接関連するとはいえないため。医療費の適正化は、主に保険財政の安定化や医療資源の効率的利用を目的とする取り組みである。例えば、医療費の適正化とは、必要な医療を確保しながら、重複受診、重複服薬、生活習慣病の重症化などを防ぎ、医療費の過度な増加を抑えることである。
2.× 地域医療提供体制の充実より優先されるものが他にある。なぜなら、A市の基本構想でいう「経済発展」に直接関連するとはいえないため。地域医療提供体制の充実は、住民が必要な医療を安心して受けられる体制を整える取り組みである。例えば、地域医療提供体制とは、医療機関、救急医療、在宅医療、病診連携、医療・介護連携などを含む。
3.〇 正しい。健康づくりに取り組む事業者の表彰が最も優先される。なぜなら、A市の基本構想である「経済発展」に最も適切に寄与する取り組みであるため。健康づくりに取り組む事業者を表彰することは、企業における健康経営を促進し、働く人の健康保持、生産性向上、人材確保、地域産業の活性化につながる取り組みであるため。
4.× がん治療と仕事の両立支援を行う相談窓口の開設より優先されるものが他にある。なぜなら、事業者全体を巻き込む活動とはいいにくいため。がん治療と仕事の両立支援は、主にがん患者個人が治療を受けながら就労を継続できるよう支援する取り組みである。対象が比較的限定され、地域全体の事業者を広く巻き込む施策としてはやや根拠が薄い。
次の文を読み51~53の問いに答えよ。
A市の国民健康保険を担当する保健師は、加入者の平均年齢が上昇していることを把握したため、データヘルス計画を見直すこととした。
53 A市のB地区担当保健師は、B地区の健康づくり計画を策定することとした。健康づくり計画を策定するにあたり、地域の住民や民生委員などが集まり、健康診査受診率の向上について重点的に検討する会議を開催することとなった。会議では「健診は大切」という意見があった一方、一部の人から「仕事が忙しくて健診に行けない」「健診を受けなくても元気な人がいる」「病気になったら病院を受診して治療をすればよい」等の意見もあった。
会議でB地区担当保健師がコミュニティエンパワメントを促す支援として最も適切なのはどれか。
1.健康診査の制度について説明する。
2.健康診査の実施時期について要望を聞く。
3.健康診査を受診せず疾病が重症化し失業した事例を紹介する。
4.健康診査を受診することについてどのような認識があるか参加者にさらに発言を促す。
解答4
解説
・B地区の健康づくり計画を策定する。
・健康づくり計画を策定する。
・地域の住民や民生委員などが集まり、健康診査受診率の向上について検討する。
・会議では「健診は大切」という意見があった。
・一部の人から「仕事が忙しくて健診に行けない」「健診を受けなくても元気な人がいる」「病気になったら病院を受診して治療をすればよい」等の意見もあった。
→エンパワメントとは、対象者が主体的に自身の状態を変えていく方法や自信を獲得できるよう、対象者が本来持っている力を引き出し、その自己決定能力を強化することである。対象は、個人、組織、コミユニテイの3段階がある。過程には、傾聴→対話→行動アプローチがある。
1.× 健康診査の制度について説明するより優先されるものが他にある。なぜなら、説明することは、保健師から住民への一方向的な情報提供になりやすいため。
・コミュニティエンパワメントとは、地域住民が自分たちの健康課題に気づき、話し合い、地域の資源や力を活用しながら解決していく力を高めることである。
2.× 健康診査の実施時期について要望を聞くより優先されるものが他にある。なぜなら、実施時期について要望を聞くことは、実施時期しか聞けず対応策に偏りが生じるため。課題は単に実施時期だけではなく、健診の意義、予防への考え方、健康観、地域全体の受診行動に関わっている可能性が高いため、最初から実施時期の要望に絞るより、住民の認識をさらに引き出すことが重要である。
3.× 健康診査を受診せず疾病が重症化し失業した事例を紹介するより優先されるものが他にある。なぜなら、重症化して失業した事例を紹介することは、恐怖や不安を与えて受診行動を促す方法になりやすいため。住民の主体的な気づきや前向きな話し合いを支える支援とはいえない。
4.〇 正しい。健康診査を受診することについて、どのような認識があるか参加者にさらに発言を促す。なぜなら、参加者にさらに発言を促すことは、住民が健診に対する考え方や受診しにくい背景を共有し、自分たちの地域課題として主体的に考えることにつながるため。
次の文を読み54、55の問いに答えよ。
Aさん(32歳、女性)は1人暮らしで、両親はB市内でAさんと別に生活している。Aさんは会社で「自分はなんでもできる」と言い、同僚とトラブルを起こして、27歳で退職となった。翌年、無理な自動車運転による交通事故を起こし、入院先の病院で双極症〈双極性障害〉と診断された。1か月の入院ののちに退院したが、その後はアルバイトを転々としながら暮らしている。
ある日、母親がB市保健センターに来所し「Aの自宅に行ったら、ずっと布団に入ったまま、食事もちゃんと摂っていないようです。Aは眠れない、死にたいと言っている。どうしたら良いでしょうか」と相談があった。地区担当保健師が母親と一緒にAさん宅を訪問した。Aさんは、痩身で顔は青白く、表情は乏しい。
54 保健師がAさんに確認する内容で優先されるのはどれか。
1.受診の有無
2.食事の摂取量
3.自殺企図の有無
4.布団から出ない理由
解答3
解説
・1人暮らし:Aさん(32歳、女性)
・両親:B市内でAさんと別に生活している。
・Aさんは会社で「自分はなんでもできる」と言い、同僚とトラブルを起こして、27歳で退職となった。
・翌年:無理な自動車運転による交通事故を起こし、入院先の病院で双極症〈双極性障害〉と診断。
・ある日、母親がB市保健センターに来所し「Aの自宅に行ったら、ずっと布団に入ったまま、食事もちゃんと摂っていないようです。Aは眠れない、死にたいと言っている。どうしたら良いでしょうか」と相談があった。
→双極性障害とは、気分が高まったり(躁状態)、落ち込んだり(うつ状態)を繰り返す脳の病気である。激しい躁状態とうつ状態のある双極Ⅰ型と、軽い躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型がある。躁状態では、気分が高ぶって誰かれかまわず話しかけたり、まったく眠らずに動き回ったりと、過活動的になる。ほかにも、ギャンブルに全財産をつぎ込んだり、高額のローンを組んで買い物をしたり、上司と大ゲンカして辞表を叩きつけたりするような社会的信用や財産、職を失ったりする激しい状態になることもある。
1~2.4.× 受診の有無/食事の摂取量/布団から出ない理由より優先されるものが他にある。なぜなら、現在「死にたい」と訴えているAさんの生命危機をただちに評価する指標としが優先されるため。
3.〇 正しい。自殺企図の有無が最も優先される。なぜなら、Aさんは「死にたい」と訴え、不眠、食欲低下、活動性低下、表情の乏しさがあり、自殺の危険が切迫している可能性があるため。
・自殺企図とは、自殺を実行して失敗した場合を「自殺未遂」、結果的に死に至った場合を「自殺既遂」といい、自殺企図は「自殺既遂」と「自殺未遂」の両方を指す語である。
次の文を読み54、55の問いに答えよ。
Aさん(32歳、女性)は1人暮らしで、両親はB市内でAさんと別に生活している。Aさんは会社で「自分はなんでもできる」と言い、同僚とトラブルを起こして、27歳で退職となった。翌年、無理な自動車運転による交通事故を起こし、入院先の病院で双極症〈双極性障害〉と診断された。1か月の入院ののちに退院したが、その後はアルバイトを転々としながら暮らしている。
ある日、母親がB市保健センターに来所し「Aの自宅に行ったら、ずっと布団に入ったまま、食事もちゃんと摂っていないようです。Aは眠れない、死にたいと言っている。どうしたら良いでしょうか」と相談があった。地区担当保健師が母親と一緒にAさん宅を訪問した。Aさんは、痩身で顔は青白く、表情は乏しい。
55 その後、Aさんは精神科に3か月入院した。退院後は地区担当保健師が、月1回程度訪問をしている。退院3か月後のある日、Aさん宅を訪問するとAさんは笑顔で覇気があり「薬に頼らなくても、よく眠れるようになりました。体調も良いし、主治医も次回受診のことは言ってなかったので通院はもう終わりです。これからアルバイトを探す予定です」と話した。
Aさんへの地区担当保健師の支援で最も優先度が高いのはどれか。
1.患者会への参加を勧める。
2.母親に近況を報告するよう勧める。
3.保健師と一緒に受診することを提案する。
4.民生委員に見守りを依頼することの了解を得る。
解答3
解説
・1人暮らし:Aさん(32歳、女性)
・双極症〈双極性障害〉と診断。
・Aさんは笑顔で覇気があり「薬に頼らなくても、よく眠れるようになりました。体調も良いし、主治医も次回受診のことは言ってなかったので通院はもう終わりです。これからアルバイトを探す予定です」と話した。
→現在疑われる通院中断・服薬中断・躁状態再燃への対応が必要である。
1~2.× 患者会への参加を勧める/母親に近況を報告する優先度は低い。なぜなら、現在疑われる通院中断、服薬中断、躁状態再燃への対応が急務であるため。また、Aさんは「通院はもう終わり」と言っていることから、病識が低下しており、患者会や母親へ報告の必要性を説いても納得いかない可能性が高い。
・患者会とは、共通の目的をもつ当事者や家族によって自主的に形成されるグループである。当事者同士が支え合い、情報交換を行うことで、孤立感を解消し、主体的な生活を送るための力を高める場である。
3.〇 正しい。保健師と一緒に受診することを提案する。なぜなら、Aさんには病識の低下に加えて、双極症の再燃や服薬・通院中断のリスクが疑われるため。早急に主治医による病状評価と治療継続の確認が必要である。
4.× 民生委員に見守りを依頼することの了解を得る優先度は低い。なぜなら、Aさんは「通院はもう終わり」と言っていることから、病識が低下しており、民生委員に見守りの必要性を説いても納得いかない可能性が高い。
・民生委員とは、日本独自の制度化されたボランティアである。地域社会の福祉の増進図っている。任期は3年で都道府県知事の推薦を受けて厚生労働大臣に委嘱されたものである。市町村の各地区に配置され、①住民の生活状況の把握、②関係機関との連携、③援助を要するものヘの相談援助を主な役割とする。根拠法令は「民生委員法」で給与の支給はない。
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