第111回(R4) 看護師国家試験 解説【午後31~35】

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31 次の法律のうち最も新しく制定されたのはどれか。

1.未成年者喫煙禁止法
2.麻薬及び向精神薬取締法
3.アルコール健康障害対策基本法
4.ギャンブル等依存症対策基本法

解答4

解説
1.× 未成年者喫煙禁止法は、1958年(明治33年)に制定された。主に、①満20歳未満はたばこを吸うことを禁じ、違反者は行政処分に処する②親権者が、未成年者の喫煙を制止しないときは科料に処することなどが規定されている。
2.× 麻薬及び向精神薬取締法は、1953年(明治28年)に制定された。麻薬及び向精神薬取締法とは、麻薬と向精神薬の乱用を防止し、中毒者に必要な医療を行うなどの措置を講じ、生産や流通について必要な規制を執り行うことによって、公共の福祉の増進を図ることを目的としている日本の法律である。
3.× アルコール健康障害対策基本法は、2013年(平成25年)に制定された。アルコール健康障害対策基本法とは、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となるため、その対策を総合的かつ計画的に推進することで、障害の発生、進行及び再発の防止を図り、あわせて健康障害を有する者等に対する支援の充実を図り、もって国民の健康を保護し、社会の安心の実現に寄与することを目的として制定された日本の法律である。
4.〇 正しい。ギャンブル等依存症対策基本法は、選択肢の中で最も新しく、2018年(平成30年)に制定された。ギャンブル等依存症対策基本法とは、ギャンブル等依存症の発症、進行及び再発の各段階に応じた防止及び回復のための対策を適切に講ずるとともに、ギャンブル等依存症である者等及びその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるように支援することなどが記載された日本の法律である。

 

 

 

 

 

32 21世紀における第二次国民健康づくり運動<健康日本21(第二次)>では、(  )分野53項目の目標が設定された。
 (  )に入る数値はどれか。

1.4
2.5
3.6
4.7

解答2

解説

健康日本21とは?

 日本における健康対策の現状や第三次国民健康づくり対策(健康日本21)の最終評価で提起された課題などを踏まえ、第四次国民健康づくり対策として、21世紀における第二次国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」が平成24年6月に策定された。健康日本21(第二次)の期間は、平成25年度から平成34年度までであり、①健康寿命の延伸と②健康格差の縮小などが盛り込まれた。健康日本21(第二次)では、生活習慣病の予防やこころの健康など5つの分野にわたり、53項目の数値目標を設定している。健康日本21(第二次)の目標項目として、①「健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現」、②「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」、③「社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上」、④「健康を支え、守るための社会環境の整備」、⑤「生活習慣および社会環境の改善」があげられている。

(※参考:「健康日本21(第二次)」厚生労働省HPより)

21世紀における第二次国民健康づくり運動<健康日本21(第二次)>では、( 5 )分野53項目の目標が設定された。したがって、選択肢2.5が正しい。

 

 

 

 

33 医療法に基づく記述で正しいのはどれか。

1.病床の区分は療養病床と一般病床の2種類である。
2.地域医療支援病院は厚生労働大臣の承認が必要である。
3.無床診療所の開設には厚生労働大臣への届出が必要である。
4.有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。

解答4

解説

医療法とは?

医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。

1.× 病床の区分は、「療養病床と一般病床の2種類」ではなく「5種類(精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、一般病床)」である。これは医療法7条2項に規定されている(※参考:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
2.× 地域医療支援病院は、「厚生労働大臣」ではなく都道府県知事の承認が必要である。これは医療法4条「国、都道府県、市町村、第四十二条の二第一項に規定する社会医療法人その他厚生労働大臣の定める者の開設する病院であつて、地域における医療の確保のために必要な支援に関する次に掲げる要件に該当するものは、その所在地の都道府県知事の承認を得て地域医療支援病院と称することができる」と規定されている(※参考:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.× 無床診療所の開設には、「厚生労働大臣」ではなく都道府県知事への届出が必要である。これは医療法8条「研修等修了医師、臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは、開設後十日以内に、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない」と規定されている(※参考:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
4.〇 正しい。有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設であり、医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所である。ちなみに、無床診療所は患者を入院させるための設備自体がないものを指す。これは、医療法1条5項に記載されている。

 

 

 

 

 

34 クリティカル・シンキングで適切なのはどれか。

1.物事を否定的にみる。
2.根拠に基づいて考える。
3.主観的な情報を重視する。
4.直感的に状況を判断する。

解答2

解説
1.× 物事を「否定的」ではなく批判的にみる。批判的とは、ある人や物事に対して、すぐ同調や受容をせずに、批判しようとするさまのことをさす。また、あることについて賛成でないさまである。
2.〇 正しい。根拠に基づいて考えることは、クリティカル・シンキングである。クリティカル・シンキングとは、看護過程を展開するうえで重要な考え方のひとつである。批判的な思考能力・問題解決能力・創造的思考・意思決定能力などをいう。
3.× 「主観的な情報を重視する」のではなく、主観的情報・客観的情報の両方を大切して創造的思考する。
4.× 「直感的」ではなく分析的に状況を判断する。直感的とは、特に思考をはたらかせなくても、感覚だけでそれと判断できるさまのことを指す。

 

 

 

 

35 構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。

1.手話で説明する。
2.筆談を提案する。
3.耳元で話しかける。
4.不明瞭な言語は繰り返し聞き直す。

解答2

解説
1.× 手話で説明する場合は、全く耳が聞こえない聴覚障害者である。
2.〇 正しい。筆談を提案することは、構音障害がある成人患者への対応である。構音障害とは、発語・発声に関与する神経・筋系の障害であり、言語の理解は正常であるが正しく発語できない状態である。
3.× 耳元で話しかける場合は、難聴(多少聞こえる)である。
4.× 不明瞭な言語は、繰り返し聞き直す優先度が低い。発音を促すのではなく、文字ボードなど代替できる用具などを使用することが多い。リハビリテーションの一環として発音を促すことはあるが、コミュニケーションの方法として毎回繰り返す聞き直すのは、患者に負担がかかる。受け手が慣れていくことも大切である。

 

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