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46 血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。
1.グルカゴン
2.メラトニン
3.コルチゾール
4.バゾプレシン
解答1
解説
1.〇 正しい。グルカゴンは、血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンである。糖新生系の生合成(グルコースより合成したグリコーゲンを分解し、再度グルコースをつくること)を促進する。また、グルカゴンは肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生を促すことで血糖上昇作用を促す。
2.× メラトニンとは、夜間に脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計による夜間の身体の休息を促す働きを持つ。メラトニン分泌量が低下するため睡眠障害が起こりやすくなる。
3.× コルチゾールとは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがあるが、過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。
4.× バゾプレシンとは、下垂体後葉から分泌される水溶性ホルモンである。抗利尿作用がある。
47 脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。
1.前日に頭部の剃毛を行う。
2.検査中は患者に話しかけない。
3.穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。
4.検査30分前まで食事摂取が可能である。
解答3
解説
頭部の血管に造影剤を注入し、その様子をX線撮影することで、頭部の血管の状態を観察する。脳血管障害(脳動脈瘤・くも膜下出血・脳梗塞・脳動静脈奇形など)の状態を把握し、治療方針の決定のために行う。また、脳腫瘍の周囲の血管走行の確認など、脳の手術前の精査としても利用する。
1.× 前日に頭部の剃毛を行う必要はない。脳血管造影とは、頭部の血管に造影剤を注入し、その様子をX線撮影・検査するものである。造影剤は、鼠径部(大腿動脈)、肘(上腕動脈)からカテーテルを挿入し入れることが多い。
2.× 検査中、患者に話しかけてはならないと決められているわけではない。むしろ、異常の際はすぐ伝えられるように周りに医療職が待機している。検査中、頭痛・吐き気・手足のしびれ・目の異常などを感じたらすぐ伝えるように患者には説明する。
3.〇 正しい。穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。なぜなら、カテーテルを血管に通す際に、血管の中に血の塊ができて脳や細かい血管に飛ぶことがあるため。検査の合併症として、①血管穿刺部からの出血、②脳梗塞、③血管損傷、④腎機能障害、⑤造影剤や鎮痛剤のアレルギーなどがあげられる。
4.× 検査30分前は、食事摂取・水分摂取が行えない。前日まで食事制限はありませんが、朝食後より食事はできず、飲水は検査1時間前より行えない。なぜなら、造影剤を使用することでアレルギー反応や嘔吐の誘発を招く可能性があるため。ちなみに、 検査終了、1時間半後より飲水ができ、その後の食事も行える。
48 Aさん(32歳、男性)は慢性副鼻腔炎と診断され経過観察をしていたが、症状が改善せず手術を受けることになった。
Aさんへの術後の生活についての説明で適切なのはどれか。
1.咽頭にたまった分泌物は飲み込んでも良い。
2.物が二重に見えるときは看護師に伝える。
3.手術当日から入浴が可能である。
4.臥床時は頭部を低く保つ。
解答2
解説
慢性副鼻腔炎とは、いわゆる蓄膿症のことで、副鼻腔の中のいくつかが慢性的な粘膜の炎症を起こしている状態をいう。一般的には感冒などの急性炎症から始まり、インフルエンザウイルスやその他の細菌の感染を繰り返すことによって慢性化することが多く、アレルギー性鼻炎からの移行もみられる。主な症状として、①鼻水、②鼻づまり、③頭が重い、④鼻の中に悪臭を感じる、⑤嗅覚低下などがあげられる。
1.× 咽頭にたまった分泌物は、「飲み込んでも良い」のではなく「飲み込まないほうが良い」。後鼻漏とは、鼻水がのどにおりてくることをいう。後鼻漏の中の成分がのどの粘膜を傷めることがあり、後鼻漏が原因で咽頭痛や咽頭違和感が起こることもある。
2.〇 正しい。物が二重に見えるときは看護師に伝える。なぜなら、手術により、眼窩壁を傷つけてしまった場合、複視(ものが二重に見える)や視力低下、目の周囲に皮下出血がおこる可能性があるため。上記症状がある場合は、手術による外眼筋の損傷や眼窩内感染などの可能性もある。
3.× 入浴が可能であるのは、「手術当日から」ではなく翌日か翌々日からである。術後の出血や腫れ、滲出液、疼痛などを考慮して、医師の判断により決定する。とはいえ、術後出血や疼痛増悪の可能性があるため手術当日は入浴出来ない。
4.× 臥床時は頭部を「低く」ではなく高く保つ。なぜなら、臥床時に頭部を高くすることで、分泌物が鼻腔内に停滞・逆流するのを防ぐことができるため。また、手術部は炎症に対する処置が必要である。疼痛を防ぐことを目的に患肢や患部を安静(Rest)にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、患肢を挙上(Elevation)することが基本である。頭文字をそれぞれ取り、RICE処置といわれる。
49 幻肢痛について正しいのはどれか。
1.術前から発症する。
2.抗うつ薬は禁忌である。
3.細菌感染が原因である。
4.切断し喪失した部位に生じる。
解答4
解説
1.× 「術前」ではなく術後から発症する。幻肢・幻肢痛とは、腕や足の切断後、失ったはずの感覚があり、かつそこに痛みを感じる状態である。一般的に、切断の手術後1週間以内に発症し、6か月~2年で消失することが多い。
2.× 抗うつ薬は「禁忌」ではなく使用されることがある。なぜなら、幻視痛は心因性の要素が関係するため。薬物療法は、鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、三環系抗うつ薬抗痙攣薬、抗てんかん薬が使われる。薬物療法以外の治療法 (バイオフィードバック、リラクセーション訓練、認知行動療法、経皮的電気神経刺激法【TENS】 など)も用いられる。
3.× 細菌感染が原因ではない。幻肢痛の原因やメカニズム(発生の機序)は解明されていない。
4.〇 正しい。切断し喪失した部位に生じる。幻肢・幻肢痛とは、腕や足の切断後、失ったはずの感覚があり、かつそこに痛みを感じる状態である。切断をした人の約7割で生じるが、強い痛みは5~10%とまれである。
幻肢・幻肢痛とは、腕や足の切断後、失ったはずの感覚があり、かつそこに痛みを感じる状態である。切断をした人の約7割で生じるが、強い痛みは5~10%とまれである。幻肢痛のメカニズム(発生の機序)は解明されていない。下肢より上肢、近位部より遠位部に多く、電撃痛や、捻られるような痛み、ズキズキするような痛みなど様々である。一般的に、切断の手術後1週間以内に発症し、6か月~2年で消失することが多いが、それ以上長引くこともある。幻肢の大きさは健肢とほぼ同様で、幻肢痛が発生するのは、失った手や指、足などが多い。一方、肘や膝に感じることはまれで、4~6歳以下の小児切断例では出現しないことが多い。幻肢痛への一般的な治療方法として、薬物療法と非薬物療法に分けられる。幻肢痛は天候や精神的ストレスに左右されるため、薬物療法は、鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、三環系抗うつ薬抗痙攣薬、プレガバリン(リリカ)などの抗てんかん薬が、神経痛の治療に使われる。非薬物療法としては、ミラーセラピーである。幻肢は断端の運動につれて移動し、断場の状態(神経や癒着など)に関連を持つ場合がある。
※幻視痛は、心因性の要素が関係するため薬物療法以外の治療法 (バイオフィードバック、リラクセーション訓練、認知行動療法、経皮的電気神経刺激法【TENS】 など)も用いられる。ちなみに、ミラーセラピー(mirror therapy)とは、鏡を使用して運動の視覚フィードバックを与える治療法である。矢状面で両肢間に鏡を設置し、鏡に映された一側肢が鏡に隠れた反対側肢の位置と重なるようにする。切断や麻痺などの患側肢の遠位部に健側肢の映った鏡像がつながって見えることで、患側肢が健常な実像であるかのように感じさせながら運動を行う。
(※参考:「幻肢痛」慢性通治療の専門医による痛みと身体のQ&A様HPより)
50 乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいのはどれか。
1.「検査当日は起床時から飲食をしないでください」
2.「乳房を器具で挟んで検査します」
3.「月経中は検査ができません」
4.「仰向けで検査を行います」
解答4
解説
乳がん検診(一次)は、国の指針によりますと、対象は40歳以上で、問診、乳房X線検査(マンモグラフィ)が基本になっています。視触診の推奨はされていませんが、実施する場合はマンモグラフィ検査と併用します。乳がん検診はマンモグラフィ検査が国際基準ですが、乳腺の密度が高い40代の検診精度が低くなるという課題があり、近年、マンモグラフィ検査に「超音波検査」を組み合わせたり、単独で用いたりする方法を採用しているところもあります。約7万6千人の40代の女性を、マンモグラフィ検査を受けたグループと、マンモグラフィ検査に超音波検査を加えたグループに無作為に分けて比較する大規模な臨床研究の結果、がんの発見率が、超音波検査を加えたグループの方が1.5倍高かったという報告があります。(※一部抜粋:「乳がんの検診について」日本対がん協会HPより)
1.× 検査まで飲食の制限はない。乳房超音波検査とは、乳腺用の超音波診断装置で、超音波を乳腺に当て、はね返ってくる反射波をコンピュータが画像化し検査する。食事制限がある検査は、「腹部超音波検査・腎動脈超音波検査」である。
2.× 乳房を器具で挟んで検査するのは、マンモグラフィ検査である。マンモグラフィ検査とは、乳房のX線撮影のことで、乳房撮影専用X線装置を用いて乳房を圧迫し、乳房内の組織の差を写し出す画像検査である。マンモグラフィでは、「しこり」や「石灰化」のように触れることの出来ない小さな病変を写し出すことが出来るため、早期乳がんや乳がん以外の病変を見つけ出すことに非常に有効である。
3.× 月経中でも検査が行える。ちなみに、マンモグラフィ検査においては、できるだけ初診や検査の場合は生理後が望ましい。なぜなら、 乳房が張っていると、マンモグラフィーによる撮影(乳房を器具で挟むため)で痛みが出やすいため。
4.〇 正しい。「仰向けで検査を行う」と説明する。ちなみに、マンモグラフィ検査においては、立位で行う。
【検査を受ける際の注意点】
①朝ご飯を食べない(お水やお茶は少量なら大丈夫)
②検査前できるだけトイレに行かない。
③お薬は、医師による中止の指示がない限り、通常通り服用する。