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86 肝硬変におけるChild-Pugh〈チャイルド・ピュー〉分類の判定項目はどれか。2つ選べ。
1.プロトロンビン時間
2.血清アルブミン値
3.血中アンモニア値
4.血小板数
5.尿酸値
解答1・2
解説
チャイルド・ピュー(Child-Pugh)分類とは、肝硬変における肝予備能・重症度の評価に用いる。構成する5項目は、「プロトロンビン時間」、「血清アルブミン値」、「脳症」、「血清ビリルビン値」、「腹水」である。それぞれの項目で、1~3点で評価し、3点ほど重度である。合計15点が重度といえる。
グレードA(軽度:5~6点)代償性肝硬変という。
グレードB(中等度:7~9点)非代償性肝硬変という。
グレードC(重度:10~15点)重度の肝硬変で肝臓の機能が維持できなくなり、様々な合併症(症状)があらわれる。非代償性肝硬変という
1.〇 正しい。プロトロンビン時間は、Child-Pugh〈チャイルド・ピュー〉分類の判定項目である。凝固因子は肝臓で産生されるが、その活性は肝機能の指標となる。プロトロンビン時間は、凝固因子のひとつであるプロトロンビンの活性をみている。
2.〇 正しい。血清アルブミン値は、Child-Pugh〈チャイルド・ピュー〉分類の判定項目である。ちなみに、血清アルブミン値は、栄養状態の評価としても用いられる。栄養状態を検査できる項目として、血清総たんぱく(TP)、アルブミン(Alb)、 コリンエステラーゼ(ChE)、ヘモグロビン(Hb)、総リンパ球数(TLC)である。血清アルブミンの血中半減期は、約15~21日であり、2~3週間前の静的栄養状態を示す。血清アルブミン値は、肝臓のタンパク合成能の指標となる。
3.× 血中アンモニア値は含まれない。血中アンモニア値の上昇で「肝性脳症」が疑われる。肝性脳症とは、体内に発生した、もしくは腸管から吸収された中毒性物質が、肝硬変や門脈-大循環シャントにより、肝臓で解毒されることなく中枢神経に到達することで、さまざまな精神・神経症状が生じる症候群をいう。つまり、正常な肝なら代謝されるはずの有害物質(アンモニアなど)が脳に達することによって生じる合併症である。
4.× 血小板数は含まれない。血小板が減少すると、特発性血小板減少性紫斑病、急性白血病、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血などが疑われる。一方、血小板数が40万/μL以上に増加は、血小板増加症という。血小板増加症の症状として、①アザができやすくなる、②鼻血や歯肉から出血しやすくなる、③頭痛、④しびれやめまいなどがあげられる。
5.× 尿酸値は含まれない。尿酸値が7.0mg/dL以上に増加は、高尿酸血症という。高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを正常上限とし、これを超えるものと定義する。男性が圧倒的に多く、男女比約20:1の割合である。
体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。
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87 老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をするのはどれか。2つ選べ。
1.国
2.市町村
3.都道府県
4.福祉事務所
5.後期高齢者医療広域連合
解答2・3
解説
「①老人福祉計画・②介護保険事業計画」は、市における高齢者福祉施策や介護保険事業の基本的な指針・方向性を示し、取り組むべき施策等について記したものである。この計画を基に高齢者福祉施策と介護保険事業を総合的に展開している。
①老人福祉計画とは、老人福祉法第20条の8の規定に基づく「市町村老人福祉計画」で、高齢者を対象とした居宅生活支援や福祉施設等(老人福祉法に定められた「老人福祉事業」)に関する目標量とその確保方策について定める計画である。この計画は、介護保険事業計画と一体的に作成する。
②介護保険事業計画とは、介護保険法第117条の規定に基づく「市町村介護保険事業計画」で、介護保険サービス及び地域支援事業を円滑に実施することを目標として、必要なサービス量の見込みやその確保方策について定める計画である。この計画は、3年を1期として策定することとされている。
(※参考:「老人福祉計画・介護保険事業計画の策定について」中野市HPより)
1.× 国が策定する計画としては、障害者基本計画がある。障害者基本計画とは、障害のある子どもの社会的・職業的自立を促進するため、教育、福祉、医療、労働等の幅広い観点から適切な支援を行う個別の支援計画の策定など障害のある子ども一人一人のニーズに応じた支援体制を構築するものである。
2.〇 正しい。市町村が老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をする。「(市町村老人福祉計画)第二十条の八 市町村は、老人居宅生活支援事業及び老人福祉施設による事業(以下「老人福祉事業」という。)の供給体制の確保に関する計画(以下「市町村老人福祉計画」という。)を定めるものとする(※引用:「老人福祉法20条8項」e-GOV法令検索様HPより)」と記載されている。
3.〇 正しい。都道府県が老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をする。「(都道府県老人福祉計画)第二十条の九 都道府県は、市町村老人福祉計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、老人福祉事業の供給体制の確保に関する計画(以下「都道府県老人福祉計画」という。)を定めるものとする(※引用:「老人福祉法20条9項」e-GOV法令検索様HPより)」と記載されている
4.× 福祉事務所とは、『社会福祉法』に定める「福祉に関する事務所」のことをいう。福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関である。例えば、助産施設への入所措置など保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて助産を受けさせることを目的とする施設である。
5.× 後期高齢者医療広域連合とは、高齢者の医療の確保に関する法律第48条の規定に基づいて後期高齢者医療制度を取り扱う自治体によって運営されている連合のことである。前期高齢者とは、65歳から74歳まで、後期高齢者とは、満75歳以上の高齢者をそれぞれ指す。
(図引用:「老人福祉法20条」e-GOV法令検索様HPより)
88 Aさん(53歳、男性、会社員)は、数日前から耳鳴、めまい、耳閉感が出現し、突発性難聴と診断され入院となった。副腎皮質ステロイド薬の投与で症状が改善したため退院することになった。入院前の生活習慣は、外食2回/週、飲酒(ビール700mL)/日、睡眠6時間/日、入浴1回/日、喫煙20本/日、散歩2回/週。
退院後の生活で、Aさんが控えるべき事項はどれか。2つ選べ。
1.飲酒
2.外食
3.喫煙
4.散歩
5.入浴
解答1・3
解説
・Aさん(53歳、男性、会社員、突発性難聴)
・数日前から:耳鳴、めまい、耳閉感。
・副腎皮質ステロイド薬の投与:症状が改善した。
・入院前の生活習慣:外食2回/週、飲酒(ビール700mL)/日、睡眠6時間/日、入浴1回/日、喫煙20本/日、散歩2回/週。
→突発性難聴とは、突然、片方の耳(ごくまれに両耳)の聞こえが悪くなる病気である。突然発症した感音難聴(音をうまく感じ取れない難聴)のうち、原因がはっきりしないものをいう。原因の説としては、①有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や②ウイルス感染、③生活習慣(ストレスや過労、睡眠不足など)が考えられている。
1.〇 正しい。飲酒は、控えるべきである。なぜなら、食生活の乱れが、突発性難聴を引き起こす可能性があるため。食事の時間が不規則な場合、偏った食事などは改善すべきである。アルコールに関しては、血流を促進させるが、覚めた時に冷えが生じてしまうため適量にすべきである。厚生労働省が適量としている1日平均の純アルコール量20gで換算すると、男性ではアルコール度数5%程度の缶ビール・缶チューハイなら500mLのロング缶1本である。
2.× 外食は控える必要はない。なぜなら、外食でも栄養の偏りなく摂取可能であるため。また、料理が苦手でストレスがあれば、外食は推奨される。
3.〇 正しい。喫煙は、控えるべきである。なぜなら、ニコチンには血管を収縮させる作用があり、内耳への血流が悪くなるため。原因の説としては、①有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や②ウイルス感染、③生活習慣(ストレスや過労、睡眠不足など)が考えられている。
4.× 散歩は控える必要はない。むしろ、有酸素運動は血行が良くなるため推奨される。
5.× 入浴は控える必要はない。むしろ、入浴にはリラックス効果・血流改善効果があるため推奨される。原因のひとつに、③生活習慣(ストレスや過労、睡眠不足など)が考えられているため、十分な休養と睡眠、規則正しい生活をし、過労にならないような生活指導をする。
89 神経性無食欲症で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.過食と嘔吐を繰り返す。
2.腸管で吸収不全がある。
3.男性では性欲が亢進する。
4.ボディイメージの歪みがある。
5.第二次性徴の発現前に発症すると初経は遅れる。
解答4・5
解説
摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用、抑うつの症状がみられる。特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。
①神経性無食欲症は、思春期~青年期の若い女性に発症しやすい。神経性無食欲症の主な特徴は以下の通りである。①病的な痩せ願望、②ボディーイメージのゆがみ、③極端な食べ物制限と下剤などの乱用、④月経の停止、うぶげの増加、⑤乳房萎縮はみられない、⑥性格的には頑固で競争心が強い、⑦母親との心的葛藤をみることがある。
1.× 過食と嘔吐を繰り返すのは、神経性過食症の典型的な特徴である。神経性過食症は、常識外れた大量の食べ物を摂取した後に、それを埋め合わせるための行為(嘔吐、下剤の乱用、過度な運動、絶食など)を行う摂食障害である。治療法として指示的精神療法(カウンセリング)、認知行動療法、対人関係療法、家族療法などがあげられる。
2.× 腸管で吸収不全があるのは、神経性過食症の典型的な特徴である。なぜなら、食べることと吐くことを繰り返すことで、体内バランスが崩壊し、多臓器不全を起こしやすいため。食べ物を吸収される前に下剤や嘔吐で吸収を阻害してしまう。
3.× 男性・女性関係なく、性欲は低下する。なぜなら、神経性無食欲症の患者は、体重減少が深刻になると、男女問わず、抑うつ気分や不眠、性的興味の低下といった抑うつ症状を示すため。
4.〇 正しい。ボディイメージの歪みがある。ボディイメージとは、人間が身体について持つイメージのことである。 または身体に対してその人が持つ意識的または無意識的な認識のことでもある。つまり、ボディイメージの歪みとは、自分の体型や体重に対する正しい認識ができなくなり、著しい低体重にもかかわらず、「まだ太っている」と感じてしまうことである。
5.〇 正しい。第二次性徴の発現前に発症すると初経は遅れる。神経性無食欲症は、思春期~青年期の若い女性に発症しやすい。神経性無食欲症の主な特徴は以下の通りである。①病的な痩せ願望、②ボディーイメージのゆがみ、③極端な食べ物制限と下剤などの乱用、④月経の停止、うぶげの増加、⑤乳房萎縮はみられない、⑥性格的には頑固で競争心が強い、⑦母親との心的葛藤をみることがある。
二次性徴とは、性ホルモンの分泌が促進されることにより、性器および身体に現れる変化である。第二次性徴に関わるホルモンは、男性の場合はアンドロゲン、女性の場合はエストロゲンとプロゲステロンである。アンドロゲンは精巣から、エストロゲンとプロゲステロンは卵巣から分泌される。
平均的に見ると男児の場合は、10歳前後に始まり約5年間続く。 体の成長には決まった順番があり、①睾丸の発達→②陰毛の発生→③精通→④声変わり→⑤体型の変化という順番をたどる。女児の場合は、8歳前後から始まり①乳房発育→②陰毛発生→③初経という順に進行することが一般的である。その評価にはTanner分類が用いられている。
90 6%の次亜塩素酸ナトリウム液を用いて0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を1.000mL作るために必要な6%次亜塩素酸ナトリウム液の量を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:①②mL
①:0~9
②:0~9
解答
①:1
②:7
解説
6%次亜塩素酸ナトリウム液で0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を作るので、
6(%) ÷ 0.1(%)
= 60(倍)
つまり、6%次亜塩素酸ナトリウム液を60倍希釈(薄める)ことにより、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液が作れる。6%次亜塩素酸ナトリウム液を60倍に希釈していること、言い換えると、6%次亜塩素酸ナトリウム液を1/60にする。
0.1%(6%の原液量は1/60)次亜塩素酸ナトリウム液を1000ml作る。
1000(ml) ÷ 60
=16.6666667
小数点以下第1位を四捨五入して、答え17ml