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36 エアマットレスの使用目的で適切なのはどれか。
1.体圧分散
2.体温管理
3.関節拘縮の予防
4.末梢循環の促進
解答1
解説
1.〇 正しい。体圧分散はエアマットレスの使用目的で適切である。エアマットレスとは、空気の力で体圧を分散し、同じ部位に圧迫がかかるのを防ぐ。褥瘡予防・発生時に導入されることが多い。適応患者の身体機能特徴として、①自力で体位変換する能力がない場合、②体位変換能力があっても痩せすぎて骨突出がある場合が当てはまる。
2.× 体温管理の機能はない。ちなみに、体温管理機能があるのは、ウォーターマットレスである。
3.× 関節拘縮の予防の機能はない。ちなみに、関節拘縮の予防には、ポジショニングや関節可動域訓練が効果的である。ちなみに、関節拘縮とは、関節の不動により、線維化することで 関節可動域減少が引き起こされ固定することである。
4.× 末梢循環の促進の機能はない。ちなみに、末梢循環の促進には、①足趾の末梢循環障害の場合には温罨法や部分浴、②下肢の静脈瘤やリンパ浮腫による静脈・リンパ環流障害の場合には弾性ストッキングの着用やメドマーが有効である。メドマーとは、空気圧を利用した波動型の医療用マッサージ器で、もともとは病院のICU、手術室で使われる静脈血栓・血管閉塞予防の医療装置で使用されていた。
37 車椅子による移送で正しいのはどれか。
1.坂を上るときは、背もたれ側から進む。
2.段差を上るときは、小車輪を浮かせる。
3.方向転換をするときは、小車輪を支点にする。
4.乗り降りをするときは、フットレストを下げる。
解答2
解説
(※画像引用:公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団様HP)
1.× 坂を上るときは、「背もたれ側」ではなく、前向きで進む。なぜなら、前向きで進むことにより、重力による転落のリスクが少なく、また車椅子を押す力が伝わりやすいため。ちなみに、背もたれ側から進むのは、坂を下るときである。
2.〇 正しい。段差を上るときは、小車輪を浮かせる。なぜなら、小車輪を浮かせずそのまま進むと小車輪が段差に衝突し、小さな段差でも大きな衝撃となって患者に伝わってしまうため。
3.× 方向転換をするときは、「小車輪」ではなく大車輪を支点にする。方向転換する際は、重心に近い大車輪を支点にして回転させると向きを変えやすい。また、乗車者も頭部の位置が、小車輪を支点にした時より移動が少なくめまいや気分不快な状態になりにくい。
4.× 乗り降りをするときは、フットレストを「下げる」のではなく上げておく。なぜなら、フットレストを下げた状態で乗り降りするとフットレストをまたがないと移動できないため。フットレストをまたいだ際に、足がフットレストに引っかかり転倒やけがにつながるおそれがある。
38 成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。
1.ゴム嚢中央が上腕の正中線に沿うように合わせる。
2.マンシェットの幅は13~17cmのものを使用する。
3.加圧後1秒ごとに10mmHg下がる速さで減圧する。
4.動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに40mmHg加圧する。
解答2
解説
血圧測定には①触診法と②聴診法がある。
【触診法(収縮期血圧の測定)】
①橈骨動脈(または肘窩上腕動脈)を触知し、70mmHgまで速やかに加圧する。
②脈を触知しなくなるまで、10mmHgずつ加圧する。
③脈を触知しなくなった点から、20~30mmHg加圧する。
④1拍動に2~4mmHgの速度で減圧する。
⑤脈が触れ始めた時点の圧を収縮期血圧とする。
【聴診法(収縮期血圧と拡張期血圧の測定)】
①聴診器を肘窩上腕動脈の上に置く(マンシェットより末梢側)。
②触診法で確認した収縮期血圧の20~30mmHg上まで加圧する。
③1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧する。
④コロトコフ音が聴こえ始めた時点の圧を収縮期血圧とする。
⑤1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧を続ける。
⑥ コロトコフ音が聴こえなくなった時点の圧を拡張期血圧とする。
1.× ゴム嚢中央が、「上腕の正中線」ではなく「上腕動脈(上腕内側)」にかかるように巻く。
2.〇 正しい。マンシェットの幅は、13~17cmのものを使用する。一般的に成人のマンシェット幅は14cm(上腕用)、18cm(下肢用)である。マンシェットの幅が狭い場合は、ゴム嚢の太さも狭くなるため、血管を締める幅が小さくなる。 すると、血流が再開する時に実際の血圧よりも高い圧が必要となるので、血圧が高くなる。 逆に、マンシェットの幅が広い場合は、実際の血圧よりも低い圧で駆血できてしまうため、血圧が低くなる傾向がある。
3.× 加圧後1秒ごとに、「10mmHg」ではなく「2~4mmHg」下がる速さで減圧する。なぜなら、減圧速度が速いと目盛りの読み取りが追いつかず、実際よりも低い測定値となるため。
4.× 動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに、「40mmHg」ではなく「20~30mmHg」加圧する。それ以上加圧した場合、神経まで圧迫されしびれや感覚の低下、痛み、不快感が生じることもある。
39 経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。
1.テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が高まる。
2.非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まる。
3.抗ヒスタミン薬はアルコールの摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。
4.キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。
解答3
解説
1.× テトラサイクリン系抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬)は、牛乳(カルシウム)の摂取によって吸収が「高まる」のではなく妨げられる。テトラサイクリン系抗生物質とは、クラミジア感染症、リケッチア感染症、マイコプラズマ感染症などの感染症のほか、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎等の治療に使用される。
2.× 非ステロイド性抗炎症薬は、炭酸飲料の摂取によって吸収が「早まる」のではなく低下する。なぜなら、炭酸飲料は酸性であり、非ステロイド性抗炎症薬が吸収されにくい状態になるため。非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>は、炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、抗炎症作用や解熱、鎮痛に働く。副作用として、消化器症状(腹痛、吐き気、食欲不振、消化性潰瘍)、ぜんそく発作、腎機能障害が認められる。
3.〇 正しい。抗ヒスタミン薬は、アルコールの摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。アルコールにより、抗ヒスタミン薬の中枢神経抑制作用が増強し、眠気・倦怠感などの副作用が強く現れるため。抗ヒスタミン薬とは、体内でアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という化学伝達物質の作用を抑えることにより、症状を改善する薬である。花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎の他、医療機関では食べ物によるアレルギー、じんま疹、気管支ぜんそくなどの治療にも使用される。
4.× 納豆(ビタミンK)の摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなるのは、「キサンチン系気管支拡張薬」ではなくワルファリンカリウム(抗凝固薬)である。キサンチン系気管支拡張薬は、その名の通り気管支筋の緊張をとって気管支を広げる作用がある。キサンチン系気管支拡張薬(テオフィリン)の薬剤添付文書には、①喫煙を控えること、②喫煙患者が急に禁煙した場合に、中毒症状が起こりやすいこと、③セイョウオトギリソウ含有食品(ハーブ系)の摂取に注意すると記載されている。
40 夜勤帯に看護師が病棟のトイレ内で倒れている患者を発見した。呼びかけても反応がない。
この看護師が最初に実施すべきなのはどれか。
1.脈拍を確認する。
2.胸骨圧迫を開始する。
3.トイレ内のナースコールで応援を呼ぶ。
4.自動体外式除細動器〈AED〉を取りに行く。
解答3
解説
(※画像引用:日本ACLS協会ガイド様HPより「BLSとは?」)
一時救命処置(BLS)とは、Basic Life Supportの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことである。正しい知識と適切な処置の仕方さえ知っていれば誰でも行うことができる。
1.周囲の安全を確認
救助者の安全を最優先し、二次災害を防ぐためにまずは周囲の安全を確認する。
2.緊急通報とAEDを要請
大声で叫んで助けを呼ぶなど、周囲の人に119番通報とAEDの手配を頼む。
3.呼吸を確認
普通の呼吸が確認できたら、回復体位(横向き)にして救急車を待つ。
呼吸をしていない、もしくは正常な呼吸でない場合はCPRを開始する。
4.CPR(心肺蘇生法)を開始
胸骨圧迫からはじめる。人工呼吸ができるようなら行うが、胸骨圧迫のみでも構わない。
5.(AEDが入手できた場合)AEDで解析する
1.× 脈拍を確認する/胸骨圧迫を開始するより優先度が高いものが他にある。【2.緊急通報とAEDを要請】のあとに、【3.呼吸を確認】を確認する。設問に「呼びかけても反応がない」と記載されているため、緊急通報(助けを呼ぶ)のが優先される。
3.〇 正しい。トイレ内のナースコールで応援を呼ぶ。今回、病棟のトイレ内で起こっていることなので、【1.周囲の安全を確認】は行えている。次に、【2.緊急通報とAEDを要請】(大声で叫んで助けを呼ぶなど、周囲の人に119番通報とAEDの手配を頼む)である。トイレ内にナースコールが設置されていれば、それを押して応援を呼ぶのが最も適切である。ナースコールで応援を呼んでいる間に、患者の状態(脈拍など)を確認し、つながった看護師にスムーズに情報を伝達できるとなおよい。ナースコールで応援を呼び、除細動・救急カートの準備や質のよい蘇生治療を行うために人手を増やすことが、まず行うべき行動である。
4.× 自動体外式除細動器〈AED〉は、「取りに行く」より「支援者にとってきてもらう」ことのほうが多い。なぜなら、発見者が取りに行ってしまうと、患者が一人きりになって容態がさらに急変しても対応できないため。
類似問題です↓