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41 成人のセルフケア行動に関する学習を促進するのはどれか。
1.自己効力感
2.パターナリズム
3.プレパレーション
4.ノンコンプライアンス
解答1
解説
自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
①成功体験:例えば禁煙できた日をカレンダーに一日ずつ×を書いていき、「1週間禁煙できた」と自信をつけること。
②代理的体験:同じような状況にある他者が目標を達成している様子から「自分にもできそうだ」と思うこと。
③言語的説得:自分自身や周囲の人からの言語的な賞賛や励ましのこと。
④生理的・情緒的状態(情緒的高揚):行動の変化を促すような情報に触れ気づきを得ることで行動変容への関心をもつこと。例えば、タバコを吸わなくなってから「イライラしにくくなったきがするな」と気づきをえることで、行動がさらに変わっていくことである。
1.〇 正しい。自己効力感は、成人のセルフケア行動に関する学習を促進する。自己効力感とは、セルフエフィカシーともいい、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことである。自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。ちなみに、セルフケア行動とは、患者が自分の健康のために自分で意図的に行う行動をいう。 看護師は患者の退院後の生活を見据えて、患者が自立した行動がとれるように援助することが求められる。
2.× パターナリズム(父権主義)とは、弱い立場の者の意思・判断に関係なく強い立場の者が介入・干渉し、それに従うべきだとする考えのことである。医療において、患者の意思にかかわらず、医師などの専門家に任せた治療を進めることを指す。
3.× プレパレーションとは、小児科の手術や治療に先立って、患者である子供に、画像や人形などを使って分かりよい説明をし(練習もさせ)、安心して臨める心構えに導くことである。心理的準備の援助として、主に小児に行うものである。
4.× ノンコンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が守らない状態を指す。コンプライアンス(遵守行動)とは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。専門職が健康のために必要であると勧めた指示を患者が遵守する行動のことである。
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42 成人女性に膀胱留置カテーテルを挿入する方法で適切なのはどれか。
1.水溶性の滅菌潤滑剤を用いる。
2.カテーテルは外尿道口から15cm挿入する。
3.固定用バルーンを膨らませた後、尿の流出を確認する。
4.固定用バルーンにはクロルヘキシジングルコン酸塩液を注入する。
解答1
解説
1.〇 正しい。水溶性の滅菌潤滑剤(グリセリンなど)を用いる。なぜなら、動物性油脂・植物性油脂・鉱物性油脂の潤滑剤を用いると、膀胱留置カテーテルが損傷し破裂するおそれがあるため。
2.× カテーテルは外尿道口から、「15cm」ではなく7~9cm挿入する。なぜなら、15cmまで挿入すると膀胱を傷つけてしまうため。最初は、やや下向きに4~5cm挿入し、カテーテルが膀胱内に達すると、尿が流出するためさらに2~3cm、奥に挿入する。
3.× 固定用バルーンを膨らませた「後」ではなく前に、尿の流出を確認する。なぜなら、尿の流出を確認する前に、バルーンをふくらませると尿道内を損傷するおそれがあるため。挿入したカテーテルから尿が流出したことを確認してから(カテーテルが膀胱に届いたことを確認してから)、バルーンのふくらみを考慮してさらに2~3cm挿入し、固定用バルーンをふくらませる。カテーテルを軽く引いて、抜けないこと確認し、引いた分(1~2cm)挿入してカテーテルを戻す。
4.× 固定用バルーンには、「クロルヘキシジングルコン酸塩液」ではなく滅菌蒸留水を注入する。キットを使用しない場合も、バルーンの固定水には滅菌蒸留水を必ず使用する。なぜなら、生理食塩水では、バルーンのなかで結晶化し水が抜けなくなる恐れがあるため。ちなみに、クロルヘキシジングルコン酸塩液は、手術時手洗い、手術部位の皮膚、創傷部位(創傷周辺皮膚)、血管内留置カテーテル挿入部位の皮膚などに使用する。
43 中心静脈栄養法(TPN)で高カロリー輸液を用いる際に、起こりやすい合併症はどれか。
1.高血圧
2.高血糖
3.末梢静脈炎
4.正中神経麻痺
解答2
解説
中心静脈栄養法(TPN:Total Parenteral Nutrition)とは、消化管の消化吸収障害があり、口から栄養を補給できない場合に、中心静脈(上大静脈、下大静脈)にカテーテルを留置して、高カロリーの輸液を行う方法である。高カロリー輸液を行うため、高血糖、肝機能障害などの合併症、血流感染や静脈炎などのリスクがある。そのため、衛生面など管理には細心の注意が必要である。また、腸管粘膜が萎縮し、消化機能が低下し、血栓が形成されることがある。
1.× 高血圧の原因の多くは、生活習慣で喫煙・環境・生活習慣・体質・遺伝・ストレス・過労・肥満・アルコール・運動不足・加齢による血管の老化があげられる。
2.〇 正しい。高血糖が、起こりやすい合併症である。なぜなら、高カロリー輸液を行うため。高血糖症状は、著しい口渇、多飲、多尿、全身倦怠感などがある。これは、高血糖状態が続くと血漿浸透圧が上昇し、利尿が進むことで水・電解質の喪失が起こり、脱水状態に来す。高血糖の他にも、肝機能障害などの合併症、血流感染や静脈炎などのリスクがある。
3.× 末梢静脈炎とは、血栓が出来て、静脈が詰まった部位周辺に発赤や腫れ・痛み・むくみが現れるものをいう。原因として、挿入前後および挿入中に刺入部位が汚染されたことであり、手洗いや滅菌が不十分、消毒薬、カテーテル、輸液ライン(セット)の使用法が不適切である場合などである。
4.× 正中神経麻痺の原因は、日常生活動作のケガ・スポーツ外傷・骨折・神経の炎症・ 糖尿病などがある。特に、手首にある手根管の部位に出やすく少しの圧迫でも神経への影響がある。
44 成人に自動体外式除細動器(AED)を使用する際の電極パッドの貼付で正しいのはどれか。
1.小児用電極パッドが代用できる。
2.右前胸部に縦に並べて貼付する。
3.貼付部の発汗は貼付前に拭き取る。
4.経皮吸収型テープ剤の上に貼付する。
解答3
解説
(※図引用:第110回(R3) 看護師国家試験午後24問目)
AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器である。
1.× 小児用電極パッドで代用できない。なぜなら、小児用の電極パッドでは、電気エネルギー量が小さく効果がない場合があるため。一方で、小児の場合は小児用電極パッドを使用しないと小児の心筋を損傷してしまうおそれがある。しかし、緊急時には成人用の電極パッドを使うこともある。(※参考:「子どもに使う AED 電極パッドの選択に注意!」日本赤十字社様HPより)
2.× 「右前胸部に縦に並べて」ではなく、「右前胸部と左側胸部」に貼付する。
3.〇 正しい。貼付部の発汗は、貼付前に拭き取る。なぜなら、皮膚が汗や水で濡れているとパットが密着しないため。胸毛が濃い場合には、電極パッドが体表に密着しないため「きちんと貼って下さい」等のエラーメッセージが流れる。この場合は電極パッドを強く押し付けて密着させるか、貼った電極パッドをはがして貼り付ける部分の体毛を除去し、予備の新しい電極パッドを貼り直す。(※参考:「AED使用上の注意」小松市消防本部様HPより)
4.× 「経皮吸収型テープ剤の上」ではなく、必ずはがして肌に貼付する。なぜなら、経皮吸収型テープ剤の上に貼付すると、電気ショックの効果が弱まったり熱傷を起こしたりする可能性があるため。胸に貼り薬が貼られている場合ははがし、薬剤が塗られている場合はふき取ってから電極パッドを貼る必要がある。
45 Braden(ブレーデン)スケールの評価項目で正しいのはどれか。
1.湿潤
2.循環
3.体圧
4.年齢
解答1
解説
Braden(ブレーデン)スケールとは、褥瘡の危険度を評価する方法である。6項目で構成され、「知覚の認知」「湿潤」「活動性」「可動性」「栄養状態」「摩擦とずれ」である。それぞれの項目を「1点:最も悪い」から「4点:最も良い」で評価し、合計点を出し、(「摩擦とずれ」だけは1~3点)合計点は6~23点である。合計点が低いほどリスクが高くなり、国内でのカットオフ値は14点、国外では16~18点である。したがって、選択肢1.湿潤が正しい。他の選択肢2~5.循環/体圧/年齢は、褥瘡の発生要因になるが、評価項目には含まれていない。