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11 健康な成人の1回換気量はどれか。(※不適切問題:採点対象外)
1.約150mL
2.約350mL
3.約500mL
4.約1,000mL
解答3
理由:問題として適切であるが、必修問題としては妥当ではないため。
解説
(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)
一回換気量とは、一回の呼吸運動(呼気と吸気)で気道・肺に出入りするガスの量のことを指す。単位はmL。1回換気量のうち、ガス交換が可能な領域(呼吸細気管支と肺胞)を出入りする分が「有効換気量(350mL)」であり、ガス交換が行われない領域(鼻腔・口腔・気管・気管支・終末細気管支)を出入りする分は、「死腔換気量(150mL)」である。したがって、有効換気量+死腔換気量で健康な成人の1回換気量を求めることができる。
1.× 約150mLは、1回換気量のうちの死腔換気量のことである。
2.× 約350mLは、1回換気量のうちの有効換気量のことである。
3.〇 正しい。約500mLが健康な成人の1回換気量である。
4.× 約1,000mLは、適切ではない。約1000mLは、予備呼気量や残気量が挙げられる。上記2つで機能的残気量(約2000mL)である。ちなみに、予備呼気量とは、安静時呼息位から強制呼息によって呼出できる量のことをいう。
12 脳塞栓症を生じやすい不整脈はどれか。
1.心室頻拍
2.心房細動
3.心房性期外収縮
4.完全房室ブロック
解答2
解説
脳塞栓症(心原性脳塞栓症または心原性脳梗塞)とは、不整脈が原因で心臓内に血栓ができ、これが血流に乗って脳内の血管で詰まった場合をいう。心原性脳塞栓症とは、心臓内でできた血栓が脳の血管を閉塞して起こる脳梗塞である。 脳梗塞の中で 20~25%を占めており、他のタイプの脳梗塞と比較して前触れなく突然発症し、梗塞巣が広範囲で重症になりやすい。血栓ができる原因としては、心房細動が最も頻度が高く心原性脳塞栓症の約 7 割以上を占めており、その他には洞不全症候群、人工弁、発症4週間未満の急性心筋梗塞、心筋症などがある。
1.× 心室頻拍とは、P波はなく、幅広く変形したQRSのRR間隔が等しく出現している状態で、心室性期外収縮3連発以上のものをいう。P波は見えない例が多く、心臓ポンプ作用が低下し、心拍出量が減少する。器質的心疾患(陳旧性心筋梗塞や拡張型心筋症など)を有する患者に生じることが多い。
2.〇 正しい。心房細動は、脳塞栓症を生じやすい不整脈である。心原性脳塞栓症の約 7 割以上を占めており、その他には洞不全症候群、人工弁、発症4週間未満の急性心筋梗塞、心筋症などがある。心房細動とは、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因となり最多である。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。
3.× 心房性期外収縮とは、本来の洞結節からの興奮より早く、心房内で興奮が開始し、本来より早く形の整ったQRS波が出るのが特徴である。頻発する場合は将来的に心房細動に移行する可能性が高くなる。心房性期外収縮のみで血栓はできない。
4.× 完全房室ブロックは、心房興奮が心室にまったく伝わらなくなった状態である。高度徐脈となるためペースメーカー植込みが必要になる。
房室ブロックは、心房から心室への伝導障害をいう。第1度〜第3度に分類される。
・1度房室ブロック:心房から心室への伝導時間が延長するが、P波とQRS波の数や形は変わらない。
・2度房室ブロック
①ウェンケンバッハ型(モビッツⅠ型):PR間隔が徐々に延長してQRSが脱落する。
②モビッツⅡ型:心房から心室への伝導が突然途絶える。P波の後のQRSが突然脱落する。
・3度房室ブロック:心房からの刺激が途絶え、P波とQRSが無関係に生じるようになる。
13 貧血を診断する際の指標となる血液検査項目はどれか。
1.アルブミン (Alb)
2.ヘモグロビン (Hb)
3.フィブリノゲン
4.プロトロンビン時間 (PT)
解答2
解説
貧血とは、「単位容積の血液中に含まれているヘモグロビン(Hb)量が基準値より減少した状態」と定義している。基準値を、小児および妊婦では血液100mLあたり11g未満、思春期および成人女性では12g未満、成人男性では13g未満と定めている。
1.× アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。
2.〇 正しい。ヘモグロビンは、貧血を診断する際の指標となる。ヘモグロビンとは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。
3.× フィブリノゲンとは、血漿タンパクの一つであり、凝固因子の活性化によってフィブリンとなり、血液を凝固させる働きを持つ。増加した場合、血漿の粘稠度が上昇し血栓形成傾向を示す。 一方、低値の場合、播種性血管内凝固症候群(DIC)と肝機能障害が疑われる。
4.× プロトロンビン時間とは、血液の凝固因子に関する指標の一つ。外因系及び共通系の凝固異常を判定する検査指標として用いられる。基準値は9.5〜12.0秒とされており、これを大きく超える場合には凝固因子の先天的な欠乏症や異常症、ビタミンKの不足や吸収障害、肝硬変をはじめとする肝障害などが疑われる。
播種性血管内凝固症候群〈DIC〉とは、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気である。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こす。感染、手術、出産時の合併症など、考えられる原因はいくつかある。妊娠高血圧症候群性の常位胎盤早期剥離では播種性血管内凝固症候群〈DIC〉を発生することが多い。
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14 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)による毒薬の表示を下図に示す。
正しいのはどれか。
1.A
2.B
3.C
4.D
解答4
解説
第九章 医薬品等の取扱い
第一節 毒薬及び劇薬の取扱い
(表示)
第四十四条 毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「毒薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもつて、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。
2 劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「劇薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもつて、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。
(※一部引用:「医薬品医療機器等法」e-GOV法令検索様HPより)
毒薬:黒地に白枠、白字で品名、「毒」の文字である。
劇薬:白地に赤枠,赤字で品名,「劇」の文字である。
したがって、選択肢4.Dが正しい。ちなみに、毒薬と劇薬の違いとして、劇薬は、体重1Ëに対して、200Ê以下の皮下注射で、半数以上のマウスが死ぬ薬のことである。つまり、LD50が200ミリグラム以下の薬のことである。一方、毒薬は、LD50が体重1キロに対して20Ê以下の薬が指定されている。このように、劇薬よりも強いものが毒薬であり、効力にはおおよそ10倍の差がある。
医薬品医療機器等法とは、日本における医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関する運用などを定めた法律である。品質、有効性、安全性を確保することなどにより、保健衛生の向上を図ることを目的としている。
15 成人の橈骨動脈における脈拍の測定方法で正しいのはどれか。
解答2
解説
脈拍を測定する時は、示指、中指、薬指の指先を橈骨動脈に沿って平行に置き、最初は均等に力を加えて脈拍数を数え、リズムの整・不整を観察する。次に、患者の心臓側に置かれた指(薬指と中指)に力を加え、橈骨動脈の拍動が示指に伝わらなくなるまで圧を加える。これによって、脈の大小、弾力性などが分かる。
1.× 脈拍測定は、第2~4指の3本の指腹を使って測定する。
2.〇 正しい。橈骨動脈は、図のように測定する。
3.× 図の測定動脈は、「橈骨動脈」ではなく尺骨動脈である。
4.× 脈拍測定は、第2~4指の3本の指腹を使って測定する。