この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
26 嗅覚の一次中枢はどれか。
1.嗅球
2.嗅上皮
3.後頭葉
4.上鼻甲介
解答1
解説
嗅覚は鼻腔上部の嗅部の粘膜上皮(嗅上皮)の嗅細胞で受容される。嗅細胞の中枢性突起が嗅神経となり、篩骨篩板を通って嗅球に入る。嗅球から後方に向かって嗅索が走り、その線維は大部分外側嗅条を通って海馬旁回の嗅覚野に達する。
①嗅細胞→②嗅神経→③嗅球→④嗅索→⑤嗅覚野(1次感覚野)に達する。
・一次中枢:①嗅細胞→②嗅神経→③嗅球まで。
・二次中枢:④嗅索→⑤嗅覚野(1次感覚野)
1.嗅球は、嗅覚の一次中枢である。嗅神経は、嗅上皮の嗅細胞から始まり、一次嗅覚中枢である嗅球でシナプスを形成する。
2.嗅上皮とは、嗅上皮は匂い分子を感知する部位であり、嗅細胞、支持細胞と基底細胞から構成されている。 鼻腔の上部にある上皮であり、粘膜に覆われている。
3.後頭葉は、一次視覚野がある。視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。嗅覚に関係するのは前頭葉(1次感覚野)である。
4.上鼻甲介は、左右それぞれの鼻腔の側壁から出ているヒダ状の突起である。
類似問題です↓
27 標的細胞の細胞膜に受容体があるのはどれか。
1.男性ホルモン
2.甲状腺ホルモン
3.糖質コルチコイド
4.甲状腺刺激ホルモン
解答4
解説
標的細胞とは、体液によって運ばれてきたホルモンを受け取る細胞のことをいう。特定のホルモンに結合する受容体を持っているため、そのホルモンを受け取ることができる。 ホルモンの受容体は、①細胞膜上・②細胞内・③核内に存在する。①細胞膜上に存在するものとして、ペプチドホルモン(例:視床下部ホルモン、下垂体ホルモンなど)があげられる(例外として、カテコールアミンも)。②細胞内に存在するものとして、ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモンなど)があげられる。③核内に存在するホルモンとして、甲状腺ホルモンがあげられる。
1.3.× 男性ホルモン(テストステロン)/糖質コルチコイドは、細胞質内に存在する。なぜなら、男性ホルモン(テストステロン)/糖質コルチコイドは、ステロイド骨格をもつステロイドホルモンに分類されるため。
2.× 甲状腺ホルモン受容体は、核内に存在する。ちなみに、甲状腺ホルモンとは、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があり、新陳代謝を調節している。脈拍数や体温、自律神経の働きを調節し、エネルギーの消費を一定に保つ働きがある。
4.〇 正しい。甲状腺刺激ホルモンは、標的細胞の細胞膜に受容体がある。なぜなら、甲状腺刺激ホルモン(下垂体前葉ホルモン)は、ペプチドホルモンに分類させるため。細胞膜上に存在するものとして、ペプチドホルモン(例:視床下部ホルモン、下垂体ホルモンなど)があげられる(例外として、カテコールアミンも)。
ホルモンとは、①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格を盛るホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。
28 開心術後の心タンポナーデで正しいのはどれか。
1.徐脈
2.心音増強
3.心拍出量の増加
4.中心静脈圧の上昇
解答4
解説
心タンポナーデとは、心臓を包んでいる2層の膜(心膜)の間に体液などの血液が貯留し、心臓が圧迫される。その結果、血液を送り出す心臓のポンプ機能が阻害され、 典型的にはふらつきや息切れを感じ、失神することもある。他にも、心音減弱および頸静脈怒張がみられる。心膜腔に大量の血液が貯留し、著明な心室拡張障害から静脈還流障害が生じ、血圧低下およびショック状態に至る病態である。開心術後の合併症として生じ得る。
1.× 「徐脈」ではなく頻脈となる。なぜなら、心タンポナーデでは、心臓が圧迫され、1回心拍出量が減少するため。心拍出量を維持しようとする生体の反応によって頻脈になる。
2.× 心音は、「増強」ではなく微弱となる。なぜなら、心臓を包んでいる2層の膜(心膜)の間に体液などの血液が貯留するため。
3.× 心拍出量は、「増加」ではなく減少する。なぜなら、心タンポナーデでは、心臓が圧迫され、1回心拍出量が減少するため。したがって、血圧も低下し、放置すればショックに至る。
4.〇 正しい。中心静脈圧は上昇する。なぜなら、静脈還流が障害されているため。ちなみに、中心静脈圧とは、心臓の右心房近くの大静脈の血圧のことをいう。中心静脈圧が上昇している場合、循環血液量が上回る状態、静脈うっ血の右心不全状態、心タンポナーデ等の心拡張障害が疑われる。反対に中心静脈圧が低下している場合、循環血液量が減少している状態(大量出血、脱水、熱傷など)が疑われる。
29 介護保険の第1号被保険者で正しいのはどれか。
1.介護保険料は全国同額である。
2.介護保険被保険者証が交付される。
3.40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
4.介護保険給付の利用者負担は一律3割である。
解答2
解説
介護保険とは、平成12年4月から開始された介護を必要とする方に費用を給付し、適切なサービスを受けられるようにサポートする保険制度である。40歳以上の人は、介護保険の被保険者となり、①65歳以上の人(第1号被保険者)と、②40~64歳までの医療保険に加入している人(第2号被保険者)になる。
1.× 介護保険料は、「全国同額」ではなく、市町村ごとに保険料は異なる。なぜなら、介護保険制度は地域保険であり、住んでいる市町村が保険者として制度を実施しているため。65歳以上の第1号被保険者の方々が納める介護保険料も、市町村が3年ごとに介護保険事業計画を策定し、それぞれの地域における3年間の保険給付費の見込みにもとづき、具体的な額を定めている。
2.〇 正しい。第1号被保険者(65歳以上)になると、介護保険被保険者証が交付される。一方、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)は、要支援・要介護の認定を受けた者に交付される。介護保険の要介護(要支援)認定の申請をする際や、介護サービスを利用する際に必要となる。
3.× 40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、「第1号被保険者(65歳以上)」ではなく、第2号被保険者である。
4.× 介護保険給付の利用者負担は、「一律3割」ではなく、1~3割と収入に応じて異なる。65歳以上の方は1割または一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割となる。40歳から64歳までの方は1割となる。
30 発達障害者支援法で発達障害と定義されているのはどれか。
1.学習障害
2.記憶障害
3.適応障害
4.摂食障害
解答1
解説
発達障害者支援法とは、発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、学習障害など)を持つ者に対する援助等について定めた法律である。発達障害を早期に発見し支援することで、発達障害者の自立および社会参加のための生活支援と共生社会の実現を目的とする法律である。発達障害の定義や発達障害者支援センターなどが規定されている。
『発達障害者支援法』の「発達障害」とは、自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群・その他広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとしている(2条1項,同令1条)。よって、選択肢1.学習障害である。ちなみに、学習障害とは、読む、書く、話すなどのある特定の学習能力が同じ年齢・知能の者と比較したときに期待される水準に達しない状態を指す。
2~4.× 記憶障害/適応障害/摂食障害は、発達障害者支援法で発達障害と定義されていない。ちなみに、適応障害とは、大きな生活の変化(進学、就職、転居など)やストレス性の出来事(離別、死別など)に対して、順応するまでに様々な症状(抑うつ気分、不安など)を呈するものをいう。例としては、職場の勤務異動により、新しい部署の仕事や人間関係に慣れることができずに、苦悩や情緒不安定な状態が特続することが挙げられる。
摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。臨床場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。
【摂食障害の作業療法のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自身の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。
【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。